今国語の授業で村上春樹氏の短編小説「青が消える」を
読解しています。管理人が本書を読んで思ったことを述べていこうと思います。
主人公の「岡田」はねじまき鳥クロニクルの「岡田トオル」と本質が同一であると管理人は思いました。
著者は「岡田」性に何らかの思い入れがあると見た。
青が消えるでは主人公の岡田は
・突然青(僕の大切な色)が消えたことに戸惑い捜索を開始する
・周りは誰も助けてくれない
・総理大臣が説諭する
という体験をします。この間にはブルーラインの鉄道警備員とのお話だとか、元ガールフレンドとのお話が盛り込まれている。
一方ねじまき鳥クロニクルでは主人公の岡田トオルは
・突然妻(僕の大切な人)が消えたことに戸惑い捜索を開始する
・周りは誰も助けてくれない
・綿谷昇が説諭する
と、とても似た構図が取られていることが分かる。
この岡田トオルと岡田が同一人物であるとは言い難いが、少なくともパラレルワールドの同一存在であると私は思う。
そしてもう一つ気になるのはどうして青は消えたのか?という点である。
この秘密を解くには総理大臣の言葉を引用するのが手っ取り早い。
形のあるものは、必ずなくなるのです、岡田さん。石油、ウラニウム、コミュニズム、オゾン層。岡田さん、どうして青がなくなってはいけないのですか、岡田さん、明るい面に目を向けなさい
コミュニズム=共産主義
察しの良い方はもうお気づきでしょうが共産主義者の事を「アカ」と呼びます。
この「アカ」はロシア(国旗が赤)が共産主義だったと言う事に由来していて、その意味は「美しい」だそうです。
春樹氏は一見すれば単語の羅列に過ぎないようなところで、こうして重要な手がかりを隠し、読者を撹乱させているのです。
石油、ウラニウム、オゾン層もこの際重要ではありません。このシーンで重要なのは青とはただの青ではない。
ということです。その証拠に、大臣は
白鳥は哀しからずや/空の青/海のあをにも染まずただよふ
という俳句を引用している。この俳句に隠された意味は「青はあをでも空も海も違う青」と言うことです。
この小説が発表されたのはフランスでの事だったそうです。フランスは国旗に青が含まれていますよね?
あの青の意味は自由だそうです。また、アカを共産主義とするならばその対色である青は資本主義とも取れます。
青とはつまり、1999年までに存在したあらゆる物を指しており、2000年になることによってそのあらゆるものが消滅してしまう。でも誰も気づかない。果てには国のトップである総理大臣が「明るい面に目を向けなさい」と青が消えたことを隠匿しようとする。また総理大臣は「失くなったものを補っていくのが経済だ」と主張します。逆に言えば、亡くならなければ補えない。青は2000年と言う新しい世界を迎えるための生贄になってしまったのかなと自分は思いました。
余談ですが総理大臣がなぜ岡田の名を言ったのか? という疑問があります。
これは本当に憶測の域を出ないのですが、あの総理大臣とはつまりパラレルワールドの綿谷昇だったのではないかなー。
……これはまぁ本当に推測です(笑) でも、綿谷昇の存在と総理大臣の存在がとても良く似ているのは確かです。
読解しています。管理人が本書を読んで思ったことを述べていこうと思います。
主人公の「岡田」はねじまき鳥クロニクルの「岡田トオル」と本質が同一であると管理人は思いました。
著者は「岡田」性に何らかの思い入れがあると見た。
青が消えるでは主人公の岡田は
・突然青(僕の大切な色)が消えたことに戸惑い捜索を開始する
・周りは誰も助けてくれない
・総理大臣が説諭する
という体験をします。この間にはブルーラインの鉄道警備員とのお話だとか、元ガールフレンドとのお話が盛り込まれている。
一方ねじまき鳥クロニクルでは主人公の岡田トオルは
・突然妻(僕の大切な人)が消えたことに戸惑い捜索を開始する
・周りは誰も助けてくれない
・綿谷昇が説諭する
と、とても似た構図が取られていることが分かる。
この岡田トオルと岡田が同一人物であるとは言い難いが、少なくともパラレルワールドの同一存在であると私は思う。
そしてもう一つ気になるのはどうして青は消えたのか?という点である。
この秘密を解くには総理大臣の言葉を引用するのが手っ取り早い。
形のあるものは、必ずなくなるのです、岡田さん。石油、ウラニウム、コミュニズム、オゾン層。岡田さん、どうして青がなくなってはいけないのですか、岡田さん、明るい面に目を向けなさい
コミュニズム=共産主義
察しの良い方はもうお気づきでしょうが共産主義者の事を「アカ」と呼びます。
この「アカ」はロシア(国旗が赤)が共産主義だったと言う事に由来していて、その意味は「美しい」だそうです。
春樹氏は一見すれば単語の羅列に過ぎないようなところで、こうして重要な手がかりを隠し、読者を撹乱させているのです。
石油、ウラニウム、オゾン層もこの際重要ではありません。このシーンで重要なのは青とはただの青ではない。
ということです。その証拠に、大臣は
白鳥は哀しからずや/空の青/海のあをにも染まずただよふ
という俳句を引用している。この俳句に隠された意味は「青はあをでも空も海も違う青」と言うことです。
この小説が発表されたのはフランスでの事だったそうです。フランスは国旗に青が含まれていますよね?
あの青の意味は自由だそうです。また、アカを共産主義とするならばその対色である青は資本主義とも取れます。
青とはつまり、1999年までに存在したあらゆる物を指しており、2000年になることによってそのあらゆるものが消滅してしまう。でも誰も気づかない。果てには国のトップである総理大臣が「明るい面に目を向けなさい」と青が消えたことを隠匿しようとする。また総理大臣は「失くなったものを補っていくのが経済だ」と主張します。逆に言えば、亡くならなければ補えない。青は2000年と言う新しい世界を迎えるための生贄になってしまったのかなと自分は思いました。
余談ですが総理大臣がなぜ岡田の名を言ったのか? という疑問があります。
これは本当に憶測の域を出ないのですが、あの総理大臣とはつまりパラレルワールドの綿谷昇だったのではないかなー。
……これはまぁ本当に推測です(笑) でも、綿谷昇の存在と総理大臣の存在がとても良く似ているのは確かです。