黄昏時の道草の友、赤ちょうちんが灯る居酒屋が恋しくなる季節です。どんな街にも繁盛しているお店があります。私が引っ越してきた時からいつも開店と同時に待ちかねたお客で満席になる居酒屋があります。JR中央線国立駅南口から北口に抜けるガードを挟んで北側のうなぎの串焼き「うなちゃん」、南側の豚のもつ串焼き「まっちゃん」、旭通り商店街中ほどにあるやきとりの「柴さん」です。店主との世間話、味・値段、カウンター席に座った時の居心地・雰囲気の良さが常連客を引き付けています。
まっちゃん: 人草野心平も通ったそうです。店内に「お酒を飲まない人はご遠慮ください、女 性の方は土曜日にご来店ください」とお触書があります。店主のお客を もてなす心意気を感じます。居酒屋兆冶のモデルになったJR南武線谷保駅の「文蔵」は昭和50年(1975年)の開店以来31年間続けて来ましたが平成18年(2006年)夏に閉店しました。地域の住民に親しまれながらの閉店、本当にお疲れ様でしたとしか言いようがありません。
うなちゃん: 屋台から初めて現在の店で営業を始めたのが昭和39年(1964年)、店主は三代目です。 ガード際のこじんまりとした店は午後5時の開店と同時に待ちかねた常連さんで満員。屋台情緒たっぷりのお店です。うなぎの煙がむんむんします。うなぎの串焼きコース他うなぎの焼き物がお勧めです。
柴さん: 駅から徒歩約5分の商店街の中にあります。小さなカウンター席は煙に誘われた常連さんの話し声が聞こえます。気さくな店主と奥さんで切り回しています。映画、TV、CMに出演している国立(くにたち)在住の俳優TU氏が常連だそうです。日本はB級グルメブームで宇都宮の餃子、富士宮市の焼きそば、久留米市の焼き鳥などが有名です。各地でB級グルメを地域ブランドにするための地域の産業おこし、活性化の契機として脚光が集まっています。この3つの居酒屋は店主は意識していなくてもこの地域の居酒屋ブランドの役割を果たしているのではないでしょうか。(写真をクリックする拡大します)