京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「最初はグー」

2009年02月24日 | JESSICAの日本滞在記
「勝たんと打つべからず、負けじと打つべきなり」
こんな一節が、双六遊びの名人のことばとして『徒然草』にある。“一目でも遅く負けになる手でいきなさい”と。

もう手がないとわかるや、ぐちゃぐちゃっ!と証拠隠滅にかかり勝負を御破算にしてしまう。家族でゲームやトランプなど楽しんでいた子供の頃の記憶にある。
どうでもいいことはどうでもいい反面、案外こだわった勝ち負け。勝ちたがりの性癖か。

クラス対抗のリレー競走。欠席者による穴は進んで埋めに加わる。2人分・200メートル走るなど朝飯前。もう半周ぐらい…の余裕を残して。抜くことの快感ね……。相手は中学生だというのに。放課後のレクレーションだというのに、一生懸命になって勝ちに行くことで盛り上がり……楽しんだなあ。まだ23・4歳の時だったから、負けやしなかった。
ちょっぴりの“わる”など、ニコッと笑ってコロッとさせて、単~純、みんなついてきた。

「最初はグー、じゃんけんポン!」「つぎはJessieグーだすからね」???
途中で集中切れ、わけもわからずグッチーパーを繰り出す“赤ご”を相手に本気になって、勝っちゃえ!真っ赤ないちごが姿を消してゆく。
「あーん!マミィ―!!!」悲鳴が上がる。「Jessieのいちごない―っ!!」
どこで覚えたか(見当はつくが)、「とろいおばさん」を連呼するこしゃくな3歳児だ。情けなど無用。

「物に争わず、己をまげて人に随い、わが身を後にして人を先に」するべきだそうな。
あの若く美しき在りし日は消え、“とろい”どころかあさましい婆さまになり下がってしまった。
この報い、Jessieは何を要求してくるだろう。三つ子の魂、ああ怖い。

コメント (11)
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