舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

立体的なフラを踊ろう!

2014-06-16 05:22:38 | ダンス話&スタジオM
見出し画像はようやく完成したハワイアンズのしおりです。
色塗ってラメ乗せてコーティングし、光り物を貼って出来上がりです。


さて、本日はちょっと前にお寄せいただいた「フラを立体的に踊るためにはどうしたらいいか?」というご質問に対しての、私なりの見解をお話ししたいと思います。
もちろん、フラの系統によってはそっくり当てはめられるとは限りませんが、何らかのご参考までに。



まずそもそも「立体的」とはどういう状態かについて考えてみましょう。



こちらはダンサーを正面から見た図を描いたものです。
もちろん絵の上手な人であれば正面から捉えた構図でも立体感を出せると思いますが、私の画力じゃあ完全に平面的に見えますね(笑)。



しかし、このように少し斜めから見た図を描くと、私程度の画力でもぐっと立体感が出て来ます。

つまり、「奥行があると立体的に見える」のです。
これはフラでも同じ事がいえます。


えてしてフラは平面的な踊りであると考えられがちです。
まあフラで最も基本的なステップは横移動ですし、最も一般的な手の動作
(上図の動作)も正面から単純に描けてしまうポジションですので、平面的に見えても仕方ないかなとは思います。

世の中のほとんどのダンスは立体的ですので、それらが苦手な人であっても(一見)平面的な(ように見える)フラは踊るのが容易に感じられて、これが取っ付きやすさの一助となっているのは確かでしょう。

しかし、しかしだ。
入門段階を過ぎた時点で、「フラにも奥行がある」という事に気づかないとそれ以上の上達は望めません。
美しいフラは決して平面的などではないのです。


にもかかわらず、いつまで経ってもフラを立体的なものとして捉えられない人は結構多い。
これは非常に深刻な問題だと、私は常日頃から思ってます。

原因の一つとして、一般に流布しているフラノートの取り方にも問題があるんじゃないかと私は睨んでおります。
前にフラ雑誌に載ってた誰かのフラノートにも、振付をイラスト化したモノが事細かに書かれていましたが、すべてをイラストで表現しようとするのは、「正面から見た絵にも立体感を出せる画力の持主」でもない限りお勧め出来ません。
なぜならば、下手にイラストがあると無意識のうちにそれがすべてだと思ってしまうからです。

たとえば波のモーションをイラストで描いたとします。
これを文字で単に「波」と書いたり、意味から「kai」と書いたりするのなら問題ないのですが、うかつにそれをイラストで描き表してしまうと、実際に踊る時にもまるで絵に描いたように平面的な波になってしまいがちなのです。
どうしてもイラストで説明する必要があるときは、棒人間にしてできるだけシンプルに描くにとどめる事をお進めします。


さて、今日の主題はフラノートの取り方ではなく「立体的に踊る方法」ですので、具体的なコツについてお話ししていきましょう。
本当は良い例と悪い例を動画で撮って裏部屋にでも載せられるといいんですけどね。




まず姿勢です。
姿勢が良い事は非常に大切です。特に、立体的に踊るためにはイラスト左図のように「首の位置を十分後ろに引いて、胸の前の空間を広く取る事」を心がけます。
これが右図の「首が前に出ている状態」になっていると、自分の前に十分な空間が取れず、そのままハンドモーションをしても平面的な代物になってしまいます。


そして、このようにして確保した胸の前の広いスペースをフルに活用して踊ります。
フラは体操ではなく「曲の意味内容を語るもの」ですので、ただ指示どおりに腕を右やら上やらに伸ばしたり曲げたりすればいいのではなく、つねにそのモーションによって語っている事を意識しながらひとつひとつの動作を行うことが大切です。



たとえば腕を上に持っていって山や空など「高いもの」を表す動作の場合、それが山や空である事を意識すると、自然にこのような「遠くを見る姿勢」になります。するべきです。



これが単に「腕を上げる」という認識ですと、いくら視線は上を向いていても山や空の高さ・雄大さも表現出来ませんし、何より平面的な絵になってしまいます。
上方向だけでなくすべての動作において、語っているという事(それも個人的なおしゃべりではなく、語り部のように複数名に向かって物語を伝えようとしているイメージ)を意識しながら踊ると、かなり立体感が出せるはずです。


フラを絵で表現するのが難しいのは、この「一目では理解しにくい・説明しにくい立体感」が原因なのではないでしょうか。
ホントに平面的なだけのダンスだったら、逆にここまで難しくないはずなんですよ。描くのも実際に踊るのもね。

フラガールのイラストでわりかし有名で、フラ雑誌の表紙を描いた事もあるイラストレーターさんがいらっしゃるんですが(いやその説明でバレバレだろw)、その方の描くフラガールがイマイチ平面的な事の原因は、「フラを立体的なものとして捉えられていないこと」と「踊りがメッセージを語るものであると認識出来ていないこと」なんじゃないかと推察しております。
なんかどの絵を見ても「自己陶酔に浸りながらベタッとした平面的なポーズをとっているおねえちゃん」になっちゃってるんだよなあ。

かく言う私だって、社交ダンスとかベリーダンスだったらいくらでも「らしい」絵を描けますが、フラのもつ微妙な立体感を絵で表現するのは未だにヘタクソです。
特に上手いダンサーの「この人……やるな!!」と感嘆するような仕草ほどさり気ないものであり、絵にするのがますます難しいんですよね~。絵にした途端にクサくなったりする(笑)。


う~ん、やはり文章とイラストだけではすべてを伝えられないなぁ。抽象的にならざるを得ない。
やっぱり実物をご覧いただくのが一番なんですよね~。
ウチの実際のレッスンで「立体的に踊るコツ」について具体例を交えて説明致しますので、必要な方はお申し出ください(笑)。





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