本朝徒然噺

着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

おすすめ!

2004年11月21日 | 着物
着物雑誌「家庭画報特選 きものサロン」を、昨日さっそく買ってきて読んだ。

この雑誌は、着物初心者から中・上級者まで、幅広い層を視野に入れているようで、これから着物を着たいという若い方が読むのにも向いていると思う。

特に、昨日発売された最新号「2004-2005冬号」は、オススメである。

まず、メインの特集として組まれている「私の予算別きもの揃え」。

この特集のなかでも特におすすめの記事は、人気呉服店にきく「呉服店とのつきあい方ときものの揃え方」。初心者にとって知りたい情報が、現実に即してわかりやすく解説されている。
本当にこれから着物を買うことを考えている人なら、これは必読!

また、この特集では、「10万円以内」から「80万円以上」まで、予算別に、きものと帯の組み合わせや取扱呉服店が紹介されている。(ちなみに、この価格には「仕立て代」は含まれていないので、要注意。プレタ着物や「お誂えお仕立て込み」と書かれている着物以外は、着物・帯それぞれに仕立て代がかかる)

実際には、専門店と百貨店では小売価格も多少ちがうと思うので、これを参考にして呉服店や百貨店、インターネットなどで似たようなイメージの着物や帯を探し、お買い得な品物を見つける、という方法もあるだろう。もちろん、「これが欲しい!」という商品が掲載されていれば、それを取り扱っているお店に行ってみるもよし。

「着物と帯で最低でも10万くらいかかるなんて、私には高すぎるわ」という方もいらっしゃるかもしれないが、「こういう着物だと、普通はこれくらいの値段なんだな」というのをきちんと理解しておくことは、大切である。
そうすれば、実際に着物を選ぶ時に「この着物がこの価格で売られているのは安くてお買い得」とか「この着物でこの値段は高いんじゃない」というのがわかる、つまり、「品物を見る目」が培われていくのだ。そうなると、それなりに良い品をもっと安く買えることも出てくる。

着物の値段は、「絶対値」ではなく「相対値」で考えるようにしなければならない。
つまり、たとえば10万円の品物があったとして、いきなり値札だけ見て「10万円なんて高い」と思うのではなく、品物をよく見比べてみて「この品で10万円なら安い」「この品で10万円は高い」「この品で10万円なら普通」というように、常に相場と比較して考えるようにしないといけない。
良い品がお買い得ならラッキーだし、とても良い品で「これは絶対にほしい」と思えば、相場と同じ価格でも買うだろうし。

いずれにしても、「着物はたしかにお金がかかるもの」ということは覚悟しておきましょう(笑)。
なぜなら、着はじめると次々にそろえなければならないものが出てくるので。
たとえば、冬のさなかにショールをはおっただけで歩いている人を見ると、着物を着慣れている人からみると寒々しく、「あの人はコートを持っていないのかしら……」と心配されてしまう。洋服で真冬にコートなしで歩かないのと同じで、着物を着る時にも冬はコートがあったほうがよい(振袖の場合は不要)。正絹の道行コートがまた結構高いんだ、これが……(苦笑)。
自分の懐具合と相談しながら、無理のないよう、きちんと計画を立てて買い揃えていくようにしましょう。
もちろん、一気に揃えなくても、お母さまなどから譲り受けたものがあれば、必要に応じて寸法直しをして着ることもできる。それが着物のいいところである。

そのほか、お正月のお出かけや茶席などにふさわしい装いといった中・上級者向けの情報も、初心者のみなさんには「正統派の装い」を知るうえで(=NGな装いを知っておき、恥をかかないようにするために)役立つと思う。

しかも!
付録には、ポケット判の「一人でできる着付けと帯結び」という冊子がついているのである。
これは、初心者のみなさんが旅行先で着物を着たい時などに使えそうである。