
最近、ゆっくりと時間をかけて、エリナー・ファージョンの「リンゴ畑のマーティン・ピピン」を再読していました♪(^^)
まあ、前から思ってたことではあるんですけど……ジ○゛リでアニメ化したらいいんじゃないかな~なんて、読みながらあらためて思ったり(笑)
海外ではどうかっていうの、わたしにはわからないんですけど、日本ではエリナー・ファージョンの知名度って、たぶんあまり高くないだろうとわたしは思っています。
なんていうか、児童文学の名作として、どこの図書館にも必ず置いてはあるけれども、ファージョンの本の貸出率はそんなに高くないだろうっていう気がするんですよね。
でもわたし、この「リンゴ畑のマーティン・ピピン」というお話が、もう本当に本当に大好きで

もしこれから(可能性低いですけど

さて、今わたしは「大人になっても忘れられない児童文学の傑作」と書いたのですけれども、この「リンゴ畑のマーティン・ピピン」、ファージョンのお話としては珍しく、実は子供向けのお話ではないんですよね。
巻末の石井桃子さんのあとがきにもあるとおり……この物語は、第一次世界大戦中、ヴィクター・ハスラムさんという30歳の兵士の方を励まし、慰めるために書かれたお話とのことで、メインテーマは男女の恋愛のことと言っていいと思います。
わたしはこの素晴らしい傑作、「リンゴ畑のマーティン・ピピン」に賛辞を送ってやみませんけれども、「そんなに面白いっていうけど、最初の何ページかを読んだ限りでは、そんな予感、あまり感じないんだけど?」という方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、ところが!!「はじめに」と「プロローグ」、「前奏曲」と抜けて、「第1話 王様の納屋」を読みはじめる頃には――誰もが夢中なって、このお話を貪り読みはじめているに違いありません。
ファージョンの代表作、「ムギと王さま」を読んでもわかるとおり、彼女は短編小説の名手でした。
その才能は本作でも遺憾なく発揮され、物語は主人公マーティン・ピピンが6人の乳搾り娘たちに6つのお話を聞かせる……という体裁で進んでいくのですね。
最後の6話目のお話は、いわば架空の世界と現実の世界とを繋ぐためのものなので、少し別としても――間に収められている5話のお話は、まさに


それでは、今回はまず、その第1話、「王さまの納屋」からお話していきたいと思うんですけど……※ネタバレ、要注意!!

第1話 王さまの納屋
むかしむかし、あるところに王さまが住んでいたのですが――なんとこの王さま、自分の領地と呼べる土地は納屋ひとつ分だけ、しかも持っているものはといえば、着替え一揃いとペパーという名の馬だけでした。
え?そんなんで王さまなんて言えるの??っていう感じですが、とにかく王さまは王さまなのです(笑)
彼の父王にあたる方が、領地を全部賭けですってしまい、最後に残ったのが現王が住まいとする納屋ひとつということで……彼はある時、冠と錫、それから着替えを手に持つと、ペパーと一緒に旅へ出かけてゆきます。
自分は王として、本当は何をすべきなのかを求める旅へ。
老馬ペパーはびっこを引いているのですが、王さまはそのことに気づきもせず(なんて鈍い王さま!)、ハト宗という信仰深い人々のにまでやって来ます。
「王は納屋で、何をしたらよいのでしょう?」と、ウィリアム王が聞きますと、「祈ればいいのです」と、そこの人たちは答えます。
そこで、ハト宗の入門の秘術として――ある聖なる丘で、寝ずの行を新月・半月・満月・欠けゆく月のそれぞれに行えばよい、と教えられた王さまは、「それなら簡単だ」と、早速やってみることにするのですが……その間、自分が行をしていることを誰にも洩らさないこと、またくしゃみといった不可抗力以外では決して音を発してはならない、という約束ごとがあるのですね。
大抵の人はこの時点でおわかりでしょうが(笑)、王が「簡単だな。自分でもやれそう☆」と思ったことには、毎回困難がつきまといました。
それというのも、毎回池の向こうに美しい裸身をさらした女性が立っていたからです。
でも、この行の間はくしゃみ以外、決して言葉を発してはいけないという約束ごとがありますから、王さまは彼女に声をかけることも出来ず……そして次には彼女から「いとしい人!」と呼ばれることさえするのですが、王さまは彼女から狂おしい思いで逃げる以外にはなかったのでした。
そしてさらに次の時、王さまはもう我慢できませんでした。
「いとしい人、待ってくれ!待ってくれ、いとしい人よ」と、今度は王さまのほうが裸の女のことを追いかけるのですが――彼女は彼から逃げていってしまうのです。
もう王には生きる気力もなく、言葉を発してしまった以上、行のほうも台無しになってしまいました。
果たして、彼女は一体何者なのでしょう?
聖なる行を邪魔するために毎回現われる、王さまの目にしか見えない幻の女性だとでもいうのでしょうか?
そして、ペパーがびっこを引いている謎(笑)、自分の納屋しか領地のない王さまは最後、一体どうなるというのでしょうか?
――ここまで読んだだけでも、わたしとしては続きがめっちゃ気になって仕方ないのですが、もし「面白そう♪」と思った方がおられましたら、是非ぜひ図書館から「リンゴ畑のマーティン・ピピン」を借りてお読みになることをお薦め致します。
それではまた~!!

まず、原作を読んでから、アニメならいいけれど、先にアニメというのは・・・それにジブリのアニメ、私は必ずしも買っていません。
そうですね~、わたしもジブリがファージョンの作品をアニメにするだろうとはあんまり思ってないんですけど……わたしにとって、ゲド戦記はある意味最悪の作品でしたし、最近のは見てないので批評できないものの、ちょっと方向性として「大衆受けを狙いすぎ??」と、ある時から思うようになりました。
年に一作つくってそれがヒットしないと会社が潰れる、社員が食べていけなくなる……といった事情があると前に何かのテレビ番組で聞いたのですが、そういうこととは切り離してアニメの(技術ではなく)芸術性のようなものが低下してきてるように思います。
なので、「りんご畑~」のようなかなり良質の下地を持つ作品をクォリティの高い技術で作る方向性にジブリも変わればいいのに……などと、この記事を書いてる時にぼんやり思ってた記憶があったり(^^;)
まあ、わたしも基本的に自分のブログでは適当なことを結構いいかげんに書いてますので(汗)、keikoさんも「人には色んな意見がある」くらいな感じで軽く読み流していただけると幸いですm(_ _)m
なんにしても、ジブリのアニメ化反対!!くらいの熱いファージョンファンの方がいるってわかっただけでもわたし的にはとても嬉しかったです♪(^^)
keikoさん、コメントありがとうございました
「りんご畑」で私が一番好きなのは、「若ジェラード」です。
一時は、春が近くなるたびに読み返していました。
それから長い時間が流れ、今読んだら、どれが好きだろうかな?と考えています。
りんご畑の中に収められたお話は、どれも甲乙つけがたく……とにかくどれも「いい!!」ですよね
短編のお話が首飾りの宝石のような形で綴られているので、初めて読んだ時には「そのうちそんなに面白くない話が一篇くらい挟まってるかも……」と余計なことを思ったのですけど、そんな心配はまったく無用でした(笑)
「若ジェラード」ももちろん大好き
「りんご畑」って、児童文学だし、てっきり子供向けのお話かと思いきや最後の最後でまさかの「!!」という展開があったりして、軽い気持ちで読むと火傷しますよね
おお、こうして書いてるうちにも「りんご畑」を読み返したくなってきました♪(^^)keikoさん、コメントありがとうございます
ところで、やはりファージョンの「ひなぎく野のマーティン・ピピン」に出てくる「エルシー・ピドック夢で縄跳びをする」というお話も好きで、朗読CDを作りました。私、朗読講師をしています。
よかったら、私のHP(上記)をご訪問ください。
「エルシー・ピドック夢で縄跳びをする」、もちろん大好きです
是非keikoさんの朗読で聴いてみたいので、朗読CDの注文先などを教えていただけると嬉しいです
それではまた~!!
送り先が分からないと、お送りすることができません。
私のHPにメールアドレスが載っていますので、そちらにメールいただけますか?
HPのアドレスは、上に出ていると思います。
詳しいことは、メールにて。