二代目モニカの日々・・・ときどき俳句

【日々のいろいろ、十七文字の世界】二代目モニカです✨日々の出来事やときどき俳句も🐰

響焔5月号〜聰俳句鑑賞

2021年04月26日 | 俳句

春でなく夏でもなくて五月晴
    
 やや、これはかなりの問題作。季語が三つ、である。
 うむ、だけどこの句の季語は間違いなく「五月晴」だろう。「春」も「夏」も「五月晴」のことを言うための言葉に過ぎない。
 梅雨時の晴れ間。もう春の余韻は感じられない。日本特有の蒸し暑さに夏がもうそこまで来ていることを感じる。とは言え、時折吹く風が心地よく、まだ夏の暑さとは違うと思う。まさに春でなく夏でもない五月晴。言われてみればそうなのだけど、誰もこんな風に詠んだ人はいない。作者は季語を三つ使うという離れ業までしても、どうしてもこう言いたかったのだ。普通じゃない。だから面白い。ハッとする。
 歳時記の季語ではなく、身体の中から出てきた季語だ。季語は作者の意志、決意なのだ。



今年最初の薔薇が咲きました



 

最優秀作家賞をいただきました

2021年04月04日 | 俳句
私事ですが…

響焔の令和2年度最優秀作家賞(火炎賞)を

いただきました

米田主宰に選んでいただいた

昨年の私の句15句です


「私小説」

お日様に好かれた木から秋深む

烏瓜すでにこの世のことでなく

色ながら散る乱文を許されよ

新橋のサラリーマンという時雨

文学と夜のはざまの冬林檎

確信に変わる三月の曲がり角

前世は世捨て人なり山桜

消息のわからぬ愛や花は葉に

薔薇色のリボンを解けば誕生日

六月や人に倦みたる人の群

打水のすぐ乾きたる昼の街

少年はジャックナイフか夏蝶か

蟻地獄見てそれからの私小説

東京や一寸先は虫の闇

一人ずつ来てみな帰る秋の浜


賞の名に恥じないように

これからも精進いたします

ありがとうございました