二代目モニカの日々・・・ときどき俳句

【日々のいろいろ、十七文字の世界】二代目モニカです✨日々の出来事やときどき俳句も🐰

白灯賞

2017年04月20日 | 俳句
響焔俳句会には響焔三賞というものがあります

そのうちのひとつは会員対象に贈られる「白灯賞」です

今年は異例の2名受賞となり

笹尾京子さんと私が頂きました



響焔誌4月号に受賞作品が掲載されていますが

HPの方には特に触れておりませんので

広く響焔の活動と作品を知っていただきたく

こちらのブログで紹介させていただきます




「最後の風」    笹尾京子

橋渡る今年最後の秋の風

お互いを見て見ないふり菊人形

いさましく鰹節かく年の暮

お気に入り一つ身につけお元日

さびしさの白集まって梅の花

散るときもまた無口なり白いばら

ただ一つ男に似合う花しょうぶ

突然に太鼓たたかれ盆おどり

遠くから見てほしいのとさるすべり

藍の花おのれの色をまだ知らず




「発想のユニークさと、そのあとの展開の意外さが独特で、既に高いレベルの俳諧性を示している。

対象を正面からでなく、すこし斜めから見て、ずばりと本質を捉えるようなその俳句は

まさにおとなの俳句と云えよう」



主宰も云っていますが

対象をすこし斜めから見る詩人の目を持つ京子さん

そこがド正面から見ている私とは決定的に違うところです

うむむ、そう来たか~、上手いな~

と、毎月の投句をみて唸る楽しみを与えてくれる京子俳句

天才なのだと思います

合同句会ではいつも主宰の特選をさらって行かれます

私もいつも惹かれていただいています

先日の新樹会ではお隣の席でした

少しお話させていただき、根っこの方で私との共通点がある事がわかり

近く感じて嬉しくなりました

それが何かはふたりの秘密です・・・ふふ


私は京子俳句のファンであります




そんな笹尾京子さんと肩を並べて受賞なんてなんという光栄



「子犬とピアノ」

青空はコスモスのため明日のため

蓑虫の憂鬱こんなに広い空

冬の朝大きな椅子にまず沈む

ローランサンの子犬とピアノ初御空

自由とは風か小鳥か三月か

夜の首都高疾走すれば熱帯魚

六月はA5出口を出て左

自販機の吐き出している夜の闇

暑中お見舞い東京に空ありて

おしなべて無口東京も八月も




「最初から従来の俳句に捕らわれぬ自由な発想が光っていたが、積極的に句会に顔を出すようになって、

発想、表現ともにますます自在かつ豊になり、毎回白灯集に新風を吹き込んできた」



発想に頼っているところがある私・・・

そろそろ枯渇するのではないかと、ひやひやしています

そこだけではこれからは通じないと思われます

頑張ります




いかがですか?

響焔の俳句のある一面をご紹介しました

「色々な花の花束」の響焔です

来年で60周年です

凄いでしょ?













海紅句会・4月

2017年04月16日 | 俳句
海紅句会は毎月第一金曜日です

今日はもう月半ば

すみません

すっかりご報告が遅れてしまいました・・・




今月の席代は「川」

色々な川が出ました

花見川(千葉市に流れています)・浅野川・隅田川・大川

桜の季節なので、やはり隅田川や大川がまず思い浮かびますね



では主宰の選からご紹介します

並選を11句、頂きました



整然と角川文庫亀の鳴く      正隆

(「亀が鳴く」と添削)


輪郭は空に溶け出す夕桜      モニカ

(「溶け出し」と添削)


つつがなく墨田の桜隅田川     妙子


大川に長谷川平蔵花の冷え     モニカ


宿坊は昭和の匂い春炬燵      典子


花冷えの街遮断機がふえている  妙子

(「降りている」などがいいのではないか?)


梅の花どこか寂しく犬の顔     正隆


花辛夷ふと青春がかけよりぬ    直子


留学生楊の憂うつ街薄暑      モニカ


高野切臨書背臨目借時       敦子


花しぐれあの微笑みはのこされて  妙子

(「あの」を「かの」に)



私は1句目の正隆さんの

整然と角川文庫亀の鳴く

を、特選で頂きました

席題の「川」で数分で作られたのでしょうけれど

よくもまあ「角川文庫」なんて素敵な固有名詞が出てきたと、まずそこに感動

そこに実態がよくわからない俳句だけしか使われない「亀鳴く」という季語

文学の匂いプンプン

清記用紙が回ってきてこの句を読んだ時

「うわっ!すごい」と

小さく叫びました



主宰の言葉より

・一点に絞って言って、結果として広がるように

・思ったことを全部言わない。ちょっと手前で止める。そうすると余韻がうまれる

・真ん中の「や」切れは相当強く響くからあまりよくない。昔の句には沢山あるが・・・

・形は出来ているが、インパクトが欲しい

・「や」切れははっきりと切れていいが、形がやや古臭くなる

・固有名詞を使う時は、それがないとダメだという時のみ

・誰にでもわかる句は作るな

・俳句は意味をどんどん消す

・ドラマにしない

・現実に目の前にあることだけを言う

・季語の説明にならないように

・俳句は短いから難しい。短いから面白い



海紅句会の翌日は

響焔の春の合同吟行会「新樹会」でした

今年は葛飾・柴又に

生憎の花の雨で、もう寒くて寒くて・・・

頭の中の6割は「寒い」

3割は「熱燗で鰻を食べたい」

残り1割「出句どうしよう・・・挨拶どうしよう・・・」

新樹会のご報告はまた・・・




読者さまへ

せっかくコメントをいただきながら

いつも返信が遅くなり本当に申し訳ありません

必ずお返事いたしますのでこれからもよろしくお願いします

コメント、いつも嬉しく、励みになっております

ありがとうございます