マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

タイの鯵(プラトゥー)がマグロの卵を産むかも?

2012年12月28日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
バンコクではクリスマスも過ぎて、大手の企業では今日(12月28日)が仕事納めの会社が多いようだが、既にお休みに入った会社が多いようで、日本と同じように田舎に帰る帰省客でバスターミナルや鉄道の駅の混雑ぶりがTVのニュースで放映されている。

うちの店は年末年始は休まずに営業するが、お休みに入って街中に車が少なくなっているにもかかわらず多くのお客様がお店に来てくれて、とてもありがたいと思う。

さて、前回は「アジのなめろう」の作り方を紹介したが、実はタイにも「プラトゥー」という鯵に似た魚があり、下の写真のように蒸した物が屋台などで売られている。



既に蒸しがっているのでそのまま食べることもできるが、更に揚げたり焼いたりして、ソムタム(青パパイヤのサラダ)に混ぜたり、ナンプラーを掛けても食べても美味しく、何より価格が一尾30バーツ(約90円)と驚く程安い。

また、この魚はどこの屋台で見ても首を折ってあり、お辞儀をしているようになっているが、サバは腐りやすいので、首を折って血抜きをしてあるからだろう。



タイではこの魚「プラトゥー」を「ナムプリック」という味噌や玉ねぎ、唐辛子、ライム、砂糖等を混ぜて臼でトントンと潰したソース(ディップ)を付けて、生野菜も添えて食べるが、干し海老を加えた物は「ナムプリック・カピ」と呼ばれ「プラトゥー」を食べる時には特に好まれているようで「海老の塩辛ペースト」と言うと分かりやすいだろう。

この「プラトゥー」という鯵によく似た魚だが、実際に食べてみると「鯵」ではなく「鯖」のような味がする。

見掛けが鯵に似ているので、鯵だと思っている人が多いと思うが、この魚は和名で「グルクマ」というサバの仲間で、沖縄県など西日本や東南アジア、インド洋等の温かい海に広く分布している。

さて、この「プラトゥー」が鯵ではなく「鯖」の仲間と分かったところで、表題の(プラトゥー)がマグロの卵を産むかも?の話をしよう。

現在、マグロの養殖技術が進歩して、既に卵を孵化させる「完全養殖」に成功したことはニュースでも大きく報じられたので知っている人も多いと思うか、実は最近サバにマグロを産ませる(借り腹技術)というのが話題になっている。

この研究をしているのは「東京海洋大学」で、既にヤマメにニジマスを産ませることに成功していて、近いうちには同じように鯖にマグロを産ませることが可能になるようだ。

まぐろは鯖の仲間なので、鯖にマグロを産ませることが可能ならば、理論的には同じ鯖の仲間である「プラトゥー」にマグロを産ませることも可能だろう。

でも、屋台で売られている「プラトゥー」がマグロを産むとはちょっと信じられないような気がしてならない。

さて、また話が長くなってしまったが、下がタイで水揚げされる「鯵」の写真だ。



脂の乗りはほとんど無く赤身だが、赤身(血)の味が濃く、これもなかなかいけると思う。

下は「鯵のたたき」の写真だが、生姜のみじん切りと万能ネギの小口切りを細かく切った味の身に混ぜて、天に大葉シソの千切りを添えてある。



また、鯵の刺身に「柚子コショー」を少量付けて食べるのも、なかなかいけるので試してみて欲しい。


鮮度の良い鯵ならば、生姜ネギを乗せて寿司でもいける。



そして、生で食べられる鯵を「鯵フライ」で食べるのもいいだろう。


下が「プラトゥー」の写真だが、頑張って「マグロを産んで欲しい」が、鯖の味がするマグロにならないように期待をしたいと思う。



さて、次回は久しぶりに中華料理の話をしよう・・・














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