流石電撃大賞作品
その一言の出来でした。何がすごいかって、この少ないページ数の中で多くの登場人物を掘り下げているところです。最近のラノベって奴は、キャラクターの掘り下げがとても少ない。テンプレート化したキャラを適当に出している。そんな感じなのですが
この作品には動機がある。
これはとても重要なことなのです。
例えば、聖騎士のマクバーレン。こいつには最後まで「うぉぉぉぉ!」とさせてもらいました。彼の生い立ちを考えると、貴族の末っ子、家を次ぐのは基本的に嫡男なので、末っ子というのは冷遇されるのでしょう。しかし、彼はそういう環境に流されること無く、強い心を持って成長しているのです。これが「市民に対しての柔らかい対応」とか「ミミズクを哀れに思い慈しむ心」さらには「後に妻となる聖剣の巫女を逃がそうとした精神」に通じるわけです。
このキャラクターは本当に良かった! ただ、ミミズクが夜の王に「食べられたい」と思う動機というのがイマイチな気がするんです。読者としてはミミズクがなぜ食べられたいのかという動機を、もっと示して欲しかったところですね。
でも、全体を言えば、◎の作品です。正直、これほどのラノベはなかなかお目にかかれません。
最後の最後まで楽しませてもらいましたww