シネブログ

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『ドリームガールズ』

2007年02月18日 23時37分21秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:130分
監督:ビル・コンドン
出演:ジェイミー・フォックス 、ビヨンセ・ノウルズ 、エディ・マーフィ 、ジェニファー・ハドソン 、アニカ・ノニ・ローズ 、ダニー・グローヴァー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
1962 年、アメリカの自動車産業の中心地、デトロイト。エフィー、ローレル、ディーナの3人は音楽での成功を夢見て“ドリーメッツ”というグループを結成し、新人オーディションへの挑戦を繰り返していた。中古車販売会社のカーティスはそんな彼女たちに大きな可能性を見出し、マネジメントを買って出る。そして、地元で抜群の人気を誇るジェームズ・アーリーのバック・コーラスに抜擢されると、彼らのパワフルなステージはデトロイトのみならず全米中の注目を集め、一躍スター街道を歩み始めるのだったが…。



コメント:
音楽、映画、舞台の要素が全て兼ね備えられた極上のエンターテインメントムービー。
出演者が奏でる歌と歌声は圧巻。
最初から最後まで全身に鳥肌が立ちまくりで最高の感動を与えてくれた作品だ。

元々、音楽にはかなり疎い僕がこの映画を観た理由は、今年のアカデミー賞に最多ノミネートされている作品だということでとりあえず興味があったからだ。
はっきり言って、過去に”ドリームガールズ”というミュージカルがブロードウェイで上演されていたということは全く知らず、本作がその映画化ということを知ったのも映画を観終わってからのことだ。
しかしそんな知識を全く必要とせずただただ音楽のすばらしさを見せ付けてくれる作品、それが『ドリームガールズ』なのである。

僕が過去に観たことのあるミュージカル映画といえば『シカゴ』のみである。
そう、本作で監督を勤めたビル・コンドンが脚本を担当した作品だ。
この人が手がける作品には最大の共通点がある。
それは歌による演出が半端なくうまいということだ。
ストーリーに合わせた歌の挿入が抜群によく、セリフを歌にすることでメッセージの伝わり方、感情の起伏がとてもわかりやすいものになっている。
そしてドリームガールズの激動の人生を歌だけで語ってしまうという演出には感服させられた。

この映画の功績として俳優の歌声というものを忘れてはならない。
実際ビヨンセ・ノウルズを始めほとんどの俳優はミュージカルや歌手としての実績があるので、歌がうまいのは当たり前と言っちゃ当たり前。
そんな中、個人的に驚いたのがエディ・マーフィーの歌唱力。
大抵の人に聞けばエディ・マーフィーのイメージといえばコメディアンと答える人がほとんだろう。
しかし、この映画を観ればそのイメージがガラッと変わるのは間違いない。
俳優としての演技はもちろんすばらしい。
だけど歌を聴いた瞬間、いい意味で裏切られたなぁという気がしてならなかったということをみんなに伝えておきたい。
こんな才能を垣間見れただけでも最高の作品だといえよう。
また本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたジェニファー・ハドソン。
新人歌手としても活躍している彼女は、主演のビヨンセ・ノウルズをも飲み込んでしまうほどの歌唱力で観るものを圧倒している。
歌というものは心・魂(ソウル)で伝えるものだということを教えてくれる最高の演技だった。

それにしても歌というものには本当に底知れぬ力を感じてしまう。
『シカゴ』を観たときもそうだったように、歌と映像を合わせた映画というのはしばらくしてからもずっと頭を離れることがない。
まるで自分がこの”ドリームガールズ”のような栄光を手に入れたような感覚に陥り、とても気分が弾んでしまうのだ。
歌が好きな人にはぜひオススメしたい作品。