本朝徒然噺

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白鷺の舞・東京時代祭

2004年11月03日 | 伝統文化あれこれ
浅草寺で「白鷺の舞」の奉納が行われた。

現在の「白鷺の舞」は、浅草寺絵巻の祭礼行列の中に描かれている、平安時代の「鷺舞」をもとにして、昭和43年11月に作られたものである。
毎年秋のこの時期と春の年2回、奉納されている。

その後午後から、やはり浅草で、「東京時代祭」が行われた。
京都の時代祭の浅草(江戸)版といった感じで、浅草寺の起源を筆頭に、在原業平の東下りから、源頼朝や北条政子、徳川家康をはじめとする歴史上の人物、江戸歌舞伎の登場人物、「白鷺の舞」や「金龍の舞」といった浅草寺ゆかりの舞、浅草芸者などが行列をなすというものである。
浅草の芸者さんたちは、黒の揃いの「出の衣装」で並び、ところどころで「浅草名物」という舞を披露していた。

浅草の花柳界では今、「お座敷遊び入門」などと題して、一見さんでもお座敷遊びを体験できる機会が設けられている。また、芸者さんたちの踊りを観られるイベントも時々ある。
「一見さんおことわり」というと京都の花街の専売特許のように思われているが、東京の花柳界も基本的に「一見さんおことわり」である。
むしろ最近では、京都のほうが一見さんへの門戸が開かれているくらいだ。東京ではまだまだ門戸が開かれていないが、そのなかで浅草は、少し進んでいるようだ。
蛇足だが、芸者さんがいる街のことを京都では「花街(かがい)」と言い、東京では「花柳界(かりゅうかい)」と言う。また、芸者さんと遊ぶお座敷のある場所も、京都では「お茶屋」だが、東京では「料亭」である。


話を戻して、この「東京時代祭」は毎年行われているようだが、台東区の宣伝があまり行き届いていないのか、見物客は意外と少なかった。浅草の近くに住んでいる人でも、このイベントの存在を知らない人が結構いたようである。
ゆったりと見物できたのはよかったが、もう少し宣伝してもよさそうなのになあ、と思った。
また、プログラムでは「花魁道中」が行われる予定になっていたのだが、それがなかったので残念だった。いちばんの目玉という感じなので楽しみにしていたんだけどなあ……。

でもまあ、芸者さんたちのきれいな姿が見られたので、よかった。