足場屋さんが瓦を割ってしまってね。
村尾さんがいつもの軽い調子で電話をしてきたので少しイラッとした。
十五年前の建物の塗装工事の足場を組む際に割ったという。
十五年前と言うといよいよ平板瓦が台頭し主役の座を和瓦に取って代わったころだ。
平たい瓦はシンプルであると同時に各製造メーカーの特色は埋没する。
そこで各製造メーカーは表面の模様を変え、色を替えしたその結果、瓦の種類は爆発的に増えてしまった。
そのくせ今度は生産効率を高めるために売り上げの少ない商品は廃版にした。
そのお家は確かに記憶にある。新発売の瓦を勧めた気がする。
記録を見たら確かにそうだった。
迂闊にも在庫を置いていなかった。
どうすんだ!
製造元に電話したらもうないけど誰か持ってないか探してくれるという。
一か月後に届いてこの件は解決した。
さて今日の現場は篠山で、大きい屋根の天窓三つのうち二つは撤去と言う工事。
慣れた工事なので油断した。
ストリートビューで瓦を確認し特に問題なしと軽く引き受けた。
現場へ行くと木野と白百合がすでに天窓を撤去し野地を補強している所だった。
瓦を見た瞬間愕然としましたね。
通常、平板瓦の利き幅は303mm~306mmである。
しかしこれは340mmある。
ほんの半年間だけ製造されたという幻の瓦やないですかー!。
今日、二人に持たせた補充用の瓦は303mmの通常品である。
そもそも340mmの瓦はもうない。
数年前に苦労して手に入れた十数枚の瓦は、すでに手元にはなくなっていた。
つづく
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