雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

すばる はVC200Lで撮るものでは・・(それに薄雲も)

2014年10月24日 | 天体写真(星雲・星団)
18日夜、バーティノフマスクを付けたまま3時間もアンドロメダ銀河を撮影した後、
高く上ったプレアデス星団(和名 すばる)を撮影しました。
この時バーティノフマスクを付けたままだった事に気づきショックを受けたはずなのですが、
その辺の記憶が・・
(スカっとしない空で作品としてはあまり期待していなかったせいかもしれません。)

右下に、バーティノフマスクを付けたまま撮ってしまったアンドロメダ銀河も写っています。
TAMRON Zoom(f17mm F2.8) 30sec×4枚 KissDX(SEO-SP2)

撮影開始が2時をまわっていたため、薄明が始る(4時半頃)まで撮り続けたのですが、
3枚目あたりから薄雲がかかっていました。

プレアデス星団M45)はR200SS(f=800mm)では全景が収まりますが、
VC200Lではレデューサーをつけても(f1278mm)その一部しか撮れません。
撮影した画像を全部使って作成した画像です。

プレアデス星団 M45 (おうし座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 19am 02:23’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出15分×9枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温8℃ 冷却 -9℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
途中から出てきた薄雲で、星に見事な暈(かさ)がかかってしまいました。
この構図での見ものは、メローペ(中央やや左下の星)付近の刷毛ではいたような星雲なのですが・・
画像が荒れるのを承知で、薄雲のかかる前の4枚だけで処理してみました。
やはりモヤはあったようで、明るい星をすっきり仕上げることはできませんでした。

拡大すると気づくのですが、画像中央やや下に細い光の線が写っています。
元画像を調べたら、すべての画像に移動する光点が写っていました。
( 最初と最後の画像だけお見せします )
人口衛星にしては遅いので、小惑星でしょうか?

まだPHDガイドの検証は続いていますが、今回の撮影でRMSが小さかったのは以下の設定。
露光は1秒と短くしました。
タワみによる星の移動は今回もほとんどありませんでした。(⊿Ra=1.8pixel/H ⊿Dec=1.6pixel/H )
なお 次回からはPHD2を使って行きます。
( PHD2の表示画面例 )

( 電柱の蛍光灯は「防犯灯隠し竿」の先端につけたダンボールで隠されています。)
裏口の設営場所から見た午前3時頃のオリオン座です。
ご覧の通り障害物が多いため、南側の対象の撮影は道路側の設営場所を選びます。

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昨夜は移動性高気圧に覆われて、朝まで雲が無い
というGPV予報だったのですが、23時過ぎまで待っても雲だらけ。
あきらめて撤収して、寝る前に空を見たら星が・・
今夜の予報は微妙ですが、準備するしかないでしょう。

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アンドロメダ銀河で3時間もピント合わせ?

2014年10月23日 | それでも星は流れる
前回記事で18日夜、ケフェウス座のIC1396の後に撮ったアンドロメダ銀河
とんでもないポカをやった事をお知らせしましたが、それがこの画像です。

アンドロメダ銀河M31M110 (アンドロメダ座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 18 23:09’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出15分×9枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温8℃ 冷却 -7.5℃) LPS-P2FIL バーティノフマスク
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7

今回はまた見事にブレてるな、って思ったあなたは自分では望遠鏡直接焦点で撮影したことのない人。
日頃撮影している人は、記事タイトルを見ただけでどんなポカか予想できたのでは。
上の画像を拡大してみると・・
撮影DATAの中にも正直に書きましたが、バーティノフマスクというピント確認用の板を装着したまま、
3時間近く(15分×11枚)も撮影し続けたのでした。
(星の光は20%も通過してないのでは)
今回が初めてではないのですが普通は途中で気づくのが、
ドン・キホーテ(改)」で取り付けたバンドに見事に収まるようになって・・。
それと、空が良くなかったので撮影画像を見てもこんなもんだろうと・・。

そんな事とはつゆ知らず(次の撮影まで気づかず)、PHDガイドの検証に励む
雲上(くもがみ) なのでありました。

今回はPHD Guidingの設定値を変えて検証してみました。
波形を見てもわかりにくいので、RMS値(標準偏差)を比較してください。(小さいほど星のゆれが小さい)

◇ 露光時間 を変えてみた ◇
露光時間=制御間隔になるが、短い2秒の方が良い結果に

◇ Min mo を変えてみた ◇
制御信号発出のしきい値が倍以上もちがうのに、RMSは同じ値  (露光は同じ2秒)

◇ RA agr を変えてみた ◇
( 露光:4秒 Minmo:0.2 )
( 露光:2秒 Min mo:0.5 )
制御信号の量(送出時間)を何%に抑えるかだが、上の例では65%が良い

◆ 今回の検証の組み合わせの中で、一番悪かったものと良かったもの ◆
今後は、右の設定例を参考にPHD設定値を決めて撮影していく事になりますが、
問題はその夜の空気の揺れ具合によって設定値が大きく変わるのかどうかです。

この夜は肉眼ではまったくアンドロメダ銀河が確認できなかったのですが、
わずか30秒露光でも写真には写ってくれます。

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星像のブレはご覧の画像で確認のしようがなかったのですが、
タワみによる星の位置移動は1時間に4.6 pixelと許容範囲内でした。

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みんな薄雲のせい?(IC1396中心部)

2014年10月21日 | それでも星は流れる
17日(金)は予報がいい方に外れて夜半前までガイドの検証ができたのですが、
翌日18日は、予報では移動性高気圧の通過で徹夜での撮影が約束されていたはずなのに・・
20時過ぎてもこのありさま。
望遠鏡は最初の撮影対象に選んだ IC1396(ケフェウス座)の方向に向いています
この空では作品は期待できないにしても、ガイド星は認識できましたので
検証も兼ねた撮影を開始しました。
結果的には時々雲の通過があったのか大きく流れた画像があり、
(わたしの自宅撮影はときどきチェックをしますが、つきっきりではありません。)
5分露光15枚撮影のうち、ひどい3枚を除外して画像処理したものです。

IC.1396 中心部 (ケフェウス座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 わずかトリミングしてあります )
撮影DATA: 2014/10/ 18 19:24’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出5分×12枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温10℃ 冷却 -5.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
(画像処理で気が付いたのですが、カメラが傾いて接続されていたようで光軸の中心が大きくずれていました。)

こんな雲の通過でいつガイド星を見失うかわからない空では
まともな検証は無理と判断し、できることをやってみました。

[ 検証.1 ] ガイド用の信号を止めたらどうなるか?
星が東西方向にブレるのは過剰な制御のせいで、もしかしたら制御をやめれば
おだやかな波形になるのでは・・ ・・やってみました。(制御コードのコネクタの抜き挿しで)
予想に反して、コネクタを抜いたとたんに赤経(東西方向)のグラフは場外へ。
再度挿入したらちょっと時間をおいて戻ってきてくれました。
失礼しました。PHD Guiding はしっかり仕事をしていました。

[ 検証.2 ] 空の状態はガイド精度にどう影響するか?
これは何枚も撮影した画像から再構成してみたものです。
(RMS:偏差値を表し、小さいほど星のブレが少ない)

PHD 共通設定 露光:sec Ra agr:80% Ra hys:10% Min mo:0.2pixel
 
雲のある状態では RMS:1.16

雲が薄くなった状態では RMS:0.98

一見すると雲のない状態では RMS:1.22
RMSがグラフで表示されている時間帯(約7分?)の平均値であること、
雲は見えなくてもモヤはあるかもしれないし・・
あまり意味のあるデータではなかったような気がします。

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このあと目立った雲は出なかったのですが、
朝までスカっとしない空が続きました。
それに加えてこのあと撮った、アンドロメダ銀河では
最大級のポカをやってしまいました。
なにをやったかは次号で

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机上の空論、木端微塵(その2バブル星雲)

2014年10月20日 | それでも星は流れる
17日夜、VC200Lのガイド精度の向上を目指す検証のため
リング星雲の次に撮影対象に選んだのは、バブル星雲(しゃぼん玉星雲ともいう)でした。
リング星雲ではVC200Lそのままのf1800mmで撮影したのですが、
PHDのグラフでは相変わらず赤経(東西方向)が大きくブレており、
作品になりそうにない事から、レデューサーを付けてf1278mmと拡大率を抑えました。

今回は先に画像処理が済んだものをお見せします。

バブル星雲とM52 (カシオペア座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 左上の散開星団がM52 ・・・・・上 が北の方向 ノートリミング画像 )
撮影DATA: 2014/10/ 17 22:46’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出10分×7枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温9℃ 冷却オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7

上の画像を見ると星の流れは無くなったかに見えますが、
レデューサーで拡大率を下げたため目立たなくなっただけで、
まったく問題は解決していません。
下図は撮影画像で流れが目立ったものと、目立たなかったもの、撮影当時のPHDグラフです。
撮影画像では相変わらず東西(左右)方向の流れが目立ちますが、PHDグラフの波ではあまり違いがわかりません。
ただ、どの程度分散しているかを表すRMS(偏差値)は小さいほどいい画像になっています。

いつものガイドエラーグラフです。
各撮影画像の星の中心位置の変化をグラフにしたものです。
機材のタワみなどから発生するもので、前回はほとんど無視できるほどだったのですが・・
( 鏡筒の向きによってはガイド鏡以外の部分にもタワみが発生するのかも・・)

PHDの各設定値は 露光:4秒 RA Agr:70%  RA his:15%
今回はMin mo(制御信号の送出の許容値)を0.5、0.25、0.15 (単位は画素)に変えてみたのですが、
顕著な変化は無く、適正値はわかりませんでした。

結局は、その夜の各時間における大気のゆらぎの量が現れているだけ
なのかとも思ってしまいますが、それなら なぜ東西方向だけなのか?

今後は、より多くのガイド情報が得られるPHD2を使って引き続き検証を行っていきます。

最後に前回撮影したリング星雲と見かけの大きさを比較してみました。
(リング星雲は小さいけれど明るさでは負けていません。)

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もう10月も後半になりました。
うかうかしてると、雪国では毎日が鉛色の空になってしまいます。
それにしても秋なんだから晴れるならスカッとした星空になって欲しいものです。
今年は夏以降、撮れる夜が少なすぎます。

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机上の空論、木端微塵 (その1リング星雲)

2014年10月19日 | それでも星は流れる
18・19日と移動性高気圧の通過で全国的に晴れそうということで、
17日夜は旅疲れ(飲み疲れ?)もあり体力温存のつもりだったのですが、
○すけさんからの督促もあり、先日の机上検討の検証をすることになりました。

夜9時過ぎに最初に選んだ検証対象は、既に西に傾きかけたこと座のリング星雲M57
いつもはまばゆく輝いていること座のベガも、もやっぽい空で元気がありません。
(あっ、すみません。今回は手抜きでおりおんショットはありません。)

机上検討というのはオートガイドで星が東西方向にブレてしまう対策の検討のことなのですが、
その対策とは・・
すみません。興味のある方はこれまでの記事をご覧ください。(またまた手抜き)

リング星雲撮影中のPHD Guidingのグラフです。
露光時間4秒と長くして、Min moもこれまでの0.15画素から0.5画素と大きくしたのに・・
むろんこれで完璧に問題が解決するとは思ってなかったのですが、
それでも大気による星のゆらぎが平均化され改善効果はあるはずと思っていたのですが。
まったく 改善されていない。

当然、撮影した画像も
これは1枚画像ですが、見事に左右(東西)方向にブレています。
流れているのでは無く、ブレている、 
その証拠です。(5分露光の画像9枚を位置を合わせずにそのまま重ねたもの)
上下(北南)方向は少しズレていますが、1枚画像とほとんど位置は変わっていません。
ガイド結果のグラフを見ると、もっとはっきりします。
撮影画像では東西方向(グラフではRa赤緯)に大きくブレている星の位置も、1時間で8画素もずれていません。

空の条件も悪く星もブレた画像ですが、一応処理しましたのでご覧ください。

M57 リング星雲 (こと座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 ・・・・・ノートリミング画像 )
撮影DATA: 2014/10/ 17 21:05’~ VixenVC200L(f=1,800mm F9.0
露出 5分×9枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温10℃ 冷却オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7

これまでさんざん悩まされた機材のタワみによる星の流れは今回も抑えられていました。
ドン・キホーテ(改)」ガイドシステムの有効性を再確認できました。

しかし、ブレの問題はまたふりだしに・・


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このあとVC200Lにレデューサーを付けて、
焦点距離を短くして、
カシオペア座のバブル星雲付近を撮影しました。
その結果は次回記事で報告予定です。

雲上くもがみ
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