前稿「残身を考えるー弓道書による残身(残心)ー1)」の続き
8.残身のまとめ
残身について考察しようとすると、いろいろな項目に分けて考える必要があります。弓道書を見ますと残身にほとんど触れていない場合もあります。昔はそれほど問題にならなかったのかも知れませんし、それは、会、離れの結果で、とやかく言うものではないということであるかも知れません。残心の方が大切だということもあるかも知れません。 . . . 本文を読む
今日は残身(残心)を研究します。
芸術的射を考える前に、弓道教本や弓道書で何とかいてあるかを調べる必要があります。
下記の内容は3年ほど前に書いたものです。
1.はじめに
残身は射の総決算と言われるのは、残身によって射の良し悪しが判断出来るということでしょう。残身は離れの結果ですので射で一番大切なのは「離れ」と言うことになります。しかし、離れを研究する前に目標とする正しい残身があきらかでないと . . . 本文を読む
戦後
武徳会は終戦に伴い、ただちに従来の性格を改めて民間団体に改組するべく、昭和21年1月には運営の民営化をはかり、武道の諸団体と相協力して、全国から選ばれた評議員の会で純民間人を推薦して役員を定め、取扱う種目も剣道・柔道・弓道などに限定し、文部大臣の認可も得たが、次第にGHQからの調査が活発となった。
①強力な中央集権的団体であったこと。
②中央・地方を通じ高級軍人・特高関係の警察官を網羅 . . . 本文を読む
前稿で「弓道の歴史ー概要ー1.弓道の始まりから戦時中まで」を書きましたが、この日本の弓道の前身、弓術に影響を与えたものとして、①仏教の伝来、②蒙古来襲による蒙古式弓射、③儒教伝来による儒教の影響、④礼記の導入、礼記射技の影響、孔子の射義論、⑤道教の導入、⑥禅の導入、⑦射学正宗の伝来・・・・等々の思想や技術が入ってきて弓術の考え方も変わってきたものと思われます。しかし、それは情報伝達が遅い時代では、 . . . 本文を読む
弓の映画をご存じですか「三十三間堂通し矢物語」と言うのがあります。NHK衛星放送でも放送されたことがあります。
監督 成瀬巳喜男 成瀬初の時代劇である。
製作 清川峰輔
脚本 小国英雄
出演者 長谷川一夫、田中絹代、市川扇升
公開 1945年6月28日 戦時中です。
解説 [編集]
京都・三十三間堂で江戸時代の初期から行われてきた通し矢にまつわる実際の出来事に題材をとった作品。
19 . . . 本文を読む
会心の作というのは心にかなった作、満足の出来る作ということですが、会心の離れとは、結果として出来の良い理想的な満足の出来る離れと言うことになると考えますが、私が考えた離れの一つの方法です。
会心というのは或る場所のことを言います。
会の中心を会心と言います。
会の中心は何処でしょう。
私は肩胛骨の下、引き分けで寄ってくるところです。
会心はどういう働きをするかというと
引き分けは背伸びしな . . . 本文を読む
弓矢の技は狩猟の為のものから発していたと思われますが、その食べる糧を得る貴重な道具として、日本人の先祖は弓矢に畏敬の念を抱き、神に捧げ神聖なものと考え礼拝の儀式にも使いました。
日本での稲作導入後、この稲作は経済の大きな変化をもたらし、食糧を生産し蓄えると言うことになり、水田が必要になり、籾の保管庫も必要になります。そこには富の形成と必然的に貧富の差が生じ、立地の良いところ、広大な土地が必要 . . . 本文を読む
長年弓道を修業してきて、「弓道は芸術である」と言う思うようになっていたとき、「射道芸術の探修」(武市義雄著)を(雑誌”弓道”の本の紹介欄だったと思います)見つけ、読んだ覚えがあります。
しかし、当面の昇段昇格のためには、従来の弓道の中で会を持つ、鋭い離れをする、そして束中させる、体配・行射を良くする、持的坐射礼の体配を良くする、ということで稽古・練習をしてきた。
その中で弓道とは何かを考え、 . . . 本文を読む
現代弓道は武道と言う人もいます。しかし、私は弓道は芸術と考えますので、射芸とか弓芸と言うべきではないかと考えます。
弓道を射芸と言っておられた先生がいた。と思って本を探すと出てきました。
故武市義雄範士が書かれた「射道芸術の探修」です。射道芸術と芸術という言葉を使われています。
その本の帯には「弓射は芸術であり、人間学である。」と書かれています。
なるほど射道とか弓射とか使われ弓道とは言われて . . . 本文を読む
冬季オリンピック、スノーボー代表の国母選手は成田空港から出発するとき、公式スーツのズボンを、「腰パン」と呼ばれる低く下げたはき方、ズボンがずり落ちるようなはき方で、更にネクタイはだらっとさせ、高校生など若い人によく見る品格のない見るに耐えない服装をしていたと言うことです。
写真を見ると、日本を代表しているという気迫が見とれないし、「俺は行くたくねーよ」というような一見ふてくされたような態度でし . . . 本文を読む
弓道の修業をしてきて、「継続は力」、その次に来る言葉は「数は力」と学びましたが、その次が「真理は力」と私は考えています。
弓道の最高の目標が真善美と言われていますが、善を追求すると究極には真があり、美を追究すると真に至ると考えます。
その弓道の真理を間違えると、方向が違う弓道になってしまいます。例えば弓道の真は的中と考えると、的中の向上を目指すことになります。
それならばアーチエリーをすれば . . . 本文を読む
2010.2,7 亀田大毅がボクシングのチャンピオンとなって兄弟チャンピオンということであるが、わたしは喜べない。
亀田家の教えが勝てばいいんだ。と言う精神でルール違反してでも勝とうと言う精神で、品のかけらもない。それは朝青龍に似ている。
王者の風格、と言う言い方があるが亀田家の家風、精神、品格は貧者のそれである。
品格を目指し始めたのではと言うことではあるが、長年身につけた破格の品位、一朝一 . . . 本文を読む
いろんな先生に教えを受け、いろんな本を読んできたが、唐沢光太郎先生の「弓道読本」が詳しく書いてあり、これを完全マスターする事にしようと思っています。
現在、引分け、会、離れは以前投稿している「伸筋を使う引分け、会、離れー弓道読本を読み直す」で書いたとおり、伸筋を使う意識で練習してこれが正解かなという感じで練習しています。
ただ、離れについては弓道誘導読本では「三、母指を弾く 四、手首を返す」 . . . 本文を読む
以前の投稿『 「引分け」ではない「開く」のであるー開く射を目指す』で
『 昔、開く射を説かれた先生の本「弓道 師弟指定問答集」(師は江上清先生とお弟子さんとの問答集)を読んだことがありました。その時どう読んでも開く射の意味が分からなかったのです。・・・
「弓は引くのでなく開くのです。弓の抵抗があるから押し開くとと言っても良い。これが引き分けです。」
「開くと言うことは、胸が割れることです。引分 . . . 本文を読む
引分けは教本では
「①弓手全体の伸びる力にて押す、②右肘にて(本弭を)引く気持、③矢の筈がここまである気持にて右肘にて(手首でなく)弦を引く、④両肩の線を矢に接近させるように引き込む、⑤左右の肘を伸張する」
私の師は私の引き分けを見て、⑥肘を下げない、⑦矢を引き寄せるように、の二点を注意されていました。
先ず、⑥の肘を下げないと言うことについて、大三から的付けの位置に持って行くためには肘は下が . . . 本文を読む