ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

47.傾聴の心得

2016-08-18 00:00:58 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ある行政機関の年輩職員が、上から目線で指示ばかりをするという批判があったので、上司が相手の話をよく聞くよう指導したら、来訪者の話を腕組みをして黙って聞くようになったという、笑い話のような実話を聞いた。
 
 各種相談に対応する窓口の専門職でも、相手の身になって話が聞ける職員は少ないということだろうか。多忙ゆえに時間的余裕がないということもあるだろうが、話を「聴く」ということは簡単なようで難しい。「聞いてるつもり」や「自分が聞きたいこと」だけを聞いてることはよくあるが、「聴く」は、「耳」と「目」と「心」を傾けて「相手の話したいこと」を聴くという意味。

 私は、「傾聴」を学んで約7年。特にこの3年間は、老若男女、様々なキャリアや問題や事情を抱える人の話を聴いて支援をしてきた。平均約50分の面談の現場を1,000回以上こなしてみて、ようやく「傾聴」の基本姿勢や柔らかくタフな心が身についてきたように思う。勿論、うまく行ったことばかりではなく、上っ面しか聞けていなかったこともあるし、なかなか話が深まらず中断したこともあった。相性の良くない相手や、強いストレスを感じる相手、感情を揺さぶられるような相手もいた。本人の話に脈絡がなかったり、矛盾があったり、コミュニケーションが成立しないケースもあった。

 なぜ、そこまでして話を聴く必要があるのか。それは、人を支えるということは、その人の価値観も人生も人格も尊重するということにつながるからだと思う。そういう基本姿勢がないと、支援者の単なる独りよがりになる。

 どんな相手どんな状況でも、まずは虚心坦懐に話を聴いて、その人にとって必要な事を共に考える姿勢を貫くことができると、相手の心や態度や行動にも少しずつ変化が見えてくる。そこに手応えとプロ意識が感じられるようになってきた。でも、うまく行ったと思うときこそ謙虚な振り返りが大切だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 46.50代の同窓会 | トップ | 48.キャリアコンサルティング... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

仕事 キャリア ライフキャリア」カテゴリの最新記事