記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

もうすぐ生還、世界一周と初三郎トレース図

2007年03月27日 21時59分28秒 | 吉田初三郎
 第2・第4火曜日は朝7時からの共創マーケティング研究会と
いう勉強会に出席している。独立前からだから、もうすぐ10年
目に入る。座長は石村萬盛堂の石村社長、毎回10~20名の参
加で映像を観たあとに懇話形式で様々な意見交換を交わす。

 主参加メンバーのうち、栢野氏は昨年4月から家族で世界一周
行脚の旅に出掛けていて、もうすぐ日本に帰ってくる。小学生の
息子2人を一年休学させて、奥さんと4人での冒険旅行。盗難に
あったり危険なことも多々あったようだが、その様子はブログで
伝わってきている。帰ってきてからの土産話も楽しみだ。
http://blog.livedoor.jp/kaya0169/

 海外といえば吉田初三郎も東アジア中心に、当時の外地である
樺太・満州・台湾・朝鮮半島・中国大陸などを満遍なく踏査し作
品を残している。当時は日本郵船や大阪商船など客船での船旅で
あった。

 今日掲載した鳥瞰図は、吉田初三郎晩年の絵葉書「中越自動車
観光鳥瞰図」の直筆トレース図である。同じサイズの絹本着色原
画が別にあり、製版でこの図を重ねて印刷へまわされる。

 これまでトレース図の存在が不明だったため、原画と印刷物で
落款の位置や図の詳細が違うと研究者から言われてきたが、その
謎がこれらトレース図で全て明らかになった。印刷の黒線画およ
び文字はすべてこのトレース図から使用され、落款も同様である。

 トレース図は絹本原画と同じサイズ。つまり横3mの原画であ
ればトレース図も同じサイズだ。トレーシングペーパーという製
図やデザイン作成等に使用されていた薄い紙に製図ペン(たぶん
丸ペン)で描かれており、その手法は現代の絵地図作家・村松昭
さんの手法と奇しくも全く同じである。村松氏も結果としてこの
方法に行き着いたと語っていた。

 この図は、先日も能登半島の地震の影響で震度5を記録した、
新潟県長岡市や小千谷などが描かれている。中越自動車沿線の観
光地、温泉地、スキー場などが細かく記載されていて、実際の絵
葉書以上に観ていて楽しい。

 大きさもA3サイズ程度で、今度この図を画用紙にプリントし、
「大人のぬり絵」を楽しもうと考えている。この図以外にもこの
絵葉書シリーズ全てのトレース図、炭坑最盛期の田川市、そして
東国原知事の出身地・都城市などがあるのだが、その多くは3m
を超えるような大きな図で、さずがにぬり絵には向かない(笑)。

 研究家のK氏はつい先日、同じくトレース図「浦和市」「川口
市」「大宮市」「伊勢崎市」を手に入れたそうだ。さいたま市で
初三郎の企画展が開催されるとのことで、そこに展示されるよう
なのでぜひ観に行きたいと思っている。原画と一緒に展示できれ
ば、さらに解説も可能となり興味が増しそうだ。
 

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