電脳アニメパス

アニメ及び周辺文化に関する雑感

涼宮ハルヒの迷宮 怪盗キッドへの挑戦(後編)

2006年06月24日 | アニメ
 その時、再び携帯に着信があった。今度は対策本部にいる長門からである。
『キョン、ハルヒからの連絡が切れた』
 切れたというより、ハルヒが連絡しなくなったという方が正確だろう。
「ハルヒならまだ展示室にいるはずだ。モニターで様子がわからないか?」
 俺はハルヒがどんな状況か長門に確認してもらおうとした。
『さっきの停電の最中にカメラが破壊された。ここから展示室のことはわからない』
 長門のところからではハルヒの状況はわからないらしい。やっぱり、俺が行ってハルヒを助けてやるか。
「今から展示室に行ってハルヒの様子を見てくる」
 俺はそう言って持ち場を離れることを長門に伝えようとしたのだが……
『それはダメ。怪盗キッドがそっちに向かって逃走中』
「何だって!? 先輩と古泉は?」
 キッドが展示室から逃走を始めたんなら先に朝比奈さんや古泉と接触する可能性が高いはずだ。
『朝比奈みくるはすでに敗退。古泉一樹は現在接触中と思うけど、時間の問題』
 長門の判断では古泉に勝ち目は無いらしい。
『ハルヒは私が見てくる。キョンは予定通りにキッドを捕まえて』
 そう言って長門は通話を切った。ハルヒのことは長門に任せて、俺は覚悟を決めて怪盗キッドを待ち構えることにした。

 ハルヒが俺に指示した持ち場は、美術館の屋上だった。
「怪盗キッドの逃走パターンで多いのが気球、またはハングライダーでの逃走よ。高いビルならそのまま窓から飛び出して逃げていくって可能性もあるけど、この市立美術館じゃそれは無いわ。空からの脱出経路を選ぶなら必ず屋上に来るはずよ。だから、展示室から屋上に向かうのに通る可能性の高いここと、ここにみくるちゃんと古泉くん、そして最後の屋上にキョンが待ち構えているの。我ながら完璧な作戦ね!」
 ハルヒの作戦にはひとつ知名的な欠陥があった。待ち構えていたからってキッドを捕らえられるとは限らないこと。だいたいSOS団に肉弾戦向きのメンバーなんかいない。宇宙人やら未来人やら超能力者を集めてくるより先に屈強な格闘家でもメンバーにするんだったな。
 長門の情報では朝比奈さんはすでに突破されたみたいだけど、大丈夫だろうか? 持ち場に着くときにいざとなったら相手にならずに逃げるように言っておいたのだが……それに、ハルヒはキッドが変装してる可能性が高いって言ってたけど、いったいどんな格好で現れるんだ? 知ってるやつ意外は全員怪しいと見なすしかないぞ。
 俺はそんなことを考えながら、キッドが来るのを待っていた。
 しばらくして、階段のドアから1人の人影が飛び出してきた。
「ハ、ハルヒ?」
 それは展示室から通信の途絶えたハルヒだった。
「キョン、ここに怪盗キッドが来たでしょ?」
 怪盗キッド?
「いや、ここへはまだ……」
「そんなはずは無いわ! あたしは展示室からあいつを追い掛けて来たんだから!」
 ハルヒは俺の言葉が信じられないのか、にらみつけるように言った。
「まさか、キョンに化けたキッドじゃないでしょうね!」
 やれやれ、2回も正体を疑われるのか、俺は。
「あんたがキッドじゃ無いなら、さっさと本物のキッドを探しなさい! 絶対にここに逃げ込んできたんだから……」
 俺はハルヒに責め立てられるようにキッド探しを始める破目になった。ここにキッドが来ていないのは本当なんだがなぁ……
 その時だった。
「にーちゃん、探す必要はあらへんで!」
 屋上スペースの端の暗闇の中から色黒の学生服が現れた。服部である。そして例の小学生も一緒だ。
「お姉さんが来るまで、誰も屋上には来なかったからね」
 小学生がそう言った。
「そんなこと無いわよ。あたしはちゃんとキッドを追って……」
 ハルヒは珍しくうろたえた様子だった。
「じゃあ、言うてみぃ。その怪盗キッドはどんな姿しとるんや?」
 服部の質問にハルヒは詰まった。
「怪盗キッドといったら、白いタキシードにシルクハットのマジシャン衣装に決まってるじゃない!」
 ハルヒはそう言い返した。確かにもっともだ。しかし、俺はそのハルヒの答えに何か違和感を感じた。
「確かに一般的なキッドのイメージはせやろ。しかしなぁ、他人に化けて宝石を盗み出して逃走してる最中のキッドがその変装を解いてわざわざ目立つ格好で逃げると思うか? 俺やったらそんなことは絶対にせぇへん」
 そうだ。俺は服部の言葉で思い出した。俺はいったいどんな変装をしたキッドが逃げてくるのかさっきまで気になってたんだ。
 そこにまた携帯の着信があった。発信者は、目の前にいるはずのハルヒである。
『キョン、もうちゃんとキッドを捕まえたんでしょうねっ!』
 携帯の向こうのハルヒの声はいつにもまして怒り狂っていた。
『あたしにこんな屈辱を味わわせたキッドなんか、絶対に許さないんだからっ!』
 大声で怒鳴りまくるハルヒの声に俺は携帯を少し遠ざけながら、目の前にいるハルヒを見た。
「怪盗キッド……」
 そうだ。目の前にいるハルヒこそがキッドが変装した姿に違いない。
「そうだ、観念しろ。怪盗キッド!」
 服部の横にいた小学生が飛び出してきて、腕時計か何かでハルヒの姿をした相手に狙いを定めた。
「ばれちゃしょうがないか」
 そう言ってハルヒの姿をした怪盗が一瞬身を翻すと、そこにはタキシードにシルクハット、それにマントを身にまとった白尽くめで、モノクルを付けた正真正銘の怪盗キッドの姿があった。いや、いったいどうやってハルヒの格好から早変わりしたのか、それは問わないことにしよう。問えばややこしくなるから。
『キョン、聞いてるの!』
 携帯の向こうで本物のハルヒが怒鳴ってる。
「うるさい。いま取り込み中だ!」
 俺はそう言ってハルヒを黙らせようとした。
『そこにキッドがいるのね? いいこと、キョン。あたしがキッドをとっちめてやるから、それまで絶対に逃がすんじゃないわよっ!』
 ハルヒは通話を切った。どうやらこっちにやってくるつもりらしい。しかし、これでしばらくは静かになる。
 さっきから狙いを定めてる小学生から間合いを取るようにじわじわと下がっている怪盗キッドだが、それを逃さないようにと服部が反対側に回り込もうとしている。俺だって黙って見ているわけには行かない。たとえキッドを逃がさなくても捕まえたのが服部たちだということになったら、ハルヒの不機嫌な顔が思い浮かぶ。
 俺もキッドの様子を伺いながら間合いを詰めようとした。その時だった。
「レディース・アンド・ジェントルマン!」
 キッドはそう言ってマントを広げた。
「イッツ・ショータイム!」
 キッドが何かを床に投げ付けたかと思うと、一瞬にして辺りは白い煙に包まれ、俺の目は痛くなって目を開けていられなくなった。
「くそっ、催涙弾だ!」
 小学生が叫んでいる。
「キッドが逃げるぞ! 追えるか、服部?」
「ダメや。俺も目ぇやられてもうた」
「大丈夫さ。ヤツの隠してたハングライダーには発信機を付けて置いた。下に降りて地上から追うぞ!」
「わかった、工藤」
 服部と小学生はそういって下に降りていくようだった。俺も2人を追おうとしたのだが、白い煙を思い切り吸ってしまってむせこみ、息が出来なかった。目から涙をボロボロ流しながらどうにかふらふらと階段までたどり着いたが、そこでハルヒたちと出会った。

 催涙弾のガスを大量に吸い込んでしまった俺は、救急車で病院に運ばれた。生命に別状は無かったが、刺激され腫れ上がった涙腺や鼻の粘膜が元に戻るまで、しばらく涙もろく鼻水が止まらない状態になってしまった。
 案の定、キッドを取り逃がしてしまったことでハルヒはカンカンだったが、逃げてきたキッドがハルヒの格好をしてた原因を問い詰めようとすると、あまりうるさく言わないようになった。
 後から長門に聞いたところでは、概ね次のような状況だったらしい。

 俺との連絡の最中に服部にキッドの変装だと疑われて展示室から連れ出されたハルヒは、そこで服部に化けていたキッドに眠らされてしまったらしい。そしてキッドは変装を服部からハルヒに変え、ハルヒの予想した通りの逃走経路を経て逃げてきたということだった。
 ちなみに朝比奈さんはキッドがやってくると聞いて、持ち場から逃げ出してしまい不戦敗。古泉はハルヒの姿を見て相手がキッドだとは気付かずに素通りさせてしまったということだ。
 長門は俺との連絡の後、展示室へハルヒの様子を見に行く途中で眠らされてるハルヒを発見し、どうにかして叩き起こしたらしい。で、目覚めたハルヒがとった最初の行動が、ニセモノのハルヒを目の前にした俺への電話だったということだ。
 あの時、服部と小学生がキッドを追っていったはずだが、キッドが逮捕されたというニュースが流れなかったところを見ると、彼らも追跡に失敗したのだろう。ただし、キッド自身も犯行には失敗していった。なぜなら彼が奪っていったサファイアはニセモノだったからだ。
「誰にも知られないようにニセモノと入れ替えておいたらキッドだって気付かないとハルヒは言ってた」
 どうやら最初に展示室を覗いた時にハルヒが思いつきで言ったことを長門が実行していたらしい。
「でも、宝石は無事でもキッドが捕まえられなかったから失敗」
 長門はそう言っていたが、ちなみに摩り替えておいたニセモノは本物とまったく同じ組成を持つ人工サファイアだという。しかし、それってニセモノと言えるのか?
 後日、キッドが返しに来たニセモノが本物と同じ展示ケースに入っているところを美術館の職員が発見し、はたしてどっちが本物でどっちがニセモノかわからなくなって騒ぎになったというが、俺たちには関係ないことだった。

「無い。無い……どこの新聞にも無いわっ!」
 昼休みに文芸部室に響き渡るハルヒの声。あの事件から毎日のように続いている日課のようになっていた。
「こんなに新聞があるのに、どうしてどこにも乗ってないのよっ!」
 ハルヒは新聞紙に当り散らし、一枚一枚丸めて周囲に投げ散らかした。いったい誰が掃除をするんだ?
「怪盗キッドだって用も無いのに、毎日毎日予告状を出してくるわけはないだろ」
 俺はそう言いながら、放って置いてもどうせ俺の仕事に押し付けられるんだろうとハルヒの投げ散らかした新聞紙を回収してゴミ箱に捨てた。
「でも、一刻も早くリベンジしてあの怪盗をとっ捕まえてやらないと、この煮えくり返るあたしの腹の虫が納まらないのよっ!」
 ハルヒは自分がキッドの逃走に利用されたことが特に許せないと怒っていた。何はともあれ、これでしばらくの間はハルヒが退屈を弄ぶことは無さそうだ。

(了)

【次回予告】
 復讐の男が帰ってきた。4人の少女を助っ人に引き連れて。
「SOS団の諸君、また会えて光栄の至りだ」
 逃げ惑う朝比奈さん、散ってゆく古泉……多大な犠牲を省みず突進するハルヒ。宇宙にこだまする男の笑い声。
「射手座よ、私は帰ってきた!」
 次回『涼宮ハルヒの突撃 それゆけ!宇宙戦艦スズミヤ・ハルヒ(前編)』に、レディー・ゴー!

涼宮ハルヒの憂鬱 Episode02(限定版) KABA-1503
涼宮ハルヒの憂鬱 Episode02(限定版) KABA-1503

名探偵コナン「銀翼の奇術師」 UPBV-1008
名探偵コナン「銀翼の奇術師」 UPBV-1008



週刊アニメ定点観察 Vol.493 (4/4)

2006年06月19日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/13~06/05/14

◎彩雲国物語
 (第6話)
 香鈴が届けた香で眠らされた秀麗。宮中で迷ってるうつに何か争う声がして香鈴が倒れているのを見た絳攸。慌てて秀麗の部屋に駆け付けると、秀麗はすでにどこかにさらわれた後。
 この事態に姿を現さない静蘭を疑う絳攸だけど、微塵も疑いを見せない劉輝に静蘭の書置きを見せる楸瑛……いや、いまさらそんなもの見せないでも劉輝は静蘭の正体を知ってるだろ。
 静蘭が黒幕の宋太傅のところに行ったと思った劉輝は楸瑛に宋太傅の捕縛を命じ、自分は矢文で届けられた秀麗の監禁場所に1人で向かうけど……
 宋太傅の狙いは静蘭を王位に頂いて転嫁の転覆をたくらみ、自分が大師の地位に着くこと……それには劉輝を暗殺するのが一番って話。そんな企みに乗るわけは無い静蘭だけど、宋太傅の仕掛けた毒入りの香を嗅いでしだいに動けなく……それでも咄嗟に宋太傅に短剣を投げ付けてるけど、軽傷を負わせただけ。
 しかし、そこにいきなし隠密みたいな男が現れて宋太傅の部下を一掃。楸瑛が捕縛に来ると言って宋太傅を観念させてるけど、この池田秀一の声は……秀麗の父親かい。おいおい、謎の凄腕の暗殺者・黒狼の正体って、秀麗の父だったってか? ま、昼行灯のような王宮の司書の仕事って正体を欺くには都合のいい仕事なのかもしれないけど……
 一方、秀麗を助けに向かった劉輝。出迎えに現れた刺客を次々に倒してるけど、秀麗を人質にされてやむなく剣を捨てさせられ、絶体絶命。さて……

◎ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!
 (第7話)
 ピュピュとキュキュの悪戯に手を焼いてる晴雨姉妹。
 今日の授業は商店街での社会見学。晴雨姉妹とシフォンは(ファインがジャンケンで勝ったから)お菓子屋さんに行くことになるけど……
 店のオーナーのパティさんは美味しいスイーツが作れなくて苦戦中。昔はロイヤルワンダー学園の生徒であふれ返ってたこの店も、パティさんが継いでからは客が来なくなったという話。昔の写真に若い頃のおひさまの国の王様と王妃が写ってるんだけど、晴雨姉妹の両親もここの出身なのか。
 そこで、晴雨姉妹たちもパティさんのスイーツ作りに協力するってのはいつものパターン。しかし、ロイヤルワンダー学園の生徒の好物をみんな入れたらいいって、ベスト3の納豆とマグロとカレーを入れたスイーツを作ってるんだけど、こいつらプリンセスパーティーの頃から進歩して無いな。
 しかし、納豆とマグロとカレーってもはやスイーツでもなんでもないと思うんだけど……ロイヤルワンダー学園の生徒って意外と和食好きなのね。で、とても人間の食い物と思えないこの試作品を食ってるシフォン……まさに体を張った芸だね。
 結局、パティさんはピュピュとキュキュが悪戯でかき混ぜてたクリームにヒントを得て新しいスイーツを完成させてるって話で、とりあえずメデタシメデタシ。

◎BLOOD+
 (第31話)
 なんか急に明るくなってカイを散歩に連れ出してる小夜。結局はショッピングでカイは荷物運びとは哀れね。ま、カイだけイレーヌのことで立ち直れてないから気を遣ってるってことだろうけど……
 アルジャーノとの会見にジュリアを連れ出してるコリンズ。おや、ジュリアとアルジャーノは大学の同期で共にコリンズの教え子だってか。
 一方、デヴィッドの前に現れ、アンシェルの「赤い盾」襲撃の情報と、本部の位置が内通者によってバレてることを教えてるソロモン。小夜を殺したくないってことだけど、ま、ソロモンの本心なのは確かだろうね。
 その情報で急遽パリを引き上げてる小夜たち。岡村と真央が帰ってきたらホテルは蛻の殻とは悲惨ね。
 コリンズとジュリアにアンシェルを引き合わせようとしたアルジャーノだけど、ディーヴァとカールが消息不明ってことでドタキャンとは哀れね。
 赤い盾の船でマルセイユの本部に向かってる小夜たちだけど、そこにいきなしディーヴァとカールの襲撃。おいおい、こいつらマジで空を飛べるのか? 目的はリクをさらっていくことみたいだけど……

 しかし、3日後に本部が襲撃されるって話なのに、悠長に船旅で戻ってて大丈夫なのか? パリからマルセイユへ行くにはジブラルタル海峡を回っていかないといけないんだけど、1日2日で着くようなコースじゃないよな。ボルドーからガロンヌ川を遡って南運河でナルボンヌに抜けるってコースもあるみたいだけど、どう見ても大型船舶は通れそうにないし……
 ま、あの船にかなりの資産があるから捨てていくわけにも行かないし、陸路を通るより海路の方が翼手の妨害に遭わなくて安全だと思ったんだろうけどね。

◎ツバサ・クロニクル(第2期)
 (第29話)
 結局、爆発から龍王を守るためにあえて接触事故を起こした小狼はそのままリタイア。レースの勝敗はサクラの手に委ねることに。そして爆弾を操作していた電波の発信源を突き止め、レース妨害の共犯者を暴きに行くけど……
 一方、知世のところに乗り込んでる黒鋼。知世が事件の黒幕本人じゃないかって話なんだけど、あっさり予選でのナノマシンは自分がやったと認めてる知世。でも、それは羽根をちゃんとサクラに返すためだと言ってるけど……
 サクラの羽根を見付けた知世はある人にその羽根に関する話を聞いてサクラに返そうと思ったのだけど、珍しい発見として世間に公表した後だったので独断で処分を決めることができないからレースの賞品という形で返すことにしたのだけど、その羽根を狙って陰謀を企んでくる者がいるだろうからと警戒心を高めさせるためにあえて予選の事件をおこしたって話。いや、それ下手したら死人ゾロゾロだろ。
 レースを妨害する共犯者を小狼たちが阻止したお陰で、最後はサクラが逆転勝ち。表彰式で羽根を受け取るサクラの背後でいきなし爆発。主犯本人が羽根を強奪しようって現れたけど、案の定、それはレースの参加者の1人のカイル。
 サクラから羽根を奪い取ろうとするカイルだけど、モコナの機転で羽根は寸前で奪還。また変な生物にしてやられたって……ジェイド国で古城の羽根を狙っていたカイル本人かいっ! 城の崩壊に巻き込まれたかと思ったけど生きてたのね。ま、まだ使い道があるからって黒幕のおっさんに助けられたんだろうけど……
 知世にサクラの羽根のことを伝えたのは日本国の知世姫だったってか。しかし、黒鋼のことはともかく、知世姫は何でサクラの羽根のことを知ってたんだ? ま、黒鋼を次元の魔女のところに送り込んだのは知世自身だから、その辺のことは侑子から聞いてるのかもしれないけど……
 ところで、予選で勝ち残ってたはずの春香はいったいどこに消えてしまったんだ?

◎ああっ女神さまっ それぞれの翼
 (第4話)
 三島家のクリスマスパーティーに招待された自動車部その他の連中だけど、正装の金持ちばかりの中に私服の貧乏学生の集団って、何か露骨に見世物って感じだけど……
 で、余興にベルちゃんを引っ張り出して自分との差を見せ付けようとしてる沙代子だけど、全部が裏目に出てるとは、沙代子も悲惨ね。最後に酒で勝負に出た沙代子だけど、全然酔わないベルちゃんに沙代子は完敗。逆に急性アルコール中毒で運ばれてる沙代子……哀れね。
 酒で何とも無かったベルちゃん。その後で初めてだというコーラを飲んでるけど……
 酔っ払って脱ぎ始めてる長谷川空。コーラで酔って空に絡むベルちゃんだけど、いきなし空が巨体に……いや、自動車部の連中は余興で住むかも知れんけど、それ以外の一般客は大騒ぎだろ。
 そのまま外に飛び出したベルちゃん。あちこちで暴走してるけど……
 いきなし復活してるマーラー。こいつ、今回のシリーズも出番あるのか。で、たちっぱなしの電柱がかわいそうだと寝かせてあげるベルちゃん。いや、そんなことしたら漏電が……
 幸せを振りまいてるベルちゃんだけど、幸福量保存の法則でその分だけ螢一が不幸になるって災難ね。ま、最後の不幸は青嶋退治に役立ったけど……

◎ストロベリー・パニック
 (第6話)
 クラブ活動が盛んだというル・リム。占い部や鉄研はいいけどカルタ部とかパズル部って……部活が生き甲斐だと言ってる生徒会長の千華留。なんかミシンで編み物してるんだけど……
 玉青たちが部活で1人になったから自分も部活を始めようとしてる渚砂だけど、どれも自分に会いそうになくて逃げ出して来たら迷い込んだのがル・リムの敷地。そこで出くわしたのがコスプレしてる日向絆奈と夏目檸檬……千華留の部活って変身部ってかいっ!
 ル・リムには変わったクラブがいっぱいあるという千華留。どんな部を作っても自由……はいいけど、堂々と光画部があるか。ま、生徒会長が千華留だから対立してはいないんだろうな。
 いきなし変身部の部員にスカウトされてる渚砂。ル・リムの部活は誰でも入れるってかい。
 その帰りに立ち寄った温室で出くわした静馬。なんか久々に見たって感じだけど……そこはエトワール専用の温室だってかい。
 しかし、こいつら、夜中のお茶会が病みつきになってるな。
 借りたハンカチを返そうとして前に静馬を見つけた空き部屋に入ろうとした渚砂だけど、そこはカギが掛かってて、しかも通り掛った六条深雪に咎められてるけど……なんか秘密がある部屋なのか?
 で、なし崩し的に花の手入れを手伝わされてる渚砂。音楽室で「月光」を弾き始めた静馬。その後で渚砂と「乙女の祈り」を弾いてるけど……
 静馬の様子を深雪に報告してる御付きの2人。何か例の空き部屋にいたと思われる生徒が絡んでそうな因縁がありそうね。

◎魔界戦記ディスガイア
 (第4話)
 給料を要求してストを始めてるブリニー隊。その給料を稼ぐために空き巣に入りまくってるラハール。さすがは魔界の王子……にしてはやることがセコイね。
 しかし、盗品を質屋で換金するか?
 『悪魔の書』を奪って魔王を名乗ってる先代魔王の執事ゼニスキー。本を持ってるだけで魔王を名乗れるとはお手軽だね。しかし、『悪魔の書』を息子に持ち去られて破局とは悲惨だね。

◎XXXHOLiC
 (第5話)
 百目鬼の剣道大会を見に行った帰りにおでんの屋台に出くわした四月一日だけど、そこにいたのはキツネ。霊力が強くないと人間には来ることが出来ないとか言ってるけど……
 百目鬼の矢を破邪矢だと言ってありがたがってるキツネ。侑子のことを知ってるみたいね。
 おでん屋のお重を返しに出掛けた四月一日だけど、友引で13日の金曜の厄日の夜。例によってアヤカシに襲われるけど、侑子に渡された護身の道具の正体は黒モコナ。いきなしシリトリを始めてるモコナだけど、それが護法だったってか。しかし、「リ」ばっかり出してくるシリトリって……
 おでん屋にたどりついた四月一日。侑子の荷物の正体は、満月の晩にしかこの世に姿を現さない月光鳥。アヤカシに襲われた時に1匹が傷付いていたけど、破邪矢の効果で治るかい。
 四月一日とシリトリしたいというキツネのガキ。何でも好きな言葉から始めろと言ったら「おでん」……速攻で終わりかいっ!

◎ふたりはプリキュア Splash Star
 (第15話)
 ソフト部の寝たままキャッチ……職人技だな。
 ようやく敵の研究と対策を立てた作戦が必要なことに気付いてる敵。そんな単調なパターン攻撃で今までよく他の泉とか攻めてこられたものだね。ま、基本的に人間のいない世界だから敵になる存在が無いから、ほとんど一方的な侵略で終わってたんだな。
 しかし、どう考えたらソフトボールや絵を描くパワーがプリキュアの力と直結するんだ? ま、こいつらに趣味は無いのかって訊いても無駄だろうけど……

《おまけ》
◎ウルトラマンエース(再)
 (第1話)
 福山のコンビナートを破壊してるベロクロン。着ぐるみの質がアトラクション用の着ぐるみ並みであんまり良くないね。
 おや、北斗星司も南夕子も福山が地元の人間だったのか。珍しいな。しかし、パン屋の運転手って職業は何とかならなかったのか?
 ベロクロンを攻撃する戦闘機隊。ま、見た感じF4並みの機体は使ってるんだけど……どう見てもパイロットのユニフォームが第2次世界大戦の頃のレベルだぞ。
 防衛軍を壊滅させ、聖エリザベスホームとかいう孤児院を襲ってるベロクロン。いや、わざわざ狙って破壊する意味がある施設なのか? ま、考えられるとしたら南夕子の抹殺だな。
 道端のタンクローリーを勝手に動かしてベロクロンにぶつけてる北斗だけど……いずれベロクロンに踏み付けにされるにしても、そりゃ犯罪行為じゃないのか? で、そのまま自分ごと突っ込んで即死。ま、自殺しただけだな。
 そこにいきなしやってきたウルトラ兄弟。
「私はウルトラ兄弟の5番目、ウルトラマンエースだ」
 どうでもいいけど、納谷悟郎の声じゃやたら老け過ぎて、どう考えても兄弟の最年長かと思ってしまうぞ。で、北斗と南にウルトラリングを与えて、何か偉そうなことを言って去っていくエースだけど……何か声が声だし、ギシン星のズール皇帝みたいだな。
 で、ベロクロンの襲撃で住むところを失った孤児院の子供たちを置き去りに、わざわざ富士山麓までTACに入隊しに出掛けてる2人。なんかひどい話だね。しかし、全滅した地球防衛軍に代わって組織されたTACって、何か用意のいいことで……
 超獣ベロクロンを送り込んで来たのは異次元人ヤプール。
 東京にベロクロン出現で出動するTACだけど、トイレに行ってるうちに北斗に置き去りにされてる今野隊員……マヌケね。それにしても、たかがパン屋のトラックの運ちゃんが一朝一夕で戦闘機を操縦できるのか?
 ま、北斗機が墜落してから変身だけど……よく何も知らないのにウルトラタッチなんかしたものだね。で、2人で変身してるんだけど、システム的によくわからない感じ。いや、昔、2人で変身してた頃のエースは着ぐるみのスーツに上半身と下半身の間に切れ目があって、北斗が1人になってからは切れ目が無くなったとかいう話がもっともらしく語られてたんだけど、確認できてない。いや、いずれにしても相当にやらしいことを想像させる変身ではあるな。

◎ウルトラマンメビウス
 (第6話)
 ミライの様子をうかがいながら海から何かを召喚しようとした謎の女だけど、背後にセリザワの気配を感じて中断。
「おまえ、嫌い」
 どこの自閉症のガキじゃい。
 おいおい、前回のサドラはもう1体いたってか。
 常人離れしたマリナの聴覚。耳が良過ぎるといろいろ余計な雑音が聞こえて大変だろうねぇ。ま、他人の心の声が聞こえてくるよりはマシかい。
 海底から異常な反応があるって出撃するアイハラにマリナと一緒に行くように言うミライ。ま、海の中じゃ聴覚が頼りだからねぇ。
 で、見付けたのはツインテールの卵。海底で笑い声を上げながらツインテールを孵化させる謎の女。ツインテールに翻弄されて流砂に飲み込まれてるメビウス。ツインテールの上部の目が三半規管だって話は初めて知ったけど、大伴昌司あたりが考えたのか?
 ツインテールを何とか倒したと思ったらいきなし怪獣になってる謎の女。例のサドラを捕食した怪獣の正体がこの女だったんかい。で、埋もれたままのところを捕食されそうになってるメビウス。いや、ウルトラマンを食うぐらいだったらツインテール食ったほうが美味いと思うぞ。
 絶体絶命のメビウス……と思ったけど、セリザワが変身した例の青い巨人に助けられてるかい。いや、メビウスを助けたんじゃなくて、怪獣を倒そうとしただけなんだろうけどね。

◎仮面ライダーカブト
 (第16話)
 カブトであることを隠して天道寺総司郎という偽名でシャドウに入隊したという天道。大きなこと言ってるのはいつものことだけど、まさかゼクトはそれを真に受けていきなしシャドウの隊長にしたのか?
 隊長を降ろされたことを不満で上層部に掛け合ってる影山だけど、口だけじゃなく適正テストの結果だってか。ま、確かに影山じゃ指揮官としての素質には不安いっぱいだな。矢車の方がずっとマシだし。
 風間を騙して天道と戦わせようとした影山だけど、正々堂々とした天道の態度の前には影山の小細工は通用せず、風間に謝らされた上にひよりの店の皿洗いをさせられてるとは悲惨ね。いくらザビーに変身できても所詮は加賀美以下の小者って話ね。
 例の医者のところに患者としてもぐりこんだ加賀美だけど、そこに医師としていた天道。加賀美と同じく潜入捜査ってことだけど、こうも神出鬼没じゃワームが化けてるとか思ってしまうぞ。
 なんか3人に増えてる医者。そこに緊急オペの連絡があってひとりが出て行くけど……こいつら交代で手術してるってかい。結局、人手が足りないからって仲間を呼んで4人にまで増えてたって……おでん屋のオヤジ、よく気味悪がって逃げなかったものだな。
 ワームにやられて変身が解けた影山の前に現れた三島とかいう男。ゼクトの幹部みたいだけど、ザビーベクターを強引に捕まえて変身してるとは凶悪。ま、影山が用済みになったってわけではないみたいだけど……
 天道寺が消息を絶ったからって再び隊長に戻った影山だけど、新たな任務とかでゴンを尾行してるって……狙いはドレイクか?

◎生物彗星WoO
 (第4話)
 追われてるのがわかってりゃ、どこかにじっと隠れてたらいいのにむやみに町中を歩き回って追われまくってるアイ。アホなガキだね。で、食費をケチってまで大事にしてる金も通り掛かりのフィリピン人らしき女に取られてるとはマヌケ過ぎ。
 で、女から金を取り返すのかと思ったら、ヤクザの金を盗んで殺されかけてるその女を庇ってるという、よくあるお節介パターンの展開。いや、こういうの見てるといらつくんだけど。
 ヤクザが女を殺そうとしたらWoOの目が赤くなって例の怪獣が出現。なんかWoOと怪獣の細胞が一致してるとかいう話が出てるけど、その前にどう考えてもWoOが怪獣を呼び出してるとしか思えんのだけど……なんかWoOに怒りとか負の思考が生まれたら怪獣が出てきてるって感じだね。
 で、アイ吉になって戦ってるWoO。最初は全然戦いにもなってないけど、キャッチやキックを覚えてそれなりにはなってきてる感じ。で、驚異の大回転連続キックで怪獣をやっつけてるんだけど……どう考えても周囲一帯瓦礫の山で、そこにいた連中は全滅してそうだな。いや、怪獣がどこかから移動してきたとかなら住民が逃げてる時間はあるけど、いきなし出現して大暴れされたら逃げられんだろ。ま、画面上で殺されたのはヤクザだけなんだけどね……
 しかし、この怪獣にしろ『メビウス』のディノゾールにしろ、最近の円谷プロの新怪獣のデザインって『ネクサス』のスペースビースト系統のデザインばかりで、あまり個性的とも思えないし、面白くないね。

週刊アニメ定点観察 Vol.493 (3/4)

2006年06月19日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/11~06/05/12

◎ZEGAPAIN -ゼーガペイン-
 (第6話)
 敵のガルズオルムが人間だって驚いてるソゴルだけど、それは作り物だというシズノ。援軍到着で危機を脱したのはいいけど、深追いしすぎて敵の罠にはまって大破。ゼーガのプログラムは敵に奪われ、シズノの体も半分消滅。そして、ソゴルの腕も……
 気が付けば日常世界にいて普段通りのソゴルだけど、そこで知らされたのは自分たちが幻体という幽霊みたいな存在だということ。母親が出てこないのは母親がいなくても生活に支障が無いからってか。
 ソゴルはすぐに回復できたけど、シズノはプログラムレベルから修復してるみたいで、回復は厄介そうだね。
 で、ソゴルがやられたことは、国連専用車が正体不明の武装車両にやられたことになってるってか。で、奪われたのが国連の極秘の軍事資料。
 二学期になったら東京に行くといってるリョーコ。夏休みはいけない気がするって……小学生でもあるまいし、たかがすぐそこの街に行くのに何をもったいぶってるのやら。ま、プログラムの奥底にそういうタブーが組み込まれてあるんだろうけど……で、二学期は永遠に来なくてずっと一学期を続けてるんだろうね。
 で、リョーコを引っ張って東京に行こうとするソゴルだけど、リョーコは執拗に拒絶。1人で電車に乗るソゴルだけど……電車が着いた駅は元の南舞浜駅。もう完全にBDの世界だね。きっと舞浜市は巨大なカメの背中に乗っかってるんだろうな。
 いきなし電車の中に現れたシズノ。自分たち幻体は粒子コンピューターの中に記録された存在であって、生物としての人類はすでにガルズオルムに滅ぼされてしまってるってかい。
 最後、作り物の世界は消えろって叫んでるソゴルだけど……それでどうなったって話じゃなく、今までの状況を受け入れるしかないって話か。

◎砂沙美☆魔法少女クラブ
 (第4話)
 珍しく料理クラブらしくケーキを作ってると思ったら、出来たケーキを手土産に砂沙美の家まで付いてきてる鷲羽先生。語り部の先輩である砂沙美のパパに挨拶とか言ってるけど、パパって魔女界に行った人間の子孫だったってか。
 鷲羽も大門も語り部で、魔女じゃないから魔法は使えないって話。砂沙美に正体がバレた後も魔法の話は禁止だというパパだけど……なんか魔女界の方針に反発してる感じで、人間界に住んでるのもそのためみたいね。だから砂沙美にも正体を話さず、魔法を嫌ってる態度をとってるってみたいね。
 5人目の魔法少女、アンアン(美杉杏莉)登場。なんか司のことが好きみたいで、司のそばで馴れ馴れしい3人に反感を持ってる感じ。で、そのことをノートに書いたら、書いた文字が本人たちの頭上に出現してるって展開。砂沙美が「うさぎあたま」、美紗緒が「存在感うすい」、真琴が「ホビット族」で、司の頭上にはアンアンとの相合傘。しかし、ホビット族なんて『ロード・オブ・ザ・リング』がヒットしてなきゃ、よほどのマニアしか知らないだろ。
 しかし、この作品、ろくな魔法が出て来ないね。ま、本来あってはならないものが暴発してるってものなんだろうけど。
 文字を消すにはノートに書かれたページを破り捨てればいいってことでアンアンを追い掛け回す砂沙美たちだけど、1人だけ呑気に構えてる司。鷹揚な性格だね。
 結局、司が頭が掻けないから困るって言ったら素直に破り捨てたアンアン。ま、砂沙美たちが追い詰めて破らせたり、やたら説教臭い道徳を説いて破らせたりするよりもきれいにまとめたって感じだけど……
 ところで、鷲羽に忘れられたまま砂沙美の家に居着いてしまった魎皇鬼。なんか鷲羽のところに戻るのを相当に嫌がってるみたいだけど、ま、いろいろ実験材料に使われてるとか容易に想像は付くな。

◎ポケットモンスター アドバンスジェネレーション
 (第184話)
 久々にヤマトとコサブロー……ホウエン編の頃は本編では出番が無かったからねぇ。しかし、ロケット団の平団員がゾロゾロ。あれだけ数がいてガキたちに負け逃げしてるのか? 情けないね。
 ヤマトに誘われたコジロー、仕返しにコサブローと組んでるムサシ。名乗りが組み合ってないのはホウエン編に入った時にムサシとコジローが名乗りのパターン変えてるからだけど……元に戻そうとか思わなかったのか?

◎かりん(終)
 (第24話)
 果林を吸血鬼にする儀式……はいいけど、蝙蝠で擬似日食って、そりゃちょっと無理があると思うぞ。成層圏より上層から日光を遮断しない限りは空気中での乱反射が空を照らすから、直射日光は遮られても空は昼間の空のままだからね。
 そこにやってきた雨水とウィナーだけど、煉の待ち伏せで足止め……と思ったら、杏樹が手を貸すかい。
 しかし、そこにやってきたウィナーの祖父の攻撃で母親と父親、さらに煉もやられ、果林は儀式の途中で動けないまま。おまけに杏樹まで……
 怒り狂った果林は吸血鬼に目覚めてウィナーの祖父に襲い掛かるけど……そこにやってきた雨水に噛み付いたら元の果林に戻ってるってか。結局、一家総出で血の嗜好を取り除いたら人畜無害な人間に変わってメデタシメデタシってか。しかし、よっぽど不味い血だったみたいね。
 で、例の儀式は増血を治す儀式じゃなく、乳を増量させる儀式だったってか。で、元通りの日常に戻るって、よくあるパターンね。

◎ザ・サード ~蒼い瞳の少女~
 (第4話)
 調整に出していたPSTが完成し、届けられた火乃香。上機嫌でさっそく試乗しようとするけど、インナースーツを着ないと乗れないってか。ま、露骨にプラグスーツみたいな体の線がそのまま出てくるタイプだけど……ま、コックピットがLCLで浸されてるってわけでもないけど……
 整備屋のザンカンと別れた後、ブルーブレイカーの気配を感じて引き返す火乃香だけど、ザンカンは砂上戦車と共にやられ、残ったのはミリィ1人。さらにミリィを殺そうとするブルーブレイカーに立ち向かう火乃香だけど、バンダナがはずれ、天宙眼が剥き出しに。ブルーブレイカーはそのまま嘲笑うように去っていくけど……
 火乃香の天宙眼を見て脅えて気を失うミリィ。今まで知らなかったのか。いや、作品上もこれが初めてだけど……でも、イクスは驚いてないみたいね。ま、これまでにもザ・サードの連中とかいろいろ見てるからだろうけど。

◎Soul Link
 (第6話)
 悲鳴の正体は、負傷した秀平を庇うためにセラリアが敵に捕まったってか。で、陵辱されてた光景が送られてたって話か。
 ところが堂々と敵のリーダーの前に現れてるセラリア。おいおい、こいつらを内部から手引きしてたのってセラリアだったってかい。敵に捕まったふりをしてこっちに合流したのも何か企みがあってのことみたいだし……
 なぜか怪我がすぐに治ってしまう秀平。おまけに幻覚に苛まれてるけど……幻覚の正体はどうもセラリアが思念波を送って来てるみたいね。
 で、液状化した敵兵のことを涼太とユウに話してる秀平。で、ユウがその事を知ってるかどうか様子を見るのが目的だったみたいだけど、どうも無関係な様子。で、正体を明かさせるけど……
 おやま、ユウはハララクスの中で襲撃してきた連中とは反対派の連中に雇われて、襲撃の邪魔をしにきた傭兵だってかい。
 秀平は例の液状化した謎の生物をスキュラって言ってるけど、いったい何なんだ? で、敵の様子が変なのは敵が占拠してるハマルがスキュラの巣になってるんじゃないかって話してるんだけど……
 おやま、秀平って七央にプロポーズするためにアリエスに着たってかい。で、この状況でエッチしてるか。いや、洋画とかじゃよくある展開だけど……

◎錬金3級 まじかる?ぽか~ん
 (ぽか11)
 あの世にやってきたゆうま。魔法少女は無条件で地獄行きかい。
 賽の河原はともかく、釜茹で地獄で「すでに死んでるからこれ以上は死ねない」と言われて、それでどんな苦痛も感じなくなれるか? いや、死ねないから苦痛が永遠に続いて地獄なんだと思うけど……ゆうまって無痛症とかなのか?

 (ぽか12)
 公園のステージでゆうまのマジックショー。透視術のカード当てで5勝3敗……なんか微妙な数字だね。
 結局、バキラに雷撃食らわすときのパンチラだけが好評だったってか。

◎ガラスの艦隊
 (第5話)
 ヴェッティーを追って飛び出してきたガラスの艦隊を迎え撃つジョンフォール艦隊。部下が全員美少女で「旦那様大閣下」と呼ばせてるこいつ、いったい何者じゃいっ!
「浪費は美学じゃ。出し惜しみは罪じゃ。残弾は恥じゃ」
 どういう経済観念の戦争じゃ。しかし、ミシェルの捕獲命令が出てるからって手加減してたら全滅してるってマヌケ過ぎ。

◎ケロロ軍曹
 (第109話)
 母の日の肩たたき権争奪戦……というか、そんな権利書が漆塗りの箱に入ってたら怖いぞ。
 巨大な南京錠で鍵の掛かったママの部屋。どう考えても外からしか掛けられないんだけど、ケロロたちはどうやって鍵を掛けたんだ? で、その南京錠をものともせず、ドアごと引き破ってる夏美。凶悪ね。

 東京駅0番ホーム……はいいけど、いくらアンチバリアで隠されてても、そもそもスペースが無いだろ。
 到着を待ってる列車は冥王星付近で路線をはずれて暴走……銀河鉄道管理局は何をやってるんだ?
 凄腕のコック……通信教育で教える空手って……
 ヴァイパーが犯人かと思ったら、単に母親を助けに来ただけって……結局、機関車がマザーコンピューターのあるイーハトーブ星に行こうとしてただけってかい。どうみても『999』的なビジュアルシーンばかりで作っておいて、最後のオチだけ宮沢賢治を持ってきてもねぇ。

◎アニメ魂
 西の善き魔女 Astrea Testament
 (第6話)
 何かユーシスに物足りなさを感じてるアデイル。女王候補の憂鬱とか言ってるけど、単に自分のヤオイ趣味を満足させたいだけじゃないのか?
 冒頭のユーシスとルーンの喧嘩、何かと思ったらルーンが剣を教えろと言ったのをユーシスが笑ってからってか。でも、ルーンにとっては貴族の道楽としての剣術じゃなく、身を守るための手段としてどうしても身に付けておきたかったんだろうけどね。
 廊下でルーンにキスしようとしてたところを怒られてるフィリエル。しかし、マリエもすっかりフィリエルの付き人が板についてるな。いや、元々はマリエの方が金持ちのお嬢様で立場が逆だったはずだけど……
 ロウランド伯爵夫人に呼ばれて薔薇園にやってきたフィリエルだけど……おいおい、薔薇ってそんなに珍しいのか? なんか本物の薔薇は初めて見たとか言ってるし。確かに青い薔薇は珍しいだろうけど……これも異端の技術によるものかい。
 アデイルと共にハイラグリオンの王宮にやってきたフィリエル。しかし、正体を隠して宮廷の舞踏会に出席させられてもフィリエルも困るだけだろうに……で、その場に登場したレアンドラだけど、トーラスの事件からまだ間も無いだろうに、意外と平穏なのね。いや、こういう場で敵対しあったりは出来ないだろうけど。
 質問されて困ってるところをユーシスに助けられたフィリエル。ナイチンゲールを探しに森に連れ出されたのはいいけど……なぜかユーシスにプロポーズされたことになってるって……

◎シムーン
 (第6話)
 いまだ立ち直れないネヴィリル。それを気遣ってるパライエッタに好意を寄せてるカイルだけど……
 ネヴィリルの部屋の前で喚いてるアーエルをプールに連れ出したパライエッタ。剣を交えてまるで決闘してるような感じなんだけど……ネヴィリルを立ち直らせるためにアムリア以上の素質を秘めたアーエルに期待するってか。

週刊アニメ定点観察 Vol.493 (2/4)

2006年06月19日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/09~06/05/10

◎ひぐらしのなく頃に
 (第6話)
 綿流しの夜店の準備。圭一に麦茶を持ってくる詩音だけど、そこにやってきた魅音を思いっきりからかいまくり。
 そこに現れた富竹と鷹野さん。今回はケンタくん人形を掘ってないから富竹とはこれが初対面。魅音がいるからちゃんと鷹野さんのことも紹介されてるけど……さらにそこに大石が。前回は富竹が殺された後に初登場してるから、ちょっと意外ね。
 大石と詩音が思わせぶりな会話をしてるのが気になったみたいな圭一だけど、即座に何か誤魔化すように圭一を連れ出そうとしてる魅音。
「今年は誰が死んで、誰が消えるんでしょうね」
 今回事件のことを最初に口にしたのは詩音かい。そして、魅音を除く3人から連続怪死事件のことを聞かされる圭一だけど……なんか3人とも雛見沢の人間の犯行だと考えてるみたいな感じだね。
「明日はいったい、誰が死んで誰が消えるのかしら?」
 他人事のように行ってる鷹野さんだけど……前回(鬼隠し編)と同じなら消えるのはおまえだろ。
 しかし、こんな話を聞いた後なのにレナたちと愉快に祭りを楽しんでる圭一って……
 人垣がいっぱいで梨花の演舞が見れなくて困ってる圭一を連れ出してる詩音。何かどんどん山の奥に行ってるんだけど……そこでは富竹と鷹野さんが古手神社の祭具殿を勝手に開けて覗こうとしてる最中。詩音と圭一も一緒に中に入るけど……
 祭具殿の中には巨大なオヤシロ様の像。
 綿流しの起源は鬼の子孫である雛見沢の人間が犠牲者を攫ってみんなで人食いをした名残だってかい。で、祭具殿に納められてるのは人食いに使った調理道具……ま、その気になれば農具でも何でもそう見えてくるだろうけど……アイアンメイデンみたいなのもあったな。
 祭具殿から出て富竹たちと別れたあと、ドタンバタンとうるさかったという詩音。しかし圭一にはそんな音は聞こえて無かったって話。いや、嘘だといってる詩音だけど……
去っていく詩音と入れ替わりにやってきた魅音たち。しかし、詩音と魅音ってなんか微妙な関係みたいね。
 翌日、夕べ富竹と鷹野さんに会わなかったかと魅音に聞かれる圭一。この時点では何のことかわからないんだけど、その直後に詩音から呼び出されて会いに行ったら、そこで大石と遭遇。何か急いで去っていく詩音だけど……
 大石にも富竹&鷹野さんおよび詩音と会わなかったかと訊かれる圭一だけど……その晩、詩音からの電話で富竹と鷹野さんが死んだって話。富竹は前回と同じだけど、鷹野は焼死体って……鬼隠しじゃなかったのか? 今年は2人死んだから2人鬼隠しになるって言う詩音。その有力候補は自分と圭一だって話だけど……それを聞いたとたんに詩音を責め立てる圭一。なんか最低だね。

◎吉永さん家のガーゴイル
 (第6話)
 ハナ子に和己を連れてくると約束した双葉。しかし、危険だからって装置をイヨに取り上げられてるとは悲惨。しかし、あの装置つけてたらリンゴの実さえ割れないってか。
 人間は植物とコミュニケーションがとれないからいろいろ生活に植物材料とか食糧に使えるって話だけど……いや、確かにそうだけど、じゃ、牛や豚や鶏を殺すときって、そいつらが泣き叫ぶのを聞こえないのかとかいう話になるぞ。
 どうにかイヨから装置を借り出してハナ子に会いに行くけど、そこにはポッカリ穴が。オシリスの強化にハナ子が使われたって話。
 ガーゴイルを捕らえ、双葉を襲おうとするオシリスだけど、それを引き止めるハナ子の意思。オシリスを焼き尽くそうとするガーゴイルだけど、それを止めようとする双葉。しかし、周囲の他の植物を吸収して巨大化するオシリスに双葉は激怒。結局、ガーゴイルの一撃でオシリスは撃退……でも、このおっさん組織の一部を回収してまた再生するってかい。
 で、実は無事だったハナ子。オシリスには遺伝情報が使われただけって、このおっさんもこういうとこはきちっとしてるね。この作品、迷惑なやつはどんどん出てくるけど、本当の外道って梨々の父親ぐらいなものだね。
 元の場所に埋め戻されたハナ子だけど、もう花の季節は終わりだからって最後に和己にだけ会って散っていくかい。
 今度はインテリジェンス方面を強化されたオシリス。携帯を使って普通に人間と話せるようになってるけど、そこからハナ子の声が。本物のハナ子はもう歌えなくなったけど、オシリスに組み込まれた遺伝子はまだ歌い続けてるってか。

◎ARIA The NATURAL
 (第6話)
 冒頭、無音が続きすぎ。レコーダーが壊れたのかと思ったぞ。
 アリスの寝顔がなかなか。で、オレンジプラネットの朝の光景だけど……どこぞのアリア・カンパニーと違って大企業ってのが実感できるな。で、1人、灯里たちとの練習に向かうアリスを見てるアテナだけど……
 ま、アリスはオレンジプラネットではある意味特別待遇みたいなものだけど、本当なら1人だけ別メニューってのはまずいとかいう話なのか?
 アテナに引き止められてオレンジプラネットの寮に泊まっていくことになった灯里と藍華だけど……
 アリスに届いていた社内ペアパーティーの案内状。速攻で欠席に丸を付けてるアリス。なんか社内の同期とはうまく付き合えてないって感じ。それをアテナが心配してたって話か。いや、どっちかというとアテナのドジっ子ぶりの方が心配って気がするけど……
 いつもみんなが寝静まった後の貸切状態の風呂に入ってるというアリス。ま、気持ちはわからんでもないけど。
 アテナにアリス自身が他の社員を避けてる指摘されたアリス。まあ社長が努力してベッドに登ってる姿を見て自分も努力してみようって気になったってお話かい。こういうお説教じみた話は好きじゃないね。

◎夢使い
 (第5話)
 なんか家族との会話がちぐはぐなおっさん。気になって塔子のところに相談に来たのだけど……
 燐子が調査に出掛けて夕食をご馳走になったら、なぜか同じ会話を延々と繰り返し始めたってのが悪夢の発現。仏壇のおばあさんの写真がいきなり動き出したけど……
 悪夢の持ち主は死んだはずのそのおばあちゃん。実は死んだんじゃなくて、家族から邪魔者扱いされてるから自分がいなくなったら良いと思って悪夢を見始めたってかい。自分がいなくなれば良いという思いと、逆に自分以外の家族がいなくなれば良いって背反する思いが悪夢になったってか。
 悪夢を鎮める塔子だけど、後の選択は自分でしろって……で、選んだのは自分以外の家族がいない家庭……おい。

◎スクールランブル 二学期
 (第6話)
 いよいよ文化祭もクライマックス。2Cの劇は主演6人の眠り姫……いったいどんな脚本じゃい>晶。しかし、愛理って人気あるのね。
 しかし、セットのベッドに姫役の美琴がいず、代わりに播磨が寝てたからさぁ大変。6人の王子は次々に倒れ、最後に残ったのは愛理1人。成り行きで播磨とキスする展開になってる愛理。
 突如、その前に立ちはだかったのはセットに紛れ込んでしまってた八雲の魔法使い。本気で八雲を倒そうとしてる愛理だけど、諦めて退散。結局、八雲が播磨とキスする羽目に……と思ったら、いきなし上から晶が落ちてきて播磨とキス。ま、メチャクチャな劇の責任取ったってところか?
 しかし、愛理にさんざん怒られてる八雲も悲惨ね。ま、それが播磨を巡るジェラシーだと愛理本人は気付いてないんだろうけど。
 ラストの閉会式ジャック……サブキャラが全然わからん。『ネギま!』だとクラス全員の設定が公式サイトにあったけど、『スクラン』のサブキャラの設定ってどこかにないかねぇ。

◎NANA
 (第6話)
 第1話の再放送かいっ! いや、冒頭の章司の合格メールから奈々が東京に出るって話になるまでが追加されてて、その分だけ後に押したから、アパートでナナと再会するところは次回送りになってるけど……
 これのDVDの第1巻だけ特別定価で異様に安いのは、実質的に第1話に予算が掛かってないからだな。酷い話。で、DVD買うやつは重複して金を払わされると……ま、総集編とか入ってる作品も同じようなものだけど……

◎いぬかみっ!
 (第6話)
 ようこに復讐しようと強力下剤入りのケーキを持ってきたともはねだけど、肝心のようこはなでしこに連れられて狂犬病の予防接種に出掛けて不在。そのケーキを啓太が食ってしまったのだけど……
 そこに飛び込んできた霊的捜査官の仮名史郎とかいうにーちゃん。逃げ出したムジナを追ってきたのだというけど……ムジナって普通はタヌキみたいなものなのに、何かオコジョかフェレットって感じだな。
 仮名に頼まれムジナを捕まえようとする啓太だけど、ムジナの能力でともはねとくっついてしまうことに。おまけにそこに下剤が効いてきて……2人で一緒にトイレってか。いわゆる臭い仲ってのは良いとして……
 ムジナを追ってスーパーにやってきた啓太たち。今度はそこにいたせんだんたちや仮名ともくっつけられたところにまた下剤の効果が……その人数じゃ個室に入りきれんだろうし、おまけに啓太の尻は仮名の尻とくっついたまま……いったいどうやって危機を脱したんだろうね。
 結局、1人でムジナを追ってるともはね。鉄橋に逃げたは良いけど電車に轢かれそうになったムジナを助けようとしたけど……最後は啓太に助けられてるって話ね。ムジナは命の恩人であるともはねに懐いたから、ともはねが預かることに。まずはメデタシメデタシだけど、なおも下剤の効果が切れない啓太……悲惨ね。
 それにしても、啓太って小さい子の扱い方はうまいみたいね。いや、犬神の年齢なんてほんとのところはわからんけど、ともはねとかは子犬のまま犬神になったから、精神年齢もその時のままって感じだね。

◎ウィッチブレイド
 (第6話)
 ナソエフのクローンブレードにやられかけた雅音。しつこい追跡から逃れるためにクルーザーに雅音を回収して逃げていく鷹山だけど……
 一方、玲奈の指示も無視して暴走気味に雅音を襲う都築栞。帰還後に玲奈が調べたら、栞のクローンブレードに破壊の痕が。そして看護婦を襲ってる栞……破壊されたクローンブレードが暴走を起こしたって感じだけど……
 雅音が見付けた写真。鷹山と玲奈が昔付き合ってたって……軒並みな設定だね。

◎RAY THE ANIMATION
 (第6話)
 アカリボンの作ってる朝食……ま、とても人間の食い物だと思えんけど、これまでずっとこんなもの食って来たのか? しかし、宮崎羽衣の声で平然と作ってるところを見たら、どこぞの魔法使いみたいだな。
 零のところに送り届けられた謎のガラスのメス。そして、沢病院に運ばれてきた謎の患者。ハイテク機器が異常を起こし、メスを近付けたら異常な発疹が起こって手術が出来ず、おまけに患者本人は急速に老化してるって状況。
 アカリボンの肩の番号を見て反応を示す患者。例の組織の人間だったみたいだけど、何か実験台にして捨てられたってか。そして零に電話を掛けてきた謎のHリングの男。どうも組織のボスみたいだな。
 患者の肝臓に出来てる腫瘍は体内に埋め込まれた磁性体によって凝固された血液の塊ってか。磁性体が電磁波を発してハイテク機器に誤動作を起こさせ、メスに反応して発疹を起こし、さらに体細胞の老化を早めてたって話ね。
 磁気を通さないガラスのメスで手術を終えた零だけど、そのことはHリングに逐一報告されてるって……零の住所や携帯番号を知ってたこともそうだけど、何か病院内に組織のスパイがいるみたいだな。ま、アカリボンの洗脳がまだ完全に解けてるとは限らないから、一番疑わしいのはこいつだけど……

週刊アニメ定点観察 Vol.493 (1/4)

2006年06月19日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/08~06/05/08

◎Fate/stay night
 (第18話)
 キャスターにさらわれた桜を奪還しに柳洞寺に向かった士郎たち。雑魚のコヒー軍団を倒した先に待ち受けていたのはアサシン。
 サーヴァントに召喚されたため魔力に限りがあって朝までは持たないというアサシン。士郎と凛はあえて素通りさせセイバーとの対決を望むけど……佐々木小次郎というのは偽名だってかい。いや、佐々木小次郎自身が実在しなくて、アサシンはそれに擬せられた無名の剣士だってか。
 しかしねぇ……小次郎が架空だって言うんなら、アーサー王はともかく、ヘラクレスやメディアやメデューサだって同じだろうに。
 それにしても、一点の曇りも無いアサシンの剣の太刀筋、敵にするにはもったいない潔さだな。
 途中で隠れてた葛木を士郎に託して桜の元に向かう凛。しかし、キャスターの暗示によって暴発した桜の魔力の前に苦戦。命よりも魔術師としての尊厳の方が大事だって桜を抹殺しようとするけど……ま、トドメは刺せなかったってか。
 生贄は魔術回路を供えた魔術師が1人いれば良いってほくそえむキャスター。おいおい、最初から桜は囮で、凛を誘き出すのが目的だったってか?

◎ブラック・ジャック21
 (第65話)
 不発弾事故をめぐる陰謀の情報を得るため、父親の同僚だったクロイツェル博士に会いにきたブラック・ジャックだけど、その行動は紅蜥蜴に筒抜け。
 スイスに行って不在のはずのクロイツェル博士だけど、実は交通事故で意識不明。代わりに手術を行うように病院の副理事に依頼されてるブラック・ジャック。最初は断ろうとしたブラック・ジャックだけど、患者が直前に知り合った女の子の母親だと知って引き受けることに。しかし、引き受けるからにはちゃっかり法外な報酬を要求してるってのが何とも……
 クロイツェルに成りすまして手術は無事成功。その祝福にやってきた医師の集団の中にいたシュタイン博士。ノアール・プロジェクトとかいう名前を出してるけど、こいつもクロイツェルと共に父親や本間と同じ写真に写ってたってか。しかも、一緒にいた女が紅蜥蜴。さすがにクロイツェルがブラック・ジャックの変装とまでは気付かなかったみたいだけど……
 副理事の横領のことをクロイツェルに告げ口してる副院長だけど……どうみてもこいつは天馬博士だな。
 で、患者の経緯を診察するクロイツェルだけど、女の子とピノコのせいで正体がばれてるって不運ね。ま、もっともブラック・ジャックのことがバレて困るのは副理事のおっさんだけどね。

◎名探偵コナン
 (第437話)
 冒頭、いきなし高校生が殺されてる事件はいいけど、女の子の1人の声が山崎和佳奈を使い回してると思ったら『女子高生探偵ユキの事件簿』って劇中劇かい。しかし、工藤優作も若い頃はこんなライトノベルみたいなの書いてたのか?
 上戸彩が新一に依頼しようと持ってきたおばあさん失踪事件はどうでも良いとして、その中でおばあさんの娘のことが語られてるんだけど、おばあさんが未婚の母だった事情が語られて無いから娘を育てるのが大変だったとか言われてもあまりピンと来ないんだよね。

 で、4年前に新一と約束したという上戸彩。いや、作品上の時間で4年前なら別に良いんだけど、もし現実の時間にシンクロさせたとすると、いったいいつの時点の4年前を想定してるんだ? ま、原作でこのエピソードが掲載された時点から4年前とかいうのが妥当なんだろうけど、作品中の時間は開始時点からまだ1年未満でも原作の掲載開始からだともうずいぶん経つからねぇ。原作掲載開始時点の4年前とか言ったら、あんさんいったい何歳だって話。
 ま、それじゃなくても同じ1年間の間にTWO-MIXと上戸彩が同時に出演してるって話になるから、どんな世界じゃいって感じだね。
 キャラに年をとらせたくないからサザエ時空みたいな時間設定になってるのは良いんだけど、そうやって現実の時間の流れを無視した作品世界を作るんなら、安易に現実の時代を感じさせるようなタイアップは興醒めだからやめろって。

◎ひまわりっ!
 (第5話)
 要するにバレンタインのチョコレートを渡す渡さないの話なんだけど、忍者の里で純粋培養されてる連中ならともかく、一般人に育ったひまわりがバレンタインを知らずに忍者の秘術だと信じ込むか? それとも、この世界では世間にはバレンタインの習慣がないのか?
 で、いきなしやってきた転校生・風間椿。大凧に乗って飛んでくるあたり、ひまわりと同じなんだけど、鳥居に引っ掛かるなんてドジはしないのね。しかし、いきなしハヤトをご主人様と追い掛け回すあたりはひまわりとおなじ。
 結局、どちらがハヤトにチョコを渡すかって対決になるんだけど、ひまわりの方には助っ人がいっぱいいるから不公平だな。ま、それでようやく互角というのが何だけど……
 ハヤトを助けるために手裏剣型のチョコを全部手裏剣に使ってしまったひまわり。チョコなんかよりハヤトの命の方が大事って、そんなことに驚いて修行し直しに去っていってる椿って……ま、パターンはパターンなんだけど、陳腐すぎて説得力が無いんだよね。相手の命の方が大事なんて話、忍びじゃなくても社会の常識だろ。

◎涼宮ハルヒの憂鬱
 (第6話)
 SOS団の夏合宿。孤島の別荘を用意した功績で二階級特進の副団長に任命された古泉だけど……ありがたいんやらありがたくないんやら、よくわからんポストだね。しかし、二階級って、平部員と副部長の間に何があるんだ?
 名探偵気取りのハルヒを見て、名探偵現れるところに必ず事件が起こるという古泉。そうか、常々目暮警部は小五郎の行くところ事件が起こると言ってるけど、それは小五郎が名探偵だからなのね。
 カバンの中に入って合宿に付いていこうとしてるキョンの妹……おまいはテイトクかいっ!
 3日ぐらい徹夜続きの上にアル中で朦朧としたガウディが居眠りしながら設計したようなって、いったいどんな設計の建物じゃい。どうでもいいけど、バケモノイカは晴れた日中の海面には出て来ないと思うぞ。
「わかったわ、犯人!」
 島に着くや否や、まだ事件も起こってないのに犯人がわかってるハルヒ。何がどうしても別荘の主人を犯人に仕立てたいみたいだね。
 長門の食い方が露骨に機械的。食事を楽しむとかいう概念が無いのか?
 翌日、いきなし台風で嵐。もちろんハルヒが島がクローズドサークルになることを望んだからに違いないからだろうけど。おまえら高校生の分際で麻雀に没頭するなよ。
 3日目。招待客の主人の弟が消え、主人が自室で死んでるのを発見……いよいよハルヒの望む事件が起こったわけだけど……

◎Angel Heart
 (第30話)
 香瑩をニューヨークに連れて行くという早百合。リョウのことが信用できないって感じなんだけど……ドクの診療所じゃ心臓に何かあったときに対応できないという早百合に最新の医療設備を見せる陳。そこにいた心臓手術の世界的な権威に香瑩の状態が良好なのはこの街に住んでるからじゃないかと言われてるけど……
 街で香の思い出を早百合に語る香瑩。いったいいつの間にそんな知識仕入れたんだ? 別に香の記憶を完全に共有してるわけでもあるまいに。
 しかし、後半の槙村絡みの話は蛇足だね。香自身にも記憶が無いはずのことが出てくるわけ無いだろうに。

◎ラブゲッCHU ~ミラクル声優白書~
 (第6話)
 インラインスケートで階段から転げ落ちた翼を助けた新庄アキラ。ラムダエイトの新人声優で、研修生の授業の相手役にやってきたけど……この女声って、実は女だったとかいうオチ付きなのか?
 デートなんかしたこと無いからって課題がうまくこなせない翼にアキラとのデートをセッティングする桃子たちだけど……こいつらだって本当にデートの経験があるかどうか疑わしいものがあるな。
 ドキドキの勘違いを利用した吊橋効果でくっつけるのはいいけど、それで出来たカップルは長続きしないという調査結果があるぞ>りんか。
 ジェットコースターで効果が無いからってお化け屋敷で仕掛けを企む桃子たち。大原家の財力を使って特撮スタッフに作らせたというマスクを持ってきた天音だけど、それを覗いた桃子たちは慌てて封印しようとし、天音は卒倒……いったいどんなものが入ってたんだ?
 結局、自分らしくデートを楽しむことで演技を身に付けた翼だけど……やっぱし予想通りのオチだったか。

◎桜蘭高校ホスト部
 (第4話)
 とある大金持ちのお嬢様、宝積寺れんげ。パリの自室に引きこもってひたすらBLゲームに勤しんでるって腐女子三昧の生活を送ってるけど、何でも好きなようにすればいいって容認してる父親って……
 その父親が日本で会って来たという取引先の息子の写真がBLゲームのキャラに似てるからって、いきなし日本の桜蘭高校に転校し、鏡夜の許婚を宣言し、ホスト部のマネージャーになってるって強引過ぎ。
 で、ホスト部に来るや否や、部員たちのキャラ設定が弱いって勝手に設定作って演じさせ、ハリウッドから呼んだ監督に映画に撮らせてるって……
 こういうぶっ飛んだキャラがレギュラーに1人いれば、けっこう面白いんだろうけど、そういうのがメインの作品じゃないのか、とりあえずホスト部からは引っ込んだみたいなのが残念。

◎うたわれるもの
 (第6話)
 ササンテの屋敷を根城にし、一気にインカラの都に攻め入ろうかとの勢いの叛乱軍だけど、ハクオロの見立てではまだ戦力不足で、おまけに背後に位置する関所が邪魔になってるという話。
 そこに潜り込んで来た怪しげな男。本人は以前から出入りしてる商人だと言ってエルルゥに薬草を売りつけようとしてるけど……実際はベナウィの雇ったスパイだったってか。ま、何を調べてたのかはよくわからんけど、屋敷の中の戦力の偵察ってところか。
 関所の向こう側の集落からやってきた使者の男。ベナウィに見逃されてたどり着けたってところだけど、関所の向こうの集落も味方に加わると聞き、関所の襲撃を決定したハクオロ。
 関所に攻め込んだハクオロ軍。門を突破して内部に攻め込めたけど、左遷されてきたベナウィの精鋭の前に苦戦。ハクオロ自身もベナウィに喉に剣を突きつけられ降伏を迫られてるけど……
 夜明けとともにいきなり背後から壁が壊され、援軍が到着。向こう側の集落の兵力をつれて森を突っ切って来たって話。状況不利と見たベナウィは関所の砦を放棄し都に戻るけど、インカラに敵前逃亡と見なされて投獄されてるとは悲惨ね。

 しかし、関係ない村落までどんどん攻め立てて敵を増やしてるインカラって、まさに典型的な暴君だけど……暴君でいられる根拠って何なんだ?
 王なり支配者が絶対権力を振るうにはそれを正当化する権威というものが必要で、よく時代劇で悪代官が暴虐行為を行って平気なのは自分の地位がそれより上位の幕府なり領主によって正当化されてるから。西洋の絶対王権も絶対的なキリスト教の権威の上で王権神授説を唱えていたわけだし、ローマ皇帝のネロなりカリギュラの場合はローマ皇帝の地位そのものに歴史的権威があったわけ。織田信長ぐらいだと自分の力そのものを権威にしてたって見ることもできるけど、信長はけっこう将軍や天皇の権威を利用してるからね。
 王権そのものに権威がある場合は、王権そのものが現実に強大である場合や歴史的に権威が付加された場合、他のより強力な権威に裏付けされた場合のどれかだけど……インカラの場合はどれも当てはまらないはず。
 まず、国の規模はせいぜい郡程度。「皇」を名乗っていても戦国大名ほどの実力も無いせいぜい地方豪族止まり。ま、俄かに旗揚げした農民主体の叛乱軍に速攻で都を脅かされてるぐらいじゃ知れてるわな。で、歴史的な権威がある王権ならもうちょっと家臣団がしっかりしてそうだけど、まともなのはベナウィだけ。後は血縁人事というんじゃどう考えても昨日今日に設立したような家族企業としか思えない。残るはより高位の権威の後ろ盾なんだけど、今のところは不明。ありえるとしたらこれだけなんだけどね。

涼宮ハルヒの迷宮 怪盗キッドへの挑戦(前編)

2006年06月11日 | アニメ
「今度のSOS団の活動はこれよっ!」
 いつものハイテンションでハルヒは新聞の記事を指し示した。そこには、市立美術館で展示中の秘宝《ブルーノア》と呼ばれるサファイアを狙って怪盗キッドが予告状を出して来たという記事が載っていた。
 怪盗キッドというのは宝石を専門に狙う神出鬼没な怪盗として全国的に知られている盗賊だ。しばらく前にも大阪城公園内の近代美術博物館で展示されていたロマノフ王朝ゆかりのイースターエッグを盗み出そうとした事件があって、記憶に新しい。
「そのサファイアを俺たちが盗るというのか?」
 俺はハルヒが何を考え付いたのかおおよそ見当は付いたが、あまり気乗りする話でも無いので、あえてそう聞き返した。
「バカね。あたしたちが泥棒するわけ無いでしょ! 逆よ、逆。SOS団の手で怪盗キッドを捕まえて宝石を守り、世間に名前を知らしめるのよっ!」
 ハルヒは予想通りの思い付きを口にして、いつもながら有無を言わさず実行するような態度を見せた。

 怪盗キッドの予告の当日、ハルヒは俺たちを率いて市立美術館の館長室に設置された怪盗キッド対策本部に詰め掛けていた。
「何だ、おまえたちは? ここは高校生のガキが遊びに来るところじゃないっ!」
 対策本部の指揮を取ってる、警視庁から派遣されてきたというベテランの刑事が俺たちに怒鳴りつけた。そりゃそうだろう。警察がまじめに警備してるところに一介の高校生たちが自分たちで怪盗キッドを捕まえるなんて出て行って、まともに取り合ってもらえるわけが無い。警備の邪魔だと言って追い返されるのが普通だ。
「じゃあ、あの子たちは何で良いの?」
 ハルヒは悪びれもせず、警備モニターに映された展示会場に見える学生服姿の高校生と、そして明らかに小学生の2人を指差した。
「あ、あれは大阪府警本部長の息子と、毛利とこのチビガキ!……」
 刑事は慌てて展示室の方に飛び出して行って、モニターに映ってた2人を引っ張ってきた。
「あのなぁ、中森警部。俺たちやったら、オヤジを通してここの県警本部に話が行ってるはずやで」
 大阪府警本部長の息子らしい色黒の高校生が不服そうにそう言った。
「うるさい。わしが現場を仕切るからには、おまえら素人に手出しはさせん!」
 中森警部とか呼ばれた刑事はかんかんだった。
「せやけどな、おっちゃん。今までずっとキッドを逃がしてばかりやんか。俺たちは大阪でキッドは取り逃がしたけど、イースターエッグは取り返した実績があるからなぁ」
 痛いとこを突かれたのか、中森警部はしばらく黙ってしまった。
「あなた、西の高校生探偵・服部平次ね」
 ハルヒは色黒の高校生のことを知ってるかのようにそう言って近付いた。西の高校生探偵? 何だ、それは?
「知らないの、キョン? 全国に何人かいる高校生探偵のうち、特にその能力を世間から認められてるのが3人いるわ。外国帰りのエリート・白馬探、東の高校生探偵・工藤新一、そして西の高校生探偵・服部平次よ」
 ハルヒはそう言って俺に説明するが、いったいいつの間にそんな知識を身に付けたんだ?
「そうや、俺は服部平次やけど、あんたらは何者や?」
「あたしたちはSOS団。あたしが団長の涼宮ハルヒで、怪盗キッドを捕まえるためにやってきたのよ」
 ハルヒは服部とかいう高校生探偵に挑戦するように言い放った。
「そりゃ、おもろいな。それやったら、俺とこの坊主がキッドを捕まえるか、あんたらSOS団がキッドを捕まえるか勝負しようやんけ」
 服部は連れてる小学生の頭をなでながら、ハルヒにそう言った。しかし、その目は明らかに素人の俺たちなんか相手じゃないって言ってるようだった。
「ほな行くで、工藤」
 小学生にそう言って服部は去っていった。

「ああ、ムカつくわっ! 何よ、勝つのはどうせ自分たちだって、あの態度!」
 ハルヒは服部の態度が気に食わなかったかのようにそう吐き捨てた。気持ちは分からなくも無いが、恐らく真実なのは確かだ。
「しかし、あの一緒にいた小学生は何者なの?」
 おいおい、勝負に負けたら小学生のガキに当り散らすんじゃ無いだろうな。
「工藤とか呼んでましたから、東の高校生探偵・工藤……」
 こんなとこ来るのでもメイド服姿の朝比奈さんが答えようとしたが、途中でハルヒが遮った。
「そんなわけ無いじゃないの。小学生よ、小学生。どう見たって高校生じゃないわ」
「だから、その工藤新一さんの弟さんとかじゃないかって……」
 ハルヒにまくし立てられた朝比奈さんは弁解するようにそう言ったが……
「本人じゃともかく、弟を連れてきても意味が無いでしょ!」
「あの小学生が何者でも、西の高校生探偵・服部くんの助手と思ってれば良いだけだと思いますよ」
 完全にビビってしまった朝比奈さんを庇うように古泉が言った。
「それより、我々も早く、どこでキッドを待ち構えるか方針を立てないと」
 古泉の言葉に、ハルヒの関心は怪盗キッドのことに移り、なんとか朝比奈さんは救われた。

「ターゲットの《ブルーノア》のある展示室はここね。ここを中心にキッドの侵入経路と逃走経路を予測してみたいのだけど……」
 ハルヒはどうやって用意したのか、市立美術館の詳細な見取り図を広げた。
「まず、侵入経路……と言いたいところだけど、すでに侵入してる可能性が高いわ。キッドのこれまでの手口を調べたら、事前に関係者に変装して潜り込んでたってケースが非常に多いの」
「すると、警備してる警官や、美術館の職員、それにあの服部くんも怪しい可能性があるってことですね。さすがに小学生に化けたりは出来ないでしょうけど」
 ハルヒのフォローをするように古泉が言った。それにしてもハルヒは本気でキッドを捕まえるつもりらしく、下調べは念入りって感じだ。
「じゃ、誰がキッドの変装なのか調べて見るか?」
 犯行の前に捕まえてしまえればそれに越したことは無い。
「無駄よ」
 ハルヒはあっさりと否定した。
「理由その1、キッドが化ける相手は変装チェックを受ける可能性が低い人物が多い。理由その2、チェックが済んだ人物に改めて変装してしまえば再びチェックされることは無い。理由その3、私たちだけじゃ多くの関係者を完全に動向を把握しながらチェックするのは無理」
 まるで名探偵にでもなったかのように整然と否定の理由を語るハルヒ。
「ま、我々がチェックするとして、例えばすでにキッドがキョンくんに成り代わってるだなんて思いませんから、キッドが本当にキョンくんに変装した時は見逃してしまうって話ですね」
 古泉のその言葉を聞いてしばらく何か考えていたハルヒだったが……
「その可能性は考えてなかったわ。キョン、まさかあなた、怪盗キッドじゃ無いでしょうねっ!」
 そういうとハルヒは俺に飛び掛ってきて思い切り顔中の皮膚を掴んで引っ張りまわし始めた。
「どうやらキッドの変装じゃないみたいね」
 十分に俺の顔を調べまわってハルヒは安心したようだった。当たり前だ。
「キョンくん、大丈夫ですか?」
 朝比奈さんが気遣ってくれたのが唯一の救いだ。俺はこの様子を見ながら笑ってる古泉をにらみつけた。
「単に可能性を指摘しただけですよ。他意はありません」
 古泉はそう言った後、小声で続けた。
「やっぱり、涼宮さんにとってあなたは特別な存在のようですね。キッドが化けてる可能性があるのは僕や朝比奈さんや長門さんも同じなのに、あえて確かめようとはしませんでした。我々なんかどうでもいいけど、あなたが本物のキョンくんでなければ彼女はとっても不安なんでしょう」

 ハルヒは続けてキッドの逃走経路の検討に入った。
「逃走の手順として2通り考えられるわ。ひとつは最後まで変装がバレなかった場合。その時はキッドは何食わぬ顔で悠々と立ち去っていくから、それまでに正体を暴いていないとお手上げね」
 ハルヒは肩をすくめるジェスチャーをして続けた。
「でも、その可能性は少ないはずよ。なぜなら、犯行の発生の時点で現場付近にいた人間が怪しいってのは犯罪捜査の鉄則だから」
 つまり、犯行時点でキッドの姿を把握できて無い場合は現場にいた関係者を疑えって話らしい。
「そこで、もうひとつの逃走手順に備えるのが最優先ってこと。キッドの逃走パターンで一番多いのは……」
 ハルヒはそのパターンと、それに備えるための作戦を語りだした……

 やがてキッドの犯行予告時刻が近付き、俺たちは持ち場へ分散した。監視モニターのある館長室に長門、ターゲットのある展示室にハルヒ、そして予想されるキッドの逃走経路に古泉、朝比奈さんが順番に配置され、最終的な脱出ルートと予想される場所に俺。言うまでもなくすべてはハルヒの独断による指示である。
「有希はここで情報の収集を頼むわ。そして、現場であたしが犯行に備える。ここでキッドを捕捉できたらいいけど、万が一逃げられた場合の備えが古泉くん、みくるちゃん、それにキョン。特にキョンは最終ラインなんだから絶対に逃がしたらダメよ!」
 最初は俺たちを邪魔そうに嫌味を言っていた中森警部も、予告時刻が近付くにつれて何も言わなくなった。いや、俺たちに構ってる暇なんてなくなってきたと言った方が正確だろう。
 服部とかいう例の西の高校生探偵と連れの小学生もいろいろと動き回ってたようだったが、彼らが何をしてるのか確かめる暇は無かった。きっとハルヒよりは確実な方法でキッドを追い詰めようとしてるのだろうとは想像していたのだが……

 緊張に包まれ息を呑む間にキッドの犯行予告時刻は過ぎていった。しかし、俺の持ち場からは展示室の様子はわからない。何か動きがあればハルヒから連絡があることになっていたのだが……
 突然、館内の全照明が切れ、辺りは真っ暗になった。あちこちで警官たちが怒鳴りあってるのが聞こえる。やがて非常灯が付いて視界が少し戻った。同時に携帯の着信を知らせるマナーモードの振動。
『キョン、聞こえる? 今の停電の間に宝石が消えたわ。キッドはまだこの展示室にいると思うけど、万が一のことがあるからそっちも警戒してなさい!』
「わかった」
 ハルヒの状況報告を聞いて俺は携帯を切ろうとした。
『待って、キョン。いちいち掛け直すのが面倒だから繋いだままにしておいて』
 掛け直すのが面倒というのはハルヒらしいと思ったが、俺と繋いだままじゃ他の3人と連絡が取れないだろ。
『そうよ。携帯があれば良いかと思ってたんだけど、トランシーバーを用意してくるんだったわ。ま、こんなときに備えて、あたしからの連絡が無かったら有希には独自に状況を把握してみんなに指示を出すように言って置いたから大丈夫よ』
 確かに状況の把握に関しては長門が一番適任だろうが、ずいぶん投げやりだな。俺はそう思ってハルヒの話を聞いていたが、突然、携帯の向こうの様子が慌しくなってきた。
『(服部平次、あたしの邪魔しないでくれる?……な、なにをするのよっ!)』
 ハルヒが服部とトラブルを起こしてる様子だ。
「おい、どうした、ハルヒ?」
 俺は携帯の向こうのハルヒに呼び掛けたが、どうもハルヒは返答に出られる状況じゃないらしい。
『(あたしが怪盗キッド? そんなわけ無いじゃないのっ!)』
 ハルヒは怪盗キッドだって疑われてるのか? 確かに展示室にいる人間が警察や美術館関係者と服部たちだけだとしたら、真っ先に疑われる怪しいやつはハルヒだろう。しかし、俺が携帯でやりとりした相手は間違いなくハルヒ本人だ。けっして怪盗キッドなんかじゃない。
 俺はハルヒの無実を証明する手助けが出来ないか、そのことを申し出ようと思ったが、いきなり携帯の通話が切れた。向こうから切ってしまったらしい。
「繋いだままにしろって言ったのはおまえだろ?」
 俺はハルヒが疑いを晴らすのに精一杯になったから通話を切ってきたのかと思った。そして、しばらく思い悩んだ。このままハルヒの指示通りにここで怪盗キッドが逃げてくるのを待っているか、それとも展示室に向かってハルヒがキッドじゃないことを証明してくるか。ただし、後の方は例えそれでハルヒを助けることが出来ても、感謝されるどころか持ち場を離れたってことで思いっきり非難されそうだが。

(続く)

涼宮ハルヒの憂鬱 Episode02 通常版 KABA-1603
涼宮ハルヒの憂鬱 Episode02 通常版 KABA-1603

劇場版 名探偵コナン 世紀末の魔術師 UPBV-1003
劇場版 名探偵コナン 世紀末の魔術師 UPBV-1003


週刊アニメ定点観察 Vol.492 (3/3)

2006年06月08日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/06~06/05/07

◎彩雲国物語
 (第5話)
 近頃、物がよく無くなってる秀麗。ま、それは毒を仕込んであるのを察知した劉輝が取り除いてるかららしいけど……
 王宮に侵入してる傍若無人な笛の下手な男。蘭楸瑛の弟の龍蓮って話だけど、天才ゆえの奇行が目立って誰からも持て余されてる様子。
 秀麗の部屋にやってきた龍蓮……はいいけど、后妃の部屋にそんな若い男を入れていいのか? で、銀の食器を見て毒を調べるためのものだと見抜いてる龍蓮の言葉にビビってる香鈴。どうやら毒のことはこいつの仕業か。珠翠も怪しいって話だけど……
 龍蓮がとっておきの鳥鍋を御馳走するからって一緒に実家に戻ることになった秀麗だけど、龍蓮は鳥を買わずに大豆を買い込み、そして何かと交換を続けて最後はわらしべ1本に……わらしべ長者の反対かいっ!
 結局、庭に植えてる野菜で野菜鍋……ま、貧乏人の秀麗には慣れてることなんだろうけど……
 天才肌で誰からも理解されない龍蓮から1人逃げようともせず相手になってくれた秀麗に礼を言う楸瑛。その龍蓮は近々国試(科挙の殿試のことだな)を受けると言ってるけど……

◎ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!
 (第6話)
 レインはすっかり放送部のレポーターに。他のふしぎ星の連中もそれぞれクラブ活動に勤しんでいて、あぶれて暇なファイン。チアリーダー部にでも入ってみんなを応援しようかと思ったら、教頭がそんなクラブは無いと一蹴。そこでクラブ巡りを始めたファインだけど……
 研究内容で対立していきなし部長以外が退部してる科学部。みんな互いに自分の研究が一番だと言い張って、それぞれ別の科学部を作ろうとしてるけど……それを教頭が煽るかいっ! ま、互いに競争心を持たせて向上させることも教育の一つではあるけどね。
 部長の実験を手伝わされてるファイン。おならを使ったクリーンエネルギーの研究はいいけど、屁の河童理論って、どんな理論じゃいっ!
 ま、おなかの中にはメタンガスやら不純物が含まれてるから濃縮して加工すれば車を動かすぐらいのエネルギーは取り出せるかもしれんけど(ただし、コストが膨大過ぎて採算が合わないだろうけど)、間違っても匂いが良くなったりはしないと思うぞ。
 部長が実験中に暴走してしまい、それを止めるためにやってきた元部員たちが科学部に戻ってくるってのはお約束。で、成り行き上から科学部に入る気になってたファインだけど、数式の羅列を見たとたんに現実を思い知ったって話ね。

◎BLOOD+
 (第30話)
 おや、小夜ってアイスランドで発掘されたミイラの胎内にあった繭から生まれたってか。昔から延々と生きてきたってわけじゃないのね。で、生まれた双子のうちの一方は小夜として普通の娘のように育てられたけど、もうひとりは実験体としてずっと幽閉されてたってか。そりゃ、ディーヴァに小夜と同じような感情を持てという方が無理だな。
 アンシェルって初代ジョエルの助手だったってか。翼手が小夜の血で死ぬのって、翼手の中に流れてるディーヴァの血が凝固するからってかい。
 小夜に解放されたディーヴァが真っ先に自分を虐待していたジョエルたちへの復讐に走るのは当然だな。しかし、ディーヴァを解放したのが小夜だったとは、今まで歴代のジョエルは知らなかったのか?
 第1話の冒頭のベトナム戦争当時の小夜が翼手と一緒になって暴れてるように見えたのって、休眠期間中に無理やり覚醒させられたからってか。それが岡村の父親の目撃した光景だったんだな。しかし、暴走した小夜ってディーヴァそのものだな。その時にデヴィッドの父親が死んだってか。その部下がジョージで、再び眠りに付いた小夜を任されたって話ね。
 30年の休眠期間の途中で起こされたとか言ってたけど、ベトナム戦争からじゃ現在が30年後ということは、途中で起こされても残り期間を寝るんじゃなくて、また30年眠るってことか。途中で無理やり起こされてもきっちりオリンピックの年には目覚める『こち亀』の日暮とは違うのね。
 信号をひとり渡り損ねたカイ。なんかひとり取り残されてるって感じだけど……こういうキャラはやばそうだな。

◎ツバサ・クロニクル(第2期)
 (第28話)
 本戦のスタートポジションを決める抽選。サクラってくじ運いいのね。
 いきなし小狼たちを襲ってきたチンピラ連中。小狼が有利になったら、背後から出て来た笙吾とCLAMP学園探偵団……知世の指示で経歴の不審なこいつらを調べようとしたってか。
 サクラの本戦用のコスチュームを作ると言い出してる知世。やっぱし、特別のことするときは特別な衣装じゃないとダメなのか。もう完全に『CCさくら』の世界だね。声が違うのが致命的なんだけど……
 本戦スタート。ま、例によって妨害工作が行われて黒鋼とファイが脱落。小狼も龍王と争ってるところを狙われてるけど……ま、爆発は犯人の仕掛けた爆弾で、それを逃れるためにわざと龍王の機体に突っ込んでいっただろうから、小狼の機体は無事だと思うんだけど……
 ところで、前回予選を通過してたはずの春香の姿が見えないんだけど……

◎ああっ女神さまっ それぞれの翼
 (第3話)
 螢一のバイトを手伝ってるベルちゃん。なんかスマイル100円の世界だね。
 手編みのセーターのお返しにベルちゃんにクリスマスプレゼントを渡そうとする螢一だけど、醤油1瓶で満足してくれるとは金が掛からなくていいね……って、それでお終いってわけじゃないけど。
 クリスマスを知らないベルちゃんに、サンタさんが子供にプレゼントを贈る日だと説明してた螢一だけど……それでいいのか? いや、厳密にクリスマスの意味なんか言ってたら、北欧神話の神々が実在してる世界観と根本的に齟齬が生じてくるからねぇ。かといって、現在の日本で恋愛物といえばクリスマスのイベントを無視できないのが悲しいところだけど。
 ベルちゃんに指輪を買おうと臨時のバイトで稼ぐことにした螢一だけど、相談した先輩たちに連れて行かれたのは遠洋マグロ漁船……サラ金の滞納者かいっ! 確かに事故で死んだりしなけりゃ確実に稼げる仕事だと思うけど、クリスマスに間に合わないどころか、留年確定だな。
 結局、ウルドに工事現場のバイトを紹介されて何とか金をためるけど、いざ買いに行ったら先に沙代子が買おうとしてたって、ありがちなパターン。しかし、螢一がいくら奮発したのか知らんけど、たった数日のバイトで買える様な指環を沙代子が気に入るとは思えないんだけど……
 指環を譲る代わりに何でもいうことを聞けって言ってる沙代子。螢一に引っ掛かった女の子の風船を取らせよとするけど……なんか完全に悪者になってる沙代子が哀れね。

◎ストロベリー・パニック
 (第5話)
 いちご舎でミアトルだけに伝わるお部屋番の伝統……おなじいちご舎にいてもスピカやル・リムの連中は関係無いんかい。しかし、渚砂は途中編入だから自分がお部屋番やってないのに後輩に世話してもらうって得だね。
 渚砂たちの部屋に当たったのは月館千代ってドジっ子だけど……なんか渚砂に憧れてるみたいね。ま、渚砂って編入早々目立ちまくりだから、ある意味有名人だからねぇ。
 スピカの光莉たちと知り合った渚砂。部屋で玉青の紅茶を飲もうとしてる一同だけど、不在の部屋で掃除してた千代がドジって反動で渚砂がシスターとぶつかり、大目玉。ひたすら恐縮しまくる千代。
 紅茶を飲み損ねたからって夜にこっそりお茶会を開こうとした一同だけど、またもや千代がシスターに見付かって失敗。全員で階段掃除させられてるけど、さらに千代と階段から落ちて怪我をしてる渚砂……こいつら、よくよく相性が悪いね。
 で、また懲りずに夜中のお茶会やってるかいっ!
 前回、天音に絡んで光莉を中心にした話だったんだけど、あれだけ特別編とかいうわけじゃなく、ちゃんと光莉も渚砂たちに絡んでくるって展開だったのね。しかし、静馬の出て来ない話というのも珍しいね。

◎魔界戦記ディスガイア
 (第3話)
 エトナってラハールに仕えてる振りしてて、他の魔王を狙う連中と共倒れにさせた隙に魔王の座を奪おうつもりってかい。ま、魔族らしいといえば魔族らしい油断も隙も無い状況だな。
 魔界秘宝館……怪しげな秘宝がいっぱいの施設だけど、何をどう解釈したらホテルの代わりに泊まる施設って解釈が出来るんだ? で、ラブホの回転ベッドがあるのが謎だけど……
 ま、そこらの寂れた行楽地にある怪しげな秘宝館よりはマシか……
 しかし、性格の入れ替わってるエトナとフロンって……

◎XXXHOLiC
 (第4話)
 次元の魔女に連れられて占い師に会いにやってきた四月一日。ま、占星術はちゃんとホロスコープを作って占わないと意味が無いって侑子が言ってるのはもっともだろうけど、そうしてやってきた場所にいたのは侑子の知ってる占い師とは別の占い師。確かめると言って入っていく侑子だけど……
 出て来た後で感激してる四月一日に占いの種明かしをしてる侑子……ま、よくあるパターンね。
 で、やっぱり占い師は信じられないという四月一日に本物の占い師を見せるといってる侑子。で、連れられていった先には老婆の占い師。何も聞かずに必要なことだけ占ってる老婆……
 四月一日の両親がちゃんと成仏して四月一日のことを見守ってることを伝えてる老婆。ひまわりとの関係はあえて教えないとか……占い師は客が本当に知りたがってることと真剣に向き合って占うのが仕事だって言う侑子。占えないことでも知ったかぶりで答えてるのは客に対して失礼なニセモノの占い師ってことだけど……ま、巷にいるほとんどの占い師はねぇ……

◎ふたりはプリキュア Splash Star
 (第14話)
 いきなし舞と咲のクラスに転校してきた満と薫。露骨に無印のキリヤと同じようなキャラっぽいんだけど、悪意があるというよりは単に虹の里とプリキュアに興味があって調べにきたって感じだな。
 一方、アクダイカーンは新たな刺客ドロドロンを出してきてるけど……ボソボソ声のスパイダーマンってかい。
「ふたりは、プリキュア?」
 これ笑った。

 しかし、敵はどうしてやられたら相手に征服した泉を奪われるような体制で攻めて来るのかねぇ。カレハーンもモエルンバも、そもそもは征服した泉を支配しておく立場のキャラだろ。それをわざわざ虹の里に遠征させて、負けた結果として泉を奪われてるとはマヌケ過ぎ。ま、他に人材がいないというのが正直なんだろうけど、そんなに人材が不足してるんならそもそも泉の里の征服計画自体が破綻してるってことだね。
 ま、戦線が急激に拡大して兵站線が伸びきってしまって戦力補充や補給物資が間に合わずに泥沼にはまってるって感じだな。もう、こうなりゃ後方がジリ貧なんだから、どう考えても勝ち目が無いだろうに。
 大半の泉を押さえたところで戦線の拡大を抑え、後は気長に交渉で相手の降伏を待つ方が妥当だと思うんだけどねぇ。戦争を始めるのはいいけど攻勢限界線というのをちゃんと設定していないと無制限に戦線が拡大して、昔の日本軍みたいに惨めな状況になるだけだぞ。

《おまけ》
◎ウルトラマンメビウス
 (第5話)
 宇宙から怪獣を呼び寄せる謎の女だけど……なんかウルトラマンみたいな巨人に瞬殺されてるとは哀れね。
 GUYSの活躍がマスコミで取り上げられて上機嫌の補佐官に浮かれまくってるメンバーたち。しかし、1人不機嫌になったジョージ。なんかGUYSから抜けたい感じだけど……
 サドラ出現で出撃したGUYS。角の両端が弱点だからって遠距離から攻撃するも、謎の女にビームを曲げられて失敗。それを自分が勝手に遠くから攻撃して狙いを外したのだとアイハラに責められたジョージ。こんなとこ自分の居場所じゃないと出て行こうとするけど、そのジョージに勝負を挑むミライ。
 流星シュートはいいけど、ボールが燃えるかいっ!
 再びサドラ出現。霧に隠れて神出鬼没のサドラに苦戦するGUYS、そしてメビウス。今度はロングシュートじゃなく、ドリブルで至近距離まで近付いてサドラの角を狙うジョージ。動きの鈍ったサドラをメビウスが倒して一件落着。
 ……かと思ったら、そこに別のサドラが2体。サドラは3体いたってか。それが神出鬼没の正体だったんだな。しかし、不意を突かれた上にタイムリミット限界のメビウス。そこに仮面を被ったみたいな青い巨人が現れ、2体のサドラを撃滅。冒頭で宇宙怪獣を倒したのもこいつだろうけど、いったい何者だ? 山の中でアイハラが見た前隊長の姿も謎だし……
 単純に考えたら前隊長と青い巨人が同一人物で、例の謎の女とは宿敵みたいな感じなんだけどね。ただし、本物の前隊長かどうかは大いに疑問が残るところだけど……

 ところでサドラといえば、昔の怪獣消しゴムの中では下半身の安定度の非常に高い怪獣だったから、手持ちの怪獣消しゴムでトントン相撲の勝負をしたらほとんど無敵だった覚えがあるなぁ。

◎仮面ライダーカブト
 (第15話)
 いきなしカブトに襲い掛かってきたドレイク。それにザビーも加わって三つ巴の戦いになるかと思ったら、ザビーはカブトの相手にならないし、ドレイクは邪魔が入ったからって引き上げるし……おまいら、あっさりしすぎ。
 しかし、何かと食い物だらけの番組だな。天道のポテトの丸揚げは美味そうだね。
 屋台のおでん屋で飲んでるおっさん……携帯が鳴ったと思ったら、医者だってかい。しかしこんな酔っ払って大丈夫なのか?とか思ったら、相当な名医みたいだけど……
 おや、加賀美の父親って警視総監だったんかい。そりゃゼクトにも関われそうな立場だろうね。
 休職届けを出した加賀美を追いかけてる祐月。引き止めるのかと思ったら、休職するならPCを持ち出すなって……ま、当然な話だね。それこそゼクトの情報流出の危険増大だからね。
 祐月をメイクしてる風間に対抗して祐月のヘアスタイルを変えてる天道……何でも出来るやつだな。
 屋台で遭遇してる2人の医者。どっちかがワームのはずなのに、2人仲良く飲んでると思ったら、他の場所に出現してるワーム。おいおい、医者は双子だったとかいうオチなのか?
 シャドウがやってきたと思ったら影山に指示を出してる謎の男。おい、影山が隊長だったんじゃなかったのか?
「おばあちゃんが言っていた……」
 おいおい、天道がシャドウの隊長だったってかい。

◎生物彗星WoO
 (第3話)
 組織から逃げ出して小太郎につれられ、川原に住むホームレスのおっさんたちに匿ってもらってるアイだけど……
 ここを仕切ってるゲンさんとかいうおっさんがなかなか貫禄あっていいね。
 ホームレスの中に1人場違いなインテリ・サラリーマン風のにーちゃんがいたんだけど、WoOのことをマスコミに売ろうとしてるとこを見付かってゲンさんに怒られてるのがマヌケね。
 しかし、そのことで組織に嗅ぎ付けられ、追手がゾロゾロ。で、その指揮官がアイの親友の父親だったんだけど……
 そこにいきなし怪獣出現。触手に掴まってるゲンさんとWoO。地面に叩きつけられたゲンさんは哀れ、原形も留めなくぺしゃんこに。一方、WoOはいきなし巨大ヒーローに変身してるけど……いきなし手足が出来たからってまともに戦えるもんじゃないわな。
(いや、ゲンさんとWoOが合体して巨大ヒーローになったのかと思ったけど、変身が解けた後もWoOが戻ってきただけだし、そういうわけではなかったみたいね)
 ゲンさんが殺されてホームレスのところにもいられなくなったアイ。いったいどこまで逃げ回るのかねぇ。

週刊アニメ定点観察 Vol.492 (2/3)

2006年06月08日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/03~06/05/05

◎NANA
 (第5話)
 蓮がプロデビューする他のバンドに誘われて東京に行くと聞いてから、蓮が東京に行って別れるまでの話なんだけど……いろいろフラフラしてる奈々と違ってナナはまっすぐだね。
 結局、蓮を取って単なるカノジョとして東京についていくより、自分のプライドを取ったって話か。ま、ずっとひとりで生きてきたナナにはその辺でただ他人に甘えるだけの人生って選択肢は取れなかったんだな。
 それに比べて高校卒業しても進路が決まってないのに悠長な旅館の跡取り息子って気楽だねぇ。
 どうでもいいけど、雪の中でバースデーケーキ広げて、よく食う気になるね。

◎いぬかみっ!
 (第5話)
 予定の一週間が過ぎ、啓太の家を去っていくなでしこ。まだ啓太がようこを助けようとしなかったことが不可解なようだけど……
 で、啓太がようこと契約した時の話になるんだけど……
 犬神と契約が出来ずに犬神使いになれない啓太。そんなところに、自分と契約したいという犬神がいるってことで荒れ果てた寺にやってきたのだけど、そこにいたのがようこ。最初にようこから啓太を指定してきたってことはそれ以前に啓太のことを知ってたってことなんだけど、啓太はそのことを知らないみたいで、それがようこの反抗的な態度に繋がってるみたいね。
 契約に当たって自分が主導権を握ろうと、なかなか応じないようこに苦労する啓太。しかし、霊力の弱った啓太をねらって悪霊がやってきたことで背に腹は変えられず、ようこに忠誠を誓ってしまう啓太。結局、そのことがようこの粗暴な態度に繋がってるという話だけど……ようこのあの性格だったら、どんな契約したって同じような気がしないでもないけど。
 犬神が1匹しか憑いていない啓太をダメな犬神使いと言ってるせんだんに、それなら自分しか憑いていない宗家はダメな犬神使いかというはけ。はけは宗家に憑こうとする他の犬神を自分が排除したと言ってるけど、ようこもそうだって話か?
 ところでせんだんたちの主人である薫って、名前だけで本人が全然出てこないんだけど……

◎ウィッチブレイド
 (第5話)
 雅音の前に現れたナソエフの2人の正体はコピーブレイド。かつて導示とナソエフが協力していたときにウィッチブレイドをコピーして作ったものって話。
 ナソエフが児童福祉庁のスポンサーだと知り露骨に嫌悪感を示す雅音。どうもナソエフがスポンサーになってるのは児童福祉庁が集めた子供たちからコピーブレイドの装着者として改造する素体を探そうとしてるって話。かくして露骨な軍事産業である導示よりも、保健福祉企業を名乗ってるナソエフの方がヤバイ組織だという展開。
 借りた部屋に案内される雅音&梨穂子親子。子供連れだからって割増料金取られてるとは、酷い大家だね。
 ちゃんとしたキッチンが付いてるって喜んでるのはいいけど、風呂は無いから近くの銭湯へツアー。ま、元々は事務所用の部屋だからキッチンユニットぐらいは後から置いただけで何とかなるだろうけど、風呂周りの根本的な改装工事までやってないんだな。
 導示から受け取ったギャラ(というか、生活費からの名目変更とか契約形態とか、ほとんど全部鷹山に口だけで言って済んでるってとこ考えたら、鷹山の部署の機密費か、それとも鷹山のポケットマネーから出てて、正規の経理を通した金じゃなさそうだな)で梨穂子と買い物に出掛けた雅音だけど……巨乳過ぎて普通のランジェリーショップじゃブラが無いってかい。大変ね。
 夜中に出動が掛かって出て行ったら、エクスコンとの戦闘中にまたしてもナソエフのコピーブレイドの2人。エクスコンなんか放り出して対決モードに入ってるけど……

◎RAY THE ANIMATION
 (第5話)
 学校でランニング中に突然倒れて皮膚が切れ、血を噴き出してるさやかとかいう少女。沢医院に運ばれて来たのはいいけど、今度は腕が勝手に折れたり、何かに憑かれたような口調で喋り始めたり……アカリボン同様に無痛症なのが幸いだってかい。
 不気味がる看護婦たちに、自分は以前に同じ症状を見たことがあるという零。そして、高校時代の友人、雅のことを語り始めるけど……

 その当時、零は「お母さん」と一緒に住んでたとい話。名前は「零」と呼ばれていてちゃんと両目が見えてて、しかも将来は医者になるとか言ってるって話。すると、どうやら組織に目を奪われて院長に助け出され、BJの手術で再び物が見えるようになった後、春日部とかいう女医の元で育てられてたみたいね。その「お母さん」の置手紙に沢医院に行くとか書いてあったところを見たら、院長の知り合いみたいだな。
 儀式で巫女をやったあと何かデキモノが出来たという雅。いきなり苦しがり始めたと思ったら、腹部から緑色の変な組織がぶくぶく……苦しいからってスカートを脱いでるけど、セーラー服にパンツ1枚って……
 結局、母親がいないからって零が神の目を使って切除したんだけど……儀式の時に食べた貝が寄生生物だったってかい。

 さやかに案内させてさやかに憑いてるもののところに向かう零たち。そこで見たのは工事で切り倒される桜の老木。木が傷付けられるたびに皮膚が切り裂かれるさやか。突然、地面に穴を掘り始め、そこに自分を埋めろというさやかだけど……
 零がさやかと桜の木のシンクロしてる根源を透視し、除去したら、それは桜の種だったという話。
 いや、その種が発芽してさやかの神経系に根を張ってたとか言うのならわかるけど、単に皮膚下に種が埋まってたからって、それだけで親の木とシンクロ出来るのか?

◎ZEGAPAIN -ゼーガペイン-
 (第5話)
 水泳部崩壊の原因って、ソゴルが大会で審判殴って他の連中もみんな失格にされたからってか。ま、それでソゴルが開き直ってたら他の連中は愛想を尽かすわな。
 セレブラントで上海サーバーが消滅したら、こっちの世界の上海も壊滅してるのね。いや、ソゴルももうちょっと社会のことに関心持ったらそんなこと気付くだろうに……こいつ、ニュースとか全然見てないみたいだからねぇ。
 ずっと不在の母親……というか、もうずっと会った記憶が無いってか。やたら既視感を感じてるリョーコ。ひょっとしてこっちは回想の中だけの世界なのか?
 どうでもいいけど、高校で量子力学なんか教えてるのか?
 一時はセレブラントに移動できなくなったソゴルだけど、自分の使命を思い出したらセレブラントに行けてるけど……
 目の前に広がる後継は廃墟となった舞浜……それが現実の舞浜の姿だってか。どうも日常世界の方ってのは舞浜サーバーとかいうコンピューター上に保存された町の記憶そのものって感じだな。

◎Soul Link
 (第5話)
 この状況で兄妹喧嘩かいっ!<新田&亜希。
 涼太たちが副支配人の作ったサンドイッチで食事を取ってる頃、テロリストたちにハンバーガーを配ってる亜弥。沙佳の心配も知らずに気楽なものだね。
 防火壁を破壊して敵のリーダーのおっさんが攻めてきたのはいいけど、迎撃に飛び出した秀平の銃は効かず。防弾ガラス製の盾かいっ!
 しかし、有利なはずの敵のおっさんがなかなか動こうとしないと思ったら、別ルートでカレンとかいう女の子が背後を突くための陽動作戦だったってか。それに気付いて飛び出す新田。何とか倉庫間の通路を破壊してカレンの侵入を防いだけど……
 なんかいきなしパニクってる第2制御室だけど、まさか敵のおっさんが攻勢を掛けてきて秀平たちがやられたってか?

◎錬金3級 まじかる?ぽか~ん
 (ぽか9)
 台風来てる海でバカンスですか……ある意味リッチだね。
 魔法で晴れさせてるゆうまだけど、ほとんど役に立ってないし……で、旅館に逃げ込んだのはいいけど、旅館の中で海水浴ごっこして女将に怒られまくりとは悲惨。
 夜になって雨が上がったからって海に出掛けたら、そこにイケメン男……実は人魚だったってオチかい。

 (ぽか10)
 溺れた4人を助けた人魚のプリンセス、ルル。片思いの人がいるからつれて来てくれと頼まれたのはいいけど、その相手とゆうまが出来てしまってるってあたりがうそ臭いけど……。
 渋る2人を拉致して連れてきた他の3人だけど、ルルはクラゲと出来たからもういいって、こっちも酷い話ね。
 完全に相思相愛で海に残ったゆうまだけど……こりゃ水難者の悪霊だったか。

◎ガラスの艦隊
 (第4話)
 クレオVSヴェッティ。乱闘で店の中がメチャクチャになるわ、ヴェッティ艦の砲撃を受けるわ、酒場のオヤジが悲惨ね。
 どっちかというと両者痛み分けってところだけど……小姓のおかげで命拾いしたな<ヴェッティ。

◎ケロロ軍曹
 (第108話)
 尻尾が取れて大人入りしたタママ。
 大人の特権、「飲む、打つ、買う」……「買う」は大人買いって、確かに子供には出来んことだろうけど……
 で、「飲む」はストロー無しでコーラを飲むことかい。いや、昔はコーラは子供の飲むものじゃないとかいう時代もあったらしいけど……
 宇宙スリ常習犯のサユリってねーちゃんがなかなか良いね。
 別に尻尾が戻ったのはタママインパクトの反動じゃなかったのね。

 「ドクタークルルの島」……確かにマッドな島ってイメージだな。
 偵察衛星に発見されるために流木でSOSのメッセージを作ってる冬樹。さては以前に大雪山にSOSを作ったのはお前だな。木が足りないって、怪力で辺りの木を伐採してる桃華だけど……生木は燃えないから夜に偵察衛星に発見される目的には使えないぞ。
 しかし、そんなにあちこち実験場とか作ってるくらいなら、それを侵略の成果とはしないのか?

◎アニメ魂
 西の善き魔女 Astrea Testament
 (第5話)
 ルーネットを生徒会室に呼び出したシスター・レインだけど、その正体はもう1人の女王候補・レアンドラだってかい。ルーンを男と知って仲間に引き入れようとしてるけど……
 ルーンが男だとばらすと言うレアンドラだけど、正体がバレたら困るのはお互い様だって指摘されて、結局は剣の対決でルーンの奪い合いをすることに。
 対決が近付くにつれて何度も送られてくる脅しの手紙。レアンドラが差し向けたものだと掛け合うフィリエルだけど、それは生徒会のものではないというレアンドラ。ロゼリットを殺したのも反生徒会の第3勢力じゃないかと言ってるけど……
 いよいよ対決の本番だけど……相手の生徒会長・ラヴェンナ、なんかものすごいエロい格好だね。勝負は圧倒的にラヴェンナが有利だったのに観客席から反射された日光に目がくらまされたところにフィリエルが打ち込んで剣を払い落として一本。なんかインチキ勝負で後々問題になりそうな結末だね。
 そこに祝福にやってきた生贄の王女だけど、いきなし短剣でフィリエルに襲い掛かってるって展開。ま、咄嗟にフィリエルはかわして助かってるけど、襲ってきた相手はシザリア。やっぱしこいつがフィリエルを襲ってロゼリットを殺した犯人だったってか。
 フィリエル抹殺に失敗し、身を投げようとするシザリアだけど、間一髪で救い出すルーネット。結局、ルーンはフィリエルの命を狙った犯人を探るために潜り込んできたってかい。
 そのルーンを見て、反射光はルーンの仕業だと怒り、鬘を取って正体をばらすラヴェンナ。しかし、そこにいきなし現れたアデイルの現生徒会無効宣言で一件落着。結局、レアンドラの思惑はすべてアデイルによって台無しにされてしまったって話だけど……なんか女王候補同士の争いが泥沼になっていくような気がするねぇ。

◎シムーン
 (第5話)
 どうにか戦線に復帰したコールテンペストだけど、かつての精鋭は見る影もなし。特に前回のことを引き摺ってるアーエルとリモーネのシムーンはリマージョンにも失敗して深刻な感じ。で、他のメンバーから非難されてるリモーネ。
 アーエルってけっこう他のメンバーから浮いてる幹事で、何かあると速攻で非難されるのはこいつかと思ってたんだけど、こいつは実力で元いるメンバーに認めさせてるし、他の年少組や補充メンバーには最初から人気があったからねぇ。
 で、新たにコールテンペストにやってきたドミヌーラとかいうねーちゃん。全滅した他のコールからコールテンペストの再建のために偉いさんの意向でやってきたみたいだけど、最初に目を付けたのがリモーネってか。
 しかし、コールテンペストもネヴィリルが復活したらそれなりにまとまって来そうなんだけど、こいつはまだ立ち直ってないみたいだからねぇ。
 これまでずっとサジッタだったリモーネをアウリーガにして偵察任務に出てるドミヌーラ。敵の機影は見付からないと思ったら、雪原の中に白い戦車の大部隊が隠れてたって話。敵の猛攻と吹雪による悪天候で絶体絶命のシムーン。
 ドミヌーラが撤退を指示しても反応が無いリモーネ。訓練時代にアウリーガで「銀のリマージョン」をやろうとして失敗し、接触事故を起こして犠牲者を出したことがリモーネのトラウマになってたってか。
 そこに迎えにやってきたアーエルの機体。サジッタにはロードレアモンが乗ってるけど、影が薄いね。アーエルの顔を見て「銀のリマージョン」をやることを決意するリモーネ。危険だからやめさせようとするドミヌーラだけど、リモーネは聞く耳持たず。そのままアーエルとともに「銀のリマージョン」を完成させて敵の戦車部隊は壊滅。
 リモーネがやりたかったことは誰よりも完璧なリマージョンだったってか。さすがに天才は言うことが違うね。

週刊アニメ定点観察 Vol.492 (1/3)

2006年06月08日 | 週刊アニメ定点観察
期間:06/05/01~06/05/02

◎Fate/stay night
 (第17話)
 セイバーの願いは聖杯の力でアーサー王としての治世をやり直したいってか。自分は頑張ったつもりでも最後に人々から罵られたのが悲しいってか。しかし、いくら聖杯の力でも過ぎてしまった過去をやり直すことは出来んだろ。
 衛宮家の食卓。もはやイリヤ1人が増えたところで大河も桜も何も言わないか。しかし、ここの食事は油断がならんな。少しでも気を抜いたら大河に食われてしまうってか。
 おいおい、アサシンのマスターは魔術師のサーヴァントであるキャスターで、キャスターは自分を召喚したマスターをとっとと殺して身代わりを立て、自分でアサシンを召喚して聖杯戦争に参加してたってか。
 そんなことして何か得があるのか?と思ったけど、キャスターは自分のサーヴァントとしての力を知ってるからマスターとして参戦して他のサーヴァントを召喚して戦わせた方が勝ち目があると考えたんだな。
 キャスターの正体はコルキスの王女(アルゴ船のイアソンの恋人で、後にテセウスの父・アイゲウスの後妻)のメディア……ヘラクレスといい、メデューサといい、ギリシャ神話のキャラが多いね。ランサーとアーチャーの正体は不明のままだから他はアーサー王と佐々木小次郎だもんな。
 そのキャスターのマスターは士郎たちの学校の教師の葛木じゃないかって話。
 キャスターが町中から魔力を集めてることを避難する士郎に開き直って、中途半端なことだと言ってる葛木。自分は魔術師ではないけど殺人者だってかい。キャスターの強化呪文でセイバーに肉弾戦を挑む葛木。このおっさん、強すぎ。
 セイバーには自分が止めを刺したいというキャスターに代わって今度は士郎を狙う葛木だけど……とっさにアーチャーの剣をコピーして難を逃れたけど……
 形勢不利と見たキャスターは大量の人間の魂を犠牲に聖杯を召喚する目的に手を組まないかって言ってくるけど、もちろんそんなことに耳を貸すわけは無いわな。で、犠牲とする魔術師を手に入れるといって姿を消したキャスター。てっきりイリアがさらわれるものと思ったら、狙われたのは桜。ま、桜も慎二の妹だから魔術師の素養はあるんだろうけど……

◎ひまわりっ!
 (第4話)
 謎の旧校舎。ま、使ってた頃からトラップだらけだったってことじゃなくて、校舎として使わなくなったから訓練用にトラップを張り巡らしたってところかねぇ。で、大事な設計図を何もそんなところに……と思ったら、予備が大量にあるから設計図を使って修理とかする必要が無いって話かい。ただの用済みの古文書ってところだな。

◎涼宮ハルヒの憂鬱
 (第5話)
 いきなしハルヒと自分のことについてキョンに語り始めてる長門。おいおい、ここは綾波レイの思考現実の世界か? そんなペースでまくし立ててもキョンに理解不能だろ。
「正直言おう。さっぱりわからない」
「度を越えた無口なやつが、やっと喋るようになったと思ったら、延々デンパなことを言いやがった」
 長門はさりげなくキョンに迫ってる危険について語ってるんだけど、キョンがそれを理解したかどうか……
 で、謎の転校生・古泉一樹登場。
 面子が揃ったところで活動を始めたSOS団。不思議なことを伝えるメールが集まらないからって自分たちで探しに出かけたわけだけど、キョンと2人きりになったみくる。いきなし長門同様、自分の正体を明かし始めてるって展開。
 時空連続体は実は連続してるんじゃなくって、個々の時間の断面のようなものがアニメの絵のように断続的に積み重なってるって……いかにも谷川流らしいSF設定なんだけど……この作品で以降、それが活かされてるとは思えんけどね。
「この時間に来た私は、パラパラマンガに描かれた余計な絵みたいなもの」
 あんさんは悪戯書きレベルの存在ですか。で、今から3年前に大きな時間断層があってそれ以前の時代には遡れないって……実は宇宙そのものが出来たのが3年前ってオチじゃないだろうなって気がしたんだけど、少なくとも長門の背後にいる情報統合思念体は3年前よりずっと以前から地球人類を観測してたようなこと言ってたから、それは無いか。
 しかし、何かとすぐに「禁則事項です」……あんさん、どこぞの獣王の手下のスチャラカ魔族かいっ!
 さりげなく『学校を出よう!』を読んでるキョン。いや、それ読んで理解できるくらいだったら長門やみくるの言ってることも理解できるだろうけど。
 最後に古泉から話を聞くキョン。こいつらの機関にとってはハルヒは創造主みたいなものだってかい。で、ハルヒの機嫌を損ねたら自分達の存在自体が危うくなるから、とりあえず機嫌取りに徹するのが使命ってか。
 しかし、限定条件付の超能力者って言われてもねぇ。ま、ウルトラマンみたいなものなんだけど……

◎Angel Heart
 (第29話)
 香を訪ねてやってきた立木小百合とかいうねーちゃん。幼い頃に両親の離婚で離れ離れになった香の姉だってかい。で、母親が死ぬ間際に妹のことを話したから日本に探しに来たってことだけど、速攻で3年前に死んだって言われてるとは哀れね。
 香の心臓を移植した香瑩と出会って何か複雑そうな感じ。そして香瑩のやってるシティーハンターの仕事を見て、香は不幸だったのじゃないかと思い込み、周囲に取材しようとしてるけど……日本は慣れてないからって取材の相手をリョウに用意させてるあたり、根本的に情報源に偏りがありすぎると思うんだけど、それでいいのか?

◎ラブゲッCHU ~ミラクル声優白書~
 (第5話)
 ラムダエイト恒例の女子駅伝大会……どんな声優養成所じゃい。
 練習に出て来ないりんかを心配する桃子だけど、そのりんかの居場所は同人誌即売イベントの会場。りんかって同人ソフトの世界のアイドル声優だってかいっ! しかし、もう養成所のレッスンには付いていけないってか……
 いきなしりんかを呼び止めるセリフを吐いたかと思えば、いつものごとく『スケラブ』の世界ですか……
 その後も練習に出て来ないりんか。きっと隠れて特訓してるんだという桃子だけど……そんなわけあるかいっ!
 当日、選手の揃わない桃子たちに棄権が勧められるけど、とりあえずりんかをアンカーにしてスタートする桃子たち。桃子と翼でトップを維持したものの、天音が足引っ張ってるってのが笑いどころか。
 ぎりぎりりんかが到着するのはお約束。しかし、練習してないのに大丈夫かと思えば、日頃のレッスンで体力トレーニングが出来てるって……それじゃ他の連中も同じだろ。
 で、りんかの遅刻の原因は『スケラブ』を最終回までイッキ見して寝坊したからってかいっ!

◎桜蘭高校ホスト部
 (第3話)
 桜蘭高校の身体検査。ハルヒが女だとばれるって大騒ぎしてるけど、そもそも学生証の記載が女だろうに、ばれたからってどうってこと無いような気がするんだけど……
 しかし、環以外はホモホモ要員って、さんざんな言われようだな。
 会場に入ったとたんに大勢の医者と看護婦のお出迎え。おまけに身体検査で生徒の機嫌取ってるって……どうせどの家もお抱えの医者がいるからこんなの形式だけのことだからって、金持ちの考えてることはよくわからんね。

◎うたわれるもの
 (第5話)
 せっせと戦争準備に勤しんでるハクオロたち。そこにオボロが郎党率いてやってきてるけど……盗賊にしては大所帯だな。野武士か何かの一族なのか?
 弟を殺された恨みでさっさとハクオロたちの村を攻め滅ぼせという皇のインカラに、まずは話し合いをしろといさめてるベナウィ。しかし、まったく聞く耳持たずって感じのインカラ。
 ササンテの兄が皇で、その軍隊の侍大将がベナウィって……ずいぶんちっぽけな規模の国だね。朝廷とか言ってるから大和朝廷並みの規模のある国家かと思ってたんだけど、こりゃ蝦夷の俘囚長・奥州安倍氏ほどの規模も無いな。雰囲気から見えも歴史のある国とは思えんから、昔はそこら辺の豪族のひとつに過ぎなかったのが、急に武力を整えて周辺を支配下に収めて皇を名乗ったとかいうとこかね。
 砦を固めてる村人たちだけど、オボロの部下はともかく、他の連中は本当に戦になったらあまり役に立ちそうも無いね。で、食糧の計算が合わないってハクオロが調べに行くと、そこにはバカでかく育った白虎……おいおい、そこの食糧は成長促進剤とか含んでる人工品種なのか?
 協力を求めに近隣の村を訪れたハクオロとオボロだけど、すでに壊滅した後。そこにやってきたベナウィの一行と戦いになってるハクオロたち。しかし、プロの兵隊相手でしかも多勢に無勢。危うくやられるところだったハクオロだけど、アルルゥが白虎を連れてきたお陰で命拾い。
 村人相手に逃げ帰ったとインカラにクビにされてるベナウィ。代わりに侍大将になったのはヌワンギ。見せしめのために近くの村を潰したのって、こいつかい。そりゃ小さな村ひとつ潰すくらいだったらこんなチンピラぐらいでも出来るだろうけど、とてもじゃないけどベナウィとじゃ根本的に人間の器が違うだろ。いくら自分の甥だからって、こんなヤツを侍大将にしてるようになったら、インカラの国もお終いだな。

◎ひぐらしのなく頃に
 (第5話)
 魅音の前で包丁に自分の頭を叩きつけて死んでる古手梨花……また新たな惨劇の始まりか?
 町で部活をすると連れ出されてる圭一……ああ、前のはバッドエンドだったからやり直しのシナリオだな。行き先は町の玩具屋、優勝賞金は5万円の客寄せイベントに駆り出されてるって話だけど……ガキを集めてカルタ大会? いや、いくら田舎でも昭和58年にもなってそんなことはやらんだろ。もう普通にテレビゲームの時代だろ。世間じゃ高橋名人とかがもてはやされてた時代にカルタで客寄せかい。
 しかし、こいつら他所のガキ相手に容赦が無いな。圭一だけ1枚も取れてないのは手抜きしてるといわれて、他所のガキを脅して八百長しろってか。ま、魅音だって隣のガキ睨みつけて奪ってるくらいだから、雛見沢ルールではアリなのかも知れないけど……
 沙都子萌えと梨花萌えって……おいおい、昭和58年に萌えって概念があるのか? で、圭一が勝ったら二人を好きにしてよしってか。こりゃ逆らえんわな。
 二人の露骨な協力でどんどん追い上げていく圭一。魅音と並んだところで最後の1枚なんだけど……魅音がバイトだから勝負はお預けってかい。
 腹が減ったから1人ファミレスに入った圭一……前の「鬼隠し編」で大石に連れて来られた店だな。そこに出てきた色っぽい制服姿のウェイトレス……魅音かい。おいおい、魅音がここでバイトしてるってことなら大石との会話が(その場に魅音がいなくても)筒漏れだったってことは大いにありえるね。
 しかし、ファミレスというより風俗関係の制服だろ……とか思ってたら、魅音の妹の詩音だってか。いや、圭一は嘘だと思ってるし、レナも会ったことはないとか言ってるし、仲が悪くて行き来が無いはずなのに詩音が圭一のことをやたら詳しく聞かされてるとか言うのが謎だし……
 で、また綿流し祭が近付いてるって感じ。
 詩音の弁当箱を洗ってファミレスに返しに来た圭一だけど、ヤンキーのバイクを倒してしまって因縁つけられて絶体絶命。そこに現れた詩音。なんか魅音より怖い顔つきでヤンキーに怒鳴り付けてるけど、その声を聴いてゾロゾロ集まってきてる村の人間たちの方が怖いね。
 圭一が詩音と話してたら玩具屋から出てきた魅音。双子ってのは本当だったみたいだけど……弁当作ったのは詩音のふりした魅音だったって話か。しかし、これ、詩音がいるのといないのとじゃ作品の雰囲気が全然違う感じがするなぁ。
 ところで、今回はカーネル・サンダース人形を掘り出すって話が出て来てないんだけど、あれが無いと圭一が綿流しの晩以前に富竹と出会う機会が無いって話になって事件とのかかわりが全然違ってくるような気がするんだけど……

◎吉永さん家のガーゴイル
 (第5話)
 イヨに怪しげなヘルメットを被せられてる双葉。植物の声が聞こえるとかいう装置みたいだけど、機能せず……と思ってボリュームをMAXにしたら、いきなし周囲から洪水のような音に襲われて暴れまくる双葉。イヨがなんとかボリュームを下げて収まったけど、暴れたお陰でヘルメットの固定装置が壊れて外せなくなったとは災難ね。
 ヒーローのヘルメットだとからかわれまくってる双葉。ママだけ笑わないと思ったら、ふと席を立って部屋の入口まで出たところで後ろ向いて笑ってるって……いや、そういう笑われ方が一番傷付くだろ。
 庭の花の声を聞いたり、森へ出かけたり……イヨに止められてた割には病みつきになってる感じの双葉。森の中のざわめきは商店街と同じってかい。いや、おまえとこの町の商店街はシャッター通りじゃなくて良かったね。
 で、森のはずれで歌ってる花と友達になってるけど……
 どうでもいいけど、雑草のとかカビとかの声は聞こえないのか?
 昼間にイヨの店を訪ねていた怪しげな外人。またガーゴイルに挑戦しに来たって、毎度毎度大変ね。で、こいつが出してきたのが怪しげな魔法植物なんだけど……双葉のヘルメット絡みで引っ張るのかと思ったら、意外とあっけなくやられてるし。
 双葉のヘルメットも通り掛った百式のピッキングで意外とあっけなく外してもらってお終いってか。ま、今回はネタ振りだけで次が本番なのかもしれないけど……

◎ARIA The NATURAL
 (第5話)
 休日にアリシアと神社のある島にやってきた灯里。入植時代に日本人に割り振られた島だって話だけど……。狛犬の代わりに狐があるって、ここは稲荷神社かいっ! で、境内の売店で売ってるのがいなり寿司って、ベタだね。
 お天気雨の素敵な別名って、そりゃ「狐の嫁入り」かいっ! しかし、狐の嫁入りを見たら連れて行かれるって、そりゃ黒澤明の『夢』の世界だな。

 アリシアの取って置きの場所。アクアの入植初期に使われていた軽便鉄道の駅の跡……マニアックだね。
 丘の上に1本だけ咲き誇ってた桜の木。まさか初音島から移植して来た枯れない桜って話じゃないだろうな。結局、道に迷ったからアリシアの見せたかった場所にはたどり着けなかったって話だけど、いったいこのねーちゃん、灯里に何を見せたかったんだ?
 ま、意外に強かなこのねーちゃんのことだから、この桜の光景を見せたかったとかいう可能性も高いけど……

◎夢使い
 (第4話)
 学校から帰るや否や、すぐそこで仕事だからって塔子に連れ出された燐子。すぐそこって飛行機に乗って九州かい。で、そこにいたのが土曜星の新人夢使いの茶川三時花……はいいけど、リムジンで出迎えってどこの金持ちのお嬢様じゃい。
 今回の悪夢は蝋人形館に居座って、死んだ恋人と2人だけの世界を作ってる男の夢。男に同情してそのまま放置した方が良いと思ってる三時花。自分も悟という彼氏を失って羨ましく思ってるからってか。
 おいおい、ドリームサイクロンの転送ってそんな遠くまで届くんかい。いや、現実空間を通ってくるわけじゃないみたいだけど……
 結局、男は彼女との思い出の中に生きていくことを選んだって……傍から見たら廃人同様だけど、なんかちょっと違うような気がするなぁ。消えそうになる彼女の目の向こうに亜空間が広がってたからそれに飲み込まれて行ってしまうのかとか思ったんだけど……

◎スクールランブル 二学期
 (第5話)
 文化祭の喫茶店でキャバクラするかいっ! で、その脇でバンド部の演奏してるし……。しかし、使命が無いからって悩んでる天満に、完全にママやってる晶って……
 でも、そんな2Cにも強敵が。茶道部のコスプレ喫茶かいっ!

 伝説の漫画家の下宿を再現して播磨を励ましてる八雲。てっきり芝居か何かかと思ってたんだけど、そういうわけではないみたいね。

 烏丸の誕生パーティーって全然話がつながらないと思ったら、1日目の打ち上げパーティーと兼用かい。しかし、ただただ天満がかわいそうね。ま、烏丸は見掛けなんか気にしないやつなのが救いか。

 で、高校の文化祭にやってきたガキ2人が良い感じだけど……播磨の妹とと天王寺の弟ってか。

涼宮ハルヒの撲殺 雛見沢村連続怪死事件(後編)

2006年06月03日 | 雑記
 それはただの始まりに過ぎなかった。
 翌朝、俺が目を覚ました時には同じ部屋で寝ていたはずの古泉の姿が無かった。この時は特に何も考えなかったのだが、ハルヒに声を掛けて警察を呼ぶために近所に電話を探しに向かった俺は、道端で探し当てた公衆電話ボックスの中で古泉が首を掻き毟って死んでいたのを発見した。
 俺は気が動転しながらも、そこにある電話で警察を呼ぼうとしたのだけど、電話は不通状態だった。やむなく近所の家の電話を借りに向かったが、どの家もまるで不在のように閉まりきっていて電話を借りることは出来なかった。
 長門が言ってたように、この村が変なのは確かだ。でも、これがハルヒの意思で改変された世界だとは俺には思えない。とりあえず古泉のことをハルヒに伝えないと……
 俺は急いで前原屋敷に戻ろうとしたが、途中で女の子に声を掛けられた。名前は知らないが、野球をしていた子供たちの1人だ。
「そのバット、無くさないでね」
 バット? 俺はそんなもの持ってないぞ……と思いながらふと視線をおろすと、俺の手にはグリップに悟史と書かれた例の金属バットが握られていた。このバット、確かハルヒが持ってたはずじゃ……
 怪訝に思いながら俺が顔を上げると女の子はどこかに消えてしまってそこにはいなかった。そして、バットには大量の血痕が付着していた。

 前原屋敷に戻った俺を待ち受けていたのはさらに衝撃的な出来事だった。ハルヒはどこかに出かけたのか不在で、そこには撲殺死体となった長門の姿があった。俺が呆然と立ち尽くしていると、そこにハルヒが帰ってきた。
「キョン、あんたいったい何やってるのよ!」
 ハルヒの目には脅えるような非難の色があった。そして、なぜか俺を避けようとしている。
「近寄らないでよ、人殺し!」
 大声で叫ぶハルヒに、俺が長門を殺したと誤解されてることを知った。違う、違うんだ。俺は必死でハルヒの誤解を解こうとしたが、俺の手に握られてる血痕の付いたバットはハルヒを恐怖させるに十分だった。
「あたしはキョンが殺人鬼だなんて知らなかったわ。みくるちゃんを殺したのもあなたね。夕べ、キョンが立ち止まった場所の近くで、みくるちゃんは殺されてたわ……」
 ハルヒは涙を浮かべた怒り顔を俺に向けた。俺は懸命に弁解したが、ハルヒの疑いは収まらなかった。
「キョンが犯人じゃないというなら、そのバット、私に寄越しなさい!」
 俺は言われるままにハルヒにバットを渡した。無論、怒り狂ったハルヒがそのバットで俺を殴ってくる可能性もあったが、それは怖くはなかった。朝比奈さん、長門、古泉の3人が殺されてるという現実、その方がよっぽど受け入れがたく、そんなことを認めるぐらいなら死んでしまいたかったからだ。
 ハルヒと俺は黙り込んだ。明らかにハルヒは俺を警戒していたが、そうかと言って俺から離れて一人にはなりたくない様子だった。時間だけが刻々と過ぎていった。

「こんにちわ~~。お客さん、いますか?」
 沈黙を破ったのは玄関から聞こえた声だった。やがて足音とともに緑髪の少女の姿が現れた。俺たちにこの前原屋敷を紹介してくれた魅音である。
「困りますね、お客さん。最後は2人で殺し合ってくれないと……」
 魅音の顔はたちまち狂気に変じた。ハルヒの背後に立った魅音はポシェットから注射器を取り出すと、それをハルヒの首筋に突き刺した。
「な、なによ、これ!?」
 抗う暇も無いままに注射を打たれたハルヒの様子が明らかに変わってきた。
「フフフ……」
 狂気に変じるハルヒの顔。
 ゆっくりと立ち上がりバットを振り上げたハルヒは……魅音を一撃で撲殺した。
「キャーっ!」
 その後で別の悲鳴が聞こえた。そこには斧を持ったレナが突っ立っていた。ハルヒは即座に突進し、そして瞬時にレナも沈黙した。
「キョン、帰るわよ」
 バットを持ったままハルヒは俺に近付いてくる。
「あたし、気付いたの。この雛見沢村のことを……」
 そう言いながら一歩一歩間合いを詰めて来るハルヒ。
「よ、寄るな! 近付かないでくれ!」
 さっきまではハルヒに殺されたってかまわないと思っていた俺だが、急に恐怖心に襲われ、死にたくないという心が頭を支配した。
「何を恐れてるの。3人を殺した悪魔は退治したのよ。安心しなさい」
 血の滴るバットを引きずってハルヒはどんどん近付いてくる。
「いやだ、俺は死にたくない!」
 いや、確かに3人を殺したのはあの魅音とレナという少女たちかも知れない。しかし、その2人をハルヒが何の躊躇も無くあっさり殴り殺す光景を目の当たりにした俺は、次に殺されるという恐怖心を払うことが出来なかった。それに、さっき魅音に打たれた注射は何だったんだ? ハルヒの様子がおかしいのはあれからだ。
「あのね、オヤシロ様のタタリって本当にあったのよ」
 狂気の笑みを浮かべるハルヒはもう俺のそばまで迫っていた。バットを振り下ろせば届きそうな距離だ。俺はとっさにハルヒをかわし、その場から逃げ出した。
「お願い、キョン。あたしから逃げないで……」
 一度振り返った俺は狂気に笑うハルヒの目から涙が流れたように見えたが、けっして立ち止まろうとは思わなかった。

 それから俺は走り続けた。奇妙なことに、村には誰一人、住人の姿が見えなかった。昨日、子供たちがいた分校にも、巫女さんを見掛けた古手神社にも。それどころか、それらの建物はもう長い間人が使っていないかのように朽ち掛けていた。
 バス停の標識もすっかり錆付いていて、しかも時刻表に記されていた最新のダイヤ改正日は昭和58年4月1日になっていた。バス停の待合所にもうボロボロになった古新聞が置かれていて、それの日付も昭和58年6月23日のものだった。そして、辛うじて判読できる見出しには「雛見沢村全滅!未曾有の大災害」「奇跡の生存者は少年1人」と書かれていた。
 その新聞の脇に1冊だけ真新しい本が置かれていた。どこかで見たような……と思ったら、それは来る時に長門が読んでいた本だった。挟まれた栞を手に取ると、そこにはこう書かれていた。
「この世界はニセモノ。出口はどこかにあるはず」
 それは長門が俺に残したメッセージだった。
 そうだ、外の本当の世界に出られたらハルヒだって元に戻るかも知れない。それにはハルヒも一緒に連れ出さないと……
 俺は再び前原屋敷に駆け戻った。しかし、家の中にはハルヒの姿は無かった。俺は長門の遺体に礼を言い、まだ近くにいるであろうハルヒを探しに飛び出した。
「!」
 俺は玄関の前に人影を見て、慌てて立ち止まった。それはハルヒだった。
「あたしを1人にしないで……」
 ハルヒの目はもう完全に虚ろだった。ハルヒの頭には斧が深く刺さっていて、大量の血液とは別に白い液体が噴出していた。俺は息が止まって、目の前の光景を唖然と見つめるしかなかった。
「2人でどこか別の世界に行きましょ、キョン」
 フラフラとしながらバットを構えたハルヒは、それを俺に向かって振り下ろした。俺はただ自分の意識がだんだんと薄れていくのを感じていた……

      ☆ ☆ ☆

「こら、早く起きなさいっ! キョン!」
 俺はハルヒに起こされる声を聞いて目が覚めた。
「2人だけの世界なんだからもう少し寝かせてくれ、ハルヒ」
 そう言ってそのまま眠り続けようとした俺だったが、ハルヒに蹴飛ばされて目が覚めずにいられなかった。
「何であたしがキョンと2人だけの世界にいなきゃいけないのよ! ボケてないで、さっさと帰るわよっ!」
 ハルヒはそういうと大きな荷物を俺に押し付けた。ハルヒの他にも、殺されたはずのSOS団の3人の姿もそこにあった。
「ここはどこだ?」
 周囲を見渡せば見たことも無い光景が広がっている。そして目の前には大きな湖があった。
「ここは雛見沢湖ですよ」
「雛見沢湖? 村は……雛見沢村はどこにいったんだ?」
 古泉は下を指差した。
「かつての雛見沢村は、今はダムの底です」
 ダムの水はそれほど澄んでなかったので湖底の状況など伺えなかったが、浅瀬になってる部分に鳥居らしきものの一部が見えた。古手神社があった場所かもしれない。
「ネットのガセネタに踊らされるとは、このあたしも不覚だったわ」
 珍しくハルヒの声が落ち込んだように聞こえたのは気のせいだろうか。どうやら俺たちはネットで話題になっていた雛見沢村連続怪死事件の解決のためにハルヒに連れられてやってきたのだが、肝心の雛見沢村はすでにダムの底だったと話らしい。それどころか、昭和50年代に起こったという連続怪死事件そのものがデマだったと話なのだ。
「昭和54年頃にダム建設をめぐって雛見沢村の住民たちが反対運動を起こしていたことは確かなようですが、その後、多額の補償金によって反対派は次々に取り崩されていって、昭和58年にはほとんどの住民が村を出て行ったため、ネットで騒がれてるような怪死事件は起こる余地なんか無かったというのが実情なんです」
 古泉は雛見沢村の顛末を語った。最後まで村に残っていた一部の徹底抗戦派の村民たちも昭和58年6月22日の夜に起こったガス災害事件により全滅。一部の元住民がオヤシロ様のタタリだと騒ぎ出したものの、反対にダム建設は進行し、昭和60年には村は水没したという話だった。
 ダムの一角に雛見沢村ガス災害の犠牲者が祀られていたが、その中には俺の記憶に残る少女たちの遺影もあった。園崎魅音、竜宮レナ……
 いったいあれは何だったんだろうか? ミステリーを欲したハルヒの作り出した世界なのか、それとも今いるこの世界こそが惨殺事件の末にハルヒが作り直した世界なのか? もっとも、あっちでは死んだはずの3人はもとより、ハルヒ自身も何事も無かったような態度だった。もちろん、すべては俺が夢で見た幻だったという可能性が高い。
「夕方も近いし、こんなところにいつまでもぐずぐずしてられないわ。さぁ、さっさと帰るわよっ!」
 そう言って帰り道を指し示すハルヒの手には、例の悟史と名前が書かれた古ぼけた金属バットが握られていた……

(了)

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