小金井市のNPO法人が雨水を活用した1ヶ月水やり不用の木製自動灌水プランターを開発しています。 そのことに関する取材に住環境、建築の専門家の方と埼玉県飯能市の「ひきちガーデンサービス」に出かけました。 写真はマンションのベランダと商店街に置かれた雨水自動灌水プランターです。 曳地ご夫妻は植木屋さんで修業を重ねて現在はオーガニック・ガーデンの造園業をしています。2006年NPO法人日本オーガニック・ガーデン協会を設立し人材育成にも取り組んでいます。
ご夫妻の著書に「オーガニック=有機的な」という言葉は、最初「無農薬有機栽培された農作物」の意味で使われいた。時代が変わり本来の「有機的なつながり」という意味あいでも使われるようになっている。オーガニック・ガーデンとは「いのちのめぐる庭」と書かれています。
オーガニック・ガーデンのキーワードをお聞きすると「余計なものを持ち込まない、持ち出さない、しない」の3つ。つまり農薬を持ち込まない、表土を持ち出さない、生ごみを廃棄しない。庭の条件は「多様であること」」「循環すること」「地域特性があること」「楽しく使いやすい庭にすること」が考え方のポイントです。
雨音堂(あまねどう)と名づけたお住まいは伝統工法で自分で設計して建てられました。釘なし楔でボルトなし。国産材使用(西川材)、壁は漆喰仕上げの泥壁、基礎は子どもの頃潜り込んで遊んだ独立基礎で縁の下の向こうまで見えるつくりです。
西川材は飯能市、日高市周辺の杉、ヒノキなどでを江戸から西の川を下って江戸城の築城に使われた良質の木材を西川材と呼ばれ地元では毎年の西川材フェアを開催して力を入れています。また、五味さんという方が運営している有機本業では国内フェアトレードのコンセプトで国産材の雑貨(割り箸など)、クスノキの障のうなどの国産の天然素材製品の開発とネット販売など興味深い話を聞くことができました。
まず、玄関脇の雨樋から受けて貯留するスチール製の雨水タンクです。 みずやり、汚れ落としに使用しています。冬は雨が少ないので現在は使用していないそうです。次は自作の生ごみ木製コンポストです。箱は3つあって1番目に生ゴミを入れて切り返しながら2~3番目に移します。3番目が最後で冬場は3か月で堆肥ができます。堆肥は余ると切り返しのとき土として再利用します。
レイズドベッドです。もともと園芸療法などで用いられたもので高床式、持ち上げ式花壇、菜園です。 腰かけたり、立ちながら楽に作業ができるので高齢者や身体の不自由な人、車椅子の人には便利で雨水活用自動灌水プランターに参考にしたい花壇です。
庭の薪置き場と隣家との間仕切りを兼ねた物置です。薪置き場に吊してある筒の束が地蜂(クロスズメバチ)が巣を作り虫を捕ってくれるためのものです。
物置は立って作業ができるように道具入れが腰の位置になっています。巣箱はシジュウカラの巣箱で巣立ちにはとても感動するそうです。最後はバーべキューは鉄製で使いやすさと仕舞いやすく工夫されています。
短時間でしたオーガニックとは何か。オーガニック・ガーデン「いのちのめぐる庭」は持続可能な社会を創造して行くための自分らしい生き方、暮らし方の基礎となる考え方を示していると思いました。帰りに飯能駅まで車で送って頂いた、その途中で間伐されずに荒れた森林(杉)を見かけました。戦後植林された人工林です。輸入材との競争、担い手不足、高齢化・・国産材をめぐる環境は厳しいものがあります。プランターは小さくとも国産材の使用を考えています。(すべての写真はクリックする拡大します)