不思議なものだなあ・・・

　私が使うパソコンの壁紙は、昔飼っていた猫によく似た子猫の寝ている姿にしている。　可愛い顔をして今にも何か声が聞こえてきそうな気配。　鼻の部分はちょっぴりザラザラしっとり感があり、足の裏の肉球はプニプニする。　もうそうした実際の感触を味わうチャンスはないのだが、あの独特の感触は不思議に覚えている。　肉球は猫の性格を表すとか・・・。　あの感触が好きで触っていたなあ・・・。　もう50年くらい前なのに・・・。

　昨日近くにある公園を散歩していると、ちょうど主人のようにメガネをかけて、小さな女の子を２人つれた父親らしい人が一生懸命にお譲ちゃん達を遊ばせておられた。　不思議にその子たちが着ているジャケットがわが家の娘たちが幼いころに着せていたものと似ていた。　そのため遠くから見るとまるで主人と娘たちがそこにいるような感覚になり、微笑ましくて、ついつい眺めながらの散歩となった。　遠いので顔は全く見えないのだが、なぜか主人や娘たちの顔がそこには重なる。

　不思議なものだ。　人の感覚は遠い昔の感覚、感触をも思い起こさせる。


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