GHSという言葉はお聞きになったことがありますか?
Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略語です。
日本語では、「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム」と訳されています。
化学物質は色々な場面で使用されており、人間の生活には非常に有益なものですが、その性質によっては、
危険性や有害性があり、取り扱うにあたって注意を要する場合があります。
この為、其々の国が、化学物質の危険性や有害性を独自の方式で表示していました。
しかしこれでは、同じ物質なのに国によって、又は地域によって表現がまちまちで、よくわからないと言う弊害がありました。
この弊害を取り除くために、国連が中心となって、国際的に調和された化学物質の分類及び表示方法を長年の検討を経て、まとめたものがGHSです。
そして、各国が化学品管理の法規、規格にGHSを取り入れてきました。
いまでは、世界中の国の中で半分以上の国が、化学品管理のために、GHSを取り入れた新しい法規、規格を発布・実施しております。
しかし、これが予想外の問題を生み出しています。
それが、世界統一化が難しい世界統一規格!、です。
GHS基礎のルールに従っていれば、世界中同じ規格に統一できるので、国ごとに言語が違っても、SDSやラベル作成はそれほど苦にならないと思えますが、
実際は各国がGHSを取り入れて、法律や規格に展開すればするほど、どんどん複雑になっています。
これはGHSが強制規格ではない為、各国の法規制や固有の事情により、危険有害性の区分選択が各国政府にゆだねられていることが主因です。
この他にも、GHSが強制規格ではない為、GHSには規定されていない事柄を、SDSやGHSラベルの規定に各国の事情で盛り込むため、バラバラになってきております。
バラバラな部分の詳細の説明は、
我が社のホームページに委ねます。
混合品のGHS分類の基礎になる単一化学品のGHS分類にしても、以前は日本、欧州、オーストラリアなどの先進国の政府機関が発表した分類結果だけでしたが、
現在では、東アジアだけを見ても、中国、韓国、台湾などが独自にGHS分類結果を発表しています。そして、中国や韓国では自分の分類結果を強制する有様です。
ですから、日本の独立行政法人である製品評価技術基盤機構(NITE)が発表しているGHS分類だけを使っていると、問題が起こる可能性も出てきております。
このように、SDSとGHSラベルを作成するだけでも、複雑極まりない状態になってきており、このような部分に多くの人材を割けない中小企業に於いては、明らかに輸出市場への参入障壁になっています。
この中小企業にとっての参入障壁を取り除く助けになればとの思いで、私どもが開発したのがi.Bou-GHS_MLです。MLは多言語版の意味で、現在は12か国に対応しています。
対象国は、日本、タイ、インドネシア、ベトナム、台湾、韓国、中国、アメリカ、メキシコ、ドイツ、フランス、イギリスです。
上記のグラフからお分かりのように、前述の12か国で日本からの化学品輸出の90%以上を占めます。ですから、この12か国を押さえていれば、実質的には十分です。
日本では、SDS作成ソフトでi.Bou-GHS_ML以外にも、多言語版と呼ばれるソフトが、3-4社のメーカから販売されています。
これらのソフトは、40か国以上に対応しています。製造元のメーカーは、全て欧米のメーカーです。ちなみに、多言語版を出している日本のメーカは、我々のi.Bou-GHS_MLだけです。
そして、彼等の価格は、i.Bou-GHS_MLの価格の10-100倍であり、一般的には中小企業が手を出せる価格レンジではありません。
それに欧米のメーカーであるため、日本からの輸出の多い東アジア、東南アジアにはあまり強くありません。
実際、彼らのソフトの対象国は40か国以上を誇っていますが、このうちの24か国はEU加盟国です。
興味ある方は、是非我が社のホームページにお立ち寄りください。URLを下記しておきます。
http://www.msds-ghs.com