シネブログ

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『エミリー・ローズ』

2007年02月20日 03時13分08秒 | 映画レビュー
製作年度:2005年
上映時間:120分
監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー 、トム・ウィルキンソン 、キャンベル・スコット 、ジェニファー・カーペンター 、コルム・フィオール 、ジョシュア・クローズ
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
ある日、神父ムーアが悪魔に呪われたという19歳の女子大生エミリー・ローズに悪魔祓いを施した末、死に至らしめたとして過失致死罪で起訴された。彼の弁護には、野心的な女性弁護士エリンがあたることに。エミリーは精神病で、薬の服用をやめさせたことが原因だと主張する検事側に対し、エリンはムーアの真摯な主張をもとに悪魔の存在を証明していく――。ある深夜3時、大学寮で寝ていたエミリーは焦げ臭いにおいで目を覚ました途端、原因不明の痙攣や幻覚に見舞われる。以来、症状が悪化し、病院でも改善が見られない彼女は自宅で療養する。やがて、自分の中に何かが取り憑いていると確信したエミリーは、ムーアに全てを託す。だが、彼の懸命な悪魔祓いも空しく、エミリーは無惨な姿で命を落としてしまう…。



コメント:
実話を基に、悪魔に取り憑かれてこの世を去った少女の数奇な運命を辿っていくオカルト・ホラー。

この映画で語られる話は事実なのだろうか?
それは誰にも断言できない・・・だがその可能性は?

劇中でも語られるこのセリフ、まさにその通りだと思う。
僕は生まれてこのかた一度も幽霊や呪いというものを信じたことがない。
ましてや悪魔や宗教なども全く信じない性格だ。
なぜならそのような体験をしたこともないし、それを実証できるものが存在していない世の中だからである。
だがそれらの現象が全くないというのも実証されていないのが事実だろう。
だからこそこの手の話は観る者によって全く感じ方の違う作品になると思う。
この映画のおもしろいところは、そんな話を裁判を通して見せることにより、双方の意見を交えながらどちらでも取れるようなストーリーに仕上げているという点だ。
信じるか信じないかという疑問は観客に投げつけて、より深みのある作品に仕上げている。

と、まあなんだか真面目に語ってしまったが、忘れてはいけないのはこの映画は完全なホラー映画であるということだ。
エミリー役を演じるジェニファー・カーペンターはとにかく恐い。
特殊メイクやCG、そして音の効果はもちろんあると思うのだが、悪魔に取り憑かれているときの演技はリアルすぎる。
なりきりという点では最高の演技だといえよう。
夜中3時に目が覚め…その瞬間焦げた匂い……そして勝手に開く扉………
と、ホラーではお決まりのような演出も健在でカメラワークもそれなりによかったと思う。

この物語を単なる映画として観るか?それとも現実的な話として観るか?
どちらにしても恐怖を体感することには違いないだろう。