弓道修行日記

このブログに、弓道修行する中で、学んだこと、考えたこと、試行したこと等を書き残し弓道修行の友とする。

弓道の歴史ー概要ー3.戦後の弓道ー弓道教本の制定

2010-02-27 | Weblog
戦後
武徳会は終戦に伴い、ただちに従来の性格を改めて民間団体に改組するべく、昭和21年1月には運営の民営化をはかり、武道の諸団体と相協力して、全国から選ばれた評議員の会で純民間人を推薦して役員を定め、取扱う種目も剣道・柔道・弓道などに限定し、文部大臣の認可も得たが、次第にGHQからの調査が活発となった。

①強力な中央集権的団体であったこと。
②中央・地方を通じ高級軍人・特高関係の警察官を網羅し国家組織と結びついていたこと。
③莫大な資産を有していたこと。
などの理由で解散を命じる空気が漂い始める。

武徳会と文部省は種々協議を重ね、解散止む無しとの認識にいたり、ついに解散を決定し、昭和21年9月28日付でGHQあてに報告書を提出、10月31日自主解散を宣言し、52年にわたる武徳会の歴史を閉じた。

しかし、GHQは武徳会の自発的解散を認めず、11月9日武徳会に対し解散を命じ、武徳会に関係した官民約五千名が追放された。

武徳会の解散にともない、愛好者によって各地で地方連盟の組織化が進み全国的に波及する。これら諸団体の総意を結集して昭和22年「全日本弓道連盟」が結成された。
しかし、諸般の事情が絡み昭和23年12月解散。

昭和24年4月3日新たに「日本弓道連盟」を結成、8月2日体育協会に正式加盟が承認され、
昭和28年9月15日文部省より財団法人の設立許可された。

昭和32年1月18日「全日本弓道連盟」へと名称を改めた。

戦後の射法混乱を改善し、弓道の大綱を明らかにすべく、
昭和28年8月「弓道教本 第一巻」が発刊される。
様々な流派の長所を生かして現代弓道の指標とし、特定の流派に所属しないでも弓道の大綱を学ぶ事が出来る様になった。

「弓道教本」では射法八節を定め、大日本武徳会で制定された「弓道要則」の統一打起し(中間打起し)を正式に廃し、正面打起しと斜面の打起しの両方法を採用した。

射礼・体配は小笠原流の作法・動作を中心に採り入れ、流派ごとにまちまちであった射礼・体配を連盟方式に統一し、試合や審査上の混乱を是正した。

反面、弓道教本は流派的な個々の考え方を排除し、大局的に立った斜面と正面の二つの方法による大綱を示したので、基準を示すこと、統一見解を出すと言うことに重点が置かれ、対象をほぼ五段において定めたものです。

従って初心者用の教本がないこと、高段者用の教本がないことが問題で教本編集委員の遺言になっているのですが弓道連盟は作成していません。又教本も日本弓道はこうなんだと指導するのでなく、そこここに流派の指導を残し、教本第一巻でも今後の弓道はどうあるべきかという理念を持った執筆でなく、あの先生、この先生と諸先生の良いところをハサミで切り出して糊付けして張り合わせて作成しているので、理路整然とした一貫性のあるものでは無いのです。一つの統一案なのです。日本弓道はこうなんだと言うものは有るようであるがそれも○○先生の借り物です。

ですから、弓道教本通りに引いても評価されないのです。

如何にすれば普遍妥当な真理性を射法の上に打ち立てることが出来るかは、今後の問題であり、課題となっているのです。

つまり、弓道とは何か、弓術から弓道に変わりましたが、その弓道はさっらに射芸へと変化すべきと考えるのです。ですから教本の弓道をしても称号者は誉められないのです。(まだ弓術にこだわっている流派がいます。その流派が斜面にこだわっているのです。弓道要則でも礼射は小笠原と決まっていたと言うことは、審査は礼射で行いますので正面打起しとなるはずですが、矢渡しや持ち的坐射礼、一つ的坐射礼を斜面で行うのは可笑しいと思います。斜面は不要です。)

弓道のあり方の将来をどう考えるかです。それを現代弓道と言う言い方をするか射の芸術という意味で射芸というか、それは今後決めればいいのですが、弓道の意識改革が必要であると私は提案するのです。

そしてその発端を武市義雄先生と考えるのです。

参考までに学校弓道の戦後を記しておきます。
学校弓道が先行し弓道の統一化を急ぐ必要も有ったのです。
昭和20年1月・12月、文部省発体80号・100号により、学校における武道(剣道・柔道・薙刀・弓道)の授業は全面的に禁止され、課外の部活動も禁止された。文部省は学校教育における戦時色の払拭に努め、武道の免許状も無効扱いとされ、「武道」という言葉自体に軍事的な意味合いを含むとして使用は控えられた。

その後、昭和26年7月25日、文部事務次官通知により中学校以上の体育教材として弓道の実施が認可され、再び学校教育に採り入れることが許可され、課外の部活動も解禁される。
昭和28年7月11日、全日本学生弓道連盟が再結成。
昭和31年、全国高体連に弓道専門部が新設。
昭和42年3月29日、文部省発体120号の通達により、弓道が高校正課体育種目として体育の時間に指導することが可能となる。
平成元年高等学校学習指導要領改訂にともない、「格技」は「武道」に改められ、これまで「格技」ではなく「個人種目」に含まれていた弓道は、「武道」の領域に含まれる事になった。

最近中学生も弓道が正課になりましたが、その指導書は無いに等しいと思っています。
弓道連盟は入門者用の弓道指導の手引きを作成すべきです。


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