チェロ奏者の憂鬱。。。

チェロ弾きの安野英之です。
演奏のほかアマチュアオーケストラ指導・指揮、音楽高校の非常勤講師などしています。

梅雨と共存

2021-05-19 | チェロ
高温多湿な日本でヨーロッパの楽器を演奏するということはなかなか大変。

逆に日本製のピアノが海外で愛用されているのは、この湿度でも楽器が良く鳴るから乾いたヨーロッパの気候ではさらに良く鳴るらしい。
弦楽器はヨーロッパの楽器なので、むこうの気候がベストなわけで、輸入して日本に馴染めず鳴りが鈍くなるものもあるとかないとか・・・
それでも私たちは弾いていかねばならず、この梅雨と共存しています。

傘をさしてながら持ち運びは大変だし、雨の日は楽器は鳴らない・・・
そんなことはお客さんには関係ないわけで、少しでも良い音を出すべくいろいろ工夫をしています。

私は湿気が多いなという日はティッシュで弦と指板を良く拭いてから音を出すようにしています。
布で拭くのも悪くないけど、布も湿っている気がするしティッシュは捨てるだけで良いし、なにより思ったより指板きたないし(苦笑)
ケース内に湿度計や乾燥剤を入れている仲間もいますが、私はそこまではしていません。

そして雨の日は経験上ウルフ(ヴォルフ)も多くなるので、弓圧や弓のスピードも(それなりに)考えて弾きます。
*ヴォルフトーンとは?→こちら

弦楽器でいえば、雨の日に渋い響きの調性(フラット系)はより渋く響きます(要は響きが鈍い)。
逆にシャープ系のカラッとした曲を演奏するには大変で、弾き方はもちろん変えますが、ホールの湿度を飛ばすために少し寒いくらいに温度を設定する場合もあります。

逆をいえば雨の日でも全く苦にしない演奏家もいます。
その演奏家はどんな工夫をしているのか?
ぜひ雨の日もホールへ足を運んでいただき、弦楽器奏者の工夫を探してみてください。
こだわっている人、なにもしていないのにできちゃう人、いろいろいますので。。。

天理オケの練習風景(ヴィヴァルディ:調和の霊感)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする