『D.C.S.S.』を勝手に目の付け所が違う解釈する連載の第16回です。
第18話では、さくらがセクシーバキュンになって帰ってきたという怪しげな美春の情報に振り回され、たどり着いた先にいた金髪・ツインテールのセクシーバキュンが風見学園の養護教諭(保健室の先生)・昭島の妹だったという話でした。
もっとも、その後で本物のさくらが全然変わらない姿で現れてますけど、さくらのことは次の機会とし、今回はどうせ一発ネタのキャラで再登場も無いだろう昭島妹の謎に迫ってみましょう。
(1)養護教諭・昭島
妹の謎を探る前に、まず昭島自身を明らかにしておく必要があります。
昭島は出産で退職した白河暦の後任として風見学園に赴任してきたようです。風見学園に来る前は音夢のいた看護学校の教員をしていたみたいですが、赴任してきた時期は不明です。
音夢との付き合いが深そうなところをみると1年以上は向こうで一緒にいたような気がしますが、暦の出産時期を考えるとこの春の新学期の赴任というのは遅い感じがするので、前年度の途中からというところでしょうか。
音夢が初音島に帰って来たのは昭島が研修生として呼んだからだということですが、看護士の研修って普通は病院とかだと思うんですが……音夢の場合、養護教諭用の専門コースとかあるんでしょうか? それとも求人があったらどこでもかまわないとか。昭島自身がとても大きな政治力を持ってるという可能性もありますけど……
音夢の帰島を巡る騒動では重要なポジションにいた昭島ですが、その後は忘れ去られたキャラのようになっていました。出て来たのは期末試験の時と、夏祭りの時。特に物語的に意味のある役割は果たしてません。(ま、夏祭りのときは音夢と純一を引き離しておくという役割があったわけですけど、それは物語に流れとしての話であり、昭島が意図して行動した結果ではありません)
ま、すでに作品におけるキーパーソンとしての立場は失ってると見て良いでしょう。
(2)昭島の陰謀
音夢を風見学園に呼んだのは昭島ですが、その音夢の帰島を巡る騒ぎでも、一見謎の行動をとっています。
最初に、音夢の帰島を知らせる手紙を美春の下駄箱に入れたこと。ま、音夢が自分の帰島を美春にだけ教えてくれと頼んだからだというのはわかるのですが、何もラブレターのように怪しげな手紙を入れなくても、本人に直接手渡すか、自宅にでも送り届ければ良いだけの話です。
さすがに下駄箱に入れろまでは音夢の意図じゃ無いと思いますから、昭島本人が悪戯半分でラブレター騒動を楽しむためにやったことだとしか思えません。
音夢が雨の中、家を飛び出した時にも、それを車で拾った昭島は(音夢の希望で)美春の家に送り届けてるんですけど、大人ならまず音夢をなだめて朝倉家に送り届けようとするのが本当でしょう。
このあたり、むしろ故意に純一の誤解の種を振りまいて、2人のすれ違いを眺めて楽しんでいたようにも思えます。純一が音夢と昭島の関係を疑ったのも故の無いことではないように思えます。
もっとも、昭島の怪しげな工作はここまでで、彼は純一に看護学校での音夢のことを話して仲直りのきっかけを与えてやっていますから、最初から2人を引っ掻き回そうというより、少しばかり悪戯して楽しんでみたって感じだったようですが……
(3)昭島と音夢
じゃ、昭島は何でこんな悪戯を企んでみたのでしょうか? ま、言うまでも無く2人に対して悪意があったわけではないのは確かです。
昭島が音夢に気があった……そう考えられないことはありません。ただ、昭島は音夢と純一の関係を知っていたわけだから、自分がいる風見学園に音夢を呼んでも純一と再会させるだけということはわかってますから、音夢と純一を引き離そうと考えるなら初音島に呼んだりはしないはずです。
むしろ昭島は寝夢と純一を一緒にいられるようにしてあげようとして初音島に呼んだと考えた方が自然だと思います。
わざわざ昭島が音夢を初音島に呼ぼうと思ったのは、看護学校で見ていた音夢の様子に原因がありそうですが……ま、痛ましくて見てられないから呼び戻してやったとかいう消極的な意味合いじゃなく、むしろ昭島から見て音夢(と純一)を応援してやりたいから呼び戻したという積極的な意味合いが強そうです。
それじゃ、なぜ昭島は音夢たちを応援したくなったかという話なんですが……
(4)昭島妹
セクシーバキュンになって帰って来たと噂された「さくら」の正体は、この昭島の妹だったということでしたが、次はこの妹について考えてみましょう。
彼女が「さくら」と見間違えられたのは金髪・碧眼でツインテールだからみたいですが、それを見た純一たちが一目で人違いだと気付いてる辺り、眼鏡を掛けてるとはいえ、実際には顔立ちがさくらとはかなり違ってるんでしょうね。(アニメのキャラクターデザインではそんなに違いは感じなかったけど、眼鏡を取ったらどこと無く音夢に似てそうな気はしたような……)
しかし、金髪・碧眼ということは兄である昭島とは遺伝要素がかなり違ってるようです。もちろん、髪の毛を染めて目にカラーコンタクトをはめてるって可能性は大いにありますけど、髪の毛を金髪に染めるようなねーちゃんがたおやかに日傘を差して出歩いたりしないだろう(偏見)ってことで、彼女の金髪・碧眼は生まれながらの遺伝的なものだと思われます。
すると、典型的な日本人の風貌を持つ昭島とは遺伝的な繋がりがないのではないかという可能性が高いように思われます。
(5)昭島と妹
彼女は夏休みだから兄にいる初音島に遊びにやってきたとのことですが、夏休みということはまだ学生なんでしょうか。
しかし、これくらいの女性が、兄がいるからって理由だけで(枯れない桜が咲いていた頃ならともかく)こんな何も無い島に1人でやってくるものでしょうか。傷心の癒し旅とかだったらむしろ知人の誰もいない場所に行くだろうし、単純に暇潰しの旅行ならもっと何かある場所に行くでしょう。
ま、たまたま初音島の近くにやってきたからついでに立ち寄ったという可能性もないわけではありませんが、島でのんびりしてるところを見ると、初音島自体が目的地だったと考えた方が妥当に思われます。
すると、彼女は本当に文字通り、兄に会うのが目的で1人この島にやってきたのでしょうか? すると考えられるのは彼女がブラコンで兄がそばにいないと耐えられないという場合か、あるいは兄とはそれ以上の関係であるかということです。
(6)朝倉兄妹と昭島兄妹
そこで、昭島と妹に遺伝的な繋がりがないのではないかということが意味を持ってきます。つまり、彼女は昭島とは血の繋がりのない義理の妹ではないかということですが、これって純一と音夢の関係と同じなんですね。
で、そこからたどり着く結論は、昭島兄妹も朝倉兄妹と同じく兄妹でできてるんじゃないかということです。すると、昭島が音夢を応援するような態度をとっていたことが理解できてきますね。昭島は純一と音夢に自分たち兄妹と同じ面影を見たから応援したくなったのでしょう。
(……ということで、きれいに繋がったんだけど、これで良いのか? いや、昭島が純一と音夢をびびらせてやろうと、妹を呼んできてさくらの格好をさせていたといういつもの悪戯って可能性がないわけではないけど……)
第18話では、さくらがセクシーバキュンになって帰ってきたという怪しげな美春の情報に振り回され、たどり着いた先にいた金髪・ツインテールのセクシーバキュンが風見学園の養護教諭(保健室の先生)・昭島の妹だったという話でした。
もっとも、その後で本物のさくらが全然変わらない姿で現れてますけど、さくらのことは次の機会とし、今回はどうせ一発ネタのキャラで再登場も無いだろう昭島妹の謎に迫ってみましょう。
(1)養護教諭・昭島
妹の謎を探る前に、まず昭島自身を明らかにしておく必要があります。
昭島は出産で退職した白河暦の後任として風見学園に赴任してきたようです。風見学園に来る前は音夢のいた看護学校の教員をしていたみたいですが、赴任してきた時期は不明です。
音夢との付き合いが深そうなところをみると1年以上は向こうで一緒にいたような気がしますが、暦の出産時期を考えるとこの春の新学期の赴任というのは遅い感じがするので、前年度の途中からというところでしょうか。
音夢が初音島に帰って来たのは昭島が研修生として呼んだからだということですが、看護士の研修って普通は病院とかだと思うんですが……音夢の場合、養護教諭用の専門コースとかあるんでしょうか? それとも求人があったらどこでもかまわないとか。昭島自身がとても大きな政治力を持ってるという可能性もありますけど……
音夢の帰島を巡る騒動では重要なポジションにいた昭島ですが、その後は忘れ去られたキャラのようになっていました。出て来たのは期末試験の時と、夏祭りの時。特に物語的に意味のある役割は果たしてません。(ま、夏祭りのときは音夢と純一を引き離しておくという役割があったわけですけど、それは物語に流れとしての話であり、昭島が意図して行動した結果ではありません)
ま、すでに作品におけるキーパーソンとしての立場は失ってると見て良いでしょう。
(2)昭島の陰謀
音夢を風見学園に呼んだのは昭島ですが、その音夢の帰島を巡る騒ぎでも、一見謎の行動をとっています。
最初に、音夢の帰島を知らせる手紙を美春の下駄箱に入れたこと。ま、音夢が自分の帰島を美春にだけ教えてくれと頼んだからだというのはわかるのですが、何もラブレターのように怪しげな手紙を入れなくても、本人に直接手渡すか、自宅にでも送り届ければ良いだけの話です。
さすがに下駄箱に入れろまでは音夢の意図じゃ無いと思いますから、昭島本人が悪戯半分でラブレター騒動を楽しむためにやったことだとしか思えません。
音夢が雨の中、家を飛び出した時にも、それを車で拾った昭島は(音夢の希望で)美春の家に送り届けてるんですけど、大人ならまず音夢をなだめて朝倉家に送り届けようとするのが本当でしょう。
このあたり、むしろ故意に純一の誤解の種を振りまいて、2人のすれ違いを眺めて楽しんでいたようにも思えます。純一が音夢と昭島の関係を疑ったのも故の無いことではないように思えます。
もっとも、昭島の怪しげな工作はここまでで、彼は純一に看護学校での音夢のことを話して仲直りのきっかけを与えてやっていますから、最初から2人を引っ掻き回そうというより、少しばかり悪戯して楽しんでみたって感じだったようですが……
(3)昭島と音夢
じゃ、昭島は何でこんな悪戯を企んでみたのでしょうか? ま、言うまでも無く2人に対して悪意があったわけではないのは確かです。
昭島が音夢に気があった……そう考えられないことはありません。ただ、昭島は音夢と純一の関係を知っていたわけだから、自分がいる風見学園に音夢を呼んでも純一と再会させるだけということはわかってますから、音夢と純一を引き離そうと考えるなら初音島に呼んだりはしないはずです。
むしろ昭島は寝夢と純一を一緒にいられるようにしてあげようとして初音島に呼んだと考えた方が自然だと思います。
わざわざ昭島が音夢を初音島に呼ぼうと思ったのは、看護学校で見ていた音夢の様子に原因がありそうですが……ま、痛ましくて見てられないから呼び戻してやったとかいう消極的な意味合いじゃなく、むしろ昭島から見て音夢(と純一)を応援してやりたいから呼び戻したという積極的な意味合いが強そうです。
それじゃ、なぜ昭島は音夢たちを応援したくなったかという話なんですが……
(4)昭島妹
セクシーバキュンになって帰って来たと噂された「さくら」の正体は、この昭島の妹だったということでしたが、次はこの妹について考えてみましょう。
彼女が「さくら」と見間違えられたのは金髪・碧眼でツインテールだからみたいですが、それを見た純一たちが一目で人違いだと気付いてる辺り、眼鏡を掛けてるとはいえ、実際には顔立ちがさくらとはかなり違ってるんでしょうね。(アニメのキャラクターデザインではそんなに違いは感じなかったけど、眼鏡を取ったらどこと無く音夢に似てそうな気はしたような……)
しかし、金髪・碧眼ということは兄である昭島とは遺伝要素がかなり違ってるようです。もちろん、髪の毛を染めて目にカラーコンタクトをはめてるって可能性は大いにありますけど、髪の毛を金髪に染めるようなねーちゃんがたおやかに日傘を差して出歩いたりしないだろう(偏見)ってことで、彼女の金髪・碧眼は生まれながらの遺伝的なものだと思われます。
すると、典型的な日本人の風貌を持つ昭島とは遺伝的な繋がりがないのではないかという可能性が高いように思われます。
(5)昭島と妹
彼女は夏休みだから兄にいる初音島に遊びにやってきたとのことですが、夏休みということはまだ学生なんでしょうか。
しかし、これくらいの女性が、兄がいるからって理由だけで(枯れない桜が咲いていた頃ならともかく)こんな何も無い島に1人でやってくるものでしょうか。傷心の癒し旅とかだったらむしろ知人の誰もいない場所に行くだろうし、単純に暇潰しの旅行ならもっと何かある場所に行くでしょう。
ま、たまたま初音島の近くにやってきたからついでに立ち寄ったという可能性もないわけではありませんが、島でのんびりしてるところを見ると、初音島自体が目的地だったと考えた方が妥当に思われます。
すると、彼女は本当に文字通り、兄に会うのが目的で1人この島にやってきたのでしょうか? すると考えられるのは彼女がブラコンで兄がそばにいないと耐えられないという場合か、あるいは兄とはそれ以上の関係であるかということです。
(6)朝倉兄妹と昭島兄妹
そこで、昭島と妹に遺伝的な繋がりがないのではないかということが意味を持ってきます。つまり、彼女は昭島とは血の繋がりのない義理の妹ではないかということですが、これって純一と音夢の関係と同じなんですね。
で、そこからたどり着く結論は、昭島兄妹も朝倉兄妹と同じく兄妹でできてるんじゃないかということです。すると、昭島が音夢を応援するような態度をとっていたことが理解できてきますね。昭島は純一と音夢に自分たち兄妹と同じ面影を見たから応援したくなったのでしょう。
(……ということで、きれいに繋がったんだけど、これで良いのか? いや、昭島が純一と音夢をびびらせてやろうと、妹を呼んできてさくらの格好をさせていたといういつもの悪戯って可能性がないわけではないけど……)