KYOKUKENZO'S WORKSHOP 2024

「道」は自ら切り開くもの。
他人の後追いは「道」にあらず。

兄のこと。

2018年04月08日 | 歳時記
私は男ばかり4人兄弟の
三男坊として生まれた。

生まれたときから
真っ黒い顔をしていて
健康そうな三男坊で健三よ。

母は笑いながら話していた。

私のすぐの兄の名前は悌二。
長兄の弟で次男だから。

私より4つ年上で
幼少時の私の師匠だった。

とても優秀な人だった。
札幌M高からストレートで
H大学工学部に合格。

卒業後は
静岡の重電機メーカーに
技術者として就職した。

静岡へはよく遊びに行った。
私が行くとお友だちが
みなさん集まってくれて
遅くまで酒を飲んで語った。

みなさん頭の良い方ばかり。

だから、話題も豊富だし
ものごとの見方考え方が
とても新鮮に感じた。

私もずい分と影響を受けた。

いちど兄の研究ノートを
見せてもらったことがある。

ページをめくると
数式がギッチリ並んでいて
なにが書いてあるのか
一行も理解できなかった。

私も一応理系だが
同じ理系でもレベルが違う。

その研究ノートは
20冊以上はあったと思う。

特許もたくさん取ったと聞いた。

私が仙台に住んでいたころ
久しぶりに兄弟4人
札幌に集まって酒を飲んだ。

その帰り道。

兄と肩を並べて歩きながら
将来のことなど話し合った。

「お兄ちゃんと仕事がしたい」

と私が言うと

健三の仕事は食品系。
いずれは家業を手伝え。
オレは研究職。一生技術屋だ。

兄はきっぱりと応えた。

その翌月、母から電話があり
私は静岡の病院へ向かった。

それからわずか5カ月
彼はひとり旅立っていった。
kyokukenzo

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