marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(466回目)余談:カズオ・イシグロのノーベル賞記念講演に関して

2017-12-12 06:46:15 | 日記
 作家、村上春樹さんのファンの方はごめんなさいです。僕のブログを読まれて来られた方は、ノーベル文学賞は村上春樹は貰えない、それは、数年前、新聞記事を読んでそう思った、と書いたことがありました。それは、日本の巷でノーベル文学賞、次は村上春樹では?と言われ続けていたときでありました。
◆今回、カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞講演の記事が地方新聞に掲載されたのでその答えを(あくまでそう推論していた僕なりの単純な答えですから確認のしようがありませんのでぼかしてますけれど)を掲載します。
***カズオ・イシグロ、講演のタイトルは「わたしの20世紀の夕べ - そしてささやかな発見」***
 『「大切なのは物語が感情を伝えることであり、国境がや分断を越えて人間が共有するものに訴えかけるということだ」と語った。イシグロ氏は、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の舞台になったアウシュビッツ強制収容所への1999年の訪問が、作品で書き続けた「記憶」という主題を発展させ、国家が負の歴史とどう向き合うのかという大きな問いにつながる転機だったと明かした。』****(答えはここにあります。数年前の新聞の記事とは、村上春樹さんがかの地(確かイスラエル)に招かれて講演を行った記事を読んだ内容でした。後は人類は何処を目指して生きているのだろうか、などと考えながら推論して見てください。2017年、イスラエルの首都をエルサレムにする、とアメリカのトランプ大統領。・・・人類よ考えよ!そういう時代になった。核(兵器)廃絶にしても「終わりの始まり」が全世界の人類に分かるようになって来た時代に入ったということだと思われます。)
◆世界のベストセラー”聖書”を拡散的に語ってきてどうしても、現実の悲惨な歴史、過去を観念的に思い、ご都合主義で自己肯定して、安穏としている(ように見える)僕らにとって、このような歴史の悲惨の普遍性と、それからの新たな今を生きている僕らの、そしてこれからの自己のありようの自己発見を今も彼らの歴史から何を学ぶか、肯定も否定も含めて、は(話は大きくなりますが)人類にとって僕の考える”これからの”新しい人間”にとってどうしても避けてとおれない課題となっていると思うからです。(しかし、この国はこれを避けている。それを支える強靱な思考の土台の育成を拒んで、感情的、情緒的、光を見て陰を忘れようとする・・・※東京駅前広場の改装、”平和の像”があると<男性が両手を空に広げて、礎には「愛」と大きく刻まれている>。日本、アジア諸国での戦争犠牲者の為に建てられたとか、戦争責任云々を問われる事を避けて公にされていなかったとか。NHKニュース、アナウンサーの私でも存在を知りませんでしたと。この国は思想面においてはこういう国なのだ、今のところ・・・)
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◆◆イシグロ氏講演のキーフレーズとして(地方紙では英文と共に掲載)
◎小説の中で私にとっての日本を築き直したいと思った。
◎私にとって大切なのは物語が感情を伝えるということだ。物語は国境や分断を越え、人間が共有するものに訴えかけるということだ。
◎私たちを鼓舞し、導く若い世代の作家たちに目を向けている。今は彼らの時代だ。
◎私たちは多様であらねばならないと私は信じている。
◎分断が危険なまでに深まる時代、私たちは耳を澄まさなければならない。良い作品を書き、読むことで壁は打ち壊される。
◆で、若い世代の紹介 中村文則 「R帝国」・・・民主主義を装っても、実態は全体主義国家だ、と文芸インタビュー・・・
 ここで、ブログで紹介したユダヤ人女性哲学者ハンナ・アーレントが語った「全体主義の起源」に戻って来るのです。考えることをやめるとき、凡庸な「悪」に囚われる、と彼女は言った。・・・ Ω