木々が生い茂る緑の国・・・
山の中育ちの田舎者には、山が覆いかぶさる窮屈な場所に立ち・・・
手の届かない高く青い空に・・・ぼんやり目を向けていた・・・。
緑の険しさが・・・今よりずっと100年ほど前は、険しく緑は濃くて・・・
空気の濃さで胸が詰まるほどだったのかも知れない・・・。
近くの雑木林がみるみる平らになって・・・山の緑が土色に削られて・・・
知らない道がスルスル伸びて行く・・・。
知らない場所が増えて・・・隣に居た緑が見えなくなると、急に息苦しく胸をお抑えてみても・・・
たぶん気にする事無く呼吸を整え・・・スカスカと気安く生きている・・・。
飛脚があっという間に京都まで走り抜けたのは・・・
友達が捕まっている訳でも無く・・・家族の誰かが病気になっているのでも無く・・・
空気が濃くて・・・元気に走れたからなのかも・・・。
見渡す場所に・・・どれほど緑が残れば丈夫なのか・・・
暮らしに必要な木々は・・・何本あれば胸は苦しくならないのだろうか・・・。
世界に手を伸ばして自分達の暮らしを守るけれど・・・
何処かで気付いて胸を押さえいる・・・子供達がいるのかも知れない。