マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

ロール寿司 ・新 (5)太巻き寿司

2014年03月29日 | シラチャー ジャスミンホテル
いよいよ3月も残すところ2日となり、もう直ぐ4月がスタートするが4月には学校の新学期が始まるし、また社会人として会社務めをスタートする新人くん達にとっては嬉しさと不安で胸がいっぱいなのではないかと思う。

タイもこのシーズンは日本に帰国する人達と新しく赴任される方々の入れ替えの時期でもあり、日本に帰国される方、また任期が残っている家族もお父さん一人を残して春休みで日本に一時帰国しているのか、お店も日本人のお客様が少なくなっている。

特にランチタイムはうちの店の場合にはシラチャー市内から離れていることもあり、商業ビル内のテナントのようにフリー客がブラッと入ってくることはないので、ジャスミンホテルをサービスアパートのように長期契約して滞在している家族のお母さん達が使ってくれる場合が多い。

もちろん平日のランチタイムはお父さんは仕事に行って、子供達は学校に行っているのだろう。

土曜日、日曜日はランチタイムでも家族連れのお客様が多いのだが、さすがにこの時期の平日のランチタイムはお客さんが少ない日が多い。

タイの小学校も今は春休みの時期のようで、イサンというタイの東北地方の田舎から出稼ぎに来ているうちの調理スタッフ(Nipat)のところにも親戚の子供が遊びに来ている。

シラチャーも田舎なので、ここに来ても面白くないのではないか?と思うのだがイサンはもっと田舎なのだそうだ。

でもやっぱり(Nipat)のアパートで1日中テレビを見ているのも飽きてしまうのか、たまにうちの店にやってくる。

先日は(Nipat)とパタヤまで海水浴に行ったのか、デジタルカメラを貸してあげたが、海水浴も一度行けばいいらしい。(男2人での海水浴では子供とはいえ飽きてしまうだろう。)

そんな時に自分がバンサレーで大きな魚を釣って帰ったこともあり(Nipat)から釣りに連れて行って欲しいと頼まれた。

先週末に釣りに行ったばかりでどうしようかと思ったが、朝早く出て夕方の仕込み時間までに戻ればいいし、ちょうどランチタイムにはお客さんが少ない時期でもあり陸釣りに出かけることにした。

釣りに行く場所は最初は「ジンダ筏」が思い浮かんだが週末しかやっていないとのと、3人以上なら平日でも予約を受けてくれるが一人700バーツ(約2,100円)で、釣れる魚も小魚くん達ばかりなので今回はシーチャン島の堤防で釣りをすることにした。

いつものように朝8時のロィ島からの乗合船でシーチャン島に向かい、約50分でシーチャン島に到着だ。

そして、今回の釣り場となる堤防だが、シーチャン島の直ぐ近くにある堤防で、「シーチャンパレスホテル」の真ん前にある堤防だ。

赤い丸のところが「シーチャンパレスホテル」

そして、堤防の先には大きな海が広がっている。


今回、ここで釣りをするにあたって実は釣果の方はあまり期待できなかった。

実際、前に2度ここで魚釣りをした時にも、50メートル程沖の方に向かって投げれば(投げ釣り)、たまに白ギスなどが釣れるが堤防の真下には小魚が多く餌ばかり取られてほとんど釣りにならなかったのだ。

そこで、今回は「コマセ」を持って行き、それで魚を集めて釣ってみることにした。

コマセの作り方は以前も説明した「海老の頭+パン粉」で、これは効果が期待できそうだ。

まずは、海老の頭に20%位加水してミキサーに掛ける。

ボウル等の入れ物に移しパン粉を混ぜる。

お菓子のクリームの絞り袋に入れる。

口をしっかり閉じる。


こうしておけば先をハサミで切って絞りながら入れれば手も汚れない。

そして釣り針にも「海老のむき身を小さく切ったもの」を付ければ必ず魚が喰らいつくだろう。

そして、準備も整いコマセ袋にコマセを入れて海中にするすると仕掛けを下して行く。

するとどうだろう、ガガガーと仕掛けが魚に海底の方に持って行かれる.

そして仕掛けを上げると何と針の数だけ魚が掛かっている。


また堤防釣りとしては割と大きなサイズの魚も連れる。


大物かなと思うと引きの強い河豚が2匹も同時に掛かっている。


そして、いつもは投げ釣りで50メール位は仕掛けを遠くに投げなければ釣れない「白ギス」も堤防の真下で釣れるではないか。
そして、4時間程でクーラーBOXが一杯の魚となり納竿しシラチャーに戻ることにした。

まさか「コマセ」がこんなに効果があるとは自分でも思っていなかったので、ビックリしたが今度はぜひ、船釣りでも試してみようと思う。。。

さて、また話が長くなってしまったので話を本題に移そう。

これまで海外から逆輸入された「ロール寿司」の作り方を何回か紹介したが、今回はたぶん皆さんも節分の時には何故か食べている「太巻き寿司」の作り方を紹介しよう。

「太巻き寿司」というと大阪が発祥の寿司と思っている方が多いと思うが実は千葉県の代表的な郷土料理で、今から200年以上も前からあるという。

ご存じのように千葉県は海苔の産地でもあり、また、お米の名産地としても知られている。

また、豊かな海産物にも恵まれていることもあり、地元の農民がお祝いの宴の料理として考えられたとされているが、酢飯を使ったのも鮮度保持のことを考えてからではないかと思う。

また、太巻き寿司は切り口が金太郎飴のようで華やかで、宴席にももってこいの料理だ。

ところで、節分の時に食べる「恵方巻き」だが「太巻き」との違いは何?聞かれることがあるが、簡単に言うと節分の時に食べる「太巻き」のことを「恵方巻き」と言う。

基本的には海苔1枚全部を使って太く巻いた物が「太巻き寿司」で、それより小さな物を中巻、そして海苔半分を使った物を細巻と呼ぶ場合が多い。

そして、節分の夜に恵方(吉の方角)を向いて願い事をしながら「太巻き寿司」をまるかじりすると願い事が叶うと言われている。

ちなみに中に入れる具材も七福神由来の干瓢や椎茸、でんぶ)などを入れるが、特に決まりはなく、また、最近では太巻きでは食べきれない人が多いのかスーパーなどでは中巻や細巻も「恵方巻き」として売られているのを見かけるが、それでご利益が半分になるとは思えないので、1年に一度家族だんらんで巻き寿司を食べるのもいいだろう。
それでは早速、「太巻き寿司」を作ってみよう。

■太巻き寿司の作り方

1)白身魚を蒸して「すり鉢」であたる。(今回はスズキを使用)


2)砂糖、味醂と少量の塩を加えて混ぜ合わせ、食紅も少量加える。


3)綺麗な薄い桜色にする、(あまり濃い色にならないように気を付ける)


4)鍋に湯をはり加熱して温め、その上に3)が入ったボウルを乗せる。


5)泡立て器などでほぐしながらゆっくり火を通していく。


6)全体をかき混ぜながら加熱し、ダマにならないようにする。


7)小さな「そぼろ状」(おぼろ)になるまで加熱して火を止め冷ます。


8)太巻き寿司の具材を用意する。

今回は「桜でんぶ」「玉子」「キューリ」「カニカマ」「味付け干瓢」「椎茸のうま煮」「ウナギの蒲焼、」「白ゴマ」を用意した。

9)海苔の上にシャリを置く。


10)シャリを上の方に広げていく。


11)シャリを下の方に広げていく。


12)シャリの厚さを均一にする。


13)シャリの上に「白ゴマ」を振る。


14)「桜でんぶ」(おぼろ)を敷く。


15)「キューリ」を置く。


16)「玉子を並べる。


17)「カニカマ」を並べる。


18)「味付け干瓢」を並べる。


19)温めた「ウナギの蒲焼」を並べる。


20)端からしっかりと巻き始める。


21)しっかりと押さえながら巻く。


22)全体を締め付けながら中の具がばらけないように巻く。


23)形を整える。


24)端を押さえて形を整える。


25)反対側も同じようにする。


26)巻き終わったら、真ん中に包丁を入れて切る。


27)更に2本になったロールの真ん中を切る。


28)ここで4本になったロールの真ん中を切る。


29)最初に半分に切った時の片側がこれで4貫になる。


30)反対側も同じように4貫に切って、1本を8貫に切る。


31)皿に盛り付ける。


32)ワサビとガリを添える。


33)完成写真。


さて、次回だが「サーモンスキンロール」の作り方を紹介しよう。

サーモンの皮は捨ててしまっている店も多いと思うが、鶏の皮と同じで魚も皮が旨い。

捨てるのはもったいないし、こういう材料を上手に使うのが料理人の腕の見せ所だと思う。

また、ちなみに「鶏の皮」で「ハタ」が釣れるらしい。

本当なのだろうか???





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