言の葉ひらひら - Wordy Leaves Dancing

「はじめに言葉があった」
"In the beginning was the Word."

惚れ直したわ、MK

2008-02-29 | 本の葉
やっと日本語でインターネットが出来る環境になってNSやり過ぎなんですが(←わかります?)、ふと宮沢賢治のサイトに行って「農民芸術概論綱要」を読んでたんですよね。そしたら…この一行で速攻やられてしまった!

「詞(ことば)は詩であり 動作は舞踊 
音は天楽 四方はかがやく風景画」
どうですか、ありきたりの日常生活が芸術に変わってしまう、この名文!

「芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある」
ヤバイかっこいいですね。惚れそうです。仕事場にもさっそく書いて張りました。いや、教えるのは好きなんですけど、マル付けとか事務的な作業って私にとって灰色労働なんですよ。(ENFPだし。)でも、頑張るわ、賢治!(←誰だよ。)

「世界に対する大なる希願をまず起こせ
強く正しく生活せよ 苦難を避けず直進せよ」 ヒーローだわ。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」 
あまりにも有名。

「かけた情けは水に流し 受けた御恩は石に刻め 」
かけたものも受けたものも両方流してるかも。ハイ、石に刻みます。特に神様からの御恩を、しっかりと。

「なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ
風とゆききし雲からエネルギーをとれ」
おおお。風と雲をこよなく愛した賢治の童話の世界が私の中にどっと蘇ってきた!いや私、小学生の頃すごい賢治フリークだったんですよ。童話集全巻読破して、先生に「作文が宮沢賢治風になってますね。」とか言われて。ものすごい好きだった。お話の内容ももちろん好きだったけど、オノマトピアの語感や、想像五感をいっぱいに広げられる、その世界に惹かれてた。中学の卒業説教では「銀河鉄道の夜」のさそりの星のエピソードを使わせてもらったし。今思うと、私の心の原風景は賢治の世界だったのかも。体は東京に生まれ育ちながら、脳内野育ちなのはそのおかげ(?)なのでしょう。しかし、大人になってからは彼の詩「春と修羅」がよくわからず、童話どまりだった私。(いや、「告別」は良いと思ったな。)しかし今またこうして出会い、再び賢治にフォーリン・ラブ!(すいません、今回は興奮気味で…)

そういえば、祖父は「雨ニモマケズ」が好きだったらしく、いつも部屋に飾っていた。古くなったら取り替えて。祖父没後、それを勝手に国外に持ち出し自分の部屋に飾っていたら、「あんたが持ってたのね!」と母に怒られた。 …ところで、こんな面白いものを見つけちゃいました。「雨ニモマケズ東北弁朗読」 いかがでしょう?東北弁も手伝って、非常に味のある朗読でスた。この「ソウイウモノ」さんは、ちょっとお人よし過ぎるんでない?と思ってたこともあるけど、やっぱりいいですね。なりたいかも。基督を思わせるな。

それから、またしばらく賢治関連ネットサーフィン、いやリサーチを続けると、こんなものが!
爆笑問題のススメ - 人生を変えた一冊」(←読むバージョン)
1 / 2 / 3 ←観るバージョン)
この番組も好きだったですね~。(とは言っても、たまたま日本に帰ってた時一回くらいしか見たことないけど。)これが最終回らしく、太田光氏、熱く語っております。Wikipedia によりますと彼は大変な読書好きで年に100冊以上は読んでいるとか。で、彼のベスト本3冊のうちに、「銀河鉄道の夜」が入っています!一冊目は太宰治の「晩年」、それと対をなすのが「GTY」、ラストは忘れたけどbyサリンジャーでした。(ライ麦ではない)彼は「晩年」を読んでいて「これ、自分じゃん。自分しか知らないと思ってたのに…」と思ったそうです。「私にとって本は生きてきた証。」とも言ってました。やはり「人は一人ではないことを知るために本を読む」のですね。あと、番組の最後で太田氏が読書の魅力というものについて語るところが非常によかったです。これは、これから学生達に文学を教える際に忘れてはいけないな、と思いました。文章読ませて四択問題で答えさせて測った読解力なんて、なんぼのもんじゃい!ってね。まぁ、TOEFLとかSATとかあるから、そういう答を見つけるテクニックも現世では必要なんですが。そこで知力消耗させずに、自分にしかない、もっと深い読みを追求させたいものですね。

それから、今までアートの話のなかで、「孤島と大陸」「弧心とうたげ」として語ってきたところの集大成を「農民芸術概論綱要」に見つけてしまった。。。 (「芸術」の代わりに「俳句」や「宗教」や「愛」など、好きな言葉を入れられるのもミソ。)

「芸術のための芸術は少年期に現われ 青年期後に潜在する
人生のための芸術は青年期にあり 成年以後に潜在する
芸術としての人生は老年期中に完成する
その遷移にはその深さと個性が関係する」

完全にやられた。37歳の若さで没した賢治の遷移のスピードはいかほどだったのだろうか・・・私はやっと青年期、まだまだ青いぞっ、と。

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3 コメント

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Unknown (MH)
2008-03-01 02:26:36
MKって、誰かと思ったら宮沢賢治か~。ほんまにかっこ良いねぇ^0^。

言葉の感覚がとてもとても鋭く、かつ若葉のようにフレッシュな人だ・・・。

あ、でも言うほど宮沢賢治の作品を沢山読んだことないかも。大人になった今、もう一度じっくり読み返してみたいなぁ。
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私も!!! (Luna)
2008-03-01 02:58:18
宮沢賢治は私もだ~~~い好きな作家です!!
昔、JRがキャンペーンでお正月だけ新幹線
に乗り放題で1万円!!という企画をやっていて
なんの計画も立てず勢いで飛び乗って
どこまでいけるか一番遠いところまで行ってみよう!
と、行ってみたら岩手県に辿りついて、
当時なんの知識もなかったのですが、花巻市は
賢治さんの故郷で、まるで導かれる様に
彼の美術館や注文の多いレストランに行きました。
余談ですがわんこそばを101杯平らげたり
本当に楽しい思い出深い旅となりました。
「ツェねずみ」というあまり有名ではないと
思いますが大好きな作品があります。
すっごくオカシイです。また読みたいなぁ~
くりちゃんはユーモアと言葉のセンスに
満ち溢れた賢治さんのような人が
パートナーにぴったりかもね!
PSかの有名な「雨にも負けず」は、クリスチャンの
先生をモデルに賢治さんが創作したそうですね。
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Unknown (kuriks)
2008-03-08 04:26:18
あらあら、誰かと思ったらこんにゃくMHちゃん。(いや、すぐわかったって)ホントホント、MK氏は若葉のようにフレッシュ、でも、フツー老年期中に完成する芸術としての人生を30代で完成。渋いわ。宮沢賢治の作品は、今回のブログの本文の「童話集全巻」ってところをクリックすると読めるよ!是非是非、読んでみて。じゃ、来週ね! 

ルナさんの新幹線大冒険&わんこそばのエピソードはecで伺いましねぇ。瞳が輝いてましたから!特に101杯ってとこ、しっかり覚えています!旦那さんも負けていなかったような…「ツェねずみ」読んでみました。面白いですね。このツェねずみ君、かなりヒネクレ者で被害者妄想激しいですが、ここまであからさまではなくても、自分にもこういう部分があるんじゃないかと反省しつつ、読みました。「雨にも負けず」は、クリスチャンの先生がモデルだったんですか!?知らなかったな~。それを知るだけでも、今回の投稿は意味がありました!では、来週お会いしましょ~!
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