電脳アニメパス

アニメ及び周辺文化に関する雑感

週刊アニメ定点観察 Vol.526 (1/1)

2009年02月27日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/12/25~06/12/31

◎乙女はお姉さまに恋してる(終)
 (第12話)
 瑞穂ちゃんの正体を知ってしまった貴子。瑞穂ちゃんの言い訳も聞こうともせずさっさと立ち去ってしまい、その後も生徒会室にこもって瑞穂ちゃんとは顔を合わせようともしない毎日。
 ま、他の生徒には何もしゃべってないし、貴子にすれば単に自分がどうすれば良いのかわからずに戸惑ってるだけって感じがするね。そのまま舞踏会が近付いてきたある日、エルダーとしての最後にするから舞踏会には参加させて欲しいという瑞穂ちゃんの言葉を聞いてショックを受けてるけど……
 てっきり貴子に正体を知られた瑞穂ちゃんがどうケジメをつけるかって展開の最終回だと思ってたのに、瑞穂ちゃんは最初から覚悟を決めてたって感じで、貴子の心情変化を描くのがメインみたいだね。
 躊躇を引き摺ったまま舞踏会に出れない貴子。瑞穂ちゃんの方は完璧にエルダーとしての最後の勤めを果たそうとしてるけど……
 黄昏てる貴子を見付けて仲直りを申し出てるまりや。露骨な助け舟って感じで必要性は感じられないというか、やっぱり最後は貴子に自分の気持ちだけで押し切って欲しかった気がするな。
 音楽が止まってラストダンスの時間。瑞穂ちゃんの前に現れた貴子。ま、絶好の盛り上がりだけど……ダンスの途中で停電したと思ったら、まりやの乱入というお約束のドタバタ落ち。
 どうでもいいけど、瑞穂ちゃんを聖應女学院に通わせた祖父の遺言の意味って何だったんだ? 寮に住み着いてた一子の霊を成仏させるためってわけでもないとは思うけど。ま、鏑木家の後継者になったら、いずれ聖應の理事長も瑞穂ちゃんってことになるから、そのために通わせたとかいうのもエロゲの世界ではありえる設定かもしれないけど。

 ところで、瑞穂ちゃんだけじゃなく、奏や由佳里とでも寮を出られるようになってる一子。あんまり融通の利き過ぎる地縛霊というのもねぇ……

◎僕等がいた(終)
 (第26話)
 この期に及んで矢野の温泉旅行計画を却下する七美。最後のクリスマスにもやらせてあげないのか。う~ん、きっと前に相当に痛かったのがトラウマになってるんだな。
 で、矢野は東京に行って、お終い。矢野と約束したとか言って、あっさり竹内をふってるのはいいけど、おまえの方が大丈夫なのか。虎視眈々と矢野を狙ってる山本はこっそり東京進学を決めてるみたいだけど……
 ……という中途半端で不安たらたらなところで終わってしまって大丈夫なのか?

◎Pumpkin Scissors
 (第13話)
 自国の商人が密貿易の嫌疑で陸情3課に捕まったというのを口実に、帝国にやってきたローデリアの王女。王位継承権を巡って兄弟間でも隙があれば毒を盛られるという大変な王室みたいね。
 せっかくの休日なのに、付き人のじいやから逃げてきた王女に捕まってしまったマーチス。名物のホットドッグ屋を探す手伝いをさせられてるとは哀れ。マーチスが3課の隊員であることを利用しまくる王女だけど、税金未納による不許可営業を口実にホットドッグをただ食いしようとしたのをマーチスに怒られ、逃走。しかし、逃げ込んだ先がダウンタウンの治外法権みたいな場所で、たちまち住民に襲われてるとは悲惨ね。
 王女にすれば、小さい頃から絶えず肉親にまで命を狙われてるから、疑わしいものは何でも疑え、利用できるものは何でも利用しろというのが生き残るための常識みたいなものだったんだろうから、それを責めるのは酷だろうけど……
 結局、自国民保護を名目に引き取りに来た商人の件は、公正に取り調べるというアリスの言葉で陸情3課に預けたまま帰ることになったけど、王女としては得るものが大きかったようだね。

◎金色のコルダ ~Primo Passo~
 (第12話)
 豹変した柚木にコンクールを辞退しろと迫られる香穂子。なんか信じられないという感じで周囲に柚木のことを聞こうとするけど、たいていのやつは柚木の表の顔しか知らないわな。
 で、情報通の天羽に聞こうとしたら、背後からいきなし柚木の声。驚いて階段でこけて膝に負傷する香穂子。消毒すると言って保健室に連れ込み、押し倒してる柚木。香穂子が叫んだって評判の良い自分の方を周囲は信じるって……ま、世間で権力を握るやつってのはこの手のやつって感じだな。
 自分にも秘密があるだろと言われて、魔法のバイオリンで参加してることが後ろめたくなってる香穂子。ま、柚木もそこまで見抜いて言ってるわけじゃないだろうけど。
 それが駄目押しで誰にも相談出来なくなった香穂子。土浦に声を掛けられても生返事で練習も身が入らない感じね。香穂子の怪我を見て気遣ってる月森だけど、なんか人間が丸くなったみたいね。
 火原にオーケストラ部を見て行かないかと誘われたところに現れた柚木。部外者が1人行くより柚木でもいた方がマシって……この辺の心理状況、けっこう図太そうだね。普通なら柚木の顔なんか見たくもないだろ。しかし、高校でオーケストラ部って、さすがに音楽科のある学校は違うね。
 オケ部のバイオリン奏者に演奏を聴いて欲しいと言われた香穂子。でも、自分に感想なんか言えないと逃亡。周りからするといきなし飛び出していったのが全然意味不明だろうな。そんな香穂子を追ってきたのがOBの王崎。いつぞや町でバイオリンを弾いてたにーちゃんで、何でも過去のコンクールの優勝者だったってことみたい。
 追って来たのが王崎だったおかげで香穂子の心もほぐれたみたいだけど……

◎ネギま!?
 (第13話)
 幻想空間に閉じ込められた一同。妖精に操られた連中の攻撃に、逃げ去るあやかたち一般人。一方、パートナーである明日菜たちは戦おうと留まるけど、肝心のネギが魔法を剥奪されたから契約発動もできず、役立たず。
 ま、絶体絶命って時にエヴァンジェリンの登場で助かったけど……おまいら、いきなしエヴァが吸血鬼だと知らされて、よく平然としてられるな。エヴァが妖精を追って行った間にネギはネカネとアーニャの幻に引き寄せられてしまうって展開。魔法を失い、チュパカブラになってしまったら、さすがに教師なんて自覚は吹っ飛んで、本来のガキになってるて感じかな。
 逃げたのは良いけど、変な空間に迷い込んで戻れなくなったあやかたち。例によってあやかにおもいっきしダメ出しされまくってるまき絵が哀れね。で、最後は恐竜に食われてるし……
 どうにかネカネとアーニャの幻を振り払ったネギだけど、そこにいたのは黒薔薇男爵。幻を見せてたのが黒薔薇男爵なのか、単にネギを見守ってただけなのかは良くわからんね。
 高畑とエヴァが妖精を退治したら操られてた連中も元に戻ったけど、幻想空間は残ったまま。まだ黒幕がいるって話ね。

◎ウインターガーデン
 (前編)
 クリスマスの晩、バイト先でもらった余りもののケーキを落としてしまった女の子。そばを通り掛ったにーちゃんが自分の持ってたケーキと取り替えてくれるけど……
 なんかやけに世間を見切ったような妹に冷やかされながら、そのにーちゃんのことが気になってくるって展開。なぜかその後も再会するけど、進展が非常にゆっくりなのが初々しくて良いね。
 そして、ある日、バイトが休みの日にデートに誘われるけど……というところでお終い。いや、てっきり何か事件が起こってデートが出来なかったとかいう展開で次回に続くのかと思ったけど、呆気ない展開で肩透かし。
 ま、あえて淡々として何もない引きで狙った最大のハプニングは、キャスティングのクレジットそのものなんだろうね。確かにあの2人を普通の女の子として成長させたらこういう感じのキャラにはなりそうな気がするけど……。
 そういえば、初詣の人ごみの中で一瞬出て来てたのはうさだか。セリフが無いからキャスティングには載ってないけど。

◎あさっての方向。
 (第11話)
 風邪で倒れたテツを看病する佐藤さん。熱が引いたらすぐにまた、からだ捜索を再開しようとしてるテツを見て、自分が五百川からだ本人だと打ち明けてるけど……ま、願い石に願ったとか言われても、テツにすれば自分がガキだと思ってからかわれてるとしか受け取れないよな。で、怒りまくってるんだけど……
 ペンションのオーナーが、2人のケンカをただの男女の馴れ初めのきっかけぐらいに呑気に考えてるのが、いとおかし。
 テツを傷付けたことに悩んだからだが椒子に相談して居場所がわかり、ようやくヒロが動こうとしてるんだけど……ダメ人間の典型だな。
 それはそうと、テツの親は心配して無いのか? ま、姉のアパートにいるとでも思ってるんだろうけど。

◎ときめきメモリアル ~Only Love~
 (第13話)
 いよいよ逼迫してきた感じの文化祭準備。てっきり2、3日後の話かと思ったら、まだ1ヶ月も先の話って……どれだけおめでたい学校なんだ?
 そんな中、文化祭実行委員として多忙を極める小百合。同じクラスから選ばれた実行委員の陸が割と暇そうなのはどういうことなんだろうね。ま、天宮小百合伝説によれば、本人がこれくらい忙しい程度は何とも思ってないみたいらしいけど……
 例によって総演部に拉致されてる陸。小百合に文化祭での芝居に出てもらうように説得しろとの脅迫だけど……
 放課後、話をしようとした陸だけど、小百合の周りには常に人がいて話し掛けられない状態。それでも何とか話をしようとしたら、いきなしぶちきれてる小百合。ま、『ミラクル☆ガールズ』の「ともみ怒る」みたいな状況だけど……こっちは本人自身が無自覚だったみたいで、なんか落ち込んでるのが痛々しいね。
 今回はつかさも水奈も陸に相手にしてもらう暇が無くてかわいそうね。

《おまけ》
◎ウルトラマンエース(再)
 (第34話)
 謎のタンカー消失事件が連続してるのは良いけど、TACへの通報はいつも数日遅れって……いや、タンカー会社や海運当局って、いったいどんな危機管理体制をしてるんだろうか?
 で、タンカーの消失現場で漂流してるガキを救出した北斗。地元のガキたちに案内されて自宅に送り届けてるけど……普通、病院に送らないか? その家には両親はいなくて、家族は姉だけ。しかし、この姉はガキに貝殻を千枚集めたら父親が帰って来るとか嘘を言ったり、近所のガキたちとは遊ばせないようにしたりという奇行が目立つアブナイやつみたい。
 ま、弟が父親が死んだのを知って悲しむのを見たくないというのはわからなくもないけど、貝殻もあと数十枚でコンプリートって状況じゃ、どのみちすぐに嘘がばれるだろ。千枚集まったらどう言うつもりだったんだ?
 しかし、貝殻だと思って集めていたのは超獣の鱗で、北斗はガキに父親は死んだと教えて調査のために鱗を渡せって言ってるけど、錯乱したガキは貝殻を捨ててしまうって展開。でも、この貝殻、けっこう大きいから捨てた容器にとても千枚近くも入ってたようには思えないんだけど、他のも捨てたのか? それに北斗の目の前で海に捨ててるんだから、そんなに必要なものならすぐに飛び込んで探したら1枚や2枚程度は簡単に回収できるだろうに……
 自分で鱗を探そうともせずにガキを弱虫だと詰ってる北斗。こいつが何かと子供を理由に任務から離れてるのは、その方が優越感に浸れるからなんだろうね。
 沖合いでタンカーを襲ってた超獣がいきなし上陸してくるって唐突な展開。北斗に責められたのを気にして貝殻を探しに出掛けたガキを助けようとする北斗だけど、あくまで貝殻探しに拘るガキを救えないまま目の前に超獣が。エースに変身してガキを助けるのかと思ったら、ガキは放置して上陸した超獣とバトル。超獣を倒したのは良いけど、ガキのところに戻ったら……
 聴き慣れた冬木透の悲壮感あふれるBGM。必死に人工呼吸する北斗だけど……という状況でてっきりガキが死んだのかと思ったら、死んだ父親の声で呼び戻されたってオチかい。それにしても、エースがあっさり超獣を倒してたらガキが超獣の鱗に拘ってた意味が全然無くなってしまうんだけど……


【Kanon】鯛焼きと羽根リュックをめぐる冒険 #13

2009年02月26日 | アニメ
秋子さんのお家に住まう居候が、
今日も天使のような羽根リュックで
背の高いアーケードを潜り抜けていく。
恐れを知らない食欲を包むのは淡い色のダッフルコート。
空っぽの財布を気付かれないように、
黒い食い逃げの野望は悟られないように、
こっそりと歩くのがここでのたしなみ。
商店街の鯛焼き屋、ここは乙女の戦場。

(ロサ・カニーナじゃないけど、真っ黒なアンコ色の薔薇だろうね)


 第13話「あぶなげな三重奏~trio~」

【ストーリー雑感】

 祐一と名雪の前を通っていく路面電車。ここって路面電車の走ってる町なのか? そんなに大都市とも思えないんだけど。北国で路面電車というと札幌とか函館ってイメージだけど、関西から見たら福井や富山だって北国だからねぇ。ま、昔ながらの市電のイメージってことを考えたら札幌か函館だろうけど、福井や富山も車両が新しくなったのは最近だと思うから、これの原作が出た当時はもっと古い車両が走ってたのだろうけど……
 いくらなんでも札幌みたいな大都会とは思えんから、函館辺りがモデルなのかねぇ。

 舞踏会の後から祐一が変だという名雪にそんなこと無いとはぐらかす祐一だけど、生徒会に呼び出されたと急いでいる北川を見て問い質そうとしてたら、とても何も無かったとは言えないだろ。
 舞が刀を振り回してたから退学にすると言ってるようだけど、それで舞踏会の事件が解決するわけでも無かろうに。
 生徒会室に乗り込もうとした祐一だけど、すでに中には佐祐理さんが来て抗議してる様子。こうなることを予期してたのか、動きが早いね。通学で祐一と一緒になったりもしてるから普段から登校時間が早いわけではないだろうし。
 ガラスが割れた原因はどうでも良くて、要するに前から目障りだった舞をこれ幸いと退学処分にする口実が出来たって感じだな。そこに飛び込む祐一だけど、あれは余興の剣の舞いだったって言い訳はあんまし良くはないと思うぞ。ま、幸い北川が助けてくれたからその場はどうにかなったように見えたけど……

 いつものように校庭に来てる栞。同じクラスに「美坂香里」というやつがいると言ったら、お姉ちゃんと同じクラスなのかと反応してる栞だけど、それを聞いてるのか聞いてないのか、香里は一人っ子だと言ってたと続ける祐一。すると、いきなしこの学校にいるのは姉と同姓同名の人だと言い直してる栞。反応が露骨過ぎね。間違いなく香里が姉ですと言ってるようなものだけど……
 階段の踊場から祐一と楽しそうに話してる栞を見ている香里。いったい何を考えてるのかねぇ。で、その後ろを舞と佐祐理さんが通っていくのだけど……その直後に昼食のシーンがあったけど、その少し前にチャイムが鳴ってたところをみたら、祐一は授業中抜け出して栞に会ってたのか? でもそんなとこだと教師にすぐ見付かるだろうに。

 昼食を終えた佐祐理たちに絡んで来てる生徒会長。佐祐理が舞を庇うのを理解できないとか言ってるけど、佐祐理が親友だからと答えたら言い返す言葉が無いか。いや、こういうやつには親友なんて呼べる人間はいないんだろうけど。
 舞が今度問題を起こせば退学は間違いないと言い、そうなったら舞を庇った佐祐理にも何らかの処分があるとでも言いたげな様子だけど、舞ににらみ付けられたらビビッてるのがちんけな小悪党って感じだな。
 どうでもいいけど、生徒を退学にするとかしないとか言うのは学校側が判断することであって、生徒の代表である生徒会がどうこういう話じゃないだろ。そりゃ、生徒を庇って学校側の処分に抗議することはあるだろうけど、率先して生徒を処分する生徒会って、どんな権限の強い生徒会なんだ? ま、アニメとかじゃ珍しくはないみたいだけど……

 放課後の校庭で竹刀を振ってる祐一。自分も戦うことでさっさと魔物を退治するとか言ってるけど……
 そんな祐一の練習に物を投げつけてる舞……はいいけど、消火器なんか投げるなよ。立派な器物破損で自分から退学時期を早めてるようなものじゃないか。どうでもいいけど、消火器って竹刀で折れるのか? どう考えても竹刀の方が折れてしまいそうな気がするんだけど……

 帰宅途中に出会ったあゆ。自分も学校帰りだとか言ってるけど、学校はどこかといわれたら森の方にあるって、どこの森だ? まだ探し物は見つからないと言ってるけど……
 魔物退治にあゆを連れて行く祐一だけど、そんな怖がりを連れて行くって……いじめっ子だな。どう考えても足手まといにしかならないから舞に嫌がられると思うんだけど。
「舞さんは不思議な人だね」
 いや、お前の方も負けないくらい不思議な人だと思うぞ。
 前に舞が真琴の居場所を教えてくれたから、今度はあゆの探し物の場所を教えてくれないかと頼んでる祐一だけど……舞の答えは自分が教えたら意味がないってこと。なんかあゆの正体も事情も全部察知したような反応なんだけど、本当か?
 で、用が済んだら追い返されてるあゆ……哀れね。ま、いても怖いだけだし、本当に足手まといにしかならないからね。

 あゆが帰った後、答えの意味を問い質す祐一。自分は待てなかったのにずっと待ってるあゆは強いと言う舞。はぐらかされたようで怒る祐一だけど、その時、魔物の気配が。
 魔物と戦い始める舞。何とか1体をしとめるけど、出るなという指示を無視して飛び出した祐一に不愉快な様子。今日はもう出ないと言ってさっさと立ち去っていく舞に、怒ってる祐一だけど……

 翌朝。相変わらず寝ぼけてる名雪。トイレで着替えようとしてるのはともかく、祐一の目の前で平気で着替えるつもりだったのか? いや、作品に描かれてないだけで、それが日常光景かもしれないけど。
 おや、ピロってまだ水瀬家にいるのね。

 昼休み、機嫌の悪そうな祐一を訝しむ佐祐理さん。舞と喧嘩中だという祐一だけど、肝心の舞の反応は、
「祐一がそう言うなら、そう」
 こういうやつだから祐一は怒ってるんだろうけど、まったく本人に伝わってないんじゃ怒ってる意味が無いわな。
 祐一に訊かれて自分たちが仲良くなったきっかけを話し始める佐祐理さん。いや、佐祐理さんの話だけだと意味がわからないから映像で想像するしかないんだけど、舞が弁当を揚げてた犬は、その前に追い払ってた狂犬と同じ犬なのか? で、佐祐理さんも弁当をあげたら2人とも昼食がなくなったから学食で牛丼を食ったのが舞の牛丼好きの始まりだって話ね。(いや、そこまでは言ってないな)

 放課後、こっそり佐祐理さんに呼び出された祐一。さては魔物退治のことを気付かれてるのかと怪しんでた祐一だけど……明日は舞の誕生日だからプレゼント選びに付き合えって話だったのね。
 女の子らしいプレゼントということで町で一番大きなぬいぐるみを買うことにしたのはいいけど、1分の1スケールのオオアリクイって……どうみても女の子が喜ぶプレゼントとは思えないぞ。舞はどうか知らないけど。そりゃ3年も不良在庫になってるのも当然だね。なんか今にもシルクハット被ってステッキ持って「バカめ」とか言いそうだし。だいたい、ぬいぐるみに1分の1スケールとか、等身大フィギュアでもあるまいに。
 結局、3年というのにつられて買ってしまってる佐祐理さん。ま、金持ちのお嬢様の経済感覚は庶民にはわからないし。それにしてもそのオオアリクイ、そのまま1人で持ち帰ったのか、佐祐理さん。ある意味、勇者だな。

 で、また夜の学校。佐祐理の他に友人はいないのかという問いにずっと前に1人いたという舞。そいつはいなくなったとか言ってるけど……ま、どうせ7年前の祐一とかいう話なんだろうね。
 この日も襲ってきた魔物。同時に現れた2体のうち1体を引き受けてる祐一だけど、辛うじて時間稼ぎできてる程度だね。しかし、魔物は祐一を狙ってるという舞。それで祐一が何者か怪しみ始めた舞だけど……。それはいいけど、これまでは何か特定のものとか狙って現れてたのか?


【サブタイトル解題】

 トリオはマーチ曲等の複合三部形式の中間部を指したりもしますが、ここでは三重奏のこと。複合三部形式の中間部の方は、もともとこの部分が3パートの楽器で演奏されることが多かったことから、三重奏のトリオの名前で呼ばれるようになったみたいです。
 今回のサブタイトルとしては、素直に祐一、舞、佐祐理さんの3人を指してると考えて良いでしょう。実のところ、今までは舞と佐祐理さんの結びつきに比べると祐一が少し距離を置いた感じで、完全なトリオではなかったんですね。祐一が舞に対して怒ったことでようやく3人対等の立場になれたって感じです。
 でも、その関係は魔物の話を佐祐理さんが知らないということで、あやふやな力関係になってしまって、一歩間違えば崩れ去ってしまいそうです。そこが「あぶなげな三重奏」ということなのでしょう。


【使用BGM】

01.「Last Regrets」
  OP
02.「凍土高原」
  生徒会に抗議する佐祐理
03.「pure snows」(ピアノアレンジ)
  姉のことを話す栞
04. 「Last regrets -acoustic version-」(末尾)
  佐祐理を脅す久瀬
05. 「日溜りの街」(アレンジ版)
  あゆと鯛焼き
06.「冬の花火」(アレンジ版)
  あゆは強いと言う舞
07.「兆し」
  魔物の出現
08.「少女の檻」(アレンジ版)
  立ち去る舞に叫ぶ祐一
09.「雪の少女」
  名雪の朝
10.「pure snows」
  舞と佐祐理の馴れ初め
11.「彼女たちの見解」
  プレゼント選び
12.「兆し」
  魔物の出現
13.「風の辿り着く場所」
  ED
14.「Last Regrets」(イントロ)
  予告

 珍しくアバンタイトルに音楽が付いてません。ま、いつもは回想ナレーションが入ってるわけですけど、今回はいきなし本編が始まってるということもありますが。
 舞シナリオが進行している影で、栞シナリオとあゆシナリオもちょっとずつ進行してるわけですが、それに対して動きが無いのが名雪だけど、とりあえず「雪の少女」が使われて存在をアピールしてる感じです。ま、出番だけならいつも十分にあるんですが。
 今回はアレンジ曲の使用が目立ってた感じかな。でも、アレンジ版はサントラ曲とは曲調が違うからよっぽどうまく使わないと違和感が顕著に感じられるんですね。作品に比べてポップすぎるとか。「雪の少女」もそういう意味では使いにくい曲だと思うんですが……


【オオアリクイのぬいぐるみ】

 舞台のモデルが実は福井だとか富山だとかいう珍説で引っ張ってもいいんだけど、面倒だから今回はオオアリクイのぬいぐるみについて考察してみましょう。

 そもそもこのオオアリクイ、売ってた店が怪しげですね。見た感じ、とてもおもちゃ屋だとかファンシーショップだとかには見えない、古ぼけた骨董品屋みたいな店。函館辺りが舞台だったらもうちょっとマシな店がありそうな気がするんですが。ま、意外と大きなぬいぐるみって売ってる店が限られるのかも知れませんが、単に祐一も佐祐理さんも店を知らないという話なのかも知れません。祐一は余所者だし、佐祐理さんはどっちかというとプレゼントされる方がメインの人って気がしますから。

 それにしても、1分の1スケールのオオアリクイって、誰が何を考えて作ったぬいぐるみなんでしょうねぇ。店の人によると3年前に入荷したまま売れ残ってたって話ですが、そりゃよほどの物好きじゃなけりゃ買おうとは思わないでしょうね。委託販売でもなけりゃ基本的には店の買取だから返品も利かないだろうし。
 この手の商品はメーカーとか問屋から押し付けられたりするものじゃないと思うから店の判断で入荷したものでしょうけど、売れると思ったのでしょうかねぇ。単に店のじいさんの趣味だとかいうのが一番もっともらしい答えだとは思いますが。

 実はこの作品世界ではオオアリクイが主人公のアニメ番組が流行っていて、これはそのキャラクターグッズだったとかいう設定があるのかも知れませんが、少なくともこの作品の現在時間ではそんなに人気は無いみたいですね。ま、『だんご大家族』ほどの国民的人気のある番組ではなかったということですか。

 オオアリクイといえば、「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」とかいうスパムメールが流行ってたことがあったみたいですが、時期的にはこれがネタ元の一つなのでしょうか。あれ? 原作もオオアリクイだったのかなぁ? それじゃスパムメールは関係ないですね。ピンクのクマのぬいぐるみだったら別の作品になってしまいますし。

 しかし、これを舞の誕生日プレゼントというのはどうなのかなぁ? ま、舞が佐祐理さんからのプレゼントを嫌がったりはしないでしょうけど、舞が自宅で巨大なオオアリクイのぬいぐるみと戯れてる光景を想像したら、なんか不気味な感じがしますが。そもそも舞の部屋ってどうなんでしょう? 少し前に『とらドラ!』でみのりんの部屋がとても女の子の部屋とは思えないとかいう話題があったのですが、あんな部屋にオオアリクイが鎮座してたら怖いような。
 もっとも、舞の部屋は意外とかわいらしいものであふれてそうな感じがしないでもないですけど。
 実のところこのオオアリクイって、単に佐祐理さんの感覚が少しずれてるということをあらわすための小道具なのかもしれません。いや、ふつう女の子があんな格好でぬいぐるみを背負って持ち帰らないでしょ。車を使うか、祐一が持っていってやるかというところだと思いますが。それとも、佐祐理さんとこってよっぽど躾が厳しいのかな?