京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

初観音に石山詣

2019年01月18日 | こんなところ訪ねて
『枕草子』に「寺は…石山。粉河。志賀。」(208段)とある。


石山寺(滋賀県)は聖武天皇んの勅願による、奈良時代創建の寺院。大きな山門は東大門と呼ばれ、三間一戸八脚門(さんげんいっこやつあしもん)で、1190年の建立になるらしい。三間一戸とは正面の柱間が3つ、その中の間が戸口で、八脚門とは、扉のある本柱筋の前後に4本ずつ計8本の控柱のある門をいう、と。正面の大柱2本に石山寺と書かれた大提灯が下げられ、その左右に運慶、湛慶作の仁王さんが立っている。

紫の幕がかかる「源氏の間」は紫式部が『源氏物語』を描いたところと伝える。


     初観音で参拝し、如意輪観音に対面した。

何度かの参拝は車で向かっているが、今日のような電車を乗り継いでの参拝も良いものだ。学生時代以来で、寺まで300m余りの道を記憶を掘り起こしながらゆっくり歩く。
平安時代には都の皇族や貴族が次々と石山寺に詣でていた。長谷よりもぐんと近いのも利点だ。朝一番に発った一行は夕刻にはたどり着く。おおむね2泊3日の滞在で、女官たちにとっては唯一の息抜きとなり、格好の小旅行だったようだ。


近場で、お金をかけないで、こんなにささやかな日帰りの息抜き、気分転換であっても、生活の楽しみを作り出すためには一つの工夫であり知恵でもあるか。焚火にあたりながら、しじみ汁をいただいた。もっと賑わうのかと思っていたのだが、梅を待つ人が多いのかしら。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
石山詣で (ryo)
2019-01-19 06:46:05
由緒あるお寺ですね。
電車など乗り継いで
行かれるのも良いですね〜
源氏物語を書いた処
思いを馳せるのもたのしいです。
今年は初詣もしていません。
私も氏神様は行かなくては..
歴史と現在と… (kei)
2019-01-19 10:17:06
改めてこの寺の持つ歴史、古人との関わりを思いました。
「蜻蛉日記」では参詣の様子までわかりますし、
文学作品を通して知る石山詣に頭の中は時代を遡っていきます。
小刻みに電車を乗り換えないとならないのですが、車窓から琵琶湖を時折望めたりできます。
人とのつながりも大切に思っていますが、自分だけの時間を持つことが好きなようです。
氏神様へはぜひに、ですね~。
石山寺 (Rei)
2019-01-19 11:28:29
京都は歴史の宝庫と言われていますね、
市内はもとより足を延ばして郊外にも・・・
よいところにお住まいです。

出歩けばいろいろな発見があるもの>
これも歩ける足あってですよね。
こちらのブログで初体験やら、また昔覚え知ったことなど思い出して
関係の本を繰ったりとヒントいただいています。感謝です。
今のうちにと…、Reiさん (kei)
2019-01-19 16:03:31
1度だけ、四条通から南に下がったゑびす神社に行ったことがあるのですが、
その向かい、少し先に禅居庵がありました。
それを知りませんでした。
ふらっと歩いていても出会いは多く、楽しいです。

護王神社の前を午後遅く車で通りましたら、あの塀沿いに行列ができていまして、
御苑のほうからも続々と速足の人たちが…。
何ごとかと思いましたが、参拝者殺到の記事が翌日載りました。
入場制限をしたらしいです。

『蜻蛉日記』で石山寺参詣の様子がわかり、紫式部日記、御堂関白記などこの時代への関心もありますが、
『サムライダイアリ―』もまた日記に基づいて、知れることは多そうですね。
まずは本屋さんでのぞいてみたいです。
石山寺、とても「懐かしく・・・。 (yo-サン)
2019-01-30 01:27:24
ご無沙汰を致しました。メッセージとてもうれしく拝読致しました。心より厚く御礼申し上げます。
恐るおそるクリックさせて頂きました。石山寺へお参りでしたか。涙がホロリです。
母の故郷が大津で、JRの最寄駅が石山です。それで石山寺へは何度も参りました。
たしか、今上天皇の即位のときにご本尊・如意輪観音様の御開帳にも参りました。もうかれこれ
30年にもなるのでしょうか。母と一緒に最後に参りましたのは十数年前でした。
こうして、記事や画像を拝見出来ましたのも、不思議なご縁と思うことしきりです。
身辺、為さねばならないことが山積しており、なかなかブログの更新も出来ずにおります。
またご無沙汰致すことかと存じますが、どうぞご寛容にお願い申します。どうも有難うございました。
                                     今年も春待ち人のyo-サンでした。
ご丁寧にありがとうございます、春待ち人のyo-サンさん (kei)
2019-01-30 22:10:35
ご無沙汰いたしました。
お母様の故郷が大津とは、何やら親しみすら覚えます。
私は軽い息抜きを兼ねて時々ですが参拝します。
瀬田川沿いを歩きました。

ほんとうにお淋しいことです。
実母を亡くしました時、義母が「物を見て思い出すんやなあ」と形見となった品々を前にして言葉をかけてくれたこと思い出します。
思い出してジーンとしておりますが、その義母も来年7回忌です。

水仙の花にもしみじみ思いを馳せてらっしゃいますことでしょう。
為さねばならないことが多々おありですのに、こうしてお訪ね下さり恐縮です。ありがとうございました。
寒さ厳しき折でもあります。どうぞどうぞお身体おいといくださいますように。


遅くに失礼致します。 (yo-サン)
2019-02-05 01:00:30
今一度拝読したくなりました。
>実母を亡くしました時、義母が「物を見て思い出すんやなあ」と形見となった品々を
前にして言葉をかけてくれたこと思い出します。
keiさんのお母上のことなど、またお聞かせ下さいませ。

お義母様のお言葉、本当に仰る通りです。今更ながらしみじみと、在りし日の母に思い
を馳せております。
諸々の雑用がすみますと、日付が変わっています。深夜の訪問者なんて、お恥ずかし
い限りです。失礼致しました。
なんといっても心の支え、yo-サンさん (kei)
2019-02-05 18:40:45
こんばんは。
長くご一緒に暮らしておいででしたから、お姿が消えた寂しさは一入かとお察し申し上げます。

母が亡くなってもう30年になろうかというところです。
5月の連休に私どもの所に両親が遊びに来て、どこと言って変わりなく機嫌よく帰りました。
それから間もなくでした。もう末期だとのことで入院、手術でした。
今は亡き弟が(義妹と)父を支えてくれました。宣告された余命より少し長く生きて、2度目の入院を最後に帰らぬ人に。
弟がちょっと家に戻ると言って病院をあとにしたとき、私が母の異変に気付きまた。最後は病院で、父と一緒に母を見取ることができました。
子供たちが幼く、しかも長女の体が弱くて、なかなか見舞うことができませんでした。もっと無理してでも行ってあげればよかったのかなと思ったりします。母の3年後に父が亡くなりました。

父の几帳面さと母の(良い意味での)大雑把さが私の中には同居しているようです。
少しばかり父の几帳面さが勝ってしまっているようで、もう少しユルサがあっても良かったなあ~と…(笑)

離れて暮らしておりましたので、心配をかけまいとした日々でした。たまに愚痴りますと、「困ったわねー」が口癖でしたね。それ以上言葉をはさむことはありません。
まだこれからと思える年代でしたので、楽しませてあげたかったなあと悔やむことはありますが、寿命ですよね。二人のいのをち私がいただいているのでは、と思っております。

私は仏教のことなどしっかり学んではおりません。
法話をいただく中で、あるいは興味の赴くままの読書から、そして義母の言動から、学び得たことがあるくらいです。yo-サンさんのブログから教えていただくこと多々あります。

お忙しさでお気持ちもまぎれる時もおありでしょうが、お一人になられた時など、どのような思いでお過ごしかとお察ししますと、やはり悲しくなってしまいます。母の存在大きいでね…。

思いつくままに…。失礼しました。昨年の豪雪が思い出されます。温かな春が待ち遠しいですね。どうぞお身体大事にお過ごしください。



恐縮至極です。 (yo)
2019-02-09 02:02:38
しみじみと拝読致しました。どうも有難うございました。
勝手なことをお尋ね申しまして、keiさんには、ご両親様の最後のことなどを想い出させてしまい
申し訳ございませんでした。いつもながらkeiさんの文章からお人柄が偲ばれて、私の心にも
平静さが訪れ、癒されゆくひと時でした。

5日が丁度49日に当たり、次女と二人で法要の真似事を致しました。11日には、お寺様に
お越し頂き、近親相集いまして、これまた細やかに法要をと思っております。今日は仏具の
お磨きなどしながら、分からないことを、つい母に尋ねようと思ってしまうのでした。
お浄土の母も苦笑しているのでは、と思っています。

こちらは積雪こそありませんが、時折風花が舞い寒い1日でした。やがてお涅槃ですね。
春もそう遠くはないと思いなおしております。   
それでは余寒なお厳しい折柄、どうぞお身体おいとい下さいませ。どうも有難うございました。
   風花の舞うもひと時儚けり

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