1月3日、歌舞伎座へ行きました。今年の「初芝居」です。
これまでにもお伝えしたとおり今月の歌舞伎座は、先月の京都・南座に続いての、中村鴈治郎改め坂田藤十郎襲名披露興行です。
初春興行なので、歌舞伎座の前には大きな門松が立てられ、繭玉も飾られて、お正月らしい雰囲気になっています。
夜の部の開場を待っていると、歌舞伎座前には着物姿の女性がたくさんいらっしゃいました。
お正月なので、訪問着をお召しの方もたくさんいらっしゃいます。
振袖姿のお嬢さんもちらほらと見られました。若い方の振袖姿は、その場の雰囲気を華やかにしてくださって、本当に良いものです。
お正月だし、坂田藤十郎襲名披露興行だし、今回はフンパツして桟敷席をとりました。
といっても、1等席と2000円しか差がないので、お茶が用意されていてテーブルがあってゆったり座れることを考えると、お得だと思います。
場内に入ってまず目に入ってきたのは、藤十郎襲名の祝幕。
南座で使われていた祝幕と同じ色ですが、藤十郎丈の定紋「星梅鉢」と替紋「向かい藤菱」の配置が微妙に異なり、背景には祇園祭の鉾や葵祭の牛車が描かれています。
![坂田藤十郎襲名の祝幕](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d6/eb291a4aab319ea1816b7ba9da78dcd8.jpg)
場内の提灯も、普段は歌舞伎座の紋「鳳凰丸」が描かれているものが使われていますが、今回はそのなかに「星梅鉢」の提灯も混じっています。
至るところに繭玉が飾られ、お正月ムードも満点でした。
![星梅鉢の紋の提灯](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/78/fbffe77fa7f74c0df53862bf2b2a6255.jpg)
![歌舞伎座の場内に飾られた凧と繭玉](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/8c/c6b5dce4a21c5c683700bf9e279df486.jpg)
2階ロビーには、南座の時と同様「紙衣」が展示されていたほか、祝幕の箱(下の写真)も飾られていました。
![坂田藤十郎襲名祝幕の箱](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/6e/c0af35f291d35db560930619adda7ee5.jpg)
場内の華やいだ雰囲気を味わっているうちに、いよいよ開演です。
1幕目は「藤十郎の恋」。
初代坂田藤十郎のことを題材にしたお芝居で、菊池寛の同名小説をもとに作られ、大正8年に初代中村鴈治郎によって初演されました。
中村鴈治郎家の「家の芸」である「玩辞楼十二曲」の一つです。
今回、初代藤十郎の役を演じるのは中村扇雀丈。
お父様である3代目中村鴈治郎丈が坂田藤十郎を襲名され、「成駒屋」から「山城屋」に移ったため、関西の「成駒屋」は中村翫雀丈・扇雀丈のお二人がしょって立たなければなりません。
「藤十郎の恋」でも、扇雀丈の姿からその気概が感じとれました。
2幕目は、坂田藤十郎襲名披露の「口上」。
南座に引き続き中村雀右衛門丈を筆頭に、幹部俳優がずらりと並んでの口上です。
今月は、藤十郎丈のお孫さんである中村壱太郎くんと中村虎之介くんも列座していました。
口上は、華やかでおめでたくて、何度観ても気持ちの良いものです。
2幕目の後が食事の幕間です。
開演前に予約しておいた「襲名弁当」を、歌舞伎座内の食堂でいただきました。
襲名を祝うおめでたい献立で、坂田藤十郎襲名記念の「一筆箋」もついています。この一筆箋が欲しくて予約しました(笑)。
お弁当を食べ終わった直後に、開演5分前を知らせるブザーが鳴ったので、急いで席に戻りました。
ロビーでお土産も見てみようと思ったのですが、断念しました。
3幕目は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」。
人形浄瑠璃の演目を題材にした「丸本歌舞伎」のなかでもとりわけ有名な作品です。
今回は「御殿」「床下」の2場が演じられました。
お家騒動の渦中、若君・鶴千代を必死で守ろうとする乳母・政岡を、藤十郎丈が演じます。
政岡の息子で政岡とともに若君の側に仕える千松を、中村扇雀丈のご長男・中村虎之介くんが演じます。虎之介くんは、これが「中村虎之介」としての初舞台となります。
毒殺をおそれて、他の者が持ってきた食べ物は絶対に若君に食べさせない政岡。
若君と千松の食事は、政岡自らが米をといで作っています。
お腹をすかせた若君と千松をなだめながら米をといで炊く「飯炊き(ままたき)」の場面は、このお芝居の見どころの一つ。
健気に空腹に耐え、ご飯が炊けるのを待つ千松と若君の姿が、とてもかわいらしかったです。
千松を演じる虎之介くんは、一つ一つ丁寧な表情や所作で、役の心を見事に表現していました。行く末が楽しみです。
鶴千代役の中村鶴松くんも、幼いながらも主君の風格を備えた若君を見事に表現していました。
子どもというのは、本当に大きな可能性を秘めているなあ……と感心しました。
続く「床下」の場では、中村吉右衛門丈が荒獅子男之助、松本幸四郎丈が仁木弾正(にっきだんじょう)を演じ、藤十郎襲名披露のお芝居に花を添えました。
御殿の床下で忠臣・男之助が、仁木弾正が化けたネズミを捕まえ「あら、怪しやな~!」と叫ぶ場面は有名です。
前の「御殿」の場からこの「床下」の場に移る時の舞台転換も、歌舞伎ならではの手法で見応えがあります。
4幕目は「島の千歳(しまのせんざい)」「関三奴(せきさんやっこ)」の舞踊二本立てです。
「島の千歳」は中村芝翫丈が踊る予定だったのですが、病気休演のため中村福助丈が代わりを務めます。丁寧に踊っておられて、ご祝儀舞踊の品格がとてもよく表されていたと思います。
「関三奴」を踊るのは中村橋之助丈と市川染五郎丈。橋之助さんの踊りは丁寧かつ軽快で、とてもきれいでした。染五郎さんの若さあふれる踊りとの調和で、大喜利にふさわしい華やかな舞踊に仕上がっていたと思います。
お正月休みの締めくくりに、初春興行と襲名披露興行が重なった歌舞伎座でおめでたい雰囲気を堪能でき、大満足でした。
<本日のキモノ>
12月23日に南座で観劇した時と同じコーディネートです。
大みそかに結った日本髪が残念ながらこの日までもたなかったのですが、せっかく桟敷もとったのだし……と思い、3日から営業している美容院で新日本髪を結っていただきました。
![新日本髪](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/7f/75e0555b5d00fde7984ae63b6c253046.jpg)
![新日本髪(後ろ)](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/21/3abb6ab7463ea87b1392132340537b48.jpg)
今回結っていただいたのは、浅草の美容院です。日本髪も結えるお店ですが、翌日から仕事だったので、くずしやすくて結髪料も安い新日本髪にしました。
「新日本髪」というと「日本髪を現代風にアレンジした髪型」と考えておられる方が多いようですが、実はそうではないのです。形の違いではなく、結い方の違いなのです。
新日本髪は、鬢付けや「かもじ」を使わず、「逆毛」を立てることによって髪にボリュームを出しながら形を作っていきます。
それに対して、いわゆる古典的な「日本髪」の場合は逆毛は立てません。
今回結っていただいたのも、結い方は「新日本髪」ですが形は古典的でした。
浅草のお店だけあって、形はやはり江戸風でした。
前髪は大きくて前にせり出し、鬢(びん:顔の横の部分の髪)も大きく作られています。
大みそかに結っていただいた京風の髪型とは、かなり違いがあります。
美容院に着いた時、ちょうど日本髪の結い直しにいらしていた方を見かけたのですが、芸者さんのカツラのような本格的な島田で、粋な感じでした。
江戸風の髪型もいいのですが、背の高くない私にはいささか大きすぎたかもしれません(ウルトラの母みたいになってしまう)……。やっぱり京風の小ぶりな形のほうが、自分には合っている気がします……。
歌舞伎座の前に早めに着いて写真を撮っていたら、外国人観光客の団体さんが乗った「はとバス」が到着し、「写真を撮らせてください」攻勢にあいました(笑)。でも、みなさんとても喜んでくださっていたので、うれしかったです。
これまでにもお伝えしたとおり今月の歌舞伎座は、先月の京都・南座に続いての、中村鴈治郎改め坂田藤十郎襲名披露興行です。
初春興行なので、歌舞伎座の前には大きな門松が立てられ、繭玉も飾られて、お正月らしい雰囲気になっています。
夜の部の開場を待っていると、歌舞伎座前には着物姿の女性がたくさんいらっしゃいました。
お正月なので、訪問着をお召しの方もたくさんいらっしゃいます。
振袖姿のお嬢さんもちらほらと見られました。若い方の振袖姿は、その場の雰囲気を華やかにしてくださって、本当に良いものです。
お正月だし、坂田藤十郎襲名披露興行だし、今回はフンパツして桟敷席をとりました。
といっても、1等席と2000円しか差がないので、お茶が用意されていてテーブルがあってゆったり座れることを考えると、お得だと思います。
場内に入ってまず目に入ってきたのは、藤十郎襲名の祝幕。
南座で使われていた祝幕と同じ色ですが、藤十郎丈の定紋「星梅鉢」と替紋「向かい藤菱」の配置が微妙に異なり、背景には祇園祭の鉾や葵祭の牛車が描かれています。
![坂田藤十郎襲名の祝幕](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d6/eb291a4aab319ea1816b7ba9da78dcd8.jpg)
場内の提灯も、普段は歌舞伎座の紋「鳳凰丸」が描かれているものが使われていますが、今回はそのなかに「星梅鉢」の提灯も混じっています。
至るところに繭玉が飾られ、お正月ムードも満点でした。
![星梅鉢の紋の提灯](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/78/fbffe77fa7f74c0df53862bf2b2a6255.jpg)
![歌舞伎座の場内に飾られた凧と繭玉](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/8c/c6b5dce4a21c5c683700bf9e279df486.jpg)
2階ロビーには、南座の時と同様「紙衣」が展示されていたほか、祝幕の箱(下の写真)も飾られていました。
![坂田藤十郎襲名祝幕の箱](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/6e/c0af35f291d35db560930619adda7ee5.jpg)
場内の華やいだ雰囲気を味わっているうちに、いよいよ開演です。
1幕目は「藤十郎の恋」。
初代坂田藤十郎のことを題材にしたお芝居で、菊池寛の同名小説をもとに作られ、大正8年に初代中村鴈治郎によって初演されました。
中村鴈治郎家の「家の芸」である「玩辞楼十二曲」の一つです。
今回、初代藤十郎の役を演じるのは中村扇雀丈。
お父様である3代目中村鴈治郎丈が坂田藤十郎を襲名され、「成駒屋」から「山城屋」に移ったため、関西の「成駒屋」は中村翫雀丈・扇雀丈のお二人がしょって立たなければなりません。
「藤十郎の恋」でも、扇雀丈の姿からその気概が感じとれました。
2幕目は、坂田藤十郎襲名披露の「口上」。
南座に引き続き中村雀右衛門丈を筆頭に、幹部俳優がずらりと並んでの口上です。
今月は、藤十郎丈のお孫さんである中村壱太郎くんと中村虎之介くんも列座していました。
口上は、華やかでおめでたくて、何度観ても気持ちの良いものです。
2幕目の後が食事の幕間です。
開演前に予約しておいた「襲名弁当」を、歌舞伎座内の食堂でいただきました。
襲名を祝うおめでたい献立で、坂田藤十郎襲名記念の「一筆箋」もついています。この一筆箋が欲しくて予約しました(笑)。
お弁当を食べ終わった直後に、開演5分前を知らせるブザーが鳴ったので、急いで席に戻りました。
ロビーでお土産も見てみようと思ったのですが、断念しました。
3幕目は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」。
人形浄瑠璃の演目を題材にした「丸本歌舞伎」のなかでもとりわけ有名な作品です。
今回は「御殿」「床下」の2場が演じられました。
お家騒動の渦中、若君・鶴千代を必死で守ろうとする乳母・政岡を、藤十郎丈が演じます。
政岡の息子で政岡とともに若君の側に仕える千松を、中村扇雀丈のご長男・中村虎之介くんが演じます。虎之介くんは、これが「中村虎之介」としての初舞台となります。
毒殺をおそれて、他の者が持ってきた食べ物は絶対に若君に食べさせない政岡。
若君と千松の食事は、政岡自らが米をといで作っています。
お腹をすかせた若君と千松をなだめながら米をといで炊く「飯炊き(ままたき)」の場面は、このお芝居の見どころの一つ。
健気に空腹に耐え、ご飯が炊けるのを待つ千松と若君の姿が、とてもかわいらしかったです。
千松を演じる虎之介くんは、一つ一つ丁寧な表情や所作で、役の心を見事に表現していました。行く末が楽しみです。
鶴千代役の中村鶴松くんも、幼いながらも主君の風格を備えた若君を見事に表現していました。
子どもというのは、本当に大きな可能性を秘めているなあ……と感心しました。
続く「床下」の場では、中村吉右衛門丈が荒獅子男之助、松本幸四郎丈が仁木弾正(にっきだんじょう)を演じ、藤十郎襲名披露のお芝居に花を添えました。
御殿の床下で忠臣・男之助が、仁木弾正が化けたネズミを捕まえ「あら、怪しやな~!」と叫ぶ場面は有名です。
前の「御殿」の場からこの「床下」の場に移る時の舞台転換も、歌舞伎ならではの手法で見応えがあります。
4幕目は「島の千歳(しまのせんざい)」「関三奴(せきさんやっこ)」の舞踊二本立てです。
「島の千歳」は中村芝翫丈が踊る予定だったのですが、病気休演のため中村福助丈が代わりを務めます。丁寧に踊っておられて、ご祝儀舞踊の品格がとてもよく表されていたと思います。
「関三奴」を踊るのは中村橋之助丈と市川染五郎丈。橋之助さんの踊りは丁寧かつ軽快で、とてもきれいでした。染五郎さんの若さあふれる踊りとの調和で、大喜利にふさわしい華やかな舞踊に仕上がっていたと思います。
お正月休みの締めくくりに、初春興行と襲名披露興行が重なった歌舞伎座でおめでたい雰囲気を堪能でき、大満足でした。
<本日のキモノ>
12月23日に南座で観劇した時と同じコーディネートです。
大みそかに結った日本髪が残念ながらこの日までもたなかったのですが、せっかく桟敷もとったのだし……と思い、3日から営業している美容院で新日本髪を結っていただきました。
![新日本髪](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/7f/75e0555b5d00fde7984ae63b6c253046.jpg)
![新日本髪(後ろ)](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/21/3abb6ab7463ea87b1392132340537b48.jpg)
今回結っていただいたのは、浅草の美容院です。日本髪も結えるお店ですが、翌日から仕事だったので、くずしやすくて結髪料も安い新日本髪にしました。
「新日本髪」というと「日本髪を現代風にアレンジした髪型」と考えておられる方が多いようですが、実はそうではないのです。形の違いではなく、結い方の違いなのです。
新日本髪は、鬢付けや「かもじ」を使わず、「逆毛」を立てることによって髪にボリュームを出しながら形を作っていきます。
それに対して、いわゆる古典的な「日本髪」の場合は逆毛は立てません。
今回結っていただいたのも、結い方は「新日本髪」ですが形は古典的でした。
浅草のお店だけあって、形はやはり江戸風でした。
前髪は大きくて前にせり出し、鬢(びん:顔の横の部分の髪)も大きく作られています。
大みそかに結っていただいた京風の髪型とは、かなり違いがあります。
美容院に着いた時、ちょうど日本髪の結い直しにいらしていた方を見かけたのですが、芸者さんのカツラのような本格的な島田で、粋な感じでした。
江戸風の髪型もいいのですが、背の高くない私にはいささか大きすぎたかもしれません(ウルトラの母みたいになってしまう)……。やっぱり京風の小ぶりな形のほうが、自分には合っている気がします……。
歌舞伎座の前に早めに着いて写真を撮っていたら、外国人観光客の団体さんが乗った「はとバス」が到着し、「写真を撮らせてください」攻勢にあいました(笑)。でも、みなさんとても喜んでくださっていたので、うれしかったです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
私は「やりたいけどやれない…」って思ってる方なので。着物を着て、ちょっぴり日本の風習を取り入れるのが精一杯です(笑)
私も歌舞伎やら落語やらが大好きなので、また遊びに来ますね。よろしくお願いします。
日本髪はなかなか奥が深いので、すっかりハマってしまいました(笑)。年齢に応じていろいろな髪型があるので、これからも細く長く楽しんでいければいいな、と思っています。
私が毎年お正月にお世話になっている美容室(京都の結髪師・石原哲男先生のお弟子さんのお店で、東京のお店なのに京風の結髪をしてくださるんです♪)では、お子さんの七五三の時に、ご自分もミセスの髪型を結って楽しまれたお母さまもいらっしゃったそうです。そういう楽しみ方も素敵ですね~。
京都には日本髪を結ってくださる美容室が何軒もあるので、関西の方がうらやましいです……。
たかねえ様も、機会があればぜひ!(石原哲男先生の「美容室やまと」は、一般の方の髪も結ってくださいますよ♪)
とりとめのないことをつらつらと書いているブログですが、これからもぜひお越しいただければ幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
使わなくなってしまって、結局栄御前はいい人だったのかな
それとも敵役だったのは判然としませんでした。
それでも、私なりの楽しみ方でみてました。
筋書きも来週あたりになれば写真が入りそうな予感なので
宝塚の後にでも歌舞伎座寄って帰ろうかと思ってます。
kimono@off04-2.html" rel="nofollow" target=_blank>http://www.eonet.ne.jp/~umetaka/kimono@off04-2.html
雪お見舞い申し上げます!気をつけてお出かけださい。お履きもののこと拝読。。
古い市場にはこういうものがちゃんとあってうれしいですね。
伽羅先代萩は、「見取り」だとたしかにわかりにくいところがありますよね。
栄御前は若君の暗殺を企てようとする側の人間なのですが、わが子を目の前で殺されても動じない政岡を見て、「あんなに平然としていられるのは、きっと若君と千松を取り替えていたから(=死んだのは若君)に違いない。ということは、政岡も自分たちの同志なんじゃないか」と勝手に勘違いをするんです。で、政岡に心を許して、若君に対する謀反を企てる者たちの連判状を政岡に渡してしまうんです。
政岡にしてみれば思わぬところで証拠の品を得ることになり(その連判状は結局、仁木弾正が化けたネズミに持ち去られてしまうのですが)、自ら命を落として若君を守ったうえに連判状の入手に至る大きなきっかけを作った千松を「でかしゃった」とほめるんですね。武家の女性の強さと悲しさというのが、よく伝わってくる台詞だなあ……と思います。
時代物の場合、化粧や衣装で「正義」と「悪」を分けていたりするので、その辺に注目してみてもおもしろいかもしれませんね。
……と、自己流の大ざっぱな解説ですが(^^;
でも、歌舞伎って不思議と、筋が完全につかめなくても何となく雰囲気で感じ取れて、感動できますよね。
それはそうと、筋書に舞台写真が入るのが、最近ちょっと遅くなりましたよねぇ……。以前は15日ごろになると入ってたのに、最近は20日前後にならないと入らない……(涙)。
興行の後半になってから舞台写真入りの筋書だけ買いに切符売り場に出向くこともあります(笑)。
ブラウザにURLをコピーペーストして、バッチリ飛んで行けました!
ほかのお写真にも、ついつい見入ってしまいました。
みなさんのお着物、本当に素敵ですね~。ひそかにお手本&目標にしています(^^)
雪のこと、ご心配ありがとうございます。
朝起きたら、すでに屋根や木の上に積もっていたのでびっくりしました。
昨日、雨&雪用草履を買っておいて、本当によかったです……。
午後になると東京23区内でも歩道や道路に雪が積もり、雨&雪用草履の本領発揮でした(笑)。雪の上でも滑りにくく、なかなか歩きやすかったです。
髪を結ったお姿が、ちらりと見えたので、もしかしたらと思いましたが、人ごみで近寄れず、挨拶できませんでした。昨年、初めてお目にかかった国立劇場の仕初式も3日だったなあと感慨深くなりました。
藤十郎丈は、つややかな若さが印象的でした。政岡はいつもつんつんして嫌な役だとしか思わなかったのですが、今回藤十郎丈で初めて母親らしい情感を感じました。
今年もブログを拝見するのを楽しみにしております。よろしくお願いします。
おひさしぶりです。コメントありがとうございます!
何と、サワダさまも3日に観劇しておられたのですね~!
やはり何かのご縁、何だかとてもうれしいです
藤十郎丈、ほんとに「つややかな若さ」という表現がピッタリですよね~! 藤十郎丈が演じる役って、心情がほんとによく伝わってきますよね。さまざまなインタビューで「役の心を大切にして演じる」ということをおっしゃっていましたが、まさにそれを実践されているなあ……と感服してしまいます。
今年も歌舞伎座でお目にかかれるのを楽しみにしております
本年もどうぞよろしくお願いいたします。