パソコンがない時代、元同僚の女性AKさんは達筆な方でビジネス文書の作成で個人的にも大変お世話になりました。当時から「書」がご趣味だったAKさんが水墨画で参加された「第33回国際書画展(主催:国際書画連盟、後援:文化庁他)」を観賞して来ました。会場は六本木にある「国立新美術館」です。
会場の水墨画は山水画、花鳥風月が中心ですが上の3枚の写真は題材と水墨画の特徴がでているように感じました。最初は国際書画展の「国際」の意味がよくわからなかったのですが、参加者名簿に外国人はいません。外国の風景や建造物の作品を見かけましたので画の対象が外国も可なのでしょうか。確認したわけではにのでよく分かりません。 描いて作品だったと記憶しています。 SYさんは書を習っています。会場で多くの作品に囲まれていると中国の山水画を起源とする水墨画の世界は同じ漢字文化の国。日本の伝統、文化を担う芸術として日常生活にしっかりと根を張っています。
今回出品されたAKさんの作品は「道」。 ん曰く、書画は何枚も書き直す時間と筆を使う姿勢を保つため腕と腰に負担がかかり体力を要するそうです。昨年腰の手術で入院治療をしたために充分な時間と体力が整わない状態で3日間で描いた作品です。
普段は近所の書画の会で学びながら自宅で書画教室や老人ホームの習字のお手本を書くボランティアをされていると聞きました。一人暮らしですが書画を軸にした生活スタイルは充実しています。
観賞後、松戸から来られたKHさんと3人で館内のカフェでサンドイッチを食べながらの談笑。KHさんもともとは青森県弘前市の国語の先生をしていましたが退職して元同僚になりました。以来長いおつきあいのある方です。定年退職後に小説を書くことが夢で社会人大学で勉強をしていましたが現在は私事のため中断していますがまた再開するそうです。書画も小説も書くこと。自分を表現すること。自分の存在を知らせること。人が生きている証だと思います。そんなことを帰りの電車の中で考えながら趣味について自問自答。夏目漱石は小説「野分」の中で趣味は社会の油である。油なき社会は成立せぬと趣味が人間にとって大切であるかを書いています。上の2枚の写真は題材が雪の残るビル街の光景と競馬の「人馬一体」で現代風の題材の水墨画です。 左の写真の左側がAKさん右がKHさんです (写真はクリックすると拡大します)