舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Hawai'i Cultural Conference 2012

2012-10-18 23:16:56 | ダンス話&スタジオM
今更ながら、9月2日に開催された「大阪夏の陣」ことHawai'i Cultural Conferenceのお話です。


リッツ・カールトン大阪で開催されるこのイベントに参加させて頂くのも、今回で3回目。
そして、今回は前の2回と大きな違いがありました。
二代目と四代目の同伴です。
今回初めて日曜日に開催される事になったおかげで、母も一緒に来られる事になったのですね。

母も以前から、一日中フラのワークショップ&夜はロバート・カジメロ様のディナーショーという垂涎モノのプログラムに、いたく心惹かれていたようであります。
といっても、私のお仕事中は四代目の面倒を見ててもらわないとならない訳ですが、前夜のロバート様のワークショップ時には母が参加して私は四代目の面倒を見ているという事で、契約が成立しました(?)。


ということで、前日土曜日に大阪・梅田駅に到着。
3回目と言っても、今回は子連れですから道中はなかなか大変でした(笑)。
何しろ寝ないですからね、四代目。内蔵中からクルマに乗りまくっていたおかげか、乗用車からバス、電車、飛行機に至るまでまったく酔わないでくれるのは有難いのですが、乗ってる間じゅうテンションMAX目がランランなのは親としては困りものです。
地元から大阪まで一睡もしないという恐怖の1歳児を抱えて、ヘトヘトになってリッツカールトンに辿り着きました。


しかし、リッツカールトンにチェックインしたらそんな過酷な長旅の疲れも吹っ飛びました。
だってリッツカールトン、めためた素敵なんですもの。
※編集部注:今まではスタッフとしてビジネスホテルに泊っていたのですが、今回はスポンサー(=母)がついたので初めて夢のリッツカールトン宿泊が叶った訳です。

リッツカールトン大阪のロビーや宴会場はヨーロッパ都市部の老舗ホテルのゴージャスでクラシカルな趣ですが、客室は華美すぎず上品で、一歩脚を踏み入れただけで快適に過ごせそうな印象を受けました。
そして、いつも泊ってる舞浜のミラコスタと驚くほど似ていました。だからなおさら個人的に過ごしやすそうに感じたのかもしれませんね。


とか喜んでる場合ではありません。
今回の本分はあくまでも「お仕事」!!!
母や四代目が駅前で美味しいプリンとか買って呑気に旅行を満喫していても、私だけは「お仕事」ッッ!!!
彼らが寝静まった後、はるばる持ってきた資料や辞書(あのメアリー・カヴェナ・プクイさんの一番重いヤツ、まじで良くあんなの持ってったな私)を部屋のデスクに山積みにし、翌日の講座の準備に励んだのでございます。


人生の初っ端からフラを踊りはじめて間もなく30年、教室主宰者である母の背中を見て育ち、自分がレッスンに携わるようになってからは10年の私にとっても、ホームグラウンドから遥かに離れた場所でハワイ語講座をするのは未だにナーバスになります。
でも流石に大阪夏の陣も3回目になりますと、自分の芸風がだいぶ分って参りまして、おのずと講座の方向性も決まるものです。
曰く、「私にしか出来ない講座をすれば良い」と。

なんだか余計ハードル上げてるような宣言ですが(笑)、私は人様から習ったものを右から左に受け流すムーディー…じゃなかった、そのまんま教えるのは決して許せないのです。
そんなの、教則本でもDVDでも出来る事でしょ。バカじゃあるまいしせっかく生身の人間なんだから、「その人にしか出来ないレッスン」をしなきゃ、習いにくる人達に失礼ってもんです。
誰かさんに作ってもらった振付けやマニュアルでしか教えられない者など、「先生」と呼ばれるに値しません。

…というのが、私がこの人生で築いた信念ですからして、たとえハワイ語講座であっても、信念に背くわけにはいかないのです。

じゃあハワイ語講座における「私にしか出来ない講座」って何よ。
自分なりに考えた結果、それは「フラ歴30年のダンサーの視点」と「言語文化学の知識」だと結論したのです。

30年もやってますと、ダンサーとしてハワイ語の知識がいかに大切か痛感します。
「フラやハワイ文化に対するリスペクトとして」とかそんな高尚なレベルの話ではなく実際問題、ハワイ語を知っているかいないかで、振付けや詞の覚えやすさが格段に変ってきます。
まあ、趣味で踊っている人なら、とりあえずの知識があれば役に立ちます。
じゃあその「とりあえず」に当たる部分はどの辺なのか?そういう、いわば「センター試験頻出英語」みたいなエッセンスを、ダンサーの目線で選び出して解説しようと考えました。

そしてもうひとつ。私は大学の言語文化学科を卒業したのですが、これは要するに、言語それ自体を学んだり研究したりするというよりも、他言語との比較・対照とか、言語の歩んだ歴史とか、人が言語を習得して行くプロセスとか、言語を非常に多角的に研究する学問です。
で、もちろん研究の対象となるのは日本語や英語が主であり、ハワイ語についてはほとんど研究対象にはされなかったのですが、ここで学んだ事から自分のハワイ語の知識にも結びつけられる事柄が、実は思いのほか多かったのです。


そんなわけで、「言語学フェチのベテランダンサーによる、ダンサーの為の美味しいとこどり講座」とでも題すべきような内容の講座が構成されました。
当日は受講生の皆さんのご要望に応じてフレキシブルに内容を掘り下げたり端折ったりして喋りましたが、どうやらおおむね「分りやすかった!」とご好評を頂けたようで、嬉しかったです。


じっさいに講座をやりながら思ったのは、私の授業ってなんか進学校の外国語の授業みたいだな~、という事でした(笑)。
これはむしろ大学ではなく高校の授業の影響を受けてますね。
私としては、この場の課題曲の意味が分るだけでなく、受講生の皆さんが今日学んだ事の応用でハワイ語を訳せる手助けになればと思ってそういう解説の仕方になったんですが、これが案外ウケが良かったです。

もう一つウケが良かったのは、発音の講義でした。
常々私が思っている事は、日本人ダンサーのオリやカヘアの発音の○×△□なこと!!!
(ああ、○×△□には何か思い当たる英語の4レター・ワードを当てはめてください!って1つしかないね!とりあえず書くのは自主規制しました!!したんだから責めないで!!!)

え、えへん。とっとにかく、もちろん全員とは言わないけど、かなり多くの日本人ダンサーが、一生懸命言う気持はあるのに、発音が……!!!
……う~むう~む。もしかして、なまじ母音が5つだったり子音+母音の組合せだったり、日本語と近いのが逆にイケナイのだろうか………(苦悶)。

でもハワイ語講座を受けにきてくれるくらいの皆さんなら、発音についてもきっと上達したいと思ってらっしゃるはず!
と思って解説したら、予想以上の反響を頂きました。
ミュージシャンの方も何人か受講されていて、発音の解説は特に喜んでくださいましたね。

文レベルの詠い方についてはそれぞれのクムのスタイルなどがあると思うので、それはそちらで習って頂くとして、私が解説したのはミニマムな1音単位の発音です。
いや~、大学で学んだ英語音声学がとても役に立ちました。何しろ私はこの授業のおかげで発音だけはやたら良く、うっかり英語圏の人に調子に乗って自己紹介とかすると、完全に英語力を誤解してもらえるのです(笑)。

今回のハワイ語講座ではそれの応用で「日本人が特に気をつけたい音」とか「こう発音するとデキル人と思ってもらえるポイント」とか「カヘアを出来るだけネイティヴっぽくするコツ」などを実例を交えて喋りました。
ま、偉そうに喋るからには自分がきちんと発音できなきゃどーにもならないってことで、「hula」と「フラ」の違いなんかを実演しましたが、「ホントだ~全然違う!」と言って頂けてホッとしました(笑)。


は~~~、こうして無事、お仕事完了。
プレッシャーから解放された所で、今度は一観客として気楽にロバート様のディナーショーを楽しみに行きました。



こちらは当日配られたプログラムの表紙です。
メインゲストのロバート様だけでも充分豪華ですが、その同窓生であるヴィッキーさん、若手ホープのスノウバードさん、そして飛鳥IIでもご一緒したナニ・リム・ヤップ先生という、素晴らしい顔ぶれです。
しかも、その先生方がロバート様のショーでも踊ってくださるのですから、贅沢な事この上ありません。



ちなみに、プログラムにはこんな感じで私も載ってます。




ディナーショーは、はるばる大阪まで来てくださった4人の生徒さん達と一緒に参加しました。
もちろん四代目もドレスアップ。敢えて「フラ」ではなく、会場のリッツカールトンのイメージに合わせてフォーマルなパーティードレスにしました。
っつーかこのドレス、一目惚れしてゲットしてもう1年になるのに一度も着るチャンスがなかったから、いい加減着せたかったのです(笑)。


お仕事が無事終わったと言う事で心置きなくワインやカクテルを頂き、ロバート様の美声とピアノに酔いしれ、素晴らしい一日の締めくくりでした。
ああ、頑張って良かった。

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