京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 早春の湖上

2013年02月20日 | こんなところ訪ねて

「魞挿す」 魞(えり)は定置漁具で、魚の通る道に、何本もの青竹を迷路のように挿し、外側から竹や葭(よし)の簀(す)・魞簀(えりす)を張り巡らしてある。そして、その先端に仕掛けた魞壺に魚を誘い込んで捕獲する仕掛けになっているのだそうな。そのための青竹を挿す作業を「魞挿す」といい、2月から3月中旬に行われる。琵琶湖の魞は仕掛けも大掛かりらしい。

手前には水鳥の姿が揺れる湖面に多くあったが、その向こうに魞を挿した早春の風物詩が見てとれた。魚の通り道とは、知る人ぞ知る。年齢を重ねた人の体験や知恵の尊さ、それを継いで味わう機会がまた貴いことだろう、な。



           竹積んで魞挿す舟と覚えたり   高浜年尾
           魞挿して波をなだむる奥琵琶湖  福永耕二

比良の山々にも雪が光り、湖岸に下り立つと風は強く、打ち寄せる波で足元を濡らしそうな勢いだった。
よく見る光景だったけれど、知らないことも知ったなあ~、と思って。
コメント (8)
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