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アニメ及び周辺文化に関する雑感

【DCSS】初音島桜前線注意報(18) 桜の木の魔法のお話

2005年11月26日 | アニメ
 美咲に枯れない桜の木の魔法の話を聞いていたアイシアは、みんなの願いを叶える桜の木を、だから枯らせたというさくらの言葉が理解できません。
 そこで2年前に何があったのか純一に聞き出そうとしますが、純一は言葉を濁すだけで本当のことを語ってはくれません。ま、純一からすれば2年前の音夢のことは痛々しくて思い出したくもないだろうから言葉を濁すのもわかりますが、それでさくらの言葉を納得しろと言われてもアイシアに出来るわけがありません。
 純一があてにならないとわかったアイシアは他のキャラたちから話を聞きだそうと出掛けていきますが、音夢が研修で不在だったのが幸いですね。アイシアのことだから何も考えずに平気で音夢から2年前のことを聞き出そうとするのは確実ですから。
 ところが、こういう時に限って、どのキャラも不在。アイシアにかまってくれる様な暇人はいません。ようやくどうにか出くわしたのがことりなのですが……

 ま、ことり自身が枯れない桜の木のことについて全部知ってるわけじゃなく、ただ自分が体験した範囲のことしか知らないわけですから、ことりの話だけ聞いてアイシアが枯れない桜の木のことを理解できるはずはありません。
 ところがアイシアはことりが純一のことを諦めてる原因がその桜の木の魔法にあったと思い込み、それは魔法が不完全だったからだと誤解してしまいます。そして、さくらが木を枯らせたのは魔法が不完全でさくらの願いを叶えなかったからだと決め付けてしまいます。
 さて、アイシアは魔法を完成させ、完全な枯れない桜の木を復活させることができるのでしょうか?……という展開とは違うような気がしますが……
 そこで、アイシアにもわかるように簡単に枯れない桜の木の魔法を巡る事例をおさらいしてみましょう。

(1)他人の心を知るということ

 初音島の新興住宅地にある少女が住んでいました。少女は他人から嫌われるのを恐れるあまり、他人の心を知り、その期待通りに振舞うことを望みました。桜の木の魔法で他人の心を読む力をもらった少女は、その目的を果たして、みんなに好かれる人間になりました。
 でも、人の心を読む力は少女に幸せだけを与えたのではありませんでした。人の心には二面あります。笑顔で話しかけてくる人でも、相手を疑っていたり、妬んでたりすることに枚挙がありません。人の心を読むと言うことは、そういう負の面も見てしまうことなのです。
 少女は疑心暗鬼になりました。他人の心が信じられなくなったのです。そんな時、心に裏表のない少年と出会いました。少年の心の中には「かったりぃ~」という感情しか無かったのです。
 少女は少年が好きになりました。でも、少年には好きな人がいたのです。
 そんなある日、桜の木が枯れ始めました。少女には他人の心がだんだん読めなくなってきました。他人の心が読めることで嫌な面を見てきた少女ですが、まったく心が読めなくなって他人の心がわからなくなることはもっと不安なことでした。
 他人の心が読めない恐怖にひしがれる少女を少年は温かく励ましてくれました。そして完全に心が読めなくなったとき、少女は少年に告白しました。少女は少年に好きな人がいることを知っていました。そして、予想通りふられてしまいました。でも、少女は他人の心に縛られずに自分の気持ちを表現できるということを知ったのです。

(2)自分の記憶を探すロボット

 少女は研究のためにある人間の少女をモデルに試作されたロボットでした。ある日、人間の少女が事故で倒れてしまったので、その代わりに人間としての生活を送ることになりました。
 ロボットの少女は人間の少女と見掛けはそっくりで、記憶も受け継いでいたために周囲の人たちは人間の少女本人だと思っていました。怪我をした人間の少女は一向に回復せず、ロボットの少女はずっと代役を続けていたのですが、いつしかロボットの少女は自分がずっと昔からその少女本人だったと思い込むようになっていました。
 試作品であるロボットの少女は本来ならとっくに耐用期間を過ぎていたのに、ずっと少女を演じ続けていました。しかし、桜の木が枯れ始めた頃、ロボットの少女の体は機能を停止し始めていきました。
 徐々に薄れていく「自分の存在」を確認するために、ロボットの少女は「幼い頃の記憶」によって埋めた宝物を掘り出し始めました。もうすべての機能が停止しようとする中でロボットの少女はひたすらあるはずのない「自分の記憶」を懸命に確かめようとしてたのです。
 最後、記憶の宝物を手にした少女は満足そうな表情で、その機能を永遠に停止したのでした。

(3)飼主の思いを代行する猫

 少女は毎日、自室の窓から桜並木を登校していく少年の姿を見ていました。少女は直接顔をあわせたことも無く、口を聞いたこともないその少年にいつしか片思いをしていました。
 少女は子猫を飼っていました。子猫はご主人様が恋している少年に会ってみたいと思いました。子猫の願いは桜の木の魔法によって叶えられ、子猫は猫耳メイドさんとして、料理の下手な妹と二人暮しだった少年の家に居候することになりました。
 メイドさんになった子猫はご主人様のことなど忘れて、少年の家で幸せに暮らしていました。しかし、やがて桜は枯れ始め、子猫はメイドさんとして居続けられなくなったのです。
 子猫は最後に枯れない桜の木の下で少年に自分の思いを伝え、元の子猫としてご主人様の元に帰って行きました。

(4)呪われる恋敵

 少女は小さい頃から好きだった少年に告白するために、初音島に帰って来ました。しかし、少年の側にはずっと恋敵だった別の少女がいました。
 島に帰って来て1年近く過ぎようとした頃、少女は少年に告白し、選択を迫りました。でも、少年が選んだのはもう1人の少女の方でした。
 少女の悲しみに桜の木の魔法が反応し、もう1人の少女には桜の木の呪いが降りかかりました。咳と共に桜の花びらを吐き、しだいに衰弱して行ったのです。そのことを知った少女は桜の木に呪いをやめるように願いましたが、それは聞き届けられませんでした。そこで少女は枯れない桜の木を枯らそうとしたのです。
 一度は桜が枯れ、もう1人の少女も小康を得ましたが、すぐに桜の木は蘇り、もう1人の少女への呪いも再開しました。少女の少年への思いが残ってる限り、桜の木の魔法はそれを叶えようとし続けるのです。
 少女は少年への思いを断ち切り、今度こそ本当に桜の木を枯らせると、そのまま初音島を去っていったのでした。

 ‡ ‡ ‡ 

 それぞれ上記のような話の内容だったと思いますけど、誤解があった場合はごめんなさい。ま、あくまでTVアニメ版の範囲に限りけど。
 なおプライバシーに関わることなので個人情報保護法を鑑み、人名の固有名詞は割愛しました。(嘘)
 また、登場する「少年」がすべて同一人物だと言う噂がありますが、ノーコメントとさせていただきます。(おい)
 ま、別にどのキャラかは説明要らないでしょう。いや、アイシアにはわからないかも知れませんけど。(今までのことり、美咲、さくらそれぞれの話からそれなりに判断できるかもしれませんが、現状でアイシアの知識に全然関係ないのが1つありますね)