マグロチャンピオンの料理道場

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魚やす(UO-YASU)のマグロのカルパッチョ

2012年10月24日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
昨日は10月23日で「チュラーロンコーン大王記念日」で祝日だったのだが、「チェラ-ロンコーン大王」(ラマ5世)は、現国王プーミポン・ラーマ9世と並びタイ国民に絶大の人気がある。

タイのいろいろなお店等で、プーミポン現国王の写真が飾られてのを見掛けるが、ラマ5世の写真を見掛けることも多いので、『あ~あの写真か』と思い当たる人も多いだろう。

でも、なぜ(ラマ5世)が、こんなにもタイ国民に人気があるのか?その理由が分からないのでお店のスタッフに聞いてみることにした。

プーミポン現国王の場合には映画館で映画の上映前に国王の紹介の画像が流れるので、それを見れば農村を廻って「王室プロジェクト」と呼ばれる農村改革をおこなったり、雨天の中でも農民たちの輪の中に入っていったりして国民に近い立場をとり、国民の尊敬と信頼を確実に勝ち得ていることが分かる。

では、なぜラマ5世が人気があるのか?について、うちの店の何人かのスタッフの話を聞いてみると、どうやらラマ5世が「奴隷を解放した」事について、偉大なことだと思っていることが分かった。

皆の話をまとめてみると『昔のタイ人の多くは、いくら働いても社長から給料をもらえなかった』それが、『ラマ5世のおかげで給料がもらえるようになった』ということだった。

なんとなく「分かったか、分からないか」分からない話なので、またバンコクのフリーペーパー(無料の情報誌)を集めて調べてみることにした。

それら情報誌の記事をまとめてみると、ちょうど日本が明治天皇の頃、タイは貴族が実権を握っていたが、カンボジアやベトナムはフランス領となっていて、ビルマはイギリス領となった為に、フランスはさらにラオスに侵攻しタイをも領土にしようとしていたようだ。

そんな時代にラマ5世はイギリスやフランスに、ラオスやマレー半島の一部など自国の1/3を与えながらも独立を保ったのだ。

また、当時、実権を握っていたタイの貴族の収入源である「奴隷」を解放し、国民を苦しめていた税の不正を正した。

他にも、義務教育の導入、鉄道や電話の整備、郵便などを作り上げた。

そんな大偉業を成し遂げた大王が国民から絶大な人気があることが分かったが、大王には5人の王妃の他に100人以上の妾を囲っていたとも言われている。

とても精力的で、多くの人に愛される大王だったのではないだろうか。

さて、情報誌の中で、タイ人に「名字」を与える「名字法」を作ったのもラーマ5世と書かれていたが、どうやら「名字法」を作ったのはラーマ6世の時代(1913年)になってからのようだ。

これによって、すべてのタイ国民が「名字」を持つことになったが、他人と同じ名字にするのを避けた為に、たくさんの名字が生まれて、タイでは名前を聞けばどの家系なのかが直ぐに分かるという。

ただし、公の場以外では「あだ名」(チューレン)で呼び合うことが多く、そのチューレンもとてもユニークだ。うちにもチャン(象さん)や、ピーワン(甘いお姉さん)等のチューレン(あだ名)のスタッフがいる。

日本の場合には「鈴木さん」「佐藤さん」「高橋さん」「田中さん」等の名字(苗字)が多いが、実は日本人の名字も30万以上もあるという。

よく農民など身分の低い人は江戸時代に名字はなく、明治維新後に名字を与えられたという話を聞くが、これは間違いで、奉行所などでは身分の低い人は名字を名乗れなかっただけなのだ。

また、中国で一番多い名字は「王」で次に、「李」、「張」だが、この3つの名字で中国の総人口の25%近くにもなる。

以前、大連にいた時も周りに「王さん」がたくさんいて、寿司カウンターのスタッフ3名が全員が王さんだったこともある。「王」は中国語で「ワン」と発音するが、街中で大きな声で「ワンさ~ん!」などと大声を上げようものなら、多くの中国人がこちらを振り向くことになる。(それほど、ワンさんが、ワンさかいるのだ。)

中国では、その他、劉、陳、楊、黄、趙、呉、周、除、孫、馬、朱、胡、郭、何、高、林、羅、鄭、梁
等の名字が多く、これら100種類の名字で全体の85%にもなる。

このように中国に同じ名字が多いのは、その家系を大切にするからで、何度も侵略を受けた国だから、同じ名前を持つ家系(自分達の家族)しか信じない中国人が多いのはうなずける。

さて、また話が長くなってしまったので、うちの店の「マグロのカルパッチョ」の話をしよう。

「カルパッチョ」の名前の由来については以前話をしたことがあるので省略するが、もともとはイタリアで牛肉を素材にして作られた料理だ。

また、「ヴィットーレ・カルパッチョ」が赤を基調とした絵を描く画家だった為に、日本ではマグロやカツオを「カルパッチョ」に使うことが多いが、「魚やす」では「EXバージンオリーブオイル」に「柚子コショー」と「レモンの絞り汁」を混ぜ合わせ、塩と黒コショーで味を調え、和風のテイストに仕上げている。


それでは、「魚やす」(UO-YASU)のマグロのカルパッチョの作り方を紹介しよう。

◆「魚やす」(UO-YASU)のマグロのカルパッチョ

<材料> (一皿分)
マグロの赤身  120g
サニーレタス、
レタス等の野菜 適量

<カルパッチョ ソース>
EXバージンオリーブオイル  大さじ3
柚子コショー           小さじ1
レモンの絞り汁         大さじ1
塩・黒コショー           適量

<作り方>
①野菜を氷水に浸けておきシャキっとさせる。
②マグロを薄くスライスする。
③ボウルにEXバージンオリーブオイルと柚子コショーを入れて混ぜ合わせ、レモンの絞り汁を加えて更に混ぜ合わせ、塩、黒コショーで味を整える。
④マグロを④のボウルの中に入れてマリネして皿に盛る。
⑤よく冷えた①の野菜をちぎって皿に盛る。
⑥残ったカルパッチョソースを野菜の上に掛ける。

下記の写真のように彩よく盛ろう。



さて、次回は「魚やす」のランチメニューの話をしよう。








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