舞姫

ひぐらし日記

地磁気逆転の痕跡 千葉県市原市に 77万年前の地層から発見

2017-06-07 | 日記
                       2017/5/14付 日本経済新聞 朝刊
 方位磁石のN極は北を、S極は南を示す。当たり前のようだが、過去には逆を向く時代が何度もあった。地球の磁場(地磁気)が、長い歴史の中で逆転を繰り返してきたからだ。最後の逆転が約77万年前に起きたことを示す痕跡が千葉県の地層で見つかり、日本の研究チームは「チバニアン(千葉時代)」の命名を目指し、5月末に国際学会に申請する予定だ。
 大陸や地球表面のプレート(岩板)が移動していることも、岩石の分析などに基づく地磁気の調査ではっきりわかった。地磁気は太陽風などから地球を守る役目も果たす。

 神戸市の人工島ポートアイランドの神戸大学の施設内にある。陰山聡教授は「地球は巨大な発電所だ」と語る。スーパーコンピューターを駆使して地磁気を長年研究してきた。地球深部にある外核は、高温でどろどろに溶けた液体状の鉄でできている。この鉄がらせん状の複雑な対流を起こし、回転によって発電機のように電気を作っているという。

 地球の中心付近では西向きにリング状の電流が流れ、巨大な電磁石のように地磁気を生み出している。液体の鉄が起こす対流の複雑な作用によって電流が東向きに変わると、地磁気の南北が逆転すると考えられる。
 逆転に至る過程で、この磁石の働きがほぼゼロになる時期があるという。少なくとも過去200年間、磁石の力は弱まり続けてきた。最後の逆転から約77万年が経過しており「そろそろ次が来るかもしれない」との考えもある。「地磁気逆転の仕組みをわかりやすく解明したい」と陰山教授は意気込む。

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