貽貝食う大きな男の大きな靴
作者は20年ほど前に、当時フランスのオルレアンに駐在の米田主宰のご主人、米田透さんを訪ねて響焔の有志の方々とロワール地方を旅している。パリには行けても、オルレアンなどは、言葉のわからない日本人が、そうそう行けるところではないので羨ましく思ったのを覚えている。掲句はその時に詠んだもののようだ。
ここで云う貽貝とは、どうやらムール貝のことらしい(ただし厳密には別物とのこと)。
フランス旅行での吟行句とわかって読むと、一読、鼻の大きな労働者風の男が貝を食べている様子が浮かぶ。さしずめジャン・ギャバン、あるいはジェラール・ドパルデゥというところか。「大きな靴」まで云ったことで、この男の背景も想像できた。きっとキャスケットも被っているだろう。
我が家の薔薇
もう満開を過ぎました