万葉集ブログ・1 まんえふしふ 巻一~巻八

teacup.ブログ“Autopage”から引っ越してきました。

0162 持統天皇

2006-06-11 | 巻二 挽歌
天皇崩之後八年九月九日奉為御齊會之夜夢裏習賜御歌一首 (古歌集中出)

明日香能 清御原乃宮尓 天下 所知食之 八隅知之 吾大王 高照 日之皇子 何方尓 所念食可 神風乃 伊勢能國者 奥津藻毛 靡足波尓 塩氣能味 香乎礼流國尓 味凝 文尓乏寸 高照 日之御子

明日香の 清御原の宮に 天の下 知らしめしし やすみしし 我が大君 高照らす 日の御子 いかさまに 思ほしめせか 神風の 伊勢の国は 沖つ藻も 靡(な)みたる波に 潮気(しおけ)のみ 香れる国に 味凝(うまこ)もり あやにともしき 高照らす 日の御子


(天武)天皇崩御の後、8年9月9日。奉為(おほみため)の御斎会の夜。夢の中で詠まれた御歌一首 (古歌集中に出ている)

「明日香の清御原の宮に天下を治めた“やすみしし”我が天皇陛下。“高照らす”天照大神の子孫よ。どのようにお思いになったのだろう。私は“神風の”伊勢の国、沖の藻がなびく波と、潮の香りが芳しい国にいる。“味凝(うまこ)もり”実に羨ましい“高照らす”天照大神の子孫よ」

●御斎会(ごさいえ):読経供養