舞姫

ひぐらし日記

イベルメクチンは新型コロナの治療に有効なのか?

2021-12-01 | 日記
 2021年11月18日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬としてイベルメクチンの使用を求める声がありますが、一部の研究者が「イベルメクチンは有効だ」と主張する一方で、大半の研究者は「効果はない」と結論付けています。そんなイベルメクチンに関する理解を深めるために、アメリカ西海岸で医師として働くスコット・アレクサンダー氏がイベルメクチン関連の調査データをまとめています。

 アレクサンダー氏は有用であると判断された研究が実施された場所に着目します。「Mahmud」はバングラディッシュ、「Ravakirti」はインド、「Lopez-Medina」はコロンビアで実施された研究です。

 このように寄生虫を体内に宿している場合、新型コロナウイルスと戦う体内の免疫系に影響が出る可能性があるという研究もあります。研究では回虫症に感染した人がCOVID-19で重症になりやすいと指摘されており、これは回虫症に関連する腸内細菌叢の変化が、免疫系をウイルスに効果的に反応できないようにしてしまうためだと指摘されています。加えて、回虫症患者には新型コロナウイルスワクチンがあまり効果的ではなく、回虫症の治療や予防がCOVID-19の悪影響を減らす可能性まで指摘されています。

 イベルメクチンはもともと駆虫薬であることを考えると、COVID-19の治療としてでなく回虫を体内から駆虫するためにイベルメクチンを投与することで、COVID-19ワクチンの効果を高められる可能性があります。回虫のうちStrongyloides stercoralisという種のものの場合、1日あたり200μgのイベルメクチンを経口摂取することで、体内から駆虫することが可能です。

 これを考慮してデータを精査すると、アルゼンチンのような回虫症の有病率が低い地域のデータ(Vallejos)は、イベルメクチン投与後の症状改善率がマイナスを示しています。一方で、バングラデシュのような回虫症の有病率が高い地域で収集されたデータでは、イベルメクチン投与後の症状改善率が高い数値を叩き出しています。

これらを踏まえてアレクサンダー氏がまとめた「イベルメクチンとCOVID-19に関する研究データを分析した結果」が以下の通り。

・イベルメクチンは体内に寄生虫が存在しない場合、COVID-19による死亡率を大幅に低下させることはない。(信頼度85~90%)

・寄生虫がいくつかのイベルメクチン関連研究において重大な交絡因子となっており、方法論的に健全であっても肯定的な結果を得ることができる。(信頼度50%)






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