舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

クローズド・ノート

2008-01-22 02:23:40 | 徒然話
昨日は『ルイスと未来泥棒』のカエルの活躍に心を奪われ、3本目の映画の話をする余力がなくなってしまいました(笑)。

というわけで昨日の続き、『クローズド・ノート』の話です。
これは3本中唯一実写の邦画で、作品そのものよりも主演女優のエリカ嬢が変な金髪のヅラにヒョウ柄のドレスという超絶に凄まじい格好をさせられ(スタイリストさんはこの人に何か怨みでもあったのか)、骨の髄までふて腐れて会見に出たことが話題をさらいました。
ま、確かにあの格好をさせられればふて腐れずにはいられないよな(笑)。

しかしエリカ嬢がふて腐れた理由はこれだけではなかったのではないかと、私は映画を見て思いました。


※なお、以降の記述はこの映画を良いと思っておいでの方は読まれないことをお勧めします。
そう思われない方、これから見ようかどうしようか迷っているという方は、このまま先へどうぞ










はい。結論から申しますと、この映画は今まで見た中で史上最低の代物でした。
まだ見てない方、悪いこと言わないから見ない方がいいですよ~。
地上波で放映されてから見たんでも遅くありません。それならいつでもチャンネルを変える、あるいはテレビを消す権利があるわけだし。
それでやっぱり面白ければ見てもいい。しかし、1,800円をこの映画に賭けるのはかなりリスクが大きいです。

ふてくされ会見の件でさんざ叩かれたエリカ嬢の演技はさほど悪いとは思いません。この程度の演技力の若手芸能人はいくらでもいるし、脳にキンキンひびく高音で喋らないだけでも好感が持てると、私あたりは思います。

しかし作品として、これはいくらなんでもどうなんでしょう。
なにせつまらない。超絶につまらない。致命的につまらない。徹頭徹尾つまらないのです。
ああ、「つまらない」しか感想が浮かばないや。

まず展開が遅い。亀の歩みよりなおのろい。これでもウサギじゃなくても寝てしまいます。
なのに我々は会場内が寒かったので寝られず、必死で展開を見守り続けたんですが、ここまで展開の遅い作品がかつてあったでしょうか。
『北の国から』がジェットコースタードラマに思えてくるくらい、展開が遅々として進まないのです。

しかも『北の国から』はストーリー以外にも楽しめる要素がいろいろありますからいいですが、この映画ときたらのろのろ展開している上にけっきょくたいした事も起らないのです。

あまりに歩みがのろいもんで、「傍目八目」の要領で先の展開がだいたい予想できてしまうんですが、またこの予想を哀しいほど裏切らないのですわ。それほどうれしい展開もないしね。

ストーリーはこうです。
「主人公の越してきたアパートに前の住人の日記があった。読んでみるとそれを書いた女性はかつて、主人公の好きな男と恋仲で、もう亡くなった人だった」。はい、おしまい。

まあ、エリカ嬢が誰かの残した日記を読み進めるのと平行して、エリカ嬢本人の恋も展開していくわけです。
他人の日記を読むのはどうよという問題はさておき、文章読むの遅すぎないか、エリカ嬢。
遅~~~いドラマ展開にあわせて読み進めるという設定だからしょうがないんだけど、バイト先に持ち込んで勤務中まで読んでるのになかなか読み終わらなくて、大学生なのによほど漢字が読めないのか、それとも日記の書き手の字がよほど下手くそなのかと果てしなく妄想せずにはいられません。
だってなかなか話が進まないから暇なんだもん。妄想でもしてなきゃやってられませんって。

何も展開しない中に味がある映画もありますが、この作品にはそれすらもありません。
ただただ「おっ何だ、だから何なんだよ、早く聞かせてくれよ」と観客をじらし、腕の悪い政治家や偽装会社の経営者のような手法でずるずると結論を先延ばしにした上、けっきょくわかる真実はそのわりに大したことがないという、最悪のパターンです。

そして二人の女から愛される男・タカシがこれまた酷い。この役を振り分けられた俳優さんが気の毒です。
日記女(ややこしいからこう呼ぶよ)が亡き後もうじうじと忘れられず、だったらその女だけ思ってりゃいいものを同じ部屋に越してきたエリカ嬢にも日記女の姿を重ね合わせて煮え切らない態度を取り続け、さんざんその気にさせるという、もっともタチの悪いタイプです。

最後に日記女の回想シーンで彼女が日記の最後のページに何か書いてから破り、紙飛行機にして飛ばすシーンがあり、そこに何が書かれていたのかをこれまた勿体ぶってなかなか公開しないのですが、これも蓋を開ければ何ひとつ大したことが書かれていません(笑)。紙飛行機にする意味も不明です。
ここに衝撃の真実(日記に書かれていた「好きな男」はタカシではなく、本当の相手は不倫の仲でエリカ嬢の父親だったとか、タカシに対する殺意を書いておいたらそれを本人に見られて逆に殺されて証拠隠滅のために破り取られたとか)でも隠されていたらもう少し後味が違っていたのにねえ。

美しい映像で魅せ続けておいて最後にひどい悲劇で幕を落とす映画(中国なんかに多い)もあんまりな後味ですが、こうして徹頭徹尾つまらないだけの映画を見てみると、少なくともラストシーンまでは良かっただけましという気がします。

このあまりにもあまりな映画を見たら、多忙の最中にこんな映画に主演させられたうえトンデモ衣装を着せられて会見に出たエリカ嬢がどれだけふて腐れてもしょうがないと思います(プロじゃないなとは思いますが)。
下手にほめて「え~、エリカ様ってこんな映画がいいって思ってるんだ~、けっこう悪趣味~」等と誤解されるのも彼女のプライドが許さなかったから、ああいうコメントになってないコメントに終始したのやも...。
釈明インタビューでもなんだか煮え切らなかったけど、「あれは映画の出来があんまりだったせいだ」なんてさすがに言えないし。

と、実は話題になってるわりによく知らないエリカ嬢に過剰に同情するようになった次第です(笑)。

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