くにたちの大学通りのカンザクラ(撮影3月9日)です。カンザクラが散ると春本
番。並木の桜の蕾を色つきはじめています。東京は25日開花、4月2日~5日頃満開です。いよいよ春本番です。自宅前の桜の蕾は日に日に赤みを増しています。4月は移動の季節でもあります。いろいろな思い、目的で人が動きます。桜をどのような思いで迎えるのでしょうか。これも人の人生の1ページです。
さて、「しらかし」とは?この木なんの木、気になる木です。実は5月20日(學士会
館)に小生が事務局を担当している全国土壌改良資材協議会の創立30周年記念式典で記念講演をお願いした「宮脇昭氏」(植物生態学者86歳)の著書「森の力」を読んで知りました。徹底した現場主義で国内外で木を植えよう!と提唱し、植樹を精力的に進めています。植樹の樹種選定の原点は地域の「鎮守の森」にあります。そこには潜在的自然植生の森、木があります。その木を主木に高木~低木、下草までを密植・混植するのが宮脇方式です。
植樹は自然災害と地球温暖化から人間の命を守る木となります。3・11で被害にあった東北の海岸線300キロに瓦礫を活かした植樹復興プラン「森の防波堤、森の長城づくり」が始まっています。潜在自然植生とは、人間が植物に対しての干渉(伐採、火入れ、土地造成など)をすべてやめた場合に、生育する植物がつくる自然の森です。その土地の潜在自然植生の主木群は、鎮守の森、古い屋敷林、斜面林などに残されています。
国立市の潜在的自然植生を探してみました。谷保天満宮と城山(三田城趾)にあ
りそうです。城山は中世期の豪族の屋敷跡と言われ武蔵野の雑木林の面影を今も残しています。青柳段丘の上にあり段丘の下はハケと呼ばれ湧き水が流れている田園地帯です。現在この一帯を武蔵野の散策路・くにたち農の里としては開発が進められています。26年には農産物の直売と体験・交流のできる拠点施設が出来るのが楽しみです。整地が終わり作付けを待つ農地に菜の花が咲いています。隣接してヤクルトの研究所があります。
城山で見つけたのが常緑広葉樹「しらかし」です。平成元年3月に保存林の指定を受けています。一目見てとにかく幹の途中のごつごつしたコブの異様な形状と露出した根の張りの力強さには驚きとともに圧倒さ
れました。あたりの竹林にやぶつばきが咲いています。やぶつばきは潜在自然植生の樹種です。他にもいろいろな樹種がありますが、今後の楽しみとします。
植樹のもとはドングリ拾いから。ブナ科の落葉植物のコナラ、クヌギ。常緑広葉樹のブナ科のシラカシ、アラカシなど。落葉でない常緑広葉樹のドングリを広い、ポットの中で育てて、10センチぐらいに育ったら植樹します。1年半から2年で50cmの幼苗に成長します。企業、NPO法人が行っている植樹祭に参加して体験してみるのも楽しそうです(写真はクリックすると拡大します)