天使の図書館ブログ

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存在のハエ。

2011-08-23 | 絵画
(制作者不肖【芸術家とその妻の肖像】1496年)


 夏場はハエが多くて困ります……かといって暑いから、窓を開けないわけにもいかないし

 そんわけで(どんなわけだか☆)、今回の絵画のテーマはハエにしました(笑)

 えーとですね、実は上の画像、ネット上で探すのにちょっと苦労しましたww

 絵の大体のイメージは脳内に保存されてたんですけど、例によって(?)画家さんの名前が思いだせなくって(^^;)

 そしたらなんと、作者の名前は不肖になってました。

 どうりでなかなか見つからないはずですよね

 ところで今回のこの絵は、唯一「錯視とトリックアート入門」様で見かけたという、(わたしにとっては)とても貴重な絵画です。

 いつもは、そこから画像をいただいていいかどうかわからない場合には、とりあえず勝手に拝借しない……ということにしてるんですけど、この絵だけはどうしてもっ!!という思い入れがあったので、「錯視とトリックアート入門」様のサイトよりいただいてきてしまいましたm(_ _)m

 あの、「なんでそんなにこの絵に拘りが?」と思われるかもしれないんですけど――だって、なんかすごく気になりませんか!?

 何より、この美人の奥さんの白い頭巾にとまっている一匹の大きなハエの存在が。。。 

 そこで、ここからは、わたし個人の勝手な絵解きです。

 あくまでもわたしが勝手にひとりでそう思ってるってだけの話なので、あまり本気にしないでほしいというか、もし他の美術の専門書とかに専門家の方がすごくいい解説を書いてらしたら、そちらの意見のほうが絶対的に正しいのだと思ってください……ということで、ひとつよろしくお願いします(^^;)


 ――この絵を最初に見て、まず第一に多くの人が思うことは、奥さんが美人なのに対して、あんまり旦那さんがイケメンじゃないな~ということでしょうか(笑)

 しかも、その美人の奥さんが自分を見ているのに対して、この画家である旦那さんは、ちょっと目を逸らしていますね。

 まあ、顔には一応微笑らしきものが浮かんでいるものの……わたし自身はそこに「偽りの微笑」に近いものを何故か感じてしまいます。

 それは何故なのか、というのが、おそらくは奥さんの白い頭巾にハエがとまっている理由のような気がするんです(^^;)

 タイトルが「芸術家(画家)とその妻の肖像」なのですから、描いたのはこの画家本人であるとも考えられますけど、まるっきり違う第三者、つまりこのもじゃもじゃ髪(笑)の旦那さんの画家仲間か友人といった人物が描いたとも推測できます。

 さて、白という色から、多くの人が連想するのはどんなことでしょう?

 おそらくは、清らかさや何がしかの潔白さ、純潔といったものを、多くの方が連想されるのではないでしょうか。

 でも、そこにとまる一匹の巨大なハエ……ハエといえば、不浄の象徴、あるいは腐敗や死を意味するものと、こちらも誰もが連想することです。

 ここからわたしが想像したのは――ようするに、この美人の奥さんが不貞を働いている、ということでした(^^;)

 奥さんの右の手には指輪が嵌められているので、タイトルが「芸術家とその妻の肖像」でなくても、誰もがこのふたりは夫婦に違いないと思ったと思います。そして、奥さんの左手には可憐な小さな白い花が握られていて、まるで清らかな愛を捧げているかのように見えるのですが、実はそれもまた「偽りの愛」なのではないか、という気がしてなりません。

 そして今度は、食卓に目を移してみましょう。

 おおう!!(白々しい☆)なんと、ここにもまた奥さんの頭巾にとまっているのと同じ大きなハエが!!(笑)

 当然、食卓といったものは、妻が整えるものなはず……そこにもハエがとまっているということは、奥さんが用意したであろう食卓もまた汚れているということを意味しているのではないでしょうか?

 わたしが思うには(というか、想像するには)、この旦那さんは奥さんの浮気に気づいていそうです。

 でもその事実から目を背けている……そして、この旦那さんは右手に湯のみのようなものを手にしていますが、おそらく中身は水でしょう。そのことは、この画家らしき旦那さんが「妻に浮気をされる理由のない立派な男である」=「旦那のほうはまったく潔白の身分である」ことを象徴しているような気がします。

 半分に切り取られたパンは、この旦那さんが食べたというよりは――彼が食べるべきはずのパンを他の男が食べたということを象徴しているのではないでしょうか(ええ、ナイフについてはもう、何も言う必要ないと思います^^;)

 それでも、奥さんの側に綺麗な花の活けられた花瓶が飾られているように、やっぱり彼女は女性としてとても魅力的なわけですよね。他の男がハエのように寄ってきて、その蜜を欲しがっても仕方ないくらい(笑)

 そして、中央の葡萄の実のようなものはたぶん……この奥さんのそうした豊潤さ、あるいは罪を示すもの、また絵画に果物が描かれる時は、それはこの世の富や栄光といったことを表す、ということを考慮するなら、この葡萄はおそらくこの夫妻が「別れられぬ理由」を示しているようにも思えます。 

 まあ、制作年代が1496年なんですから、当然一度結婚したらそう簡単に別れられない社会事情であったとはいえ――皿から葡萄の粒がこぼれ落ちており、それをハエが狙っているところを見ると、この奥さんはたぶん、また浮気をするんじゃないでしょうか(苦笑)

 でもこの奥さんは旦那さんに「もう二度と浮気なんてしませんわ。これからは尼僧のように清らかな妻になると約束します」とかなんとか言って、偽りの誓いを立てて騙すくらいのことはしそうな気も。。。

 そして、この絵をじっと見ているうちに、わたしはどうも「芸術家とその妻の肖像」というタイトルに自分が騙されてる気がして仕方ないんですよね(^^;)

 というか、この旦那さんは画家というよりは、どうも芸術家のパトロン(=金持ち☆)みたいに見えて仕方ないんですよ。

 つまり、この奥さんが金持ちの旦那と別れることはせず、この絵を描いた画家とこそ浮気をしているのだとしたら……何か、ハエの存在が一層リアルに感じられてきたり。。。

 なんにしても、奥さんが右手に握っているものがなんなのかもわからないので、他の美術の専門家の方などがどういう解釈をこの絵に与えているのかとか、いずれ調べてみたいと思っています♪(^^)

 そしてわたしにとってハエといえば、画家カルロ・クリヴェッリ!!!

 こちらも、「錯視とトリックアート入門」様のサイトからいただいてきてしまいましたm(_ _)m



(クリヴェッリ工房【アレクサンドリアの聖カタリーナ】15世紀末)


 クリヴェッリ工房っていうことは、やっぱりカルロ・クリヴェッリの工房でいいんですよね??(興奮☆)

 クリヴェッリの聖母子の絵には、幼子イエスさまの足許などにハエが描かれてるんですよ(笑)

 わたしがカルロ・クリヴェッリという画家のことを知ったのは、やっぱり例によって世界美術大全集によって、なんですけど――ネットであまりに関連情報が少なくて、ちょっとびっくりしましたww

 クリヴェッリについても、また色々調べてみたいなあ……というわけで、絵画の世界は広く深いので、いつまでも「知りたい」と思う条項は増える一方で、なかなか減っていってくれません。。。

 でも、そういうことを色々調べてる時が、わたしにとっては人生において「至福の一瞬」でもあります♪(^^)

 それではまた~!!



 P.S.「芸術家とその妻の肖像」について、もうひとつ仮説を(^^;)
 いえ、わたしが最初にこの絵を見た時に思ったのは――奥さんが小さな白い花を旦那さんに渡して、「浮気してごめんなさい、あなた。でもこれからは尼僧のようにあなたにだけ忠実な妻になりますから、許してください」と言っているのではないか、ということでした。
 でも旦那さんはそんな奥さんから目を逸らしている……つまり、ハエという存在は彼の疑惑の心、「疑い」を表したものなんじゃないかと思ったんですよね。
 そして葡萄の実のようなものが盛られた皿は、露骨な言い方をすれば彼女の子宮を表していて、そこにもハエが一匹そばにいたりするわけです(^^;)
 もしこの絵を描いたのが「芸術家(画家)とその妻」の芸術家である旦那であったとすれば、彼はこの絵をその後、一体どうしたのでしょうか。 
 もしかしたら、家のわりと目立つところに飾って、来る客が「このハエはなんだね?」と聞いてきたとしたら、「まあ、ちょっとした遊び心ですよ」とでも画家は答えていたのかもww
 つまり、この絵が描かれた動機は、浮気した奥さんにその不貞の事実を忘れさせないため……だったとしたら、この画家の男っていうのは、実際見た目どおりの(笑)陰湿な男だったりするんじゃないでしょうか。
 そして奥さんは、彼のそうした性格の陰湿さや嫉妬深さに嫌気が差して浮気した、とかだったら、なんかすごいな~と思います
 まあ、一枚の絵からそこまで色々考えるおまえのほうがちょっとどうかと思うよ、と言われてしまえばそれまでですけど(^^;)
 それと、奥さんが右手に何を握っているのかよくわからないんですけど……これは、彼女がこれまで二人の男と浮気したか、奥さんの二心を表すもの、あるいは彼女自身の欲望を示しているように解釈できそうな気がします。しかも、結婚指輪をしているほうの手にしっかりと握っている、それでいて旦那さんに白い可憐な花を差しだしている、というところが、なかなかすごいと思うのですよ(笑)




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