◆「昏い部屋」
気がついたら、記憶をなくしていたヒロイン。婚約者と親友が行方不明になり、事故の状況から自殺未遂と判断される。
ウォルターズなので、このヒロインも一筋縄ではいかないです。
でもって、やっぱり面白かった。
ヒロインの父親の存在がすごく重いのだけど、この使い方は(ネタバレになりそうなので伏せます)ぜひ使ってみたい。でも、1回やったらもう使えないかな。あ、でも「ガラスの仮面」にこーいうのがあったなぁ…。
ヒロインの行動基準は「自分は自殺なんてことはしない」ってとこに終結している。これをすべての基準にもってきて、なおかつ納得させるあたりは、職人技ですね。
解説で、ウォルターズにしては…みたいななのがあったけど、確かに、他の作品に比べると小粒です(長いけど) でも、ウォルターズは、ウォルターズなのだと、すごく感じました。
でも、これって1997年の作品なんだよね。新作はどーしたんですか? 創元社さま!!