電脳アニメパス

アニメ及び周辺文化に関する雑感

【Kanon】鯛焼きと羽根リュックをめぐる冒険 #11

2008年06月26日 | アニメ
北国の少女・月宮あゆは力を二つ持っている。
一つは「うぐぅ」。いかなる相手にでも不服を言える絶対拒絶の力。
一つは羽根リュック。鯛焼き屋のおじさんの追跡を逃れるための彼女の翼。
食い逃げ犯というコードネームを使い、月宮あゆは動き出す。
秋子さんの手料理を食べるために。そして、何か忘れてしまった大切な探し物を見付け出すために。
その行動がいかなる結果を生んでいくのか、今はまだ誰も知らない。

(元ネタは某日曜夕方の深夜アニメの1作目の方ですね)


 第11話「光と影の間奏曲~intermezzo~」

【ストーリー雑感】

 今回の冒頭ナレーションは田村ゆかり。ま、今回から舞シナリオに突入だからそう来るのが妥当だわな。
 真琴の部屋を片付けたみたいで、マンガの本とかも積んであるんだけど、しばらくこのままにしておいて良いかと聞いてる祐一。名雪は真琴がいつ戻ってきても良いようにとか言ってるけど、それは無いだろ。
 今日は部活を休むとか言ってる名雪に挨拶していく後輩たち。ま、陸上部の後輩ってことだろうね。
 久々に登校した祐一。制服姿の北川に今日も同じ服だなとか言ってるけど、それって空しくないか?
 久しぶりといえば栞もかなり久しぶりね。完全に真琴と接触の無いキャラだから真琴シナリオでは真っ先に出番が無くなってたからな。嫌がる栞に無理やり帰れとか言ってるけど、風邪じゃないんだから家に帰ったところで治るってもんでもないんだけどね。
 しかし、お腹が鳴ったから何か食わせてやると言われて、アイスを注文するか? ま、流動食しか咽喉を通らないのかもしれないけど。それにしても、雪の積もった真冬の寒空で、屋外でアイスを食うなんて常人には真似できないな。
 昼休み、いつもの階段のところで佐祐理さんたちと昼食を食おうとした祐一だけど、2人の姿は見えず。何か舞が職員室に呼び出されたという噂を聞いたら、職員室の前には佐祐理さんが。夜中に校舎を壊したとかで怒られてるみたいだけど……。そういえば廊下にみかんのダンボール箱を貼り付けてる窓があるけど、これが舞の仕業だってか。
 舞の人気を出させようと名雪に相談する祐一だけど、名雪が示したのは学園舞踏会の張り紙。ドレス着て舞踏会に出れば女の子っぽく見えるってか。忘れ物をしたと教室に戻る名雪に昇降口で待ってると言いながら、張り紙を勝手に剥がして舞のところに持っていく祐一。
「これを見ろ!」
「近過ぎて見えない……」
 おまいら漫才コンビかい。ドレスを持ってないという舞に、そこらから借りるあてを探してどうしても参加させようとしてる祐一と佐祐理さん。本人の意思はお構い無しですか、そうですか。
「うそつき」
 名雪と待ちぼうけは付き物だな。

 苺サンデーで機嫌を直した名雪にドレスのことを訊く祐一だけど、秋子さんも持ってないだろうって話。ま、庶民に舞踏会なんか縁が無いからねぇ。
 で、そこに現れたのがやはりひさびさのあゆ。いや、こいつにドレスのことなんか訊いても無駄だろ。
「そんなことではいつまでも、うぐぅ、のままだぞ」
 散々な言われようだな。で、祐一の態度に反発して意気投合してるあゆと名雪だけど……おいおい、おまえら面識無かったのか? 真琴でさえあゆとは会ってるのに……と思ったら、名雪はいつも朝寝坊で寝てたからかい。朝練で不在とかじゃないのね。
「私のことも、なゆちゃんで良いよ」
 ま、名雪の名前なら「名雪」って呼び捨てにされることの方が多いだろうから、自然とちゃん付けで呼ばれるような名前に憧れてたのか?
 で、あゆを連れて帰宅したら、ピロが帰ってきてたって話だけど、それを一目見て鯛焼き盗んだ猫だと言ってるあゆ。やっぱし、あのときの猫はピロだったのか。いや、あゆの記憶力が信用に足るものだという保証は無いけど。
 晩飯を食ってってもいいけど家の人に電話しろと秋子さんに言われて電話を掛けるあゆだけど、空しくコール音が続くだけ。家の人はみんな旅行に行ってるって思い出したと言ってるあゆだけど、何かとってつけたような弁解だな。結局、家の人が戻ってくるまで水瀬家にいて良いってことになってるけど……要するに真琴の身代わりだな。それにしても名雪の喜びようが尋常じゃない気がするけど。

 名雪たちと一緒に風呂に入らせてもらえないからって、夜の学校に赴く祐一。毎度のごとく魔物と戦ってる舞。真琴のことを訊かれたので語ってたみたいだけど……

 翌朝、朝食を作ったあゆだけど、悲惨な出来。おかげで遅刻しそうになった名雪と祐一だけど、走った結果は10分の余裕。それを奇跡と呼んだ祐一だけど、それを聞いて奇跡はそんな安っぽいものじゃないときつく語る香里。ま、栞の絡みなんだろうけど……
 授業中から熟睡して、昼休みになっても起きない名雪。よく教師に怒られたりしないものだね。そんなところにいきなし佐祐理さんが祐一を呼びに来てるけど……要するにドレスが借りられそうだという話。ま、祐一よりはまともな人脈を持ってるって話だね。
 その夜、舞に牛丼を差し入れる祐一。無愛想な舞に「はちみつくまさん」と「ぽんぽこたぬきさん」を押し付けてるけど、舞の反応を見るまもなく魔物が出現。牛丼が口に入ったまま斬りかかる舞だけど、逃がしたって感じね。

 とりあえず、真琴がいなくなっただけで以前の日常に帰ったって感じだけど……


【サブタイトル解題】

 間奏曲とは文字通りの意味で、多楽章構成の楽曲の楽章間とかオペラの幕間に演奏される楽曲です。あくまでメインの楽曲の間の小休止とか口直しとかいう位置付けの曲なので、軽く聞き流したり、興奮を鎮めたりするような小品が多いようです。また、次の楽章への前奏曲として用いられることもあるようです。
 「影」というのが舞(の魔物退治)を指してるのは間違いないと思いますが、それと対立させてる「光」とは何でしょうか。
 今回を真琴シナリオと舞シナリオの間の小休止だと考えるなら、舞と対峙する「光」というのは、あゆなり栞なりの陽性のヒロインのことかも知れません。また、今回を舞シナリオの序章だと考えるなら舞と対峙する「光」は佐祐理さんを示すものだと考えられるでしょう。


【使用BGM】

01.「約束」
  舞の声による夢の光景。
02.「Last Regrets」
  OP
03.「朝影」(アレンジ版)※
  真琴の部屋の片付け
04. 「笑顔の向こう側に」
  栞とアイスクリーム
05. 「雪の少女」
  3人の昼食会~放課後
06. 「パッヘルベルのカノン」(ピアノ演奏)
  百花屋の店内BGM
07. 「日溜まりの街」
  あゆと名雪
08.「朝影」(アレンジ版)※
  水瀬家に住み着くあゆ
09. 「Last regrets -acoustic version-」(末尾)
  夜の舞と真琴の話
10. 「木々の声と日々のざわめき」
  あゆの作った朝食
11. 「2 steps toward」
  3人の昼食会~夜の牛丼
12.「風の辿り着く場所」
  ED
13.「Last Regrets」(イントロ)
  予告

 「朝影」のアレンジ版はアレンジアルバム『recollections』に入ってるのと、イベント販売のマキシシングル盤に収録されてるのがあって微妙に違ってるんですが、Aパート冒頭ではマキシシングルに収録されているのが使われてます。
 一方、Bパートの方は少しボサノバ掛かった感じのアレンジですが、これはKeyのコンピレーションミニアルバム『Ma-Na』に収録されてるバージョン。
 久々に日常が戻ったという感じで、各キャラクターのテーマも復活しています。しかし、舞と佐祐理さんとの昼食会で「雪の少女」を掛けるのは思いっきり反則ですね。ま、そのまま放課後の名雪の出番まで続いてはいるんですが……


【水瀬家の居候問題】

 自分の家に電話したけど不在で、名雪が「留守なんじゃ…」とかつぶやいた途端、取ってつけたように家の者は旅行で不在だと言い出したあゆの言葉を疑いもせず、居候を認めてる秋子さん。いくら真琴がいなくなって寂しいからって安易な気がします。
 それにつけても疑問に思うのは、こいつらの食い扶持をどうやって工面してるかということですね。祐一の分は両親からちゃんと出てるだろうとは思いますが、真琴にしろ、あゆにしろ出してくれるような人はいません。
 母子家庭で名雪一人を食わせて行くだけでも大変だと思うのですが、秋子さんは経済的な負担は感じていないのでしょうか? ま、こいつらは学費が掛かるわけじゃないから、主に食費だけあればいいといえばそうですが。でも、真琴には小遣いまで渡してたようですが……

1.真琴もあゆも小食

 男である祐一や陸上部員の名雪に比べたら、真琴もあゆも小食だから経済的にあまり負担を感じないという説です。
 確かに真琴も(祐一と同い年だと自称する)あゆも小柄だし、真琴に関してはどうみても中学生以下としか考えられない言動をしています(それでよく働きに出させたものだけど)から、食事の量が少なくて済むという可能性は考えられます。しかし、ご飯の量は少なくても一品物のおかずは人数分必要だろうから、小食はあまり影響しないような気がします。
 それより、真琴は小遣いをもらって豚まんを食ってるくらいだから小食かどうかも疑わしいものですし、小遣いの分だけ余計に掛かってます。風呂を味噌汁にした真琴も、朝食を真っ黒にしたあゆも、その分だけ経済的損失も与えているわけですから、これが負担にならないと考えるのは嘘になるでしょう。

2.祐一のおこぼれ

 実は祐一の家庭は裕福だったので、相沢家から仕送られてくる祐一の生活費は実際に必要な額よりかなり多くなってるという説です。そこで、余った分で水瀬家の家計の赤字を補填したり、真琴やあゆを食わせてるのではないかという話ですね。
 祐一の偉そうな態度はそういう経済力を背景にしたものではないかと考えられないこともないですし、秋子さんが祐一の言うことに反対したりもせず何でも聞くのもそれが理由ではないかと……
 でも、秋子さんの場合は相手が祐一じゃなくても1秒で「了承」って気がしますから、とくに経済的な負い目を感じてるということも無さそうな気がします。

3.死んだ夫に多額の保険金を掛けていた

 作品中では夫と死別したとかは明確には語られてないので、単に離婚しただけだとか、最初から未婚のシングルマザーだったとかいう可能性もあるのですが、割と堅実な秋子さんの生活から考えると、夫とは死別という可能性が高そうです。
 単純に夫の遺産が多くて経済的に不自由してないとも考えられますが、名雪や秋子さんの年齢を考えると夫の死亡時年齢も高く、そんなに財産を貯められる状態だったとも思われません。もちろん、資産家の息子だったりしたら話は別ですが、現在の水瀬邸が一般的な民家であることを考えると、普通のサラリーマン家庭だったと考えた方が良いでしょう。(夫の死後、家屋の管理が面倒なので転居したという可能性もありますが)
 ここでキーになるのは秋子さんの職業です。出勤時間が遅いことや、夕方には帰宅してることを考えるとパートタイム勤務なのは間違いありませんが、出勤時にスーツ姿で出掛けてるところを考えたら、スーパーなどで働いてるわけでもないようです。真琴に保育所を紹介した時のような人脈の広さも職業で培ったものだと考えてみると、その有力な候補として考えられるのは保険外交員です。
 水瀬邸は都会のように地価は高くないとしても町の中の住宅地の一角にある家だから、住宅ローンを組んだとしても若いサラリーマンの給料で簡単に買えるような買物では無いでしょうから、夫の生存中から共働きで働いていたものと考えられます。保険外交員として手っ取り早く売上げ成績を増やそうと思えば、身内から契約を取っていくのが常套手段です。もちろん、身内の需要には限りがありますし、保険外交員としてのスキルが上がればそんなものに頼らなくても良くなります。しかし、秋子さんも手馴れないうちは身内に頼っていたのでしょう。
 そんなわけで、けっして保険金目当ての殺人を目論んでいたというわけでもないのですが、夫に掛けられた保険はいつしか高額のものになっていて、夫の死によってそれが転がり込んできたために、自分が働きながら名雪を育てても、居候の1人や2人が増えたぐらいで負担を覚えないだけの蓄えはあったということです。


週刊アニメ定点観察 Vol.523 (3/3)

2008年06月15日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/12/09~06/12/10

◎彩雲国物語
 (第29話)
 香鈴を置いて金華から琥に向かって出発した秀麗一行。運悪く入れ違いでやって来た劉輝。結局、琥の手前で秀麗たちを待ち構えてる茶家の手先と戦ってる静蘭たちに追いついたのはいいけど、その隙を突いて突入していく秀麗の馬車をただ見送るだけとは……ご苦労さんね。
 それとは別に単独で茶州にやってきた霄太師だけど、それを遅いと怒って妖怪呼ばわりしてる英姫……相当に怖いおばさんだな。
 で、琥では朔洵が手薬煉引いて秀麗を待ち構えているんだけど……さて。

◎おとぎ銃士 赤ずきん
 (第24話)
 いきなし現れた草太の母親。自分を売り込もうとして「性格が悪い」と指摘されてる白雪、いとおかし。
 で、唐突に母親と一緒にエルデに帰るって展開。おいおいおまいがエルデに来たのは別に母親を探しに来たわけではないだろうに。
 正体を現したニセモノに、三銃士に加わって自分も決めポーズをしてるりんごだけど、戦闘に入ったら一抜けしてるのが情けなさ過ぎ。

◎ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!
 (第37話)
 やたらちょっかいを掛けてくるビビンを、実は仲間になりたいと思ってるのかとお茶会に招待しようとしてる晴雨姉妹。エドちんに招待状を預けるも、捨てられてビビンには届かず。当のビビンはお茶会のゲストが自分とは知らずにいつものようにアンハッピーフルーツの種を仕込んで邪魔をしようとしてるって展開……
 しかし、いくら問題児ビビンがゲストのお茶会とはいえ、他の参加者がリオーネ、アルテッサ、ソフィーの3人だけってのは寂し過ぎね。一番身近なところから選んだんだろうけど……
 なんか思い出したように学園長の話が出て来たけど……シフォンやトーマも見たことは無いって話。どうでもいいけど、教頭には訊かないのか?

◎地獄少女 二籠
 (第10話)
 紙コップのコーヒーを近くの人にぶっ掛けて、知らん振りして逃げようとしてる男。それを見て驚いてる骨女だけど……
 別にコーヒーを掛けて逃げようとしてたのに驚いてたわけじゃなく、次の地獄流しのターゲットがその男だから驚いたって話。男は自称・映画監督で、1年前、自分の映画のヒロインにならないかって骨女に声を掛けてきたのが始まり。
 曽根アンナって芸名は良いけど……アラカンっていったいいつの時代の映画じゃい。
 骨女を口説く割には奥さんがいたって話だけど、ま、それだけならよくあること。その半年後に再会したら別の愛人と同棲してたって話。その愛人、やたら面倒見てる割には何かあると自分は映画を知らないからって弱気なのがかわいそう。で、なんか元の奥さんや骨女も同情して仲良くなってるところが笑えるね。
 男は今度は映画の専門学校に通う金持ちのねーちゃんに乗り換えてるんだけど、製作資金としてもらった金を競馬で摩ってしまい、さすがに捨てられてしまうわな。で、3人のところに戻って温泉に行こうって話になって出掛けて来たところなんだけど……
 てっきり同じように泣かされた他の女の恨みなのかと思ってたら……来る途中の駐車場で車に傷付けられたにーちゃんの恨みだって……恨まれる方も恨まれる方なら恨む方も恨む方だね。おいおい、おまい、たかがそんなことで死んだ後に地獄送りになっても良いのか?
 ま、その車が大切な借り物とかで、傷を付けたら人生終わるぐらいの破滅が待ってるとかいうんならわからなくもないんだけど、どう見ても普通の乗用車にしか見えんし。ま、コーヒーぶっ掛けられて衝動的に人形の糸を抜いたってのはありえる話だけど。
 本人が最初から観念してるから地獄送りの地獄図も全然地獄図じゃなくて本人の希望通りの演出だし……地獄少女の地獄送りも軽くなったものだね。

◎ゴーストハント
 (第10話)
 謎解き編。ま、予想通り真犯人は例の先生だったって話。
 昔の超能力ブームの時にマスコミにスプーン曲げのトリックでインチキ呼ばわりされて傷付いてたって話で、それで陰陽術とかの知識も身に付けたんだろうね。
 もっとも、最初は笠井に昔の自分を見て純粋に守ってやろうと思ってたみたいだけど、周囲の批難が大きくなるにつれていつの間にか自分の復讐みたいな形になってたってか。渋谷はこの先生も一種の被害者だと思ったから、こっそり事件は終わりにしようと思ったみたいだけど……
 最初から一人だけ笠井が犯人じゃないと感じてた麻衣。ランダムな4択のESP検査を1000回やったら、何もなくても1/4の確率で当たるものを、見事に全部外してたって……とんだ潜在的超能力だな。
 しかし、回避的な能力だと言っても、この前みたいに見事にマンホールの罠にはまってるんじゃ全然役に立ってないと思うんだけど。ま、あの時点ですでに呪詛に掛かってるから回避が働かなかったってことかもしれないけど。

◎はぴねす!
 (第10話)
 魔法の直撃を受けて救急車で運ばれるすもも。医者は医学的には健康体だと言ってるんだけど、無意識に幽体離脱を繰り返してるって状態。
 で、春姫たちに雄真のことと式守家の秘宝を巡る事件のことが語られるって展開。
 雄真は実は魔法科の御薙先生の子供で、日本でも有数の魔法の才能を持ってたんだけど、昔、春姫を助けたときに魔法を暴走させてしまい、それ以来、自ら魔法を使わなくなってしまったって話。
 雄真が小日向家に引き取られることになったのはそれとは別に式守家の事件がきっかけだったって話。
 上条家で沙耶が母親に会いたいとか言ったら、父親が式守家の秘宝を持ち出してそれを叶えようとしたのだけど失敗して逆に秘宝に封印されていた鬼を蘇らせてしまったって話。そこで式守家やその周辺の術者が総出で再び鬼を封印したんだけど、その時に犠牲になった式守家の当主が伊吹の姉で、彼女との約束で御薙先生が秘宝を封印することになったってこと。要するに学園の敷地に秘宝を封印してあって、その結界を維持するために雄真と一緒に暮らせなくなったって話か。
 でも、その割には出張で不在とかやってるけど……
 伊吹は式守の当主である自分に秘宝の所有権があると思い込んでるから、それを奪い返しに来たってことだろうけど、昔の事件のことはあまり知らないんだろうね。ま、自分たちが事件の原因だったから、上条兄妹は伊吹に頭が上がらないってことだけど。

◎ふたりはプリキュア Splash Star
 (第43話)
 アクダイカーンに恩義を感じてるのに歯向かう満&薫に筋が通ってないと言ってるキントレスキーだけど、生きてるものの分際ですべてを滅ぼそうというアクダイカーンに従うことだって筋が通ってないと思うぞ。それより、おまいだってアクダイカーンの命令より自分の満足度の方を優先させてた点では変わらんと思うけど。
 長年の経験と勘で確実にやられるからと撤退しようとしてるキントレスキーに対して、逆に突っ込んでいくモエルンバ。この前のカレハーンと同じだな。以前にやられたのと同じ順番でやられていくのか? 律儀だねぇ。
 満と薫の笑顔……似合わねぇ。

《おまけ》
◎ウルトラマンエース(再)
 (第31話)
 北斗と一緒に早朝ランニングしてるガキのダン。空に黒いほうき星を見付けるけど……おいおい、黒い彗星なんてありえないだろ。何で問題視しないんだ? しかも、宇宙にあるんじゃなくて、明らかに大気圏内を漂ってるとしか思えんし。三日後に消えてから不思議がっても手遅れだろ。
 いきなし北斗に話があるといってTAC本部に出現した幼女。獏ちゃんと獏おじさんを助けてほしいってことだけど、その獏おじさんというのは動物園の獏に勝手に餌をやってる困ったおっさんみたいね。いや、それより幼女は何を助けてほしかったのかが全然わからないのだけど。まさか。動物園の飼育員に怒られるのを何とかしてほしかったってわけでもあるまいに。
 獏が悪夢を食ってくれるって迷信を信じ込んでるのもどうかと思うけど、獏と話せるようになったって……獏の知能レベルと語彙はどれだけあると思ってるんだ?
 結局、例の黒い彗星のエネルギーで獏が超獣になったって話だけど……で、偉いさんたちが獏の銃殺を決めるんだけど、わざわざ処刑場に引っ張り出して仰々しく銃殺しようとしてるのが笑えるね。そんなの餌に毒を混ぜるとかして気付かれないように殺すのが本当だと思うぞ。案の定、撃った途端に超獣と化して銃殺隊がやられてるのがマヌケね。
 いきなりセブンがやってきて超獣を獏に戻してるのが唐突過ぎね。

◎仮面ライダーカブト
 (第44話)
 例の最強ワームに押されてるゼクト。撤退するところを襲われた祐月を庇ってやられてる神代。自分は相手のワームには勝てないけど祐月を守ることはできるってか。少しは現実を認識できるようにはなったみたいね。
 それを見ながら自分には関係ないとばかりに立ち去ろうとしている矢車。影山の方は見て見ぬふりはできないって感じだけど……
 神代の態度を見てひよりは強がっているんだと気付いた加賀美。ハイパーキャストオフしたら日蝕が現れ、それが時空の裂け目だって話。天道にひよりを助けに行かせる加賀美だけど……
 ザビーゼクターが帰ってきたと喜んで最強ワームと戦おうとしてる影山。田所のところに行ってもらってきたのか。しかし、同時攻撃を主張する加賀美を無視してバラバラに攻撃してたら見事に各個撃破されてるって哀れ。それでも加賀美は何とか持ち堪えてるあたり、相当に打たれ強いねぇ。
 天の道など行かずにずっとひよりの兄でいると言う擬態天道に対し、自分はひよりのいる世界を守るために戦うと言う天道。結局、ひよりは天道を信じて戻ってきたけど……
 何とか持ち堪え続けてる加賀美のところに戻ってきた天道。さらに影山の敵討ちに現れた矢車。3人の同時攻撃の前にはコピー技も使えず、ダメージを追ったところをパーフェクトゼクターで止めを刺されてる最強ワーム。今度こそ消滅したかと思ったけど……
 天道を待つひよりの前に現れ、この世界を破壊すると宣言する擬態天道。そしてその前に現れたのが2人になった最強ワーム……って、こいつ、やられてもやられても復活してくるというんじゃなく、元々、クローンがいっぱいいるって話じゃないのか? ま、器は無数にあっても魂はコピーできないとかで同時にみんな出してこれないってところだったりして……

週刊アニメ定点観察 Vol.523 (2/3)

2008年06月15日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/12/06~06/12/08

◎ネギま!?
 (第10話)
 麻帆良学園に出没してる闇は、スタークリスタルによって操られた人間の心の欠片だって話。ネギは黒薔薇男爵がその犠牲者で、その正体がサウザンドマスターだと思い込んでるけど……
 ネギが自分の知らないところで明日菜たちと合宿に行ったことを不審に感じてるあやか。ま、その集団を怪しがってるというよりは、自分が仲間はずれにされたことを不愉快に思ってるみたいだけど……
 あやかとお揃いのネギTシャツを着てることでチュパ研のメンバーから憐れみを受けてる佐々木まき絵。合宿の件の情報収集に役立たず、あやかに「佐々木まき絵として失格」とまで言われて、壊れてるとは悲惨ね。
 代わってあやかの手下にされた古菲だけど、こいつも役立たず。結局、仲間はずれにしたことをネギに謝られて何とか解決したみたいだけど……
 それにしても、現在のパートナー全員のパクティオカードを一気に発動したのは良いけど、コスプレがさんぽ部の3人だけで残り全部スカとは効率悪過ぎ。で、いくら操られてる敵の中にあやかがいるからって、この際全員倒してしまえって、明日菜も過激ね。

◎奏光のストレイン
 (第7話)
 すっかり仲間と打ち解けたセーラを見つめる冷ややかな目。てっきり新たな虐めかと思ったら……ストーカーかいっ!
 セーラに近付こうとあの手この手を尽くすラヴィニアだけど、他の連中にことごとく邪魔されてるとは哀れ。しかし、乙女必携のクリスタル画鋲って……気に入らないやつの靴にでも入れるためにいつも持ち歩いてるのか?
 業を煮やしてシャワー中のセーラに全裸で抱きついてディープキスをするラヴィニアだけど、相手はジェッシィだったってオチ。しかもジェッシィにその気になられてるとは、いとおかし。いや、そのまま2人で愛を育んでも良いんじゃないか?
 で、その光景を肝心のセーラに見られて錯乱したラヴィニア。すっぽんぽんのままシャワールールを飛び出したら、そこには男子たちの目。素直に戻ればいいものを、そのまま艦内一周って……豪胆だね。ま、それを実戦でのストレスによる異常行動だと判断した偉いさんたちのお陰で訓練生たちは基地への入港初日に上陸許可のある休暇をもらえたわけだけど……
 それにしても、さすがにWOWOW。平気で乳首全開だな。

 一方、セーラたちの艦を追ってきてたラルフの艦だけど……このにーちゃん、艦長をたぶらかしてたのか。で、置き去りにされたエミリィはラルフを探して艦内をうろつくけど、行くとこ行くとこ立ち入り禁止でシャッターを閉じられてるとは哀れ。で、退屈して勝手に艦外に出撃してるけど……目的はエミリィ人形なんだろうね。
 そのエミリィ人形はセーラと同じく上陸せずに艦内に残ったラヴィニアがセーラの気を引こうと隠してしまったことがきっかけでゴミとして捨てられてしまってるけど……

◎夜明け前より瑠璃色な Crescent Love
 (第10話)
 カレンが拘束されたと知り、眠ったままの達哉を放置して月に帰るフィーナ。しかし、ユルゲンの言いなりのままの国王を完全に信頼し切ってるんだけど、それはどうなのかと思ったら……国王自身は確かに物分りが良いんだけど、この人、平民上がりだから貴族社会の中では立場が弱いのね。
 フィーナの帰還に亡き妻セフィリアを思い出してる国王のライオネスだけど、学生時代にライオネスをけしかけたのは達哉の父親だったって感じだな。
 フィーナと引換に月を脱出して地球に向かうカレン。そのことで完全にユルゲンから反逆者の汚名を着せられてるけど……目的は達哉を月に連れ帰ることか。
 しかし、いくら地球が嫌いなユルゲンたちだと言っても、フィーナの留学に関してあることないこと地球政府に難癖を突きつけてくるってのは、まるでどこかの将軍様の独裁国家みたいな連中だな。

◎護くんに女神の祝福を!
 (第10話)
 手下連中と涙ながらに別れてるエメレンツィア。そこに通り掛った絢子は日本の文化を教えて欲しいと頼まれるけど……知りたいのは「女子高生」って、いったいどこから仕入れてきた知識だ?
 で、生徒会連中を巻き込んで女子だけでエメレンツィアに「女子高生」のことを教えようとするけど……まっさきに絢子が「女子高生」とは程遠い存在だと断言されてるのが哀れ。
 で、なぜか途中から絢子とエメレンツィアの対決になってるけど、最後のファッション対決でガングロだかヤマンバだかの格好(いったいいつの時代の女子高生じゃい)をしたところを護に目撃されて錯乱・暴走。ビルを丸ごと壊してしまってるけど……きっと誰かが弁償させられるんだろうな。それより、他の客は無事だったのか?
 で、エメレンツィアはドイツに帰ったのかと思ったら……実は転校(留学)してきたとかいうベタなオチね。

◎あさっての方向。
 (第8話)
 いきなし始発電車で都会に出てるからだ。出札の自動改札で困ってるけど、乗った駅って自動改札じゃなかったのか? 関西じゃ自動改札なんて1970年代にはもう普通にあったけど、未だに知らない人間もいるのね。
 で、何か不動産やさんの物件見て溜息ついてるけど、1人暮らしでもするのか?……と思ったら、次はハンバーガー屋で雇ってくれってか。しかし、中身が小学生だから履歴書も何も知らないし……
 何件か目でからだに同情したおばさんが雇ってくれるって言ってるけど、即決できないからって元の木阿弥。結局、雨の中を公園で野宿する破目に。いや、だいたい小学生の知識でろくに仕事なんかできないだろ。ま、その体だったら風俗関係だったら働けるかもしれないけど。
 昔のことを思い出してるからだだけど……なんかちっちゃい頃のからだってメチャクチャかわいいね。で、要するに椒子の持ってた昔の写真を見てしまって、椒子とヒロの関係を知ってしまって、家出してきたって話ね。
 翌朝、不審に思ったタクシーの運ちゃんから連絡を受けたヒロがからだを連れ帰りに来るけど、駅でそれを見掛けて別の電車で逃げるかい。
 小学生だとすぐに警察に保護されるからまず家出は失敗するものだけど、見掛けが若いねーちゃんだからねぇ。不審な行動でも取らない限りは、世間は放置だから、自分から戻ろうと思わない限りは戻ってこないだろうね。ま、中身が小学生だから逃げる範囲も限られてるだろうけど……

◎コードギアス 反逆のルルーシュ
 (第9話)
 ブリタニアの名門貴族であるカレンの家。なんか貧相なイレブンのメイドが働いてると思ったら、それがカレンの生母だって話か。カレンはハーフであることを隠して学園に通ってたみたいだけど、ブリタニア人のクセにテロリストやってたのはそういうことね。
 しばらくテロというよりは悪徳犯罪者を襲って人気取りに走ってる黒の騎士団だけど……要するに正面からブリタニア軍と戦うには戦力が足りないってことか。で、昔を懐かしむイレブンを標的にした麻薬「リフレイン」の巣窟を襲撃するんだけど、そこで薬に溺れてる母親の姿を見て唖然とするカレン……
 いつまでも昔の愛人に媚びて惨めに住み込みのメイドをやってる母親のことを軽蔑してたカレンだけど、本当はカレンがブリタニア人としてちゃんと暮らせるように恥を忍んで住み込みで働いてたってか。
 しかし、「リフレイン」の常習者ってだけで刑期が30年って……ブリタニアの法律は厳しいな。

◎ケロロ軍曹
 (第139話)
 街頭で客集めしてる探偵って……。しかし、いくら年末大安売りで子供相手の猫探しとはいえ、100円じゃ労力分のエネルギー代にもならんだろ。
 風邪を引いて悪性の細菌をばら撒いてる556……はいいけど、あれだけ動き回ってて感染してるのが夏美とママ以前に感染者がいないってのは。おまけにずっと横にいるラヴィは何とも無いって……免疫でも出来てるのか?
 100円の依頼を達成するために、猫寄せに買い込んだキャットフード200円……とても商売にはなってないな。
 しかし、556の体内も凄いけど、動けない親玉菌って……おまいはGODのキングダークかいっ!

◎くじびきアンバランス
 (第10話)
 いいなし謎の男に襲われてる小雪。いづみが立ち向かうも歯が立たずにやられてるだけ。即座の対応を主張する次期生徒会に、これは学園全体の安全保障問題だと待機を命じてる会長。
 現場を調べた小牧は犯人の正体に気付くけど、それは失踪してた自分たちの兄だってか。父親が立教院の生徒会を守る任務で死んだことに疑問を感じて、その逆恨みで生徒会を潰そうとしてるってことだけど、小雪を洗脳して小牧を襲わせてるって凶悪だね。
 小牧の情報を元に独断で殴り込んでる次期生徒会。蓮子が30分は持つと言った山田の航空支援を一撃で粉砕してる小雪の超能力だけど……結局は千尋の真心で洗脳が解けるって安易なパターン。
 ヘリで逃げようとしたところを小牧に退路を絶たれて屋上から身を投げてるんだけど……おいおい、こんなお気楽アニメで人を殺して良いのか? ま、死体が確認されたわけではないし、こいつも忍者の端くれだろうから飛び降りたふりして逃げた可能性は高いだろうけどね。

◎NOIR
 (第2話)
 冒頭の一家爆殺事件。殺されたのはフランスの国家機密機関の将校で、国家の英雄なのにただの警察官が殺されたとしか発表できないってか。
 ミレイユに暗殺依頼が来てるけど、何か普通のアルバイト感覚で暗殺してるみたいだな。標的は機密機関の名簿をテロ組織に撃った公安の幹部と、それを買ったテロ組織主流派の幹部で、依頼人はテロ組織の反主流派……テロ組織の内紛の暗殺なんかまで引き受けてるのか。
 しかし、暗殺依頼に事前に気付いていながらむざむざアジトに留まったまま殺されてるのがマヌケ過ぎね。

◎ときめきメモリアル ~Only Love~
 (第10話)
 夏休みというのに文化祭の準備でご苦労さんな陸と小百合。とりあえず委員会の仕事は休みになったと思ったら、つかさはバレー部の合宿でデートにもいけない陸。で、暇になったかと思ったら……購買のお姉さんの陰謀で壮絶なバイト生活をさせられる破目に。いや、高校生のバイトで紹介料30%ってピンはねし過ぎだろ。
 最初は有明の同人誌即売会の警備、次はバーゲン会場の誘導、ひよこの雌雄選別、そして最後はペットホテルの手伝い……一番最初が一番楽なはずなんだけど、これで失敗してるのが運の尽きだな。
 要領が良いのかそれとも運が悪いのか最後まで残った陸。獰猛犬を何頭もまとめて散歩に連れてけって、そりゃ無理すぎる注文だけど、これまでちゃんと仕事できてたのか、この店?
 ま、たまたま新しく預けられた犬が小百合の犬だったってことで、いつものように小百合に接近してるんだけど……間接的にではあっても陸にとっては不幸をもたらす疫病神みたいな存在だからなぁ。

アニメ魂
 Gift ~ギフト~ eternal rainbow
 (第10話)
 霧乃に嘘吐き呼ばわりされたことで落ち込んでる莉子。春彦が不在の間に霧乃に謝りに出掛けてるけど、服装まで黒いのを着てどんどん真っ黒になってる霧乃に責め立てられるだけ。ブラック霧乃だな。
 ま、前回あれだけ酷いこと言ったら、言った霧乃の方が自己嫌悪に苛まれて嫌な思いしてるんだけど、そんなとこにのこのこ何も考えてませんって感じで謝りになんか言ったから余計に火に油を注いだ形だな。この辺が莉子の無神経なところというか、自分を良い子に演じるだけで他人のことまで気が回ってないってところなんだろうけど……
 結局、霧乃はこれからの春彦は莉子にくれてやる代わりにこれまでの思い出を寄越せって言ってギフトを使ってるって展開。
 思い出を失った莉子は自分のアイデンティティを喪失してしまって壊れてるし、その思い出を奪い取った霧乃だけど、実体の無い思い出だけを奪ったところで事態が変わるわけもなく、第一、春彦の記憶は元のままだから意味が無いって感じで悲惨だね。
 霧乃は莉子と春彦の思い出を本来は自分が持つべきだった思い出だと考えてたみたいだけど、たとえ莉子がいなくったって霧乃と春彦の間に出来た思い出というのはまったく別の物にしかならないだろうに……
 ま、霧乃は昔、ピアノのコンクールで優勝したのを莉子がいなくなったおかげで春彦に見てもらえなかったのがトラウマになって、それ以降、ピアノをちゃんと弾けなくなってたのが、莉子の思い出を奪ったら弾けるようになると思ってたみたいだけど……そんなことで弾けるわけないわな。
 しかし、これって以前の千紗の偽ギフトと違ってそう簡単にキャンセルなんか出来ないと思うんだけど……

週刊アニメ定点観察 Vol.523 (1/3)

2008年06月15日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/12/04~06/12/05

 なんかリアルの日付を意識したら見るのが嫌になってくるな……

◎名探偵コナン
 (第459話)
 やたらゴミの分別にうるさいおっさんの話。他人のゴミの中まで細かくチェックして文句をつけてるって……そりゃ、どっちかというと何らかの疚しい理由によるゴミのチェックが目的で、分別に難癖つけてるのはそれを誤魔化して正当化する手段だと思うところ。だから、ストーカーか何かだと怪しむヤツがいても不思議では無いんだけど……あまり人を疑うことをしない住人ばかりみたいだね。

 それにしても、今どきの学校は教室のゴミ箱も分別なんだなぁ。でもさ、ビンや缶や古紙等の資源ごみの分別回収はちゃんとリサイクル経路が定まってて意味があるんだけど、プラスチックゴミなんてほとんどの自治体では分別してる意味なんか無くて単に労力の無駄遣いしてるだけだろ。
 とくに意味不明なのが食品のパッケージとかは洗ってから捨てろってやつ。そりゃ中身が残ってたりしたら腐臭が立ち込めてくるとかあるだろうけど、原料としてリサイクルするならともかく、燃やしたり埋めたりするゴミを労力掛けて洗う必要あるのか?……というか、洗ったあとのことを考えて無いだろ。
 わざわざゴミを洗うのに浪費される水道水。汚水として吐き出される家庭廃水。当然のことながら食品ゴミを洗った排水には栄養分が豊富に含まれてるから、海まで流れ出たところでプランクトンの大量発生を促して赤潮発生。で、引き起こされるのは漁業被害。アホとしか言いようが無いね。はっきりいって地球温暖化なんかよりこっちの方が遥かに深刻な問題だと思うぞ。

◎乙女はお姉さまに恋してる
 (第9話)
 学園祭が近付く中、浮かない顔の奏。本番に近付くに連れて劇の主演が重荷になってきてるらしい。そんな中、生徒投票による生徒会執行部の出し物の演劇の出演を依頼されることになった瑞穂ちゃん。プレッシャーを奏と分け合おうと自分も劇の主役を引き受けることになったけど……
 貴子の依頼を引き受けた瑞穂ちゃんを見て、自分からどんどん離れていくように感じてるまりや。瑞穂ちゃんの保護者気取りが出来なくなってることにショックを受けてるようだけど……
 生徒会の劇の出し物は『ロミオとジュリエット』。演劇部との掛持ちで忙しい圭が適当に選んだ台本みたいだけど、やたらキスシーンが多く、挙句の果てにベッドシーンまである展開にショックを受けてる貴子。でも、女同士なんだからとキスシーンをその通りにやれと圭に言われて困ってるんだけど……
 最初は貴子同様に困っていた瑞穂ちゃんだけど、練習では頬で良いと言われてからは演技が堂に入ってる瑞穂ちゃん。ま、普段からお芝居してるようなものだからねぇ。一方、瑞穂ちゃんにキスされて卒倒してる貴子。それを見てかわいいなんて言ってる紫苑だけど、彼女の目には貴子が瑞穂ちゃんのことが好きだと映ってる感じで、それを指摘されて戸惑ってる瑞穂ちゃん。
 しかし、練習でこれじゃ、本番はどうするんだろ? ま、キスシーンと違ってベッドシーンまで本当にやれとは言わないだろうけどね。
 で、自分の瑞穂ちゃんに対する気持ちに気付いたのか、瑞穂ちゃんが何者かをまりやに問い質そうとしてる貴子。別に瑞穂ちゃんの正体を疑ってるとかいう意味ではないみたいだけど……

◎N・H・Kにようこそ!
 (第22話)
 雑踏の中、岬とはぐれた佐藤。例によって先輩と出くわすって展開。本当に狙ったように出て来るな、この先輩。で、婚約者がいる身分で佐藤とラブホって、ほんと魔性の女だな。ま、もっとも不倫未遂の件は佐藤の妄想だったかどうかははっきりしないけど、岬が2人がラブホから出て来るところを見たのは確かみたいね。
 その岬は何かもうほとんど壊れちゃってるみたいで、残りの話は岬関係がメインみたいだね。
 田舎から電話を掛けてきた山崎だけど、なんか人生終わってるみたいね。アーメン。

◎僕等がいた
 (第23話)
 七美に告白したと矢野に言ってる竹内。断られるのが嫌だから、いつでもいいからOKの返事がもらえるまで待つって……そりゃ相手に対する嫌がらせだろ。でも、七美は無理して断らなくて済むからって良いように受け取ってるみたいだけど……
 で、その七美は矢野を避けまくってるって、毎度のパターン。いくらなんでも、そりゃみずちんの言うようにいい加減、愛想を尽かされても知らんぞ……と思ってたら、案の定、山本が矢野と寄りを戻そうとしてるって展開。
 いつまで経っても行ったり来たりで全然進まない七美と矢野、じれった過ぎ。

◎らぶドル ~Lovely Idol~
 (第10話)
 瑞樹不在のままイベントの練習に励む5人。しかし、演出家には怒られっぱなし。いないやつの分も歌うつもりでやれとか言ってるけど、踊りや芝居ならともかく、歌でこいつらが瑞樹の分をカバーできるとは思えんぞ。
 練習が終わるとショコラのライブに行くとかいってすぐに出て行く比奈。相談があるとか言ってた舞はその態度に思いっきり不機嫌な感じで、また空中分解でもするのかと思ってたら……
 一晩でチケットの売り上げが増えていて何故かと思ったら、比奈がショコラのライブ会場前で1人でイベントの宣伝してたって話。ま、舞の相談というのもみんなで宣伝しようってことだったみたいだけど……
 最後にようやく時間を遡って瑞樹の不在の理由が語られるんだけど……はっきり言って、物語の上からも演出的な面からも、わざわざ勿体つけて語る意味なんか無いだろ。かえって作品の進行テンポの邪魔になってるだけじゃないかって気がするぞ。

◎ちょこッとSister
 (第22話)
 忘れたノートをちょこに持ってこさせるはるまだけど……ちゃんと1人で電車に乗れたのね。その割には自動改札は知らなかったみたいだけど、いったいどこの田舎もんだ? 自動改札なんて関西の私鉄じゃ70年代ぐらいから普通にあったからねぇ。
 で、やってきたちょこに学食に連れて行くはるまだけど……いくら大学のキャンパスでも幼児を連れ込んだりしたら守衛さんから何か言われたりしないのか? で、サークルの学祭でのメイド喫茶の要員に引っ張り出されているというのはお約束の展開だけど……
 しかし、ちょこを騙して裸エプロンさせたり、風俗なみの接待させたり……真琴は相変わらずだね。とても自分に妹がいたらこういう環境に置いときたいとは思わないけど。
 で、学祭当日、いきなりやってきたはるまの従姉妹。はるまに妹なんかいないことを知ってるやつだからまさにピンチなんだけど、運悪く出くわしてしまったところではるまがちょこのことを否定してしまったから最悪の事態に……
 はるまに否定されたことでアイデンティティを失ったちょこはゆりぴょんの目の前で消滅……悲惨だね。
 それにしても学祭のコンサートでも『ねこにゃんダンス』をやらされてるオダエリちゃん、ご苦労さんね。

◎Pumpkin Scissors
 (第10話)
 出動任務で戦車を持ってる連中とやりあった陸情3課。例によって伍長の活躍で何とか任務をやり遂げたけど、翌日、なぜか出勤してこないアリス……
 ま、戦車とケンカしたと聞いて身を気遣った姉たちに監禁されてたって話なんだけど、大尉もオレルドもマーチスもいず、ステッキンと2人だけで伍長がボロボロになった軍服を繕ってもらいながら陸情3課の昔話を聞くって話。

 最初は大尉とステッキンだけだったという3課。2人きりじゃ戦災復興も何も無いだろうにとは思うけど、何をしてたんだろ? 復興物資の調達とかはマーチスが元いた部署でやってたみたいだから3課の仕事ではないみたいだし……
 そんな3課にまずオレルドがやってきて、それから上官の不正を質そうとしたために左遷されたマーチスが拾われてきたって感じ。最初は3課をバカにして入ろうとはしなかったマーチスに元上官の不正を暴くことを仄めかしてやる気を出させてるあたり、大尉も狡猾だね。
 しかし、相手の権力が強くてなかなか摘発に踏み込めないところに新隊長としてやってきたのがアリス。貴族のお嬢様の道楽だと見て上官として信頼しようとしないマーチスにいきなり元上官の不正の摘発を言い出してる辺りが性格現れてるな。
 勝算が無いというマーチスに、陸情3課は不正を見逃すための組織でも自分たちの安全を図るための組織でもない、国民のための戦災復興部隊だというアリス。なんかどこぞの国の官僚連中に聞かせてやりたい言葉だな。復興物資の調達で汚職してるマーチスの元上官は倒すべき戦災復興の敵だって話。
 結局のところ、元上官の権力よりもアリスが拝命十三貴族の次期当主だという脅しが効いたのか、摘発は成功し、それを機会に陸情3課の仕事が動き始めたとかいう話。
 陸情3課のマークのパンプキンシザーズってのはハロウィンのランタンを作る時のカボチャのくり抜き挟みってことね。分厚くて硬いカボチャの皮を切るように、戦災復興のための強大な敵を切れる組織でありたいってことか。

◎金色のコルダ ~Primo Passo~
 (第9話)
 月森のことが気になって落ち着かない香穂子。それで何かあるのかと思ったら、結局、今回は接触なしでそのまま第2セレクション当日ってか。
 代わりに香穂子に面倒見られる破目になったのは志水だけど、チェロを持ちながらもう片手で本を持って立ち読みしながら登校って……器用なやつだね。
 知らない間に香穂子の伴奏者が決まってるけど、森って、なんか音楽科にしては明るそうなねーちゃんだね。(ま、別に前の庄司みたいなやつばかりじゃないだろうけど)
 土浦に人前で弾いたら度胸が付くと言われて街に出た香穂子だけど、ショーウインドウのドレスを見てるところを天羽に見付かって、近くにいた冬海ともどもドレス選びに付き合わされてるとは災難ね。しかし、あれだけ試着して買わずに帰られたら店も嫌だろうけど……
 その後、公園で弾こうかとしてたところに何か老人が来たけど……楽器屋のおじさんだったっけ? で、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏のサロンコンサートに誘われてるけど……また志水と一緒かい。
 コンサートの後、演奏家の人たちや志水に乞われて「アヴェマリア」を弾く香穂子。コンクールで上手く弾かなければいけないというプレッシャーから解放されて、自分や聴く人が楽しめるように弾くべきだと意識が変わったみたいだけど……

【Kanon】鯛焼きと羽根リュックをめぐる冒険 #10

2008年06月05日 | アニメ
 元号が平成に変わる頃、健康に悪影響を与えるメタボを取り締まるためスイーツ良化法が制定された。
 鯛焼き屋はスイーツ良化隊の激しい検閲から嗜好の自由を守るため武装化。両者の戦闘は激化の一途をたどった。
 そして平成XX年、その戦いに食い逃げ犯として飛び込んだアホな少女がいた。

「うぐぅ、祐一くん、酷いよ……」

(表現の自由を守るために児ポ法と戦うアニメの第5話より)


 第10話「丘の上の鎮魂歌~requiem~」

【ストーリー雑感】

 夕方になって出掛ける祐一。寂しそうに見送る真琴はすでに言葉も話せず「あう~」と鳴くだけ。相手になってる秋子さんも大変だね。で、祐一はどこに出掛けたのかと思ったら、校門の前で美汐を待ってるって……学校サボっててよくそんなとこで待ってられるものだね。
 で、美汐に頼んで真琴に会ってもらう祐一。今更って気がしないでもないんだけど、経験者に委ねたら多少は回復すると期待でもしたのかな。確かに自分の(と思い込んでる)と祐一の名前は思い出したみたいだけど……。それでもそれは一時的で、次に熱を出したらお終いだと語る美汐。残酷だね。
 真琴を連れて一家揃って外食に出掛ける水瀬家。ま、これが最後の思い出ってとこなんだろうね。そしてプリクラ。原作の『CLANNAD』で芽衣ちゃんとプリクラを撮るシーンがあったのはさすがに時代遅れって気がしたけど、『Kanon』の場合は原作の時点だとそういうことは無いんだろうね。でも、この京アニ版の時点では「いつの時代じゃい!」って感じなのは確かだけど……。しかし、4人揃って映るのはさすがに相当な無理がありそうだね。
 帰って庭で花火してる時の真琴の表情が良いんだけど、これが笑顔の見納めってか。で、その晩、ついに運命の発熱が……
 翌日、再び言葉を失った真琴に好きなマンガを読み聞かせてやる祐一。で、マンガの通りに結婚しようとか言い出したかと思ったら、真琴を連れ出して外へ。見送る秋子さんが泣き崩れてるんだけど、この時点でそれは気が早過ぎるような気がするぞ。そして門の外には美汐が。
 こいつ、学校サボってるのはいいけど、いったいそこで何時間待ち続けるつもりだったんだ? ま、結局、美汐は祐一たちを見届けると途中から学校に行ってるけど……名雪に何を伝言頼んだんだと思ったら、出て来て真琴と付き合えってか。
 真琴を連れて物見の丘へ登る祐一。草原で豚まんを食わせてるけど、すでに自分の手でつかむことすらできないのか。
 夕方になって結婚式を始める祐一。ウェディングドレス一式は無理だからってヴェールだけを被せてるんだけど……本物のウェディングドレスのヴェールなのか、似たようなので間に合わせたのかよくわからんね。
「これで真琴の願いは成就したと信じた」
 いや、勝手にそう思われても……というか、何かいきなし語り口がキョンになってるのは気のせいか?
 結局、強風に飛ばされていったヴェール。途端に泣きじゃくり始めてる真琴。で、鈴で誤魔化してるのはいいけど、そりゃいい加減飽きるぞ。そして真琴が眠ったとたん、鈴だけを残して消滅……世の中には質量保存の法則というのが働いてるから、いくら真琴が軽くても女の子1人分の質量が消失したら、それと引き換えに莫大なエネルギーが発生することになるんだけど……

 校舎の屋上にいる祐一にところにやってきて語り掛ける美汐。この町の半分くらいは真琴と同じような存在なのか知れないって物騒なこと言ってるんだけど、そこで画面に映ってくるのがモブキャラじゃなく祐一の周囲の人間ばかりだってのが意味深だね。ま、祐一視点に立って考えたら、見も知らない他人を思い浮かべるよりは身近な人間を思い浮かべるのが自然ってことだろうけど……
 物見の丘のキツネたちがみんな真琴たちのような力を持ってたら奇跡が起こせるかもしれないという美汐。空からお菓子が降って来たらとか少女趣味というかメルヘンチックなことを言うんだけど、それに対して「地面に落ちたお菓子なんて汚いだけだろ」とか身も蓋も無いこと言ってる祐一。そんなこといえばお菓子の家なんてただのゴミだろ。(そもそも地面の上にじかに建ってるし、ヘンゼルとグレーテルにしたって土足で踏み入ってるからね)
 奇跡が起こせるとしたら何を願うって……真琴の復活ってのは月並みだね。復活したところでまた同じ別れが繰り返されることになってもって気がするけどねぇ。ま、奇跡は別の形で起きるんだけど……


【サブタイトル解題】

 鎮魂歌とか鎮魂曲というと一般的には沈静で儀式的な葬送の音楽をイメージすると思われますが、レクイエムの本来は死者のためのミサの音楽全体を指し示すものであり、そこには死者が最後の審判を得て楽園に復活する経緯のすべてが盛り込まれてきます。
 例えばヴェルディの『レクイエム』では怒涛のように畳み掛ける激しい「怒りの日」の部分が有名ですが、レクイエムの中にはこういう音楽も含まれてきます。これは「鎮魂」というイメージには程遠いものですが、そもそも西洋の死の概念に肉体と魂の分離は存在していないのでレクイエムに「鎮魂」という意味はありません。楽園に復活するのは生前の肉体も含めた死者なのです。(だから西洋では罪人とか悪質な伝染病患者以外は火葬にしたりはしません。肉体を焼いてしまうと復活できないからです)
 もっとも、ここで用いられているのは日本で一般的な鎮魂歌のイメージでしょう。物見の丘で消え去っていった真琴の冥福を祈る歌です。


【使用BGM】

01.「Last Regrets」
  OP
02.「凍土高原」
  真琴と会う美汐
03.「風を待った日」
  祐一の名を思い出す真琴
04.「残光」(ピアノアレンジ)
  水瀬家の団欒
05.「冬の花火」
  庭で花火~真琴の発熱
06.「残光」(アレンジ版)
  マンガを読み聞かせる祐一
07.「生まれたての風」(アレンジ版末尾)
  物見の丘へ
08.「残光」
  結婚式
09.「冬の花火」(アレンジ版)
  鈴とじゃれる真琴
10.「Little Fragments」(アレンジ版)
  真琴の回想
11.「生まれたての風」
  春になれば……
12.「風の辿り着く場所」
  ED
13.「Last Regrets」(イントロ)
  予告

 アバンタイトルに音楽が入ってないのは初めてかな。今回もキャラクターテーマの類は皆無。真琴がこれだけ弱ってりゃ「the fox and the grapes」なんて使えたものではありませんが。
 目立ったところでは「残光」が3バージョン揃い踏み。これと「冬の花火」の2バージョンでイメージが作られてる感じです。沈みがちな音楽が続いた後で、最後の「生まれたての風」が希望を持たせてます。


【キツネの少女の物語】

 キツネはタヌキと並んで日本では化ける動物としてポピュラーな存在です。そこで、その「化けた」キツネという素材で1人の少女の物語を紡ぎ上げたのが、この真琴シナリオでしょう。
 もちろん、ただの昔話のキツネの変身譚ではありません。キツネはなぜ「化ける」のか、「化けた」キツネはどうなるのかということを、人間とキツネとの触れ合いとして描いているわけです。
 もちろん、これを祐一が見た幻想譚として、夢として片付けることも出来ます。しかし、それを普遍化ならしめてるのが天野美汐という、かつて同じ体験を経た少女の存在です。ま、真琴シナリオにしか登場しないこの少女自身も幻想の存在として片付けることも出来ますが、やはりそこはこの物語をどう捉えるかという受け手側の解釈問題でしょう。

 ところで、化けるキツネといえば最近の作品でも『かのこん』のちずるだとか、『我が家のお稲荷さま。』のクーとかいますが、これらはキツネと言っても妖狐だとか天狐だとか最初から妖怪に変化した存在なので、普通のキツネが化けてるのとは違っています。そういう意味では普通のキツネやタヌキが化けるというのは昔話の中だけの話で、現在の物語として形に表れることはほとんど無いように思われます。
 ま、ジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』とかいう作品もありましたが、あれはどちらかというと現在のタヌキが化けるという作品というよりも、昔話の化けるタヌキが現在にいたらという感じの作品であり、昔話の素材を使った一種の風刺作品なので、積極的にタヌキが化ける物語世界を描いた作品とは言えないような気がします。
 そんなわけで、現在において「化ける」キツネというものを物語の素材として使った作品としては、かなり活気的なものではないでしょうか。

 さて、ちずるにしろクーにしろ、ふだんは隠しているにしても耳なり尻尾なりのパーツがキツネであることを強調するシーンがあります。昨今ではネコミミとかのブームがあって、動物耳が一種の萌えキャラの要素として扱われてたりしますが、真琴自身に関してはその素振り以外の外見的な面でキツネであることを想起させるような要素は存在しません。キツネとしての真琴は祐一の回想に出てくるだけの存在であって、物語上の真琴は終始、普通の人間の少女の姿しか見せません。また、真琴シナリオの最後で弱った真琴は鈴の音を残して消え去ってしまうだけで、キツネの姿に戻ってしまうわけでもありません。
 ま、原作の時点でネコミミのブームがあったりしたわけじゃないから、キャラクター要素としてキツネの外観を取り入れるより、完全な人間体としてドラマのリアリティを狙ったということでしょうが、それがかえって「化ける」キツネというものの存在の曖昧さを生み出してしまっているようです。

 実際問題として、真琴の場合は(保育園に働きに行ったりはしましたが)基本的には水瀬家の人間以外との接触は描かれていないわけだから、動物耳を持っていたってあまり物語的に支障があるようには思えません。
 では、他の作品でネコミミとかのキャラが多くなってるのは、逆に言えば作り手、あるいはそのキャラ自体の甘えの象徴みたいなものではないでしょうか。自分はこういう存在だとあらかじめ予防線を張っておくことである種の責任回避をしていると……
 それに対して、真琴には最初から逃げ道は存在していません。なぜなら自らの生命と記憶を引換に人間の姿を手に入れたのですから。これはある意味、キツネが化けるという話よりも人魚姫の物語に近いものかもしれません。
 遠い過去の日の祐一との思い出。捨てられた悲しみ。それらが相俟って祐一と再会したいという切実で切ない願いが、あるキツネの身に起こした夢か現実かわからない束の間の奇跡。それが「沢渡真琴」の物語だったのです。