舞台は変わって100年後。
粋な乗馬服風の気の強い伯爵夫人が王子を中心とする狩りの休憩時にちょっとした踊りを披露。
上着を臣下に預けて、皆を先に行かせて思いにふける王子の前にリラの精が現れます。
そこは荊に覆われたあの城の前。
こげ茶で蔦の描かれたベージュのシンプルなロングドレスのドリアードが蠢いて、オーロラの幻影に近づこうとする王子を阻む様は、まるで人垣で作られた迷路のようです。
そこに現れるカラボスと手下たち。
シュツットガルトのカラボスの手下は落ち武者の髪型にゾンビのメイク、忍者のような動き・・でかなり不気味です(笑)カラボスは1,2幕の間天井から吊られていた幕のような黒布を、今度は手下に持たせて王子を絡めとるのに使用。ウエストの辺りに黒布を巻きつけられて舞台中央でぐったりとしながらリラとカラボスの対決を見る王子・・・バランキエヴィッチにはどうも似合いません(笑)
そうこうするうち、荊の向こうに姫を発見。連れ出して目覚めのキス、でカラボスは力を失い、宮廷が目覚めます。
面白いのは姫の近くで100年の眠りについた王や王妃、4人の王子たちが本当に寝起きっぽい様子なこと。
そのまま結婚式、となる版も多いのにハイデ版ではここでひと呼吸おきます。
第3幕・・・そう、この版はオーロラの目覚めまでが第2幕。
舞台は壮麗なダークレッドに。柱廊は大広間の趣です。
4人の求婚者であった王子たちはサリーの生地を使った衣装に着替えて賓客となり、王と王妃が2階部分のセンターに設えられた王座に着き、宴を見守ります。
豪奢な衣装の招待客(か、宮廷人の仮装か?)は物語の主人公たち。
白雪姫は7人の小人を連れて練り歩き、彼女を最後に、次から現れる客はディベルティスマンのパートに入ります。
金銀サファイア、ダイアモンド・・・所謂宝石の踊り、の場面は、アリババが宝石を献上・・という趣向に。
一層エキゾチックに華やかにするためか、全て色石。ソロはルビー、トロワはサファイア、アメジスト、エメラルド、です。
ここでのアリババはちょうど「海賊」のアリのように、上半身は裸のハーレムパンツ。ふんだんにソロが盛り込まれた振りですが、勤めるのがプリンシパルのアレクサンダー・ザイツェフ。
見た目マトヴィエンコ系の爽やかな容姿、テクニックはしっかりとしていて上半身を反ってジャンプする振りなど足先と頭が触れ合わんばかりのしなやかさ。素敵なダンサーです。
彼は1週間後に観る予定にしている「オネーギン」でのレンスキーでもあるんですよね。
楽しみが増えました
ルビーのマグダレーナ・ジギレウスカは準ソリストですが、アクセントの利かせ方溜め方に独特のクセがあって気を惹かれるところのあるダンサーです。プロローグの魔法の庭の精、でも拍手とブラボーをもらっていましたが、踊りを見ると、あぁあの彼女ね、と確認できるあたり、個性派でちょっと気になりました。
長靴を履いた猫と白い猫のアルマン・ザジャンとカタジナ・コジィルスカも準ソリスト。
コケティッシュですがなかなかに気の強い白い猫、長靴を履いた猫の頭をピシャッと打ったり、きれいに伸ばした脚にさわる長靴を履いた猫を叩いたり、と、そのたびに客席から笑いが。
とても芸達者な2人。ザジャンの跳躍の高さも好印象。
青い鳥のアレクサンダー・ジョーンズは高身長のせいかしなやかさは今ひとつ。
王女のヒョ-・チャン・カンはフレッシュで安定感があってよかったです。
そして主役2人のPDD.
バランキエヴィッチは・・・この人のジャンプの着地は時々本当にドスン、と大きな音がするんです。
マラーホフともルグリとも違うタイプですが、なぜかそれがあまり気にならない、独特のスケール感と存在感のある本当に面白いダンサー。王子の白にピンクやグリーンで胸元に刺繍の施された衣装がどうも違和感でしたが、見ごたえのある踊りを見せてくれました。
アマトリアンも後半どんどん調子を上げてきて非の打ち所なし。
成長した姫、を印象付けてくれました。
(写真の王子はフリーデマン・フォーゲルですね)
そんな人々の様子を柱廊の2階から眺めるカラボス・・・。
最後堂々たるPDDに、いかんともしがたし、と諦めてササッと姿を消す辺り意外とサッパリとした性格?
最初から最後まで、カラボスは舞台にいるのですね。
このハイデ版「眠り」はある意味カラボスの物語でもあるのでした。
うーん、バランキエヴィッチのカラボスも観たかった・・・。
粋な乗馬服風の気の強い伯爵夫人が王子を中心とする狩りの休憩時にちょっとした踊りを披露。
上着を臣下に預けて、皆を先に行かせて思いにふける王子の前にリラの精が現れます。
そこは荊に覆われたあの城の前。
こげ茶で蔦の描かれたベージュのシンプルなロングドレスのドリアードが蠢いて、オーロラの幻影に近づこうとする王子を阻む様は、まるで人垣で作られた迷路のようです。
そこに現れるカラボスと手下たち。
シュツットガルトのカラボスの手下は落ち武者の髪型にゾンビのメイク、忍者のような動き・・でかなり不気味です(笑)カラボスは1,2幕の間天井から吊られていた幕のような黒布を、今度は手下に持たせて王子を絡めとるのに使用。ウエストの辺りに黒布を巻きつけられて舞台中央でぐったりとしながらリラとカラボスの対決を見る王子・・・バランキエヴィッチにはどうも似合いません(笑)
そうこうするうち、荊の向こうに姫を発見。連れ出して目覚めのキス、でカラボスは力を失い、宮廷が目覚めます。
面白いのは姫の近くで100年の眠りについた王や王妃、4人の王子たちが本当に寝起きっぽい様子なこと。
そのまま結婚式、となる版も多いのにハイデ版ではここでひと呼吸おきます。
第3幕・・・そう、この版はオーロラの目覚めまでが第2幕。
舞台は壮麗なダークレッドに。柱廊は大広間の趣です。
4人の求婚者であった王子たちはサリーの生地を使った衣装に着替えて賓客となり、王と王妃が2階部分のセンターに設えられた王座に着き、宴を見守ります。
豪奢な衣装の招待客(か、宮廷人の仮装か?)は物語の主人公たち。
白雪姫は7人の小人を連れて練り歩き、彼女を最後に、次から現れる客はディベルティスマンのパートに入ります。
金銀サファイア、ダイアモンド・・・所謂宝石の踊り、の場面は、アリババが宝石を献上・・という趣向に。
一層エキゾチックに華やかにするためか、全て色石。ソロはルビー、トロワはサファイア、アメジスト、エメラルド、です。
ここでのアリババはちょうど「海賊」のアリのように、上半身は裸のハーレムパンツ。ふんだんにソロが盛り込まれた振りですが、勤めるのがプリンシパルのアレクサンダー・ザイツェフ。
見た目マトヴィエンコ系の爽やかな容姿、テクニックはしっかりとしていて上半身を反ってジャンプする振りなど足先と頭が触れ合わんばかりのしなやかさ。素敵なダンサーです。
彼は1週間後に観る予定にしている「オネーギン」でのレンスキーでもあるんですよね。
楽しみが増えました
ルビーのマグダレーナ・ジギレウスカは準ソリストですが、アクセントの利かせ方溜め方に独特のクセがあって気を惹かれるところのあるダンサーです。プロローグの魔法の庭の精、でも拍手とブラボーをもらっていましたが、踊りを見ると、あぁあの彼女ね、と確認できるあたり、個性派でちょっと気になりました。
長靴を履いた猫と白い猫のアルマン・ザジャンとカタジナ・コジィルスカも準ソリスト。
コケティッシュですがなかなかに気の強い白い猫、長靴を履いた猫の頭をピシャッと打ったり、きれいに伸ばした脚にさわる長靴を履いた猫を叩いたり、と、そのたびに客席から笑いが。
とても芸達者な2人。ザジャンの跳躍の高さも好印象。
青い鳥のアレクサンダー・ジョーンズは高身長のせいかしなやかさは今ひとつ。
王女のヒョ-・チャン・カンはフレッシュで安定感があってよかったです。
そして主役2人のPDD.
バランキエヴィッチは・・・この人のジャンプの着地は時々本当にドスン、と大きな音がするんです。
マラーホフともルグリとも違うタイプですが、なぜかそれがあまり気にならない、独特のスケール感と存在感のある本当に面白いダンサー。王子の白にピンクやグリーンで胸元に刺繍の施された衣装がどうも違和感でしたが、見ごたえのある踊りを見せてくれました。
アマトリアンも後半どんどん調子を上げてきて非の打ち所なし。
成長した姫、を印象付けてくれました。
(写真の王子はフリーデマン・フォーゲルですね)
そんな人々の様子を柱廊の2階から眺めるカラボス・・・。
最後堂々たるPDDに、いかんともしがたし、と諦めてササッと姿を消す辺り意外とサッパリとした性格?
最初から最後まで、カラボスは舞台にいるのですね。
このハイデ版「眠り」はある意味カラボスの物語でもあるのでした。
うーん、バランキエヴィッチのカラボスも観たかった・・・。
これ読みたかったんですよ~。
私の一番好きな「眠り」なので、
かえって人の感想を読むのは怖いですね。
批判だらけだと悲しい思いをしそうですし・・・
でも、かなり好印象!だったようで、安心しました~。
美術の美しさ、衣装の色など、本当に繊細で感動しますよね。
キャラクターの扱いも面白いし。
宝石の精の色の組み合わせに着目していらっしゃるので、
あ、着眼点が同じだ、と、ちょっと嬉しかったです。
あの色合わせ、ツボなんです。
フィリップ王子は、予想外に(失礼)若々しくて良かったです。
でもやはり、私はカラボス役の時の方が好きでした・・・(^^;
フリーデマンくんとマリインくんが美王子過ぎると言うのもあり;;;
フィリップさんのオネーギンを見たかったです~。
そして私の望みは、
このハイデ版のDVDを販売して~~~という事です~{ラブラブ}
そうでしたか~
そうそう、自分の好きなダンサー、作品についてのほかの方のご感想って
同じ目線だとそうそう!となりますし、全く違う解釈でもそれはそれで・・と
思いつつなんだか気になったりして。
まあでも見巧者の方のご意見で
え??と思うことはあまりありませんが・・・。
わたくしはシュツットガルトバレエそのものも相当好きでしたし
この公演、バランキエヴィッチ祭りにしてしまいましたが(笑)
マリイン・ラドメイカー、フォーゲルとそれぞれご覧になった方から
好感触の感想も伺って、あぁ、もっと他の配役の日もチケット取っておくのだった・・・とあとから思ったものでした{笑}{汗}
この眠り、とにかく全てのシーンが目に優しくて・・・いや、ソフト、という意味ではなくてそれぞれに工夫とセンスの良さと品が良いのにキワもある舞台ならではの華やかさを堪能できて、ここまで舞台そのものに満足できたプロダクションもあまりないかもしれません{キラリ}
あの凡庸なロイヤルの眠りとは対極ですね。
実は、バレエに親しんでいただきたいと、オペラ・クラシック音楽好きの友人をロイヤル、マラーホフ、それぞれの「眠り」にお誘いしたのですが、芸術に親しんでいる方であればシュツットガルトにこそ、お誘いすべきだったと!!
後から後悔したものですわ{涙}
映像、なんらかの形で残してありますよね、きっと。
DVD化わたくしも希望です~{止まるひよこ}