マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

中国の寿司事情について(1)シャリに空気を入れて握る。

2011年08月26日 | 寿司・お造り
いつも<kyohey>さんからコメントを送ってもらっているが本当にありがとう。

きっと、飲食店か料理の仕事に関わっている方ではないかと察するが料理は勉強すればするほど楽しくなってくる。

このブログが料理を勉強する人達に少しでも役に立つならば、とっても嬉しいしやりがいもある。

さて、今回は下記のコメントを送ってもらった。
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コメント

石焼ビビンバ、おいしそうですねー。

最近中国では、色んな日本の料理
が食べられる様になってきてると思うんですが
ベーシックに戻り、寿司に関しては
中国では未だに人気がありますか?

世界の寿司事情も大分変ってきたと聞きます。
中国の寿司事情で面白い話があれば
是非聞かせて頂きたいです。


さて、中国の寿司事情に付いてだが、中国では未だに「生の魚は食べられない」という人が多く、今から20年以上も前のアメリカのような状況だと思う。

今では、アメリカに行けば普通のスーパーマーケットでも「SUSHI」が売られているが、以前は魚を生で食べる習慣がなく、寿司を食べている人は、まるで「エイリアン」を見るように不思議がられていた。

寿司が世界中に広まったのは1980年代頃にニューヨークで流行した「カリフォルニアロール」の影響が大きいだろう。

アボカド、カニカマ等を生魚の替わりに使用し、「マヨネーズ」味のロール寿司だが、これが今まで寿司を食べたことのなかった人達に寿司の美味しさを伝え、また、ヘルシーな料理として認知されて行くことになった。

中国人はどういう訳か、サーモンの刺身と赤貝、アワビ、ミル貝の刺身は大好きなようで、大きな中華料理店では、これらの刺身をメニューに載せている店も多い。

ただし、「わさび」は日本のわさびより2倍~3倍も辛い物を使用するので、うかつに食べてしまうと辛さで涙が止まらず、恥ずかしい思いをすることになる。

北京に「HATSUNE」という米国系華僑が経営する創作日本料理があるが、20種類以上もある「ロール寿司」と中国人の好きな「サーモン刺身」などをメインに、行列のできる繁盛店となっている。

この店は北京の「Best Japanese Restaurant」にも選ばれているが、天ぷらを揚げた後の「天かす」をロール寿司の表面にビッチリとまぶしたものや、めちゃくちゃ辛いロール寿司等は、もはや食べ物とは言えないと思う。

また、上海には「板長寿司」という香港で寿司店をチェーン展開する企業の店が現在2店舗あるが、けっこう流行っている。

香港では「板前寿司」という店名らしいが、この企業は築地市場の初競りで4年連続 最高値でマグロを落札したことでも有名だ。

寿司だけではなく「うどん」も目玉商品らしく「板長寿司/自家うどん」という店名になっている。

ただし、どちらも店もアルバイトらしき料理スタッフが、透明なビニール手袋をつけて寿司を握っていて、寿司を握っているというより、小さな「おにぎり」を握って、その上に寿司ネタを乗せているという表現がピッたりだろう。

「わさび」は卓上の入れ物に入っていて、小皿に醤油を入れて自分で醤油とワサビを混ぜて、そこに寿司を付けて食べるスタイルだ。

お茶の湯のみには、よく日本の回転寿司にある「お茶のパック」が入っているが、回転寿司ではないのだから、どうしたものだろうと思ったりしてしまう。

この2店の共通点は、店の雰囲気が明るく清潔な感じで内装にとてもお金を掛けている「カジュアルレストラン」といったところだろう。

カップルがデートに使う場合にも、家族で一緒の誕生会にも、ちょっと「はれの日」気分には使い勝手の良い店だ。

出された寿司を、「寿司」と呼べるか?どうかは別としてたくさんのお客さんが来て流行っているということは素晴らしいことだと思う。

うちの店にも「トンカツロール」等の創作ロール寿司があるが、写真が無いので店で写真を撮ってからブログにアップしたいと思うので暫く待っていて欲しい。

それと、握り寿司だが、うちの店では「シャリに空気を入れて握る」よう教えている。

本当に旨い寿司とは「手でつまんで口に入れるとフヮ~っと口の中でほぐれる寿司」だ。

「手に持っては崩れず、食べてほぐれる」寿司が一番の寿司だろう。

その為に寿司スタッフ達には、まず、シャリだけを空気を入れて握るよう練習させている。

店のスタッフ(新人)が練習で握った寿司玉。まだまだ形が揃っていない。
(ベテランの寿司職人になると、1個ずつの「シャリ玉」の米の数さえ同じだという。)

練習の為にシャリ玉を毎日、毎日つくるという単純作業は中国人にとっては辛いようで、直ぐにカッコよく寿司を握るパフォーマンスを始めるが、何事も基本をしかっり覚えることでしか前には進めない。

さて、前回は「石焼きビビンバ」の話をしたが、「コチュジャン」の作り方の説明を忘れてしまった。

次回は「コチュジャン」の作り方についての話をしよう。


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1 コメント

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ありがとうございます。 (kyohey)
2011-08-29 22:34:38
やはりカリフォルニアロールが
どこに行ってもポピュラーですね。。
そしてソースはやっぱり
わさびマヨですかねー?
ソースのバリエーションってほかに
良いものは無いですか?

とんかつロールというのも気になります。
是非次回の解説楽しみにしてます。
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