補聴器のハットリBlog

耳ときどきお酒

補聴器比較試聴

2014-09-12 18:46:43 | 補聴器

当店へ、ほぼ毎日のように通われている被験者の方のご協力を得て

補聴器の比較試聴を行いました。

テストの趣旨は、

・装用閾値が思い通りに上げられるか

・初期設定(メーカー推奨値)での装用閾値の確認

・調整のしやすさの確認

・取扱のしやすさの確認

・聞き心地の確認

今回の比較試聴はあくまで被験者が一人であり、主観的評価中心となります。

補聴器の評価については、被験者の年齢や、使い道。

また、聴力や補聴器使用歴など、さまざまな要素によって左右されるため

今回の結果がすべてではないことを、あらかじめお断りしておきます。

・結果

 各メーカーとも装用閾値は上がり、補聴器の有効性を確認できた。

・比較試聴

 メーカー名及び、器種は下記写真の通り。いずれもハイクラスと呼ばれるもの。

Img_1524

・被験者プロフィール

2

性別 男性(既婚)

年齢 40才

職業 自営販売業

平均聴力レヴェル 右  5.0dBHL
             左 32.5dBHL

            不快閾値は左右差なしも音の響き方に左右差あり。
            また、左は、聴力検査音も歪むとのこと。

聴力低下の原因  2012.01.06左耳突発性難聴

主訴 店舗内での会話に不便はないが、屋外や居酒屋等のにぎやかな場所での
    聞き取りが困難。また、趣味の剣道とバイクが一向に上手にならない。
    抜け毛が多い。耳鳴りあり

補聴器使用歴 2年6カ月(必要に応じて使用)

所有の補聴器 20台以上

・装用閾値(マスキングあり)

Photo

分かりにくいが、1kHzをピークに右肩下がりの印が、メーカー推奨値。

これは、各メーカーともに例外なく同じ傾向だった。

250Hzから4kHzまで概ね20dBHLの水平になっているのが微調整を加えた

装用閾値。各メーカーとも1kHz付近を下げるとともに、3kHz以上をかなり上げることで

グラフの通りの閾値になった。
       

 

・結論

今回の比較試聴において、各メーカーとも概ね目標の装用閾値まで上げられた。

初期設定での装用閾値は、各メーカーとも1kHzを中心に補正する傾向にあった。

また、1.5kHz以上の利得についてはメーカーによりばらつきがあるものの弱目の

設定であった。

調整のしやすさについては、フィッティングソフトは慣れの問題もあるが各メーカー

調整しやすかった。

但し、パソコンと補聴器との接続面で、今回のように複数器種を扱う場合、接続ケーブルが

無いメーカーが優位に感じた。

取扱のしやすさは、被験者にとっては音量調整付き補聴器が有効と感じた。

また、装用感は、なるべく同じ耳栓を使用したこともあり優劣なし。

今回の比較で、以外にも露呈したのは、電池の取り出しやすさ。1社以外は

棒で電池を押し出すなど手間がかかり、面倒と感じたとのこと。

聞き心地についは、メーカー毎のコメントは控える。一つ言えることは、

装用閾値はあくまで客観的資料の一部であり絶対ではないことを再確認した。

良聴耳を意識して装用閾値一律に20dBHLまで上げてみたが、被験者の場合

とてもではないが長時間の装用は無理だった。

何事も、ほどほどが良いと感じた。

もうひとつ

趣味と抜け毛は、補聴器の調整ではどうにもならなかった。

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